女子生徒「いかにせよとの♪」
1年生は音楽の授業で、次回の音楽のテストに向けての練習。
先生「はい、ここまで。」
女子生徒「ありがとうございました!」
先生「次は・・・犬吠埼さん。」
樹「は、はい!」
人前に立つ。教科書を開くが、逆向きになってた。
樹「あ・・・」
クラスメイト達が少しクスクス笑った。
樹(私、人前で歌うのはちょっと苦手です・・・)
勇者部。
友奈「ん〜・・・・・この写真は、ここで!!」
春の勇者部活動の右下に、写真を貼った。
友奈「う〜ん!バッチリだー!」
タケル「結構迷ってたね。」
友奈「だって〜、何処にするか決まらなかったんだもん。」
タケル「まぁでも、良い新聞が出来たね。」
今日の勇者部は忙しかった。
東郷はホームページの確認をしている。アクセス数が予想以上に高かった。
友奈「わぁ〜お!今日も閲覧者数凄〜い!」
アカリ「今日もこの数なんて凄いわね・・・」
東郷「後は、子猫の写真と学校の連絡先を載せて・・・」
学校の連絡先と、小さな子猫の画像を載せた。
東郷「こんな所かな?」
友奈「完璧!」
アカリ「子猫可愛いわね〜。」
風「ああもぅ・・・」
マコト「風、調子はどうだ?」
風「ストーリーが思い付かん・・・」
カノン「流石の風ちゃんでも、思い付かない事ってあるんだね。」
風「ん〜まぁね・・・ん?何食べてるの?」
夏凜「ん?煮干し。」
御成「この学校で煮干しを食べる女子生徒は夏凜殿しか居りませぬな。」
夏凜「健康に良いのよ。」
風「じゃあ、これから夏凜の事、にぼっしーと呼ぶ!」
夏凜「ゆるキャラに居そうなあだ名付けんな!!」
友奈「そう言えば、にぼっしーちゃん。」
夏凜「待って!その名前定着させる気!?」
東郷「それより、飼い主探しのポスターは?」
夏凜「え?そんなのもう作ってあるわ。」
タケル「え、もう?」
既に作ったポスターを見せた。
友奈「わあ!ありがとう!」
夏凜「ふふ〜ん!」
しかし絵心が無く、猫の絵が雑だった。
東郷「えっと・・・妖怪?」
夏凜「猫よ!」
するとグリムゴースト眼魂が光り、グリムゴーストが実体化した。
タケル「グリムさん?」
グリム「全く、この絵は酷い!私が描き直してあげよう!」
ポスターの絵を新しく描き直す。
グリム「出来たぞ!」
子猫の絵が完成した。
友奈「わああ!凄〜い!」
東郷「素晴らしいわ!」
タケル「ありがとうグリムさん。」
グリム「良いって事だ。では。」
光ってグリムゴースト眼魂に戻った。
樹「はぁ・・・」
風「ん?樹?」
樹「え?な、何?」
風「どうしたの?溜め息なんか付いて。」
タケル「何処か具合でも悪いの?」
樹「あ、いえ・・・もうすぐ音楽の歌のテストで、上手く歌えるか占ってたんだけど・・・」
タロットカードで占った結果、DEATHのカードが当たってしまった。
樹「死神の正位置・・・意味は、破滅・・・終局・・・ううぅぅ・・・」
風「ん〜・・・当たるのも八卦、当たらぬのも八卦って言うし、気にする事無いでしょ。」
友奈「そうだよ!こう言うのって、もう一度占ったら全く別の結果が出るもんだよ!」
タケル「もう一度占ってみたら?」
樹「はい・・・」
しかし、死神カードが3回連続出てしまった。
御成「こ、これは不吉ですぞ・・・」
友奈「だ、大丈夫!4カードだからこれは良い役だよ!」
タケル「ポーカー?」
樹「死神の4カード・・・」
友奈「い、いや!悪い意味じゃなくて・・・」
早速今日の勇者部活動を計画した。
アカリ「今日の活動はこれよ!」
樹の歌のテストを合格させる。
風「私達勇者部は、困ってる人を助ける!勿論それは部員だって同じよ?」
友奈「歌が上手くなる方法かぁ・・・」
東郷「まず歌でα波号を出せるようになれば、勝ったも同然ね。」
樹「α波?」
東郷「良い音楽や歌と言うものは、大抵α波で説明が付くの。」
樹「そうなんですか!?」
友奈「んな訳無いでしょ!」
風「樹1人で歌うと上手いんだよね〜・・・人前で歌うのが緊張するってだけじゃないのかな?」
夏凜「へぇ〜。」
タケル「人前で歌うと緊張するのは俺も分かるよ。樹ちゃん。」
友奈「あ、そっか!それなら!習うより慣れろ!だね!」
と言う訳で、一行はカラオケ店へ向かった。
風が楽しく歌い、友奈と東郷とカノンが合いの手をする。
歌が終わって拍手する。
友奈「イエーイ!」
風「聴いてくれてありがと〜!」
樹「お姉ちゃん上手!」
風「えへへ、ありがと!」
友奈「ねぇねぇ夏凜ちゃん、この歌知ってる?」
夏凜「ん?一応知ってるけど?」
友奈「じゃあ一緒に歌おう?」
夏凜「え!?な、何で私が!?馴れ合う為にここに居る訳じゃないわ!」
風「そうだよね〜。私の後じゃ、ご・め・ん・ね〜。」
風の得点は、92点。
タケル「風、凄いね・・・」
夏凜「・・・友奈、マイク寄越しなさい。」
友奈「え?」
夏凜「早く!!」
友奈「は、はい!!」
夏凜と友奈のデュエットで歌う。
曲が終わって、2人が疲れる。
友奈「夏凜ちゃん上手じゃん!」
夏凜「フンっ、これくらい当然よ。」
点数は92点。風と同点。
アカリ「凄い!同点よ!」
御成「流石ですぞ!友奈殿!夏凜殿!」
マコト「流石だな。夏凜。」
友奈「次は樹ちゃんだね。」
タケル「頑張って。」
樹「うん・・・」
今度は樹が歌うが、かなりの音痴だった。
樹「はぁ・・・」
風「やっぱり硬いかな?」
樹「誰かに見られてると思うとそれだけで・・・」
夏凜「重症ね。」
樹「はぁ・・・」
風「まぁ今はただのカラオケなんだし、上手かろうと下手だろうと、好きな歌を好きに歌えば良いのよ!」
友奈「そうそう!気にしない気にしない!さぁ、お菓子でも食べて?」
タケル「もう無くなってるけど・・・」
牛鬼がお菓子全部食い倒してしまっていた。
友奈「残ってない!?」
樹「あはは、牛鬼は本当よく食べますね。」
友奈「食べ過ぎだよ・・・」
すると渋い曲が流れた。
東郷「あ、私が入れた曲。」
友奈「っ!」
樹「っ!」
風「っ!」
タケル「っ!」
アカリ「っ!」
マコト「っ!」
御成「っ!」
カノン「っ!」
すると夏凜と東郷を除いた全員が立ち上がってビシッと敬礼した。
夏凜「え、何?」
東郷が歌ってる間は敬礼する。夏凜は混乱している。
歌い終わった後。
東郷「ふぅ・・・」
敬礼を終えた全員が座った。
夏凜「さっきのって一体・・・?」
友奈「東郷さんが歌う時は、何時もあんな感じだよ?」
夏凜「そ、そうなの?」
マコト「俺は最初断ったが、カノンが一緒にやろうって言ってな。」
カノン「結構面白いよ。お兄ちゃん。」
マコト「そうだな。」
すると風のスマホに着信が来た。
風「っ?」
女子トイレで手を洗う。そこに夏凜が来た。
夏凜「大赦から連絡?」
風「・・・ええ。」
夏凜「そっ、私には何も言って来ないのに・・・内容は想像付くわよ。バーテックスの出現には周期がある。今の奴らの現れ方は、当初の予測と全く違ってたわ。」
風「最悪の事態を想定しろってさ・・・」
夏凜「怖いの?」
すると風が、右手を強く握り締めた。
夏凜「あなたは統率役には向いていない。私ならもっと上手くやれるわ。」
水を止める風が、夏凜に言い返した。
風「これは私の役目で、私の理由なのよ。後輩は黙って、先輩の背中を見てなさい。」
そう夏凜に言って女子トイレから出た。
夏凜「フンっ。」
夕方、皆が帰る道。
友奈「あ〜楽しかった〜!」
東郷「歩いて帰るの久し振り。」
友奈「うん!」
タケル「歌い疲れた・・・」
カノン「またカラオケ行こうね?お兄ちゃん!」
マコト「ああ。」
友奈「けど、カラオケはあんまり樹ちゃんの練習にはならなかったのかな?」
樹「でも楽しかったですよ?皆が歌うのを聴けて。」
風「・・・・・」
樹「お姉ちゃん?」
風「え、何?」
夏凜「樹の歌の話よ。」
友奈「風先輩、何かあったんですか?」
風「う、ううん?何も?樹は、もう少し練習と対策が必要かな?」
東郷「α波出せるように!」
夏凜「α波から離れなさいよ・・・」
タケル「だったら樹ちゃん、これ貸してあげる。」
ベートーベンゴースト眼魂を樹に貸した。
樹「これは?」
タケル「ベートーベンゴースト眼魂。それに入ってるベートーベンさんと一緒に練習すれば歌がよくなれるかもだよ。」
樹「ありがとうございます。」
タケル「ベートーベンさん、お願い出来ますか?」
ベートーベン『勿論だ。私で良ければ。犬吠埼樹、宜しく頼むぞ。』
樹「はい、宜しくお願いします。」
翌日の勇者部。全員が唖然とした。何故なら、夏凜が栄養に効く物を持って来たのだった。
友奈「何か沢山ある・・・」
タケル「蜂蜜にリンゴ酢にオリーブオイル・・・これ全部家から持って来たの?」
夏凜「そう。喉に良い食べ物とサプリよ。マグネシウムやリンゴ酢は肺に良いから声が出易くなる。ビタミンは喉の血行良くして喉の荒れを防ぐ。コエンザイムは喉の筋肉の活動を助け、オリーブオイルと蜂蜜も喉に良い!」
東郷「詳しい・・・」
樹「流石です・・・」
友奈「夏凜ちゃんは健康食品の女王だね!」
風「夏凜なら健康の為なら死んでも良いって言ってそうなタイプね。」
夏凜「言わないわよ!そんな事!さぁ樹、これを全種類飲んでみて?グイッと!」
樹「え!?全種類!?」
風「多過ぎでしょ、それは・・・」
アカリ「一気に飲むのは無理があるね。」
マコト「夏凜、お前でも無理がありそうだな。」
夏凜「っ!?無理ですって・・・!?良いわよ!お手本を見せてあげるわ!」
※以下、危険性を考慮した上でギャグとして行っています。
夏凜がお手本を見せる為全部飲む。
※薬は用法、用量を守って正しくお飲み下さい。
夏凜「オリーブオイルで・・・」
オリーブオイルを飲む。
※特殊な訓練を受けた者が行っております。絶対に真似をしないでください。
全てを飲み食い尽くした。
夏凜「ど、ど・・・どう・・・?うっ!?」
顔が真っ青になった。
夏凜「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
両手で口を塞いで吐きに行った。
友奈「か、夏凜ちゃん!大丈夫!?」
アカリ「さっきの絶対危険ね・・・」
御成「想像したくないですぞ・・・」
タケル「無理しなくても良いのに・・・」
マコト「相変わらずの夏凜だな・・・」
トイレから夏凜が戻って来た。
夏凜「樹はまだビギナーだし、サプリは1つか2つかで充分よ。」
樹「はぁ。」
タケル「何事も無かったのように話した。」
※あくまで個人の感想であり、効能を保証するものではありません。
早速発声練習をする。ベートーベンゴーストが指揮を取る。
ベートーベン「では行くぞ。1、2、3。」
樹「あ〜〜〜〜〜〜♪」
しかしまだ上手くなってない。
タケル「まだ駄目か・・・」
風「やっぱり、緊張するのがいけないから、喉よりもリラックスの問題じゃない?」
夏凜「それもそうね。次は緊張を和らげるサプリメントを持って来るわ。」
樹「やっぱりサプリなんですね・・・」
夜の犬吠埼家。樹が風呂に入ってる。
樹「はぁ・・・」
精霊の木霊が心配している。
樹「大丈夫だよ、木霊。」
彼女が見ているのは、ビニールに入ったカラオケの時に撮った写真。
樹「春は名のみの〜♪風の寒さや〜♪」
すると誰かがドアを開けた。
風「やっぱり樹、1人で歌うと上手いじゃん!」
アカリ「綺麗な歌声だったよ!」
樹「お、お姉ちゃん!?アカリさん!?聴いてたの!?酷い・・・」
風「全く、樹はもっと自信を持ってても良いのに。」
アカリ「そうよ。自信を持てば緊張を克服出来るわよ。」
