命を燃やす勇者達   作:naogran

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後日の部室。

大赦から送られたスマホ。

風「バーテックスに生き残りが居て、戦いは延長に突入した。」

タケル「こんな事態になるなんて、俺達も想像付かなかった。」

風「纏めるとそう言う事。」

アカリ「だから皆に、スマホが帰って来たの。」

友奈(戦いが、まだ続く・・・)

風「本当、何時もいきなりでごめん・・・」

東郷「先輩も、さっき知った事じゃないですか?仕方無いですよ。」

タケル「そうだよ。俺達も知ったばかりなんだから。」

友奈「東郷さんとタケルさんの言う通りです。先輩。」

夏凜「まぁ、そいつを倒せば済む話でしょ?私達は敵の一斉攻撃だって殲滅したんだから、生き残りの1体や2体どんと来いよ!」

樹『勇者部五箇条、なせば大抵なんとかなる!!』

マコト「だがそうやって浮かれてると殺られる可能性がある。だが、俺達でその殺られる可能性を不可能に変えてやらなきゃな。」

タケル「俺達も協力するよ。」

風「ありがとう。皆。」

部室から出て、廊下の窓を開けて高らかに宣言した。

風「よーし!バーテックス!何時でも掛かって来なさい!!勇者5人と仮面ライダー達がお相手だーーー!!!」

新たな戦いが始まった。




あれから数日が経って、2学期が始まったが。

友奈「な〜んて言っておきながら、全然来ないね。バーテックス。もう2学期始まっちゃったよ。」

東郷「敵を気にしないのは駄目だけど、気にし過ぎるのも良く無いわ。友奈ちゃん。」

友奈「東郷さんは落ち着いてるな〜。その秘訣は?」

東郷「嘗て、国を守り戦った英霊達の活動記録。うちで映像を見る?」

友奈「で、出来れば分かりやすくアニメになってるのが良いな〜・・・」

すると友奈の新しい精霊が飛び出した。その姿は、火炎を纏った猫の姿だった。

友奈「ありゃ?ああ!火車、急に出て来たら駄目だって・・・この子も牛鬼みたいに悪戯っ子なんだよね・・・」

東郷「友奈ちゃんが優しいからわんぱくなのよ。」

すぐに火車を戻した。

東郷(新たな戦力か・・・)

彼女はリボンを見て考えていた。


第八話「散華!神の祝福!」

部室に到着。

 

友奈「結城友奈!入りまーす!」

 

東郷「こんにちは!」

 

風「ウィース!」

 

友奈「すっかりそのキャラ定着しましたね。」

 

樹『ウィースです。』

 

タケル「やっと来たね。2人共。」

 

すると風の新しい精霊の鎌鼬東郷の目の前に。

 

風「ああ!ごめん、そいつ好奇心旺盛で・・・犬神と違ってあんまり言う事聞かなくてさ・・・」

 

東郷「先輩の新しい精霊・・・」

 

鎌鼬が東郷の首回りを走る。

 

東郷「ああ、ちょ!くすぐったい・・・」

 

すると精霊の青坊主、刑部狸、不知火、川蛍が出現し、鎌鼬を東郷から追い払った。

 

友奈「東郷さんのは何時見ても賑やかだなぁ〜。」

 

すると精霊達が友奈を睨んだ。

 

友奈「あ、あははは・・・こんにちは・・・」

 

マコト「友奈を敵視してるのか?」

 

東郷「全員、気を付け!」

 

号令で精霊達を整列させた。

 

友奈「流石〜!訓練されてる〜!」

 

今度は頭が鏡の精霊が。

 

友奈「あれ?」

 

アカリ「それ樹ちゃんのだね。」

 

樹『私の雲外鏡と木霊も出てしまいました。』

 

今度は牛鬼と火車も出現した。

 

友奈「わわわわわ!私のも飛び出て来たー!牛鬼、他の精霊食べちゃ駄目だからね?」

 

風「大赦が新たな精霊を使えるよう端末をアップデートしてくれたのは良いけど、ちょっとした百鬼夜行ね・・・」

 

友奈「ほ、本当賑やか〜!もう一層文化祭これで良いんじゃないですか〜!?」

 

東郷「良くないわ!」

 

友奈「ですよね〜!」

 

