仮想と混ざりあったリアル   作:黒牙雷真

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やってくる面倒こと

アスナの『ギルドを休む』宣言から翌日。昨日の2パーティーでの第74層ボス攻略の所為か、まだ疲れが取れない俺はホームのベッドの上で二度寝をしようとお布団くんにくるまる。

 

 

ハチマン「…………」

 

 

すると、いきなりホームの玄関がドンドンドンッと殴る様にノックされる。その正体は相棒のキリトだった。

 

 

キリト『ハチマン!居るんだろう。開けてくれ、頼む!!』

 

ハチマン「なんだよ。朝から騒々しい。発情期ですか?このヤロウ」ガシガシ

 

 

銀髪で甘党の天然パーマの侍男の決めセリフを言いながら玄関を開けると何故か鬼気迫る様な顔のキリトがいた。

 

 

キリト「そんなことを言ってる場合じゃないんだよ!?何でか知らないけど昨日のことが情報屋に流れていて。それで情報屋やら剣士やらが俺のホームまで押し掛けて来たんだよ!?」

 

ハチマン「昨日って、俺たちの《二刀流》のことか?」

 

キリト「そうだよ!」

 

ハチマン「はぁ~。情報を流したのは十中八九、《軍》の生き残りだな」

 

キリト「だよな……。クラインたちは義理堅い奴らの集まりだから、むやみやたらに情報を流すとは思えない」

 

ハチマン「だろうな。それよか、キリト」

 

キリト「なんだ?」

 

ハチマン「その腹の虫を何とかしろ」

 

キリト「へ?」

 

 

──ぐきゅるるるる………。

 

 

 

キリト「ハチマン、本当に悪いんだが。何か飯を作ってくれるか?」

 

ハチマン「ったく。仕方ねぇな」

 

キリト「助かるよ」

 

 

その後、アイテムストレージにあった耐久値が切れそうな食材で適当に朝食を二人分作り。食べ終わると今後の方針について考えることにした。

 

 

キリト「これからどうする?」

 

ハチマン「どうするも何も、新しいホームを探せばいいじゃねぇか」

 

キリト「それはそうなんだけど……」

 

ハチマン「それか、リズに匿ってもらえよ」

 

キリト「え……」

 

ハチマン「なんだよ?リズとなんかあったのか?」

 

キリト「いや………そういう訳じゃないんだけど………。(ハチマンが鈍感で助かった)」

 

ハチマン「なら、エギル店にでも匿ってもらうか?」

 

キリト「それしかないよな……」

 

 

キリトの次の拠点がエギルの店に決まると、アスナからメッセージが飛んで来た。

 

 

ハチマン「アスナ?」

 

キリト「アスナがどうしたんだ?」

 

ハチマン「いや、アスナからメッセージが来たんだよ。内容は…………エギルの店に来て欲しいそうだ。キリトと一緒に」

 

キリト「これって…………」

 

ハチマン「絶対にギルドで何かあったな。何でこうも、俺の周りには次から次へと面倒なことが向かってくるんだ?」

 

ハチマン「俺は別に主人公体質じゃないぞ?そこら辺の村人AかBで良いのによ………」

 

キリト「いやいや。攻略組のトップダメージディーラーが何を言ってやがる………。(それに、アスナみたいな王道ヒロインを堕としてるくせに)」

 

 

アスナに呼ばれたのでエギルの店へ行くために玄関を開けると、そこには…………。

 

 

情報屋「「「「………」」」」ワクワク

 

剣士「「「「………」」」」」ウキウキ

 

 

ハチマン「…………」

 

キリト「…………」

 

 

 

─────バタン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リズ「プッハハハハハハ!!」机バンバン

 

リズ「それでアンタたち、転移結晶まで使って此所に逃げて来た訳?」

 

ハチマン「そうだよ」

 

キリト「悪いかよ」

 

リズ「アハハハハハハ!!あー、リアルだったら絶対に笑い過ぎてお腹が痛くなってわ、これ」

 

 

