テラーストーリー・オブ・ナイト 作:バルバロッサ・バグラチオン
この作品は作者のリハビリでもあります。
それではどうぞ。
とある九州の田舎町。かつて炭鉱で栄えたこの町も時代の変遷と共に寂れていた。
その影響で強盗、殺人といった犯罪が増加し殺伐とした雰囲気が流れ始め、正に地獄絵図と化していた。
「あーあ、早くこの町を出て都会で暮らしたいぜ」
そう呟く中学3年の少年、村山慎。
彼は故郷であるこの町に愛想を尽き、ひたすら出たいと強く願っていた。
その想いを胸に抱いて、必死に猛勉強した結果、九州の中ではトップクラスの私立の進学校への推薦が決まった。
もちろん慎にとってウキウキした気分である。
「よーぉ、慎。今、大丈夫?」
慎に話しかけてきたのは、いかにも不良らしい雰囲気を放ち、粗暴なイメージを持つガタイの良い野々村周である。
周は先生に隠れてタバコを吸う、授業をボイコットする等といった行為で当然の如く、周りから煙たがれ疎まれる存在であった。しかし、慎にとってはそうは思わなかった。何故なら、周と触れ合うと根はいい奴と誰よりも理解してたからである。
「ん、周?何か用?」
慎が尋ねると、周は誇らしげに笑った。
「実はさ、俺の家の近くにある廃屋に肝試しに行かない?」
そう、その廃屋は20年ほど前に母子家庭が無理心中を遂げたといわれ、夜中に泣き声が聞こえる、夜中に影が浮かび上がるといった曰く付きの噂が流れ、付近の住民は近づかない心霊スポットと化していた。
その心霊スポットに肝試しに行くのに躊躇したものの、退屈しのぎならいいかなと慎は思っていた。
と、その時「お二人さーん、ちょっといいかな。」
二人に話しかけてきたのは、メガネをかけていかにも天才タイプと思いきや、中身はお調子者である新谷一己だった。
「あの心霊スポットに肝試しに行くのですか?フフッ、僕も混ぜてもらえませんか?こう見えて、心霊・オカルトには詳しいのですから。」
一己は割と心霊・オカルト好きの一面があり、クラスメイトらに怖い話を聞かせて、恐怖のどん底に陥れてた。
その一己の反応に、慎と周は断らずにいられなかった。
「やった、仲間が増えて良かったぜ!」
大はしゃぎする周。そんな反応に慎はワクワクするのだった。
「よしっ、今夜の深夜2時にあの家の前に集合だ。二人とも、分かったな?」
周の提案に慎と一己は頷いた。
そんな3人に周囲のクラスメイトらは呆れた反応をするのだった。
そして、深夜2時。あの廃屋の前に慎・周・一己の3人が集合していた。
周はともかく、慎と一己はコッソリと慎重に家から出て、自転車で来たのであった。
3人とも懐中電灯を持っていたが、一己が何かあった時にと2人にお守りを渡した。
「いざ、行くぞ!武勇伝を刻むために!」
明らかに周は武者震いしていた。恐怖より興味が打ち克っていたのだろう。
その廃屋は日本家屋で明らかに大きかった。家はしっかりと施錠されていて、窓はしっかりと板が打ち付けられていた。
「もう、帰ろうよ。」慎は呼び掛けたが、周は留まるところを知らない。
「おいおい、ここまできたら引き返せないだろ。」
周はそばにあったハンマーを使って勝手口のガラスを割ってしまった。
「お前ら、さっさと入れ」
慎と一己は不安をよそに勝手口から侵入したのであった。
久しぶりに投稿しました。仕事の都合で不定期投稿になりますが宜しくお願いします。