「───」
何かが聞こえる。
何かに呼ばれているような。だけど周りは真っ暗だ。どこを見ても真っ暗だ。
「──────!」
石柱を壊せ? 訳がわからないけど、それをしてほしいの?
真っ暗の中で聞こえる音の訴えが何故かわかった気がした。
その音が聞こえるたびに、体を這う植物も奇妙な、なんでか怯えてるように感じた。植物に意思なんてものがあるはずないのに。
しかし、もしも意思があるとして、そしてその音に怯えているのであれば、音に従うのもいいかもしれない。こんな植物は苦しませるべきなのだ。
「───、──────!」
石柱を壊せ。
赤と黄色、そして青が守る石柱を壊せ。そう訴えてきている気がする。なんで壊す対象が増えてるんだ。
真っ暗な中、本来見えないはずの世界の中で、黒い影がうごめき形を作る。
巨大な体格に、不気味に光る黄色い眼。
さらに植物が怯えたのがわかった。ということは、この黒い影は味方だ。
黒い影の元へいけば、植物は苦しむはずだ。
そう思い、一歩足を踏み出そうとして───
「間抜けな寝顔を晒してないでいい加減に目覚めよ。よだれなどたらして見苦しい」
「何見てるの!?」
聞こえてきた声に思わず跳ね起きた。
「ほぁ!? ここは!!」
「ここは汝の部屋だ。いつまで経っても起きぬから、この我が起こしにきたのだ」
「あ、あれ? 影は? 音は?」
「何を言っている」
「夢……?」
なんだか奇妙な夢を見た気がする。
石柱を壊せって、昨日孔雀亭で見た……うう、不気味すぎる。
「はやく支度せよ。もう昼と言ってもいい時間だ」
「へ!? うそぉ!?」
壁にかけられた時計を見れば、時間は11時。
地下二階の集合時間は13時。残り二時間。
寝すぎた……! 昨日一昨日と連日かなり疲れてたからだ……!
「す、すぐに支度する!!」
「当然だ」
慌てて服を着替えようとして、動きが止まった。
「イシュ」
「なんだ? はやくせよ」
「いや、出てってもらえないですか?」
「なぜだ」
「着替えるから」
「それはわかっている」
「じゃあ出てってもらえません?」
「だからそれはなぜだ」
おぅふ。
やっぱり人をやめてるよイシュは。
「あーもう、イシュは女の子、イシュは女の子、イシュは女の子……」
自己暗示をして思い切って着替え続行だ。イシュの説得なんて無駄だとわかっているのだ。
「我の性別は」
「少し静かにしてください」
「む……まあよい」
今は訂正なんていらないのだ。
自己暗示のためにもいらないのだ。
「……足にも侵食が始まっているな」
「…………」
着替えている最中に言われた言葉は、目をそらしたいことでもあった。
太ももにまで植物の範囲が伸びている。
あの変な夢を見たことによって、植物が萎えて枯れてたりしないかと思ったが当然そんなことなく、むしろ勢力拡大中だ。
っていうか、着替えガン見されるのはちょっと自己暗示かけてもきついんですが。
「……イシュって、何年ぐらい生きているんですか」
「む? 千年は超えているな。それがどうしたのだ」
「……せんねん」
ということはやっぱりすごいお爺ちゃんなのだ。そうだ、だから気にすることはないはずだ。
それにそもそも時間がない。急がないとなんだ。
着替えをすませ、麦パンをいくつか鞄に放り込む。
ご飯は移動中の気球艇だ。
二本の水筒に飲み水をいれるため井戸にも走る走る。
「イシュは先に気球艇を飛ばす準備しておいて!」
「うむ、忘れ物はないようにな」
イシュに先に行ってもらうよう促し、あと必要なものはなんだ。
地図、図鑑、ペン、インク、鞄、パン、水筒、えとえと。ナイフもワンドもある。あとは石柱を破壊するための何かいいものないかな。金槌とかでいけるかな。あ、そうだそれより、
「笛だ!!」
作戦時に必要な白い笛だ。
危ない、思いだせてよかった。きっと遭遇しないだろうし笛なんていらないさーとか言う人に限って遭遇するのが世の常なのだ。
だからこの白い笛はある意味お守りにもなりえる。そんな気がする。
これで忘れ物はないはず。次は急いで街門まで……イシュに荷物ちょっと持ってってもらえばよかったかも。