まさかの俺のホームまで野次馬たちが押し掛けてくるとは思わなかった俺たちは、玄関を開き野次馬を見た瞬間に玄関を閉め。転移結晶を使い。転移門広場からエギルの店へ全力疾走で逃げてきたあと。偶々、エギルの店に居合わせていたリズに机を叩かれながら笑われているのである。

因みにだが、俺たちを呼んだ張本人であるアスナは、まだ来ていなかった。

 

 

エギル「『軍の大部隊を全滅させた青い悪魔。それをコンビで単独撃破した。白い閃光と紅い閃光を放つ二人の二刀流使いによる五十連撃』………」

 

エギル「こりゃあ、大きく出たもんだな!フッハハハハ!!」

 

キリト「尾ひれが付くにも程がある………」

 

ハチマン「まったくだ。あのソードスキルは、二つとも五十連撃もない。十六連撃なのに、軍の奴らめ…………」

 

リズ「それはアンタたちの自業自得でしょう。アレは私たちだけ秘密だーって言ってたのにバラしちゃったんだから」ニシシシ

 

ハチマン「…………」

 

キリト「…………」

 

 

リズの言葉に反論が出来ないで居るとエギルの店の一階に繋がる階段から勢い良く駆け上がってくる足音が次第に聞こえて、扉が開く。

 

 

 

アスナ「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

キリト「よう、アスナ。遅かっ………どうしたんだ?」

 

ハチマン「…………」

 

アスナ「どうしよう、二人とも。大変なことになっちゃった……」涙目

 

ハチマン「大変な………」

 

キリト「こと?」

 

 

俺とキリトはお互い顔を見合わせてキョトンとしたあと。今にも泣きそうなアスナを慰めてからアスナに何があったのか聞くと────

 

曰く、アスナがギルドから一時脱退するには、俺たちの二人の立ち会い…………つまりは、デュエルで勝てば認めるとのことらしい。

 

 

アスナ「それに、団長がハチマンくんに……『あの時(50層)の貸しをここで使わせてもらう。君には必ず応じてもらうよ』……だって」

 

ハチマン「あの野郎…………」

 

キリト「あははは。ハチマンの思考が読まれてら……。でも、珍しいな。あの男が、そんな条件を出して来るなんて」

 

アスナ「そうなのよ。団長は、普段ギルドの活動どころか、フロア攻略の作戦とか私たちに一任してて、全然命令とかしないの。だから、今回は異例のケースなのよ」

 

ハチマン「まさか、ユニークスキル持ちを入団させてギルドの戦力強化?」

 

アスナ「え?」

 

キリト「え?」

 

ハチマン「いや、ヒースクリフの奴は以前に俺たちに《血盟騎士団》へのスカウトをしてきたろう?だけ、俺とキリトはそれを蹴った」

 

キリト「ああ」

 

ハチマン「だから、この際にデュエルで俺たちが奴に負ければ、俺たちの血盟騎士団への入団。勝てば、アスナの一時脱退。ふと、そんなことが頭に浮かんでな」

 

キリト「多分、ハチマンの考えで正解のはずだ。74層のフロアボスをレイドを組まずに攻略できる突破力が欲しくない訳がないからな」

 

アスナ「ってことは……私は人質?」

 

ハチマン「そうなんだろうな」

 

アスナ「そんな………」

 

キリト「で、でもさ。要は勝てばいいんだろう?それなら…………」

 

アスナ「そんなの無理だよ……。二人の二刀流スキルを見て、次元が違うって思ったけど。団長のは、また別の次元の強さ」

 

ハチマン「攻防自在の剣技に、あのガードの固さ。噂では、ヒースクリフのHPがグリーンからイエローに変わった瞬間を見たことがないそうだ」

 

キリト「マジかよ…………」

 

ハチマン「取り敢えず、奴の根城に行けば。デュエルをするのかしないのか分かることだ。いくぞ」

 

キリト「そうだな。行こうぜ、アスナ」

 

アスナ「うん…………」

 

 

自分が俺たちの人質にされていることにショックを受けたアスナを連れて、俺たちは血盟騎士団のギルド本部がある。第55層のグランザムへと向かったのである。

 

 

 

 

 

 

 

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