原作曖昧者に転生は厳しい 兵藤一誠   作:ジーザス

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案外早くに書けちゃいましたね。なんで?


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オッス、みんな元気か?俺は元気だぜ無事に転生悪魔になれたからな。だが困ったことに夕麻とは会えていないのが現状だ。

 

3日間至る所を探し回ったけど無駄骨だったよ。もう一回会いたいよねあれだけ美少女と3時間デートしたらそこらの女性とは不可能だよね。

 

というわけで転生悪魔になった俺は朝が極端に苦手になった。日光は肌に刺さるみたいだし体が幾分か重い。でも逆に夜はフィーバーだよ。

 

だって体の内側から沸き上がってハイテンションになるんだもん。

 

とまあ、このことは置いておいて今は登校中だ。いつもの3人で歩いていると元浜がメモ帳に何かを書き込んでいる。

 

覗き込み少しばかり興味を持った俺は見なければ良かったと後悔した。

 

何故なら元浜が書き込んでいたのはカレンダーの欄に朝、昼、夜に三分割してパンチラ数を記入していたのだ。

 

それは今に始まったことではないらしく、目覚めたその日から付けていると下品に顔を崩しながら松田がいらない情報を与えてきた。

 

取り敢えず人間程度の力で松田の顎をアッパーで狙い打ち元浜の顔を眼鏡と共に殴っておいた。

 

元浜の場合、1日に眼鏡が何個か割れるのは日常茶飯事なので常に複数持ち歩いている。そのため気兼ねなく壊すことが可能だ。

 

 

 

そして教室。

 

いつも俺の席に集まって会話をするのだが今日は幾分か気合いの入った顔で立つ松田に嫌な予感がした。

 

そしてそれは現実のものとなる。

 

「いいもん手に入ったぜ」

 

松田が鞄を開けて中身を惜しげも無くさらし鞄の中身を置いていく。ドカドカと机に積み上げられていくのは見るからに卑猥な本やDVDだ。

 

「「ひっ!」」

 

遠くにいる女子生徒と俺の声が重なり俺は後ろ向きに椅子から崩れ落ちた。ギギギギギと油を塗らなければならないような動きで首を回し遠くの女子に懇願する。

 

「俺は何もしてないよな?」

「…うん、兵藤君は何も。悪いのはあの2人っ…///」

 

顔を真っ赤にして俯いてしまった。そりゃその反応するよね朝からこれだもん。

 

こんな刺激が強すぎるもの俺だって逃げ出したいぜでも逃げ出したらこいつらと絶交する可能性があるわけだ。

 

そこまでとは言わなくてもそれだけは避けたい。

 

だって昔からの友人だったんだぜ?転生者とはいえ友達減るのは嫌だもん。

 

ここ駒王学園は元々女子校だったわけで今も全生徒の七割が女子生徒である。クラスに男子は10人いるかいないかという状態だから2人に絶交されてもすぐ仲良くなれるはずだ。

 

でもそれは嫌だよね長年の友達失うのはさ。

 

「わかったから寝かせてくれ。俺は寝不足なんだ」

 

机に積み上げられていた卑猥な本やDVDを男子生徒に向かって放り投げると、松田と元浜以外の生徒が我先にと獲物へと群がっていく。

 

「あ、くそ!俺の秘宝がぁ~!」

「イッセー許すまじ!」

 

秘宝かよあれが…。じゃあ、公共の場に持ってくんなよな~。獲物を取り合っている俺以外の男子生徒に向かって女子生徒はとてつもなく冷え切った視線を向けている。

 

もはや人間と認識されることはないだろう。またこの様子は同級生だけでなく上級生にも下級生にも流され俺のクラスの男子が迫害されている図が脳裏に浮かぶ。

 

「南無三、松田と元浜よ。俺は『これまでのお前たち』を忘れないさ」

 

「非売品だぁぁぁ!」「プレミアものだぁぁぁ!」「触るな触れるな近付くな!この外道共がぁぁぁ!俺の宝持って行くんじゃねえぇぇぇ!」

 

血気盛んな男子生徒と松田の心からの叫びをBGMに俺は眠りについた。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

その日の夜、俺は家の近くの公園で缶ジュースを片手にベンチでぼけーっとしていた。ここは夕麻に否、「堕天使 レイナーレ」に「二度目」の死を与えられた場所だ。

 

今思うとあの悲しげな表情が浮かび胸が締め付けられそうになる。それだけ俺が彼女を好きだったということだ。

 

ふっ。

 

背中に何者かの気配を感じ振り向くと黒い翼を生やした男が立っていた。

 

「コスプレ?変質者?」

「なわけあるか!本物だこれは!」

「おお…」

 

本物と認識して貰えず怒り狂っている男の威圧に称賛したくなる。

 

