テラーストーリー・オブ・ナイト 作:バルバロッサ・バグラチオン
ようやく心が立ち直って、書ける状況になりました。
今回はたどたどしい書き方になり、いつもより短くなりましたが、それでも宜しければどうぞ。
晴れて高校生になった松下康太。だが、彼の気持ちは相当に気が重かった。
何しろ入学先は、地域では底辺といわれる工業高校だった。
正に不良達の温床であり、授業が中断になるのは日常茶飯事、校舎のいたるところに落書き、廊下にはタバコの吸い殻が落ちてる、校門付近に暴走族のバイクがウロウロしているといったやりたい放題のところであった。
当然の様に康太の所属する機械科は不良が10人くらい混ざっており、たまったものではない。
その中で一番厄介だったのが、クラスの中でリーダー格である橘一志でった。
茶髪でピアスをかけた風貌で一際目立った橘は、授業中でも大声で喚いたり、勝手に席を立って不良仲間と共にどこかに行ったりと振る舞った挙句、他のクラスメイトにもカツアゲといった悪事も働いてた。
特に康太には、カツアゲに加えパシリにもこき使ってたので、橘は鬱陶しい存在であった。
反抗したかったものの、橘は地元の暴走族との深い繋がりが噂されていたため、何をされるかと怯えて鬱屈した生活を送っていた。
しばらくたったある日の事。
他校の不良との決闘があるとの事で手下と一緒に橘は学校を休みがちになっていた。
授業が落ち着いていた事もあり、康太は束の間の安心を得ていた。
ところが3時間目の途中に、血まみれの状態の橘が教室に入ってきた。
先生を含む全員が驚愕のあまり言葉を失い、異常な空気が流れる。
「おい、橘!どうした!何があったんだ!」
先生が聞いても、橘は虚ろな表情で「すみません、すみません。」とうわごとを繰り返すばかりである。
その後は、橘は保健室に送られ、家へと戻るのだった。
教室にいる誰もが、敵対している不良グループにでもやられただろうと思っていた。
だが、康太は違っていた。別の事で心当たりがあったのだ。
2日前、康太は一人で下校していた。
自宅へと帰る途中、通学路の田園風景が広がっている農道で橘ら不良グループを見つけたのだ。
バレない様に康太は物陰に隠れると、彼らは道脇に置かれてた地蔵に群がっていた。
じっくり観察してると、いきなり橘が地蔵を蹴飛ばし踏みつけのだ。
(何て事をしやがる、橘の野郎!)
怒りが湧いてきた康太は突っかかりたくなったが、多勢に無勢。何しろ橘の他に数十人の手下がいたので、グッと拳を堪えて我慢するしかない。
「いいぞ!橘の兄貴!どんどんやってください!」
手下らのエールに押されてか、橘は地蔵を持ち上げると、思いっきり投げ飛ばした。
激しい音と共に、アスファルトの地面に叩きつけられた地蔵は無残に破壊された。
「ヒャハハッ!ムシャクシャしてたんでスッキリしたぜ!」
橘はガッツポーズを決めると、バイクに乗って手下を従えてどこかへと消え去るのだった。
数分後、身の安全を感じた康太は物陰から出て、バラバラになった地蔵を憐みを込めた眼差しで見て、できる限り復元して供養する気持ちで合掌するのだった。
なぜ、地蔵が置かれる様になったのか。康太は両親から聞かされたこの場で起きた悲惨な事件を思い出した。
それは、18年間のとある夜中の事。親想いで優しい性格であった長谷川幸雄という高校生がバイトからの帰り道に運悪く暴走族に絡まれてしまって、凄惨なリンチを受けてしまい殺害されたのだ。
発見された時は、体中のいたるところをを殴られた挙句全身の血管がさけ、正に全身が血まみれたる凄惨たる有様の死体と化していたという。
その後は犯人である暴走族グループは逮捕されたものの、現場付近で血まみれの幸雄の幽霊を見たという証言が相次いだ。
彼の霊を鎮めようと、地蔵が置かれたのだ。
それからは、目撃情報が無くなり平穏な時が訪れた。
だが、橘血まみれ事件から2日後、康太と同じ高校の情報科に通うガールフレンドである岩永優希が泣きじゃくってパジャマ姿で康太の家へ乗り込んできた。
時刻は夜中11時。康太が「どうした?何かあったの?」と動揺してると、
「さっき、私の家のそばで橘が血まみれで突っ立てたのよ!」
と康太の両腕を必死に掴みながら、訴えてくる。
彼女が言うには、2階越しから目が合って、ニターッと笑いながらどこかへと去っていったとの事。
「本当か?あの橘の野郎が。冗談だろ。
と康太は半信半疑になったが、
「本当わよ! だって、この目で見たんだから!」
と尋常ではない迫力で迫ってくる優希に圧倒され、その後は両親を説得して彼女を泊める事にした。
優希の両親は仕事の都合で県外に出て不在であり、彼女の怯え具合を見て、より一層不安になった康太はその日は眠れなかった。
翌日、康太は優希と学校へと登校した。
教室に入ると、橘の手下らが青ざめた顔であり誰一人笑ったり騒いだりしない異様な雰囲気であった。
その内、学年主任の先生が来て手下ら全員どこかに連れていくのだった。
担任の話によると、早朝に橘が何者かによって暴行を受け死んだというのだ。
発見された場所は、あの地蔵が置かれた農道で鈍器のような物で、全身を殴打され血まみれの状態であり、死因は大量出血による失血死であるとの事。
この事件により、学校中は大騒ぎとなり警察が本格的に捜査を始めたものの、目撃情報や凶器といった証拠品が見つからず、迷宮入りするのだった。
一部の人らは、敵対してた不良グループ、暴走族もしくは暴力団がやったのかおじょかと噂されたが、康太の考えは違っていた。
優希と一緒に過ごしたあの夜、二階の自分の部屋でカーテンを閉める際、ふと下の方を見て震えてしまった。
ぶっちゃけ、自分は地蔵が苦手です。(悪い存在だと思ってるが、何か近づきがたい)
最近はYou tubeでヤミツキテレビというチャンネルにハマっております。落ち着いた語り部としっかりと再現した演出がドツボです。
あと
・クロネコの部屋
・花子さんが寝る前に
・花子さんの怪談TV
・サリヴァンのトリハダ部屋
・新もっと知りたいワダイ
もオススメしときます。