テラーストーリー・オブ・ナイト 作:バルバロッサ・バグラチオン
1~2話と被る部分あるかと思いますが、それでも良ければ。
それではどうぞ。
なんかおかしい所あれば、遠慮なくメッセージか感想にでも。
塩田淳は普通の大学生。今まで彼は幽霊とかの心霊に関しては全くの否定派だった。
だが、高3の時のある出来事がキッカケで信じる事になった。
そして、その事が現在も彼を大いに苦しめてる事を。
高校生ライフを終え、無事に卒業式を終えた淳。彼の進路は東京のとある理系大学に推薦で合格し、やる事を全て終えて暇を持て余していた。
いわゆる県の中小都市。大した娯楽施設の無い所で何の刺激も無い。でも後1か月もすれば大都会東京で夢の様な大学生ライフが待っている。
そんな思いを抱いていた彼の元に悪友である藤原将太から誘いが来た。
「なあ、肝試しに行かないか。」
将太は見た目がチャラチャラした不良系であり、地元のヤンキーと深い繋がりがあった。本来淳にとっては避けがたい対象であったが、何かとお世話になった事もあり一定の距離を保ちながら普通に接していた。
「ん?何だよ将太。夏でも無いのにこんな時に?」淳が多少呆れた様に接すると
「聞いたんだよ。バイト先の先輩からさ。隣町のとある診療所だった廃墟で、夜中に出るんだ。親子の幽霊が。何しろ30年程前にノイローゼ気味になった医師発狂して妻と息子を包丁を刺殺した後、自身も首を切って自殺したという話が。
先輩が言うには、その親子らの幽霊は2階に出現し、出会うと怪奇現象が起きるってさ。なあ、ゾクゾクしないか。」
この時は心霊否定派だった淳は、そんな将太に呆れはしたが退屈しのぎにいいと思い渋々肝試しに参加する事を決めた。
「じゃあ、今日の夕方に集合で決まり。後、クラスメイトの和之と昇も連れていくから。」
将太はウキウキの気分の様子だった。
(まあ、どうせ幽霊なんて出ないだろうし。気軽に行ってみるか。)
安易にそう考えた淳だったが、後の悪夢の様な出来事が起こるとは予想だにしてなかった。
午後19時頃。原付にて淳は隣町の廃墟となった診療所に着いた。入口付近には先に将太の他に一宮和之、滝口昇の3人が同じ原付で到着していた。
和之と昇は淳、将太と同じクラスメイトで筋金入りの心霊マニアであった。
その診療所は森の中にポツンと建っており、時々地元のヤンキーと暴走族のたまり場となる事もあり、違う意味での怖いスポットと化していた。
まだ3月とあって肌寒さを感じる中、付近はそれほど異様な雰囲気を放つ程ではなかった。
四人とも、懐中電灯を持ちながら出口へと進む。
和之が「だからここは嫌な予感するんだよ。そう思わねえ?」とうろたえる。
「おいおい、和之。怯えるなって。いざとなりゃこの場から逃げ切れば大丈夫だって。」能天気ともいえる発言をする将太。
(ったく。幽霊なんてこんな時代に実在しないって。心霊番組だってヤラセばかりやん。ホントにコイツらときたら・・・。)
サッサと帰りたい気分になった淳。その反面、昇は終始無言である。
そろそろ出口に差し掛かろうとしたその時、将太が「なあ、淳。お前、心霊否定派だったよな? 幽霊がいないって証明してみろよ。」と言い出した。
「そうだ、そうだ。俺らに男気を見せてくれよ。お前、ヘタレ?」和之がケタケタ笑う。昇も腹抱えて笑い始める。
淳は躊躇した。懐中電灯は持ってるものの、たった一人で暗闇の中2階に行かなくてはならないのだ。
それに万が一、何らかの拍子でケガをおう可能性があるし2階を廻っている内に将太らが置き去りにして逃げていく可能性がある。
「行ーけ!、行-け!。根性を見せろ!」
将太ら3人は手拍子しながら挑発する。
頭に来たが、淳は渋々階段を昇って2階に行く。
2階は照らすとクモの巣が張っており、部屋には机や椅子と本が散らばっていて、特に異変はない。
事を終え、降りると将太が「幽霊いた?ビビり君。」と小馬鹿にしてきたので、「じゃあ、今度はお前ら3人2階に行ってこい!」と怒鳴り散らす。
「ほう、今度は幽霊呼んでやるよ。」今度は将太らが2階に行く。
「もーしもーし、幽霊さん出てきてください。ここに幽霊の存在を信じない不届き者である塩田淳君という者がいます。彼の目の前に出てきてください。」とでかい声で叫ぶ。他の二人の笑い声も聞こえてくる。
しかし、この時点でもおかしい事は起きない。
1階に降りてきた将太達。すると昇が「もう帰った方が良くね?何か悪寒を感じるんだ。」と深刻な顔つきになった。「昇、お前どうしたんだ?」と将太が尋ねると、今度が和之が「いや、肝試しは終えた方がいい。嫌な予感がする。」と恐怖に囚われた表情になった。
流石にさっきとは違う二人に不気味さを感じた淳は何とか将太を説得し、廃墟から帰る事にした。