「お前の主は誰だ?まさか『はぐれ』ではないだろうな?」

「俺は『誰』のかは知らないけど『悪魔』なのは事実だ」

「ほう、ならば消してやる『はぐれ』であると認識して貴様を処分してくれよう。それならば『勘違い』で殺したと言い訳が立つものだ」

 

両手に光の槍を出現させた男は連続で投げつけてくる。弾切れはないらしくいくら避けても途絶えることなく飛んでくる。

 

この程度の敵ならば素手で殴れば消滅可能だが、ここは敢えて「原作通り」の流れにもっていくためにわざと左足に光の槍が刺さるのを演じる。

 

「ぐあ!」

「痛かろう?光は貴様らにとって猛毒だからな。弱体化させて潰すのもいいが何しろここは『あの方』の縄張りでゆっくりするわけにもいかんからな」

 

男が特大の光の槍を投げつけようとした瞬間、鮮やかな紅の髪が宙に舞った。

 

「その子に触れないでくれないかしら。私の『眷属』だもの墜ちた天使さんには触れさせたくないの」

「紅い髪…グレモリー家の者。ここは撤退するべきであるな私では貴女に勝てる見込みがない」

「潔くて結構です。この町は私の管轄なの次ここに無断で侵入すれば容赦しないわ」

「我が名はドーナシーク。『眷属』の放し飼いは気をつけることだな」

 

ドーナシークは黒い翼を羽ばたかせて漆黒の夜空に溶けるように消えていった。すると紅い髪の女性と黒髪の大和撫子のようにお淑やかな雰囲気を醸し出している2人が俺に近付いてきた。

 

「怪我は左足だけ、よくこの程度で済んだものね」

「あらあら、逃げるのが上手いのか身体能力が高いのかわかりませんね」

 

紅い髪の女性は陥没した公園の地面と俺の怪我した左足を交互に見ながら安堵した表情を浮かべ、もう1人は楽しそうに笑みを浮かべながら俺の左足を治療して包帯を巻いてくれた。

 

この程度の傷であればすぐ治せるけど疑われては困るから今は使わないでおこう。

 

「助けて頂いてありがとうございます」

「どういたしまして。でも私の『眷属』なのだから助けるのは当たり前よ。それから初めまして私は駒王学園3年リアス・グレモリー。貴方の先輩であり主よ」

「同じく3年の姫島朱乃よ」

「初めまして1年の兵藤一誠です。リアス先輩、俺は貴女の下僕ということになるのでしょうか?」

 

何も知らない風を装って聞いてみる。

 

「そうだけど私からしたら『眷属』は家族よ」

 

さすがは「情に厚いグレモリー家」である。「原作」と何も変化なしというわけだ。

 

「詳しい話は明日するからオカルト研究部の部室まで来てくれるかしら?」

「構いませんが部屋が何処にあるかわからないんです」

 

「原作」読んでても詳しい場所知らないんだよね。だって「にわか」だったし「知識曖昧転生者」だもん仕方ないよね?

 

「そこは大丈夫よ連れを送るからその子に付いてきて」

「わかりました」

「さてとこれで用事は終わったようだから帰りましょうか。でも面倒だし貴方の家に行かせてもらうわ」

 

ということで俺の家に来ることになった主のリアス先輩。1人で勝てた相手とはいえ助けてもらったお礼もあるので断ることなく家に来てもらうことにした。

 

姫島先輩はにっこりと笑顔で俺を送り出した。後ろに般若は、っといないな。うん、いたら嫉妬か怒っているかのどっちかだしね。

 

けどいいのかな男子高校生の家に美人な先輩を連れて行っても。

 

もちろん手を出すつもりはないけど念のために思っただけだからな!先に言っておくぞ!

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

翌日の朝、珍しく1人で起きることができたのでなんでだろうと左を見て眼を見開いた。そこには一糸まとわぬリアス先輩が気持ちよさそうに寝ているではないか。

 

昨日の夜、家に帰ると母さんが珍しくおらずどうやら友人と食事に行くらしく、帰ってくるのが遅いことをラッキーと思い自室に入った。

 

その後、順にシャワーを浴びて俺が床で寝ていたはずなのにいつの間にかベッドに上げられていた。

 

もしかして俺が寝ている間に移動させられた?そんな感じ全くしなかったんだけどな。まあいいや、どうせこれからこうなるかもしれないんだしさ。

 

「ん…」

 

どうやらリアス先輩が起きたようだ。この姿は俺からすれば刺激が強すぎるがなんかねすぐ慣れたよ。たぶん松田と元浜に影響されてるんだろうけど今思うとありがたく感じるね。

 

「おはよう、よく眠れた?」

「先輩のおかげでぐっすりと。それから俺の足治してくれたんですね助かりました」

「貴方の体は丈夫ね。魔力使ってたらあっという間に治ちゃったから驚いたわ。貴方、何者なの?」

「転生悪魔ですよ。もしかしたら転生したときにイレギュラーで『超速再生』とでもいう能力が発現したのかもしれませんね」

 