後悔先に立たず。とにかく今は街門まで行くしかないのだ。
気球艇ノアにて上空に上がってから気づいた。
「医薬品忘れた……!」
「だから言っただろうに……だが医薬品など不要だ」
簡易手当が可能なのと不可能では大きな違いがあるって聞いたのだ。今までずっと鞄に入れっぱなしだったのに、なんで出してしまったんだろう。そしてなんでそのままにしちゃったんだろう。
イシュには医薬品なんて不要かもだけど、私は一般人なのだ。やや植物になっているけども、一般人なのだ。
「それより、間に合いそうですか……?」
「きわどいところだな。だが遅れたところで支障はたいしてないだろう。参加ギルド数が少ないとはいえ、兵士もミッションに参加しているのだ。何人かが駆り出されるだろう」
「それでも申し訳なさが……」
「寝坊となればな───馬鹿な……」
責めるようなイシュの口調が戸惑いのような、疑念のような、違う口調へと変化した。
麦パンを頬張りながら同じ方角を見ると、そこには
「赤竜……!?」
「何故こんな場所にも……」
風馳ノ草原に覇者として君臨する、偉大なる赤竜。遠目から見てもわかる、理不尽の塊。
その竜がどんどんと近づいてくるのだ。
「イシュ! あれは挑んじゃダメ!!」
「わかっている!」
圧倒的な巨躯からは考えられないほどの早さで空を飛ぶ赤竜。
気球艇よりもずっとはやーい……
このまま飛んでも追いつかれるのは決まり切っている状態だ。赤竜の進路上にたまたまいるからこうして危機がきている。なら、進路上から外れたらいい。イシュも同じ判断をしたのか、横切るように進路変更がされた。
「なんで!? こっちにどんどん近づいてるんだけど!?」
赤竜もあからさまに進路を変えてきた。
赤竜を見た時は進路に入っちゃダメと聞いていたけど、入っても進路から外れたら問題ないとも聞いていたのに、なんだこいつは。
「ひぃぃ!? イシュゥウ!!」
「赤竜、か。偶然発生した存在ではないのか……ハイ・ラガードの世界樹にもいたことを考えれば、世界樹に生み出された存在ということか?」
「イシュまで取り乱さないで!?」
今考えることではないでしょうに。現実逃避しているようにしか見えない。
赤竜は気球艇に追いついたと思えば、その場で滞空しながらこちらを睨んだ。
なんでこんなに執着してるんだ。私たちは普通の冒険者なのに。いや、イシュか、イシュなのか。古代人パワーが赤竜を呼び寄せたのか。
混乱しているこちらをよそに、赤竜が動きだす。
赤竜の額が赤く輝きだしたのだ。赤い輝きがどんどんと広がり、気球艇に乗っている私たちにまで光に呑み込まれた。
「む……!?」
「ひぃ……」
光に呑み込まれたけどなんともない。なんともない感覚だけど、今変なのが出てきた。
私の体からどういうわけか黒い靄みたいなのが、飛び出てきた。
黒い靄はまるで風に飛ばされるように気球艇から、そして赤竜からも離れていく。
その靄を赤竜は追いかけ、そして──────
まるで太陽のような、直視できないほどに明るく、触れれば影すら残さないような夥しい業火を吐き出し、黒い靄を完全に消滅させた。
靄が消えたことで満足したのか、赤竜はどこかへと飛んでいった。
「……な、なに今のぉ……」
「わからぬ……むしろ我が一番聞きたい。汝の体から出たあの黒い空気はなんだ」
「わかるわけないよぉ……」
なんだったんだろう。本当に。
「しかし赤竜がいるとなれば、ほかにも竜がいそうだな」
「この辺りじゃ赤竜以外は聞いたことないけど……」
「ハイ・ラガードの世界樹にも竜がいたのだ。あんな種が何体もいるとは考えにくい。世界樹が生み出した存在の一種かもしれぬ。もしもそうであれば、雷竜と氷竜がいるはずだ」
「あんなのが、あと二体も……」
冷汗が気持ち悪いくらい出た。
そんな竜が複数いるというのは考えたくない。世界樹に関係する生き物だとイシュは言うあたり、遭遇する可能性は冒険すればするほど高まるということだろう。
あ、っていうかそれよりも!