時刻は21時30分。将太の家に到着した4人は2階の将太の部屋で休んでいた。最初は騒いでいたが、その内に静かになり、みんな寝始めた。
淳はいつの間にか目が覚め、ベランダで夜空を眺めている。
(何だったんだ、あれ。)
物思いにふけってると後ろから肩をポンと叩かれ驚く。
「うわっ!」声を出してビビる淳。
振り向くと将太だった。今までとは違う緊迫に満ちた表情である。
「お前、見えなかったろうなあの時。」
「見たって何が?大概にしろ。」
「じゃあ、淳には見えていないか。」明らかに動揺してる将太。
そんな異様な態度を取る将太に、淳はますます心配が増す。
「2階に幽霊がいたとでもいうのか?」
「いや、違う。2階には何にもいなかった。お前とは違って心霊は信じるので、声出しながら呼ぶのは凄く怖かった。でも、結局は何も起きらなかった。安心したぜ。で、お前らがさっさと帰ろうって言うから仕方なく家に戻ろうと決めた。」体が震え始める将太。そして、
「原付に乗って、ふとミラーを見たんだ。写ってたんだ!血まみれの親子三人の姿が!」
ひどく気が動転する淳。やはり幽霊はいたんだ。いつもと違う怯える将太を見て、自らを落ち着かせ尋ねる。
「で、そいつらは付いてきてここにいるのか?」将太は泣きそうな感じで言った。
「さっきからずっと和之と昇を睨みつけている。」
「はあ?本当にそうなんだよな?」
「本当なんだって!いつの間にか部屋にいたんだよ!怖くて・・!助けてくれよ!」
今までに見なかった将太に戦慄しながら淳は両肩を叩き、
「とりあえず、落ち着け。どうせ気のせいだ。何らかの錯覚かもしれない。」と諭す。
「じゃあ、部屋の中を見てみろ。」
将太に言われて覗いてみると、何と和之と昇がうなされる様に苦しんでいる。
「う・・。苦しい。助けて・・。」
「ごめんなさい、ごめんなさい。許してください。」
やはり幽霊はいたんだ。淳には見えなかったが確信してしまった。
「和之、昇!大丈夫か!明日にでもお祓いにでも行こう!」
涙目になる淳。すると、後ろからポンと将太が手を叩くと何事もなかったの様に和之と昇が跳ね上がり、
「あはははは!コイツやっぱりバカだわ!」狂うように笑い始める和之。
「この人、マジでウケるんですけど。アカデミー賞受賞モノだろ、俺の演技。」指さしながら笑う昇。
「和之、昇。お前らよくやった。コイツ、完全に騙されているの最高なんですけど。親子の幽霊が出るなんて俺の作り話。」
淳は理解した。将太らは初めから嵌めるつもりで、肝試しをしたのだ。元々心霊否定派だった自分をビビらせるために廃墟と化した診療所に連れ出し、迫真の演技で幽霊の存在を信じさせようと。
そんな淳をよそに3人にはまたもや騒ぎ始め盛り上がってる。無性に腹が立ち、将太らを睨みつける。
「お前ら、ふざけやがって!人がこんなに心配して!もう絶交してやる。」怒鳴りちらす淳に「わりぃ、わりぃ。確かにやりすぎたな。高校生活最後の思い出にと企画したんだが。まあ、これから近所のコンビニに買い出しに行く予定だが、気を取り直せよ。」となだめる将太だが、ふてくされた淳は「いいや、3人で行ってこい。」といい横になった。
3人が出かけた後、異様に遅いなと思ったら夜の1時。何かあったのかと不安になった淳は外に出た。
しばらくして10分くらい歩いただろうか。歩道にダンプカーが乗り上げている。周りにはパトカーが数台停まっていて、ビニールシートが敷かれている。
最悪の事が浮かぶ。警察官の証言で、その予想は当たった。
あの後、将太らは近くのコンビニに向かう時に横断歩道を横断しようとしたら居眠り運転のダンプカーに轢かれてほぼ即死だったとの事。
その話を聞いた時、心の底から恐怖というのが沸きあがってきた。
多分、自分だけしか気付かなかったんだ。
あの時、肝試しが終わった後原付に乗り、ふと診療所から視線を感じチラッと見たんだ。
その後、逃げる様に故郷から出て進学した淳。これで終わりだと思ったが、そう甘くはなかった。
時折感じる誰かの視線。
部屋から聞こえるうめき声と奇怪な音。
そして極めつけは、寝ているときに見る、あの時の肝試しの出来事。永遠に忘れる事が出来ず、逃れられない悪夢。
あの、白装束の集団の中に将太ら3人も混じっている。そして彼に呟く。
「お前も早くこっちに来いよ。」
実はというと、自分は廃墟が好きなのであります(ネットで見る程度)
昼はともかく、夜は行きたくは無いです。ハッキリ。怪奇現象が起きそうで。
話が変わりますがUA300突破して、驚いています。そしてレッド!さん。この作品を紹介してくれて大感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございます。