この小説は、基本駄文です。
パロディやネタも多いので、見る人を選ぶかもしれません。
それでも見てやろう! と言う方は、見て行って下さい。
魔王に平和は似合わない? んな訳ねーだろ、と言う話
かつて、次元世界を二分する程の勢力を持ち、魔法を極めんとしたベルカと呼ばれた世界があった。
その歴史の内で、ベルカを消滅させたと言われる戦乱期があった。
数多の王や武門、魔導が乱立し、互いに鎬を削り、殺し合い、そして最後には全てが潰えて行った時代。
その中でも、最も力を持ったとされる王達がいた。
聖王オリヴィエ。
覇王イングヴァルト。
冥王イクスヴェリア。
しかし、ベルカには更に強大なる王がいた事は、余り知られていない。
何故知られていないのか?
答えは簡単。
余りにも強大、余りにも邪悪、故に語られる事が憚れる程の存在として、その王の記述は闇に葬られ続けてきたからである。
だが、歴史は常にその王を捉えて離さない。
結局、現代までその王は言い伝えられてきた。
多くの歴史家と伝承者、そして記憶の継承者達によって。
しかし先人達が求めた、正しき過去を伝える歴史書ではなく、単なる御伽噺として。
その御伽噺の内容はこうだ。
かつて、ベルカに数多の魔道を齎し、ベルカの最盛期を築いたクロスヘイムと言う名の王がいた。
クロスヘイムは、民や他の王に惜しみなく自身の魔導を見せ、分け与え、共に研鑚し、数多の武具や武術、そして魔法を生み出す手助けをした。
人々は、彼を人中の王クロスヘイムと呼び慕い、国中で王を称える声は絶えなかったと言う。
しかし、ある時を境に、その評価は一変する。
それは、徐々に各地で細やかな争い事が連続して起こり、次第にそれ等の規模は大きくなり、王族が各地を自由に巡り、王族同士の交流も頻繁に為されていた程に平和だった時代は、急転直下の終わりを迎えた頃の事だ。
何と、その戦乱を開いたのは、人中の王クロスヘイムの謀略であったのだ。
クロスヘイムは、世界に多くの新たな術が満ちるのをずっと待ち続け、そしてその地で新たに多々生まれた魔導の全てを奪い去り、我が物にしようと企んでおり、その準備が整うまで善君の振りをして、人々をずっと騙し続けていたのだと。
騙されていたと知った人々は怒り狂い、次々と彼を罵り、たった一晩の内に、クロスヘイムは唯一人、世界の敵となった。
多くの王が、武人が、クロスヘイムを討たんと立ち上がり、クロスヘイムはその全てを受けて立った。
たった一人のクロスヘイムに比べ、数で勝る討伐者達の優勢は絶対であると思われた。
だが、クロスヘイムは桁外れに強かった。
ベルカに魔道を齎した凄まじき力、その総てを駆使し、クロスヘイムは討伐者達を悉く殺戮し、クロスヘイムが通った場所は何一つ残らぬ死の大地と化したと言う。
それ故に、人々は畏怖と憎悪を籠めて、クロスヘイムを最悪で最強で最低な、【王】とさえ呼ぶのも汚らわしい悪逆非道の怪物『魔王』と呼んだ―――
御伽噺の最後はこう締め括られている。
ベルカはクロスヘイムの手によって崩壊し、王達の時代も終焉を迎えた、と。
己が生きてゆく世界を失った魔王は、虚数の海へ落ちて果てた、とも。
何とも救いの無い話。
だが、この話は間違いだ。
何故ならば、クロスヘイムは生きているからだ。
しかも。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃいませ、おぼっちゃま」
「・・・ウォーダン、やっぱりちょっと変じゃないかしら?」
「いえ、奥様。 私はあくまで執事でございますが故」
「でもねぇ・・・」
「別にいいだろプレシア、別に誰かに迷惑をかける訳でもなし。
ウォーダンが好きでやってるんだから・・・お、このマーマレード旨いな」
「はい、自分でオレンジを買って来て、自作してみたんです」
「見事だリニス、今度マタタビを買ってこよう」
「い、いえ、結構です」
「リニス、目をキラキラさせながら言っても、説得力は皆無です」
「も、もぅ! ウォーダンったら!」
「おっと、失礼。 お嬢様方、そろそろ時間です。
転校初日に遅刻は些か印象が悪いのでは?」
「げっ!? やばっ! フェイト、急いで準備しないと!」
「お姉ちゃん・・・準備は昨日の内に終わらせておこうよ・・・」
「うぐっ、出来る妹でお姉ちゃんは悲しいー! ウォーダン!」
「はい、承りました。 では、車を出しましょう」
「ありがとねー!」
「あっ! アリシア待ちなさい! 牛乳をちゃんと飲まないと大きくなれないわよ!」
「平和だ・・・」
「平和ですねぇ・・・戦乱の時代を懐かしむ事になろうとは、人生分からない物です」
「だな、魔王と呼ばれていた頃が懐かしいか?」
「まさか、未練等ありませんよ。 では」
平和な家族の一員として。
これは、魔王と呼ばれていた男が手にした幸せと、その周りを彩る人々の物語である。
うむ、卒論と就活のストレスから解放されたいが故に書いただけのことあって、短い、分かり辛い、ですね。
次の更新が何時になる事やら解りませんが、では。