テラーストーリー・オブ・ナイト 作:バルバロッサ・バグラチオン
すみません、仕事が忙しかったのもそうですが、旅行や人生初のコミケを堪能してまして。申し訳ないです!(土下座)
それでは、強引な展開やご都合主義があるかもしれませんがどうぞ!
「あー、早く終われ。」
午後22時30分。パソコンの画面ににらめっこして報告書を作成してるのは児玉はるか。
彼女は厳しい就職活動を乗り越え、ようやく内定を得てとある会社に入社した。
だが、その会社は所謂ブラック会社そのものであった。
厳しいノルマ、上司からのパワハラ、サービス残業等によって、はるかと一緒にいた同期は徐々に辞めていった。
社会人になって2年目になったはるかには辞めたいという気持ちが芽生えていた。しかし辞めたとしても他に宛て先が無い。
地元に戻るにしても、ド田舎でありまともな求人が無い。
そんな閉塞感に苛まれ、上司から押し付けられた理不尽な仕事量を押し付けられて報告書を作成していた。
ようやく仕事が終わり、見上げて時計を見ると午後23時丁度。
はるかは焦った。終電に間に合わなくなるのだ。PCの電源を切った後、駆け足で最寄り駅に向かう。
最寄り駅は有人駅だったものの、最近は経営の合理化により無人駅となっていた。
慌てるはるかは急いで切符を購入した後、ホームへと走る。
するとホームにはいつもとは見慣れない黒と白のツートンカラーの特急が停まっていた。
(あれっ、こんな特急あったっけ?特急券買ってないけと。後で車掌から買うか・・。)
はるかはいち早く車内に乗った後、適当に座席に座った後、日頃の疲れだろうかウトウトしてしまい、直ぐに眠りについてしまった。
ようやく眠りから醒めたはるかは、ハッとした後バックからスマホを取り出す。
時刻はAM2:11分。
「・・・・!」こんな時間なのに未だに走っている特急に違和感を抱くはるか。
更に自分以外に乗客がいない事に不安に拍車がかかり、サーッと体が冷める。
事の重大さにはるかは数少ない同期である天城ちとせに電話をかけようとするが、電波が圏外になっている事態に絶望的になる。
そこではるかは車掌のいる先頭車両に向かおうとする。
と、その時特急をスピードを落とし駅に到着した。
駅名を見ると「
平坂? はるかは聞いた事のない駅名に戸惑う。
その駅のホームは田舎にある様な駅で、誰一人いる気配は無い。周りは田んぼと山の様で真っ暗である。
(ここはどこ・・・・?私、こんなところに? )
パニック状態になる彼女をよそに、プシューと音を立ててドアが開く。
降りる事も検討したが、迷っている内に再びドアは閉まり、特急は速度を上げて走り出す。
(何らかの行動をしなきゃ。取り敢えず先頭車両に向かわなきゃ。)
はるかは即座に動き、先頭車両に向かって歩き出す。
向かう最中にも、誰一人乗客がいない状態にますます恐怖感が増してくる。
もう少しで、一番前まで着くだろうという時、真ん中辺りの座席にポツンと人が座っている。
ようやく人を見つけた安心感を覚え、近づくと見た目は野球帽を被った小学校低学年くらいの男の子であり、携帯ゲーム機に夢中になってる様子であった。
違和感を感じながら、はるかは少年に問いかける。
「あ、あの・・。僕、大丈夫かな?」
「何ですか?」
顔をあげた少年は、顔を見上げた後、カッと睨み付ける。
「あのさ、私うっかりしちゃって列車内で居眠りしちゃって。この特急、どこに走ってるのか分からないんだ。君、知らないかな?」
「ふーん、お姉さんには悪いけど、僕もどこへ行くか分からない。ただ・・。」
「ただ?」
「お姉さんにはまだここに来ちゃダメって事だろうね。」
ニヤリと不気味な笑みを浮かべた少年に、はるかはある事を思い出した。
そう、先日飲食店での爆発事故に巻き込まれ、近くを通りかかった小学生の男児が即死したというニュース。
報道された顔写真と、目の前にいる少年がほぼ同一人物である事が伺える。
驚愕の事実に震えるはるか。特急が停止する。
外をチラリと見ると「
またもや聞いた事の駅だ。ドアが開く。
「じゃあ、僕はここで降りる予定で。」
少年は立ち上がると、ホームに向かう。
そして、振り向いて「お姉さんも一緒に行かない?」
ニターッと悪意のこもった満面の笑みで語りかける。
「嫌っ、断ります。」
頑なに拒絶するはるか。
「まぁ、いいか。あと一ついいこと教えてあげる。たまにお姉さんの様な生きた人間が乗ってくるみたいだよ。」
ドアは音を立てて閉まる。ドアの向こう側、ホームに立つ少年はニヤニヤしたままはるかを見つめ続ける。
特急はスピードを上げ、動き出す。
(私って、死後の世界に迷いこんで来ちゃったんだ。)
その場にへたりこんで、次第に泣き始めるはるか。
すると、希望の光が見えるかの如くスマホの着信音が鳴り始める。どうやら電波が届いてる様だ。