「碧照ノ樹海! 進路外れちゃってるよ!!」
「む、そうだったな」
赤竜との遭遇で色々頭から飛んだけど、これもう遅刻確定だ。
でも言い訳としては赤竜のせいだし。私のせいじゃないし。だからセーフだ。心証的にはセーフのはずだ。
だから落ち着いていくのだ。
落ち着くために水筒を取りだそうと鞄をあさり、違和感を覚えた。
「んんー? なんで金槌なんて鞄に入れてるんだろ」
慌てすぎてたからだろうか。鞄に金槌をいれた理由が一切思いだせない。
いくら考えても何故いれたか思いだせないので、金槌は気球艇に置いていくことにした。邪魔だしね。
碧照ノ樹海に気球艇をつける。現在時刻は午後1時。言われていた集合時間である。
ただし集合場所は樹海の地下二階である。遅刻しているのである。つらいのである。
「お前たちは、たしかニーズヘッグだったな。もうミッション開始の時間だぞ」
「はいぃ! 赤竜が邪魔してきたんですー! すぐ地下二階へいきますー!」
地下への入り口に待機している兵士にすれ違いながら事情を話して一気に通り抜ける。
「急げば30分程度だな。そのペースで汝の体力はもつのか?」
「無理! かなりきつい!」
「……我がおぶってやろう」
「お願いします!」
普段なら遠慮するところだけど、今はその言葉に甘えるとしよう。
って、え。
イシュがそんな優しさを見せてきたとは。
「えぇ!?」
「なんだ。早く行くぞ」
「あ、はい」
イシュにおぶられながら、樹海の地下を駆け巡る。
その景色の中に、昨日と違う点はあまりない。
いや、心なしか魔物の数が少ない気がする。
「兵士の一団の効果……?」
「魔物の数のことなら、おそらくそうであろう。団体に刺激されてあぶりだされた魔物が排除されたのだ。露払いとしては上出来だろう」
これなら早くつくかも。
まぁ早くついたところですでに遅刻だけど。
抜け道を通り、地下二階への階段を駆けおりる。
おぶられながらの階段ってなかなかこわい。おぶってくれている人の体格によって、安心感が違うというのもあるかもしれない。
イシュは怪力だけど……体格がいい方ではないし。
階段を降りきった。話ではそこが集合場所なんだけど……
「……やっぱり誰もいない」
待っててくれないかなーとかちょっぴり期待してたけど、そんなに甘いことはなかった。
イシュの背中から降ろしてもらう。もう開き直っていこうとか考えたわけではない。ただおぶられている姿を見られるのが恥ずかしいと思ったからだ。
この先は兵士がいっぱいいるだろうしね。
「イシュ、どうしましょう。北の担当区域ってもう代わりの誰かが行ってそうだし……」
ギルド長が渡してくれた地図をひろげる。何度見てもひどい塗り方だ。地図はもっと大事に扱わないと。こんな風に扱う神経が全く理解できない。
「イシュ?」
イシュは地図に目もくれず、三叉路で立っている。
「作戦は失敗したようだ」
「え?」
三叉路の西と北を見てイシュが言った。
その言葉で一気に不安が押し寄せる。
地図を折り畳んで鞄にしまい、イシュのいる場所まで進む。
足を進める度に、少しずつ鼻につく臭気に気づいた。
それは、濃厚な血の香り。
その中に妙な甘い香りが混ざっている。
「どこかで嗅いだような……」
「兵士が後ろで支援を行う手筈だったのだろう。だが、その後ろに潜んでいたようだな」
「……!」
北にも西にも、鎧や剣が散らばっている。それと、人だったモノが。
「ほ、他の人たちは!!」
ワールウィンドさんやウィラフさんは大丈夫なのか。
親しくなった人たちの安否で頭がいっぱいになった。
「落ち着くのだ。目の届く範囲には兵士の死体しかない」
「……でも今ごろ、後ろから奇襲を受けてるんじゃ!」
「だろうな。それで、汝が慌てたところでなんになる」
「……っ!」
「本来であれば汝の好きにさせるが、汝は我の被検体。ゆえに、勝手に死ぬのは許されぬ」
「…………はい」
腕を捕まれて引っ張られる。
そのまま北へ北へと足を進めるイシュ。たしかこの道の北は行きどまりだったはずだ。
「イシュ? この先は行きどまりですよ? 今は熊の魔物の退治をしないと……うぅ……なにこの甘いにおい……」
「背中からやられた兵士の位置を見るに、この先から奇襲を受けたはずだ」
「……」
北に行けば行くほど、血の香りより甘い香りのほうが強くなってきた。
「きつ……」
「甘いにおい、というやつか?」
「イシュは何もにおわないんですか……」
「臭気を感知する機能はつけていなかったようだ。以前の我は不要と考えたようだな」
行きどまりまで来ると、においはピークに至った。むせそうなほどに甘い。いるだけで胸焼けを起こしそうだ。
「ここの藪に潜んでいたようだな。それと、倒木も使って姿を隠していたか」
あたりに散らばるのは裂かれた倒木や枝などなど。自然破壊のごとしだ。
残骸を見ながら隠れている姿を想像する。
そこの藪に隠れるにはあの巨体では隠れきれない。そばの倒木を使って、はみ出た体も隠せば樹海の景色の一部となる。
魔物なのに知恵が回りすぎだ。他の魔物とは全然違う。
「甘いにおいを追うことは可能か」
「無理ですよ……犬じゃないんですし」
「ふむ。ではひたすらに奥へ行くしかないか」
イシュは分岐路まで戻り、今度は西へと進み始めた。
「……」
兵士の死体を供養することはできない。
供養している時間がもったいない。もしかしたらまだ生きている人たちが奥で戦っているかもしれないのだ。
死体も見えなくなってからだった。
獣の大きな咆哮が聞こえたのだ。遠く離れているはずなのに、心をざわつかせるような叫び。
音の方角はさらに西。
「イシュ!」
「慌てる必要などない。それよりも声を抑えよ。我は問題ないが、汝の体では容易く死を迎える」
熊の魔物にいつの間にか後ろをとられてしまう可能性があるのはわかるけど。
「でも交戦中ですよ! 今から駆けつけたら───」
助けるのが間に合う? ダメだ。そんな言葉でイシュは動かない。
イシュを動かすのであれば───
「赤熊と戦えるかもですよ!」
「落ち着くのだ。慌てなくとも赤熊とは探索を続ければいずれ遭える」
戦いではダメか。
なら……それなら───!
「イシュのすごい戦いぶりを見たいんです! そして見せたいんですよ他の人に!」
私は何を言ってるんだ。
いくらイシュがチョロいとはいえこれはない。苦しすぎる。
「……」
「……えっと、今のはその」
さすがに怒っただろうか。我を利用するなどーって感じに。
「ふむ、我以外に頼れるものがいない、か」
「そ、そうです!」
「少しばかり赤熊との予定を繰り上げてもよいだろう。走るぞ」
そう言って私の手をつかみ、イシュは走り出した。
……さすがにチョロすぎない?