風「そうそう。ちゃんと出来る子だから。」
2人はドアを閉めた。
これは、風と樹の過去。犬吠埼家に見知らぬ人達が来た。樹は風の背中に隠れてばかり。そして風から、両親が亡くなったと教えられた。その日から風は姉として母として、樹の面倒を何時も見てくれた。だが風は、勇者部の事をずっと1人で抱え込んでいた。もし樹が、風の後ろに隠れているじゃなく、隣を一緒に歩いて行けるようになれば・・・
風「樹〜?樹〜?樹起きなさ〜い?」
樹「・・・ん?ん〜・・・」
朝の犬吠埼家。樹が眠そうに起きる。風がクローゼットから樹の制服を出してあげる。
風「樹?着替えて顔洗って来なさいよ?」
部屋から出る。樹が起きる。
台所では、風とアカリが朝食を作っていた。御成が食器を出してる。すると精霊の犬神は風のエプロンを引っ張る。
風「ん?はいはい、餌ね。」
フードボウルにドッグフードを盛る。犬神がドッグフードを食べる。風が犬神を撫でる。
御成「犬神殿も食いしん坊ですな。」
アカリ「微笑ましいわね。」
スープの味見をする。
アカリ「うん。風ちゃん、バッチリよ。」
風「ありがとう。アカリさん。」
樹「おはようお姉ちゃん・・・アカリさん・・・御成さん・・・」
風「おはよう。」
アカリ「樹ちゃんおはよう。」
御成「おはようございます。樹殿。」
風「もうスープも出来てるから、先にトースト食べててね。」
樹「ん・・・」
御成「樹殿、どうぞ。」
椅子に座ってトーストを食べる。
アカリ「お待たせ。」
出来たスープをテーブルに置いた。
風「ん?」
樹「・・・・」
風「ちょっと動かないでね?」
樹「・・・?」
ヘアブラシで樹の髪を整える。
風「よし!今日も可愛いぞ〜。」
樹「・・・・」
風「元気無いね。どうした?」
御成「まさか、恐ろしい夢でも見てしまったと・・・?」
アカリ「それは違うと思うけど・・・」
樹「あのね・・・」
風「ん?」
樹「あのね、お姉ちゃん・・・」
風「うん?」
樹「・・・ありがとう・・・」
風「っ?何?急に。」
樹「何となく、言いたくなったの・・・この家の事とか勇者部の事とか、お姉ちゃんにばっかり大変な事させて・・・」
風「そんな、私なりに理由があるからね。」
樹「理由って?」
風「え?ま、まぁ簡単に言えば、世界の平和を守る為!かな?」
アカリ「その理由で良いの?」
風「いや、だって勇者だしね。」
樹「でも・・・」
風「何だって良いよ!どんな理由でも、それを頑張れるならさ。」
樹「どんな、理由でも?」
風「は〜い!シリアスはここまで〜!冷めない内に食べて?学校行くよ?」
御成「では、頂きます!」
樹「・・・・」
アカリ「?」
讃州中学校・1年。
樹(どんな理由でも頑張れるなら、だったら・・・私は、勇者になったのも部員になったのも、お姉ちゃんの後ろに付いて行っただけ・・・私・・・理由なんて何も無い・・・)
”キーンコーンカーンコーン”
先生「今日はここまで。」
クラスメイト「起立!」
樹「っ!」
クラスメイト「礼!・・・神樹様に拝。」
樹「はぁ・・・」
するとスマホが振動した。
樹「ん?」
それは、風からのメッセージだった。
風『こちら部長。本日のミッションは二手に別れて決行する。飼い主探しの依頼が来てた子猫のうち、二匹の貰い手がついた。各依頼主の家へ行き、子猫を引き取ってくるべし。』
友奈『ラジャー!』
東郷『了解です。』
放課後。アカリ、御成、カノン、友奈、東郷、夏凜が依頼主の元へ向かう。
夏凜「えっと・・・」
アカリ「どうかしたの?」
夏凜「ここ何処!?」
東郷「この住所なら、あっち。」
夏凜「え?・・・わ、分かってたわよ!ちょっとまだこの地理に慣れてないだけよ!」
御成「まぁまぁ、素直になって下さいな。」
カノン「そうだよ。人は素直じゃないとね。」
夏凜「・・・そ、そうね・・・」
