仮想と混ざりあったリアル   作:黒牙雷真

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カップルラーメンとバスケットサンド

キリトの提案で、俺たちはお互い昼飯をシェアすることになった。俺の昼飯はこの世界の食材を駆使して完成させた柚塩ラーメンである。

 

キリトは千葉県で滅茶苦茶辛いと評判の勝浦タンタン麺。それと辛さは最高ランクのインフェルノだ。

 

アスナは、手作りのバスケットサンドである。これは普通に美味そうである。いや、絶対に美味いに決まっている。

なんせ、昨晩のシチューも美味かったからな。

 

 

アスナ「それでは…………」

 

 

「「「いただきます」」」

 

 

キリト「かー、辛ら美味い!」ズルズル

 

ハチマン「俺はまず、アスナのバスケットサンドから」

 

アスナ「どうぞ、召し上がれ」

 

ハチマン「あむ…………んっ、これは!?」

 

キリト「どうした?」

 

ハチマン「この味はまさか!?いや、間違いない。照りマヨソースの味だ!!」

 

キリト「なに!?」

 

キリト「って、ことはアスナも醤油を?!」

 

アスナ「私もってことは…………」

 

ハチマン「…………」ズルズル

 

アスナ「ねぇ、ハチマンくん」

 

ハチマン「な、なんでしょう?」

 

アスナ「君、料理スキルいくつ?」

 

ハチマン「えーっと、800くら…「ダウト」……900です」

 

アスナ「でなきゃ、醤油なんて作れないもの。私も一年の修行と研鑽の結果。アインクラッドで手に入る約百種類の調味料が味覚再生エンジンに与えるパラメーターをぜ~~んぶ分析して、このサンドイッチのソースを作ったもの」

 

キリト「俺は料理スキルを持ってないから、凄いとしか言えないな」

 

アスナ「なら、キリトくんも取ってみれば?」

 

キリト「今更?それにスロットの空きが空きがありません」

 

アスナ「なら、しょうがないね」ズルズル

 

ハチマン「ちょっ、アスナ、それは!?」

 

 

アスナは話しに集中していて忘れているのか、キリトから分けてもらった激辛勝浦タンタン麺のインフェルノを何の躊躇もなく啜り食べた。

何故、何の躊躇もなく食べたかはリアルと違って、この世界は色がアレでも美味い食い物はあるからである。

 

そして、その結果…………

 

 

アスナ「ん"ん"~~っ!?」

 

アスナ「かひゃい!いひゃい!かひゃい~!!」バタバタ

 

ハチマン「ほら、これ飲め」

 

アスナ「………」ゴクゴク

 

 

俺はすぐにアイテムストレージからぬるめのマッカン擬きを取り出しアスナに渡す。すると、一気に呷り飲む。

 

 

アスナ「ぷはぁ~~。ありひゃとう、はちひゃんくん」

 

ハチマン「お、おう。だ、大丈夫か?」

 

アスナ「なんとか、でも、まだ舌がピリピリするよ。なんで、こんな辛いのキリトくんは平気なのよ………」

 

キリト「ん?俺はリアルでも家族に激辛飯を作ってたからな」

 

アスナ「そ、そんなんだ………。次はハチマンくんのラーメンを食べようかな」

 

ハチマン「こっちは辛くないから安心しろ」

 

アスナ「分かった」ズルズル

 

アスナ「美味しい!!」

 

アスナ「このブイオンスープと塩が女性に優しい味を引き出してて、尚且つ、柚の香りがフワ~っと鼻に香るからスープの油の臭いが気ならないから凄く食べやすくて美味しいよ!」

 

キリト「本当だ!めちゃくちゃ美味いぞコレ!!」

 

ハチマン「そうか。それは作った甲斐があった」ズルズル

 

 

ラーメンとサンドイッチの御披露目会を終えたあとは互いにシェアした昼飯を食べることにした。その際、アスナは勝浦タンタン麺のインフェルノに悪戦苦闘していた。

 

昼飯を食べ終えて少しした頃に俺たちがいる安全エリアの入り口から鎧をガチャガチャと立てながら入ってくるプレイヤーに少し警戒するも、そのプレイヤーの顔を見てすぐに肩の力を抜いた。

 

なんせ、入ってきたの腐れ縁のプレイヤーがギルドマスターを勤める。ギルド《風林火山》のクラインが率いるギルドパーティーだからだ。

 

 

クライン「おお、キリトにハチマン!しばらくだな」

 

キリト「まだ生きてたのか、クライン」

 

ハチマン「相変わらずの野武士面だな」

 

クライン「うるせえやい。お前たちも相変わらず愛想がないな。おっ、今日は珍しく二人じゃない……の……か………」

 

 

クラインは隣にいるアスナを見て固まってしまった。

 

 

キリト「あー………っと、ボス戦で顔は合わせてるだろうけど、一応紹介するよ。こいつはギルド《風林火山》のクライン。で、こっちは《血盟騎士団》のアスナ」

 

アスナ「どうも」ペコリ

 

クライン「…………」ポカーン

 

キリト「おい、何とか言えよ。ラグってんのか?」

 

 

キリトはアスナを紹介してから、まったく動かないクラインの顔の前で左右に手を振ると、クラインはいきなり姿勢正し、最敬礼気味に頭を下げ、手を前に差し出す。

 

 

クライン「こっ、こんちには!!く、く、クライン、24歳独身、恋人募集中です!」

 

キリト「…………」

 

ハチマン「…………」

 

アスナ「…………」

 

 

何故か知らないがクラインはアスナに告白紛いなことを口走るとキリトがクラインの肩に優しいポンポンと叩く。

 

 

キリト「クライン。諦めろ、アスナにはもう決めた人がいる」ポンポン

 

クライン「なにぃぃぃぃ!?」

 

アスナ「き、キリトくん!?///////」

 

クライン「そいつは誰なんだ!」

 

キリト「俺から言えるのは、変則型の片手剣士としか…………」

 

クライン「それって……だよな」チラリ

 

ハチマン「なんだよ?」

 

アスナ「キリトくんのバカーーっ!!」パシン!

 

キリト「ぐべらっ!?」

 

 

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