画面を見ると「着信:天城ちとせ」
「ちとせ!」
電話に出るはるか。
「はるか、どうしたの?仕事で遅くなった?来週の休みに行く旅行の打ち合わせについて連絡したかったけど。」
「あのね、ちとせ・・・・。」
今までの経緯を話すはるか。
「そうだったんだ。でも、その特急こんな時間まで走ってるのは怪しいわね。取り敢えず駅に降りたら?」
「でも、降りても・・・・。」
「スマホのGPS機能を使えばいいじゃん。それを使って迎えに行くから。」
タイミング良く特急が止まり、ドアが開く。
はるかは用心深く降りる。
ひんやりとした空気が緊迫感を増す。
駅名は「
特急はしばらくして走り出し、あっという間に闇に飲み込まれてしまった。
「ちとせ、降りたけど。」
「そっか。そんなら切って居場所調べるから。動かないで。何かあったら電話してね。」
ツーツーと機械音と共に通話は終わる。
スマホのバッテリーの残量が30%を切ってしまい、焦燥感が増す。
前の駅と次の駅については書かれていない。周りは見渡す限り、田んぼや山ばかりで不気味さが漂う。
(自分一人・・。もう嫌だ。)
そう考えてると、着信が鳴り、
ピッ。「ちとせ?」
「はるか、大丈夫?」
どうやら、はるかのスマホのGPS機能を使ったものの、エラーとなり、何度試しても分からない。それなので、警察に連絡するとの事。周りに目印となる物や民家がないかという内容だった。
切った後、線路づたいに歩く事にしたはるか。
周りには未だに民家、公衆電話どころか街灯も無い。
1時間くらい歩いただろうか。一向に景色は全く変わらずである。
(もう疲れちゃった)
足の疲れ、精神的な疲労、孤独感によりその場でへたりこんでしまう。
と、その時遠くから光が見えてきて、それは車のヘッドライトであった。
「助けてーー!」
はるかは立ち上がり、必死に手を振る。
相手がちとせじゃなくてもいい。藁にもすがる思いで助けを求める。
車は近くまで来て停止した。
間違いなくちとせの車であった。
中からちとせが出る。
「はるか!」
「ちとせ!!」
ようやく助かった事により、安心感が増すはるか。もう帰れる、いつもの場所にと。
「ほら、さっさとしないと。」
車に乗り込み、はるかは今までの経緯を話す。
「あー、大変だったわね。」
ちとせは警察に話した後、何度もGPS機能を試してると一瞬はるかの居場所が分かったとの事。
「それと、はるかが言ってた駅さ、あれはもう使われてないんよ。もう廃線になってるみたいで。」
いろいろ話してる内に、疲れからかはるかはウトウトしてしまい、眠ってしまう。
しばらくして、スマホの着信音に目覚めてしまう。
「もしもし、誰?」
「ちとせだよ、アンタの居場所が分かった。今すぐ迎えに行くから。」
体が冷めていく。
ブーッ。スマホのバッテリーが0%になり電源が切れる。
呆然としながら、ちとせを眺める。無表情のまま運転を続けている。
窓から見ると、周りは木が多くなっている。市街地に向かっている予定なのに。
「一体どこに・・・・?」
「・・・・。」
「ちょっと車止めて。」
「・・早く・・行かなきゃ・・。・・私の・・。」
ゾクッとするはるか。明らかにちとせ本人の声ではない。低くて唸り声であり別人の様だ。
このままだと、妙なところに連れていかれる。
意を決したはるかは、ドアを開け飛び降りた。
目が覚めるとベットの上にいた。
病院で目覚めたはるかは、医師に聞くと山間部の方の道路脇に倒れていたのを、発見され救急車で搬送されてきた。
ようやくちとせに連絡してもらい、今度こそ家路に戻れた。
それから数ヶ月後。PM22:50。パソコンを終了させ、リラックスするはるか。
その後、転職活動を始め無事に転職先が決まった。そこは今勤めている会社とは比べ物にならないホワイト企業。
今日でこの会社とは、オサラバ。次の新天地は雲泥の差。はるかは以前よりウキウキしていた。
退社し、家路へと向かう。最寄り駅に向かい、ホームへと向かう。
「あちゃー。」
時すでに遅く、終電は遠くに向かっていった。
しばらくの間放心状態になる。
(まあ、いいか。満喫で泊まればいいし。)
駅から出ようとする。と、その時ゴーッという音と共にあの黒と白のツートンカラーの特急が停車する。
「お待ちしておりました児玉はるか様。次こそは逃しませんよ。」
不気味なアナウンスが流れてくる。
恐怖におののき、逃げようにも体が動かない。
ドアが開く。何かに操られる様に特急へと乗り込んでしまうのだった。
どうでしょうか?なんかご指摘があればメッセージにでもお願いします。
どうでもいい話をしますが、今月の1~2日に駅メモ!をやってた時にアクセスしづらくなったのはイライラしました(位置ゲームやし、遠征してて課金してたのもあったから運営に抗議した)