友奈「あ、そうだ!東郷さん、夏凜ちゃん、アカリさん、御成さん、カノンさん。ちょっと協力して欲しい事があるんだ。」
カバンからノートとペンを取り出した。
同じ頃、タケルとマコトと風と樹は、CRF250Lとマシンフーディーに乗ってもう1人の飼い主へ向かっている。風はタケルの後ろ、樹はマコトの後ろに乗ってる。
タケル「風、目的地は?」
風「・・・あ、彼処よ。」
目的地に到着して、バイクから降りた。
風「ここね。」
依頼主の家のインターホンを押した。
風「すみませーん!讃州中勇者部でーす!子猫を引き取りに来ましたー!」
玄関を開けると。
少女「絶対やだー!この子をあげるなんてー!私が飼うから!!」
母親「でもね、うちでは飼えないのよ。」
樹「もしかして、子猫を連れて行くが嫌だったのかな?」
風「あっちゃ〜、もうちょっと確認しておけば良かった・・・」
樹「どうしよう・・・この家の子、泣いてるみたい・・・」
マコト「ここは諦めるか?」
風「大丈夫、何とかする。」
樹「え?何とかって?」
風「タケルさん、手伝ってくれる?」
タケル「う、うん。」
玄関を開けて、2人が入った。
タケル「お邪魔します。」
風「失礼しまーす!讃州中勇者部の者ですけどー!」
夕方。4人が帰る。タケルとマコトはバイクを押してる。
樹「あの家のお母さん、子猫の事を考え直してくれて良かったね〜。」
風「・・・うん。」
樹「喧嘩にもならなかったし、お姉ちゃんとタケルさんのお陰!」
タケル「まさか、あの家で飼ってあげるなんてね。」
マコト「あの子猫、幸せになれれば良いな。」
タケル「だね。」
風「ごめんね、樹・・・」
樹「え?」
タケル・マコト「?」
風「ごめん・・・」
樹「何で、謝るの?」
風「樹を、勇者なんて大変な事に巻き込んじゃったから・・・」
樹「え・・・?」
風「さっきの家の子、お母さんに泣いて反対していたでしょ?それでさ、思ったんだ・・・樹を勇者にしろって大赦に命令された時、私・・・止めてって言えば良かった・・・さっきの子みたいに、泣いてでも・・・そしたら、もしかしたら、樹は勇者にならないで、普通に・・・」
タケル「風・・・」
マコト「・・・」
しかし樹が声を出した。
樹「何言ってるの!お姉ちゃん!」
風「え・・・?樹・・・?」
樹「お姉ちゃんは、間違ってないよ。」
風「でも・・・」
樹「それに私、嬉しいんだ。守られるだけじゃなくて、お姉ちゃんと、皆と一緒に戦える事が!」
風「・・・・ありがとう。」
樹「どう致しまして!」
風「樹ったら何か偉そう。」
風・樹「あはははははは!」
タケル「2人共、俺達も皆と協力して戦っているんだ。だから、俺達にも頼っても良いんだよ?」
マコト「ああ。俺達は別の世界の人間だが、この世界では勇者部の顧問と協力者。元の世界に帰れるまで、共に戦おうな。」
風「ありがとう。タケルさん、マコトさん。」
樹「ありがとうございます。」
ベートーベン『さぁ!部室に戻ったら歌の練習を始めよう!』
樹「あ、そ、そうでした・・・が、頑張ります!!」
後日、音楽で歌のテストの日。
樹(大丈夫、昨日だってちゃんと練習したんだし・・・)
先生「次は、犬吠埼さん。」
樹「は、はい!」
人前に立つが、また緊張してしまった。
樹(やっぱり無理・・・)
先生をピアノを弾く。
樹「っ!」
教科書を開くと、挟んでた手紙が落ちた。
クラスメイト達「ん?」
樹「あ、す、すみません・・・」
手紙を開けると。
樹「っ!」
勇者部の皆からの激励のメッセージが書かれてあった。
樹(友奈さん・・・東郷さん・・・お姉ちゃん・・・夏凜さん・・・タケルさん・・・マコトさん・・・アカリさん・・・御成さん・・・カノンさん・・・)
先生「大丈夫ですか?」
樹「は、はい!」
手紙を見た樹は笑顔を見せた。
樹(私は皆と一緒に居る!勇者としてだって、この歌とだって!)