走りながら進路上の魔物を切り裂いていく。
なんだか通り魔のようだが、そんなことを考えると普段やっていることなんて強盗のようなものだ。
惜しむべきは斬り捨てられた魔物の素材が回収できないことだ。大きいボールアニマルとか見たことなかったのに……
進めば進むほど、様々な音が聞こえてくる。
熊の咆哮、金属質なものがぶつかり合う音、人間の掛け声、木々の倒れる音。
隣のフロアだ。今の位置がもうわからない。渡されていた地図の範囲外なのだ。ここまで描いている余裕もなかった。
「面倒だ」
「イシュ!?」
手を離したイシュは木と茂みの壁に向き直り、剣を構えた。
もしかして樹海の壁をぶち抜く気じゃ……
「雷鳴と我が身」
剣が雷をまとい出す。そのまま大きく振りかぶり、
「山行水行」
……デタラメである。
森の破壊者と同じことをやってのけるとか、どういう力なのだ。
雷とイシュの怪力によって、木々が乾いた破裂音を大きく響かせながら薙ぎ飛ばされる。
デタラメだけど、これで一気に短縮だ。
「君たち!」
「アルメリア! イシュも!」
ウィラフさんとキルヨネンさんだ。
他にも以前、熊の群れと一緒に戦った人たちが何人か見えた。
「森の破壊者がまた来たのかと思ったじゃない!」
「赤熊はいないのか」
森の破壊者が三頭。人とは思えない乱入の仕方に驚いているのか動きが止まっている。
「ウィラフ!」
「わかってる!」
まるで踊るような動きでウィラフさんの剣が振るわれる。舞うかのように。
戦闘しているとは思えない、まるで舞踊のような動きはとても綺麗で、流れるように森の破壊者の眼を切り裂いていく。
え。
こわ。熊も魅入ってしまっていたようだけど、気づいたら眼を斬られるとかこっわ。
「……如く舞う」
残った破壊者に向かってイシュが駆け出す。その勢いのまま踏みつけるように蹴りつけ、空中に翔び、落ちながら何度も斬りつけていく。
「相変わらずの化け物っぷりね……」
その化け物みたいな人、すごくチョロいんですよ。とは言わないでおく。
それよりも
「他の人たちはどこに……?」
聞いてた話では私とイシュを含めて15人。ミッションの参加人数だ。
だけどここにいる冒険者風装いの人数は11人。
兵士も何人かいるので兵士を含めたらもっといるが。
私の質問にたいして、キルヨネンさんが状況を説明してくれた。
なんでも、赤熊と遭遇して追い詰めたと思ったら突然背後や横の木々から森の破壊者が群れをなして襲ってきた。その混乱によってギルドがひとつ、ほとんど壊滅。兵士もかなり散ったらしい。
「そのため多くが犠牲になったよ……僕がいながら……」
「キルヨネンのせいじゃないってば。それより、笛を吹いても来るのは兵士ではなく森の破壊者ばかり……アルメリア、他の兵士を見なかった?」
「二階の入り口にいた兵士は……全滅でした」
「そんな……全滅……?」
信じられないといった表情で、そばにいた別の兵士が呟いた。
「……血の裂断者のほうが上手だったってことか」
「一旦引き返した方がいい。これ以上は僕らも同じように全滅してしまう」
「わ……ワールウィンドさんもやられたんですか?」
この場にいない人物の名をだす。死体のなかにもいない。あの人はイシュと渡り合えるほどの実力者だ。やられるなんてイメージがない。
「ワールウィンドは、血の裂断者を追い掛けてひとり奥に行ったよ。危険だと止めたんだが……」
「あの人なら大丈夫だよ、アルメリア。森の破壊者を軽く斬り捨てながら一気に行っちゃったからさ」
追い掛けて、奥に……
「赤熊は奥か。行くぞ、アルメリア」
「はい」
「行く気なんだね……ま、ワールウィンドのこと、頼むよ。私たちは街まで引き返すよ。……殉職した兵士の認識証を持って帰ってあげないと」
「お願いします」
一瞬、私も街に戻るべきかと思ったけどイシュが私を呼んだのだ。それならついていくのみだ。
それにイシュとワールウィンドさんだけでは喧嘩してしまいかねないし、仲裁役だ。
血の裂断者よりも、二人の仲裁役のことを考えると疲れてしまうあたり、私もイシュのチョロさを笑えなさそうだ。
イシュがあの赤熊に負ける気など、一切しないほど信じてしまっているのだから。
戦闘中に踊るとは何事か!みたいな頭の固い私なんです。なのでウィラフさんは踊っているかのように戦う的な方向にチェンジ。
そしたら自然とバーローの如く舞うが対抗心でもわいたかのように出てきました。
あ、あと前回に引き続き裏ボス関係だしてます。でもまあ、しばらくは出ません。
ゲームと違って独自設定入ってるので、なんだかなあって感じられるかもですが、一応しばらくは出ないので……
そういえば今さらですが、アルメリアの口調は基本的に丁寧語です。でもテンパったり慌てたり、何かとボロが出たときは崩れていきます。あと心のなかでは丁寧語はあまりでないのです。