それとなく答えると納得したのか頷いて話は終わった。

 

「じゃあ、下に行って朝食を食べましょう」

「両親に知られても大丈夫ですか?」

「もう記憶操作してあるわ。貴方と私は友人で家に泊まれるほど仲が良いとね」

 

さすがは純血悪魔の家系の力だ。人間の記憶を簡単に操作できるだけの魔力って一体どれくらいなんだろう。俺も使えるけど可能な限り親族には使いたくないよね。

 

だって偽りの記憶とかで納得されても後味悪いじゃん。

 

ということでリアス先輩の着替えを見ないようにして着替えて母さんと父さんといつも通りに会話をして学校に向かった。

 

リアス先輩と一緒に歩いていると好奇の視線をもらうが気にしない。噂されても無視し続ければいつかは儚く薄れていくものだ。

 

リアス先輩と別れて教室に向かっていると後頭部をなかなかの力で殴られた。振り返るとそこには涙ではなく今にも血涙を流しそうな表情をした松田と元浜がいた。

 

「朝っぱらから最低な挨拶だなこの野郎」

「どういうことだよ!お前とリアス先輩が一緒に登校していたという情報があったぞ本当か!?」

「事実だよ」

 

本当のことを伝えると2人の目がキランと光った。比喩ではなく本当に光ったのだ…。

 

「裏切り者め!」

「酷くね!?」

「俺たちはモテない同盟を結んでいたのによぉ!」

「…すまん、初めて聞いたぞそれ」

 

俺が知らなくても当然らしくクラスメイトの桐生によると2人は俺がいない間に勝手に結成していたらしく気にするなと言われた。頼りになるよ桐生は。

 

「原作」と一緒で変態だけど松田と元浜とはまた違った意味でね。面倒見が良くてコミュニケーション能力が高いから男女問わず人気だけど松田と元浜とは犬猿の仲とでも言えるほど互いを毛嫌いしている。

 

でも本当に人間自体を嫌っているんじゃなくて「学校で卑猥なものを持ってきたり姦視するな」と主張する桐生と「男の楽しみを奪うな」という主張の松田と元浜が張り合っているだけだ。

 

互いに人間の良さを知っているからこそ譲れない何かがあるからぶつかるんだろうね。

 

 

 

放課後。

 

「やあ、お待たせ来たよ兵藤君」

 

女子生徒が黄色い歓声を上げているかと思えば「学校一のイケメン」という二つ名を頂いている同級生 木場祐斗が声をかけてきた。

 

昨日の夜に使いを出すって言ってたから彼がそうなのだろうもちろん知ってたけどね。

 

「ありがとう木場君」

「じゃあ、行こうか」

 

何故か木場が俺の左手を自信の右手で引っ張ってイケメンな笑みを浮かべているのを見て何故か俺の背筋に冷や汗が伝った。

 

こいつなんだか危ない気がするってね。

 

「「「「「「「「「「キャアァァァァァァァァァァ!」」」」」」」」」」

 

背後から大音量の歓声が上がり俺に頭痛を煩わせた。

 

「どうしたの?兵藤君」

「…いや、何でも無い。やけに女子生徒が嬉しそうに叫んでるからさ」

「はははははは、楽しいじゃないかその方が」

 

お前のせいだよ!って面と向かって言えない自分が悔しい。いや、言おうと思ったら言えるけどさ落ち込ませたり関係悪化したらどうしようもないじゃん?

 

この後落ち込んだ木場を見たら女子生徒が俺のせいだと言うだろうし人間以外の何かにされそうだし。

 

もう人間じゃなくて転生悪魔なんだけどね。アハハハハハハハ、はあ…。

 

現実逃避気味な俺の思考を露知らず木場は謎の嬉しそうな笑みを浮かべたまま俺の左手を引っ張っていく。

 

 

 

 

 

 

この時イッセーは知らなかった。この様子が木場ファンの間で尾ひれが付きまくり「イッセー×木場」「イッセーと木場きゅんの熱い抱擁」という題名のBL本で駒王学園に知れ渡ることになるとは。

 

何故かこれが駒王学園に限ってだが馬鹿売れとなり漫画部と小説部の活動費が前年の10倍になったとか漫画版のメイン執筆者と小説版の挿絵担当が桐生だとかじゃないとか。

 

女性教師が生徒たちより必死に買おうとしていたとかいなかったとか。

 

その後の新入生たちに脈々と受け継がれていったとかいないとか。

 

こっそりとリアスや朱乃がプレミア版2人の生写真付き(一糸まとわぬ合成写真)を自宅の自室に隠しているとかいないとか…。




木場君は少しBLっぽくしました。なんかそうしたほうが楽しくなりそうだしギャグ突っ込めそうなので。

木場君ファンの皆さんすいません!
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