そして。
樹樹「春は名のみの〜♪風の寒さや〜♪」
この前とは違い、綺麗な歌声が音楽室に響き、クラスメイト達が静かに驚いた。
放課後の勇者部。
友奈「樹ちゃん、テスト上手く行ったのかな・・・?」
風「大丈夫よ。だってあの子は、私の妹なんだから!」
アカリ「それに樹ちゃんは頑張り屋さんだからね!」
タケル「でも少し不安だなぁ・・・」
丁度そこに樹が来た。
友奈「樹ちゃん!」
東郷「歌のテストは?」
樹「バッチリでした!!」
歌のテストは無事に成功を収めた。
友奈「やったやった!」
樹「はい!」
友奈とハイタッチ。
東郷「きっと、皆カボチャだと思ったのが良かったのね!」
樹「あははは。ありがとうございます!」
東郷とハイタッチ。
樹「夏凜さんも、ありがとうございます!」
夏凜「あ、う、うん・・・」
照れながらハイタッチ。
アカリ「樹ちゃん、おめでとう!」
御成「よくぞここまで成長しました〜!」
カノン「樹ちゃん、やったね!」
樹「ありがとうございます!」
3人とハイタッチ。
タケル「練習の成果だね!」
マコト「流石風の妹だ。」
樹「はい!」
2人とハイタッチ。
風・樹「やったーーー!!」
樹「タケルさん、これお返しします。」
ベートーベンゴースト眼魂を返した。
タケル「ベートーベンさん、樹ちゃんどうでした?」
ベートーベン『うむ、見事だ。彼女の歌声は今までに無い美しい歌声だったぞ。』
タケル「そうですか。だってさ樹ちゃん。」
樹「えへへ〜、照れますね〜。」
夕方。風と樹とアカリと御成が帰る途中。
樹「あのねお姉ちゃん、私ね、やりたい事が出来たよ。」
風「ん?やりたい事?」
樹「うん。」
歌のテストが終わった後。
クラスメイトA『樹ちゃん歌上手い〜!』
樹『そ、そうかな・・・?』
クラスメイトB『歌手目指したら?』
クラスメイトC『私ファン1号!』
樹『か、歌手なんて・・・でも、歌うのは嫌いじゃないかも・・・』
クラスメイト達から歌手を勧められたのだった。
風「何何?将来の夢でも出来たの?だったらお姉ちゃんに教えてよ。」
アカリ「私も聞きたい。樹ちゃんの将来の夢。」
御成「樹殿の将来の夢、拙僧も聞きたいですぞ。」
樹「う〜ん・・・秘密。」
風「え〜?酷い〜。誰にも言わないから。」
アカリ「私達だけの秘密と言う前提で話してみて?」
御成「お願いします。樹殿。」
樹「駄目、恥ずかしいもん・・・」
風「ちぇぇ、残念・・・」
樹「でも、何時か教えるね。」
風「じゃあ、その何時かが来るまで気長に待つよ。」
アカリ「楽しみにしているよ。」
御成「お待ちしておりますぞ。」
樹「うん!」
将来の夢は歌手と言う事を秘密にした樹であった。
後日のカラオケ店。樹が歌の練習をしていた。ノートパソコンを使って自分の声を録音する。
樹(まだこれは、夢なんて言えない。やってみたい事が出来た。ただそれだけ。けど、どんな理由でも良いんだ。頑張る理由があれば、私はお姉ちゃんの後ろじゃなくて、一緒に並んで歩いて行ける。)
マウスを動かすと、置いていたカバンが落ちた。
樹「あ、・・・先にこっち。」
カバンからタロットカードの1枚が落ちた。そのカードは、死神のカードだった。
その頃風は、大赦にメールを送っていた。
風「私の理由は、バーテックスのせいで死んだ親の仇。凄く個人的な事だしね・・・」
机の上で俯せになる。するとその時。
樹海化警報が鳴り響いた。
アカリ「え!?」
御成「こ、この音は!?」
3人が外に出ると、樹海化が始まっていた。
風「始まったの・・・?最悪の事態・・・・」
犬神が風のスマホを持って来た。
そして樹海に飲み込まれてしまった。更にバーテックスが5体出現した。
友奈「行くよ、牛鬼!」
タケル「マコト兄ちゃん、行こう!」
マコト「ああ!」
戦いが再び訪れた。
「END」
キャスト
天空寺タケル:西銘駿
深海マコト:山本涼介
結城友奈:照井春佳
東郷美森:三森ずすこ
犬吠埼風:内山夕実
犬吠埼樹:黒沢ともよ
三好夏凜:長妻樹里
月村アカリ:大沢ひかる
御成:柳喬之
深海カノン:工藤美桜
英雄ゴースト:関智一
生徒:遠藤ゆりか
三咲麻里
幸田夢波
女性教師:斉藤貴美子
男性教師:各務立基
少女:上間江望
母親:牟田実波
第五話・決戦!困難に打ち勝つ!