夏凜「全く、あんたら精霊の管理ぐらい、東郷みたいにちゃんとしなさいよ・・・ってきゃああああああ!!!」

 

何時もの如く牛鬼に食われてる義輝。

 

義輝「諸行無常・・・」

 

カノン「精霊達可愛い〜!おいで〜!」

 

すると精霊達がカノンの方へ集まった。

 

カノン「あはは、可愛い〜!」

 

タケル「精霊達がカノンちゃんの方へ・・・」

 

樹『精霊達を和ませてます・・・』

 

友奈「カノンちゃん凄い・・・!」

 

 

 

 

その後。

 

風「ふぅ・・・ようやっと端末に戻ったわね。」

 

夏凜(それにしても私にだけ新たな精霊無しとか、どう言う事なのよ・・・ん?)

 

樹『敵・・・いつくるのかなドキドキ。』

 

夏凜「そうね。私の勘では、来週辺りが危ないわね。」

 

風「実は敵の襲来は気のせい!だったら良いんだけどね〜。」

 

御成「そうなれば、平和になれますぞ。」

 

風「あの諸葛孔明だって、負け戦はあるのよ?攻防も筆の誤り。神樹様の予知のミスくらい・・・」

 

 

 

 

 

 

突然樹海化警報が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

風「ええ!?」

 

タケル・マコト「っ!?」

 

周囲の時間が止まった。

 

友奈「噂をすればって奴かな・・・?」

 

夏凜「風が変な事言うから・・・神樹様の的確なツッコミね。」

 

マコト「お前も同じ事言ってただろ?」

 

夏凜「・・・」

 

 

 

 

外では樹海化が始まっていた。

 

 

 

 

風「来ちゃったわね。」

 

タケル「マコト兄ちゃん。」

 

マコト「ああ。」

 

夏凜「上等!殲滅してあげるわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

樹海。

 

東郷「敵は1体。」

 

ジェミニ・バーテックスを確認。

 

東郷「後数分で森を抜けます。」

 

友奈「1体だけなら!」

 

風「今回の敵で延長戦も終わり!ゲームセットにしましょう!」

 

夏凜「そうね!絶対逃がさないわ!」

 

風「行くわよ!」

 

友奈・東郷「はい!」

 

 

 

 

タケル「行こう!」

 

マコト「ああ!」

 

両手を翳してゴーストドライバーを出して、オレゴースト眼魂とスペクターゴースト眼魂を押して、ゴーストドライバーに装填してカバーを閉じた。

 

『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』

『アーイ!バッチリミロー!バッチリミロー!』

 

タケル・マコト「変身!!」

 

『カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!』

『カイガン!スペクター!レディゴー!覚悟!ド・キ・ド・キ!ゴースト!』

 

タケルが仮面ライダーゴースト・オレ魂と、マコトが仮面ライダースペクターに変身した。

 

 

 

 

そして友奈達5人は勇者に変身した。

 

 

 

 

風「よーし!じゃあまた、アレやろうか!」

 

東郷「了解です!」

 

夏凜「本当好きよね。こう言うの。」

 

7人が円陣を組む。

 

風「敵さんをきっちり昇天させてあげましょう!勇者部!ファイトー!」

 

タケル・マコト・友奈・東郷・夏凜「オーー!!」

 

アカリ「頑張って!」

 

カノン「皆!負けないで!」

 

御成「ご武運を!」

 

 

 

 

戦闘開始。ジェミニ・バーテックスが走ってる。

 

マコト「彼奴、あの時の奴か?」

 

風「あの変質者ってさ、樹が倒せなかったっけ?」

 

東郷「元々2体居るのが特徴のバーテックスかも知れません。」

 

友奈「2体で1セット・・・双子って事?」

 

タケル「確かに、さっき確認したら双子座って表示されていたし。」

 

夏凜「何れにせよ、やる事は同じ!止めるわよ!」

 

樹「・・・・・」

 

東郷(精霊が増えた人と増えてない人・・・違いが満開にあるとしたら・・・)

 

風「そうよね・・・やらないと・・・」

 

夏凜「どうしたの!?さっきあれ程テンションあげて言ったじゃない!」

 

タケル「皆、どうしたんだ?」

 

夏凜(そうか、皆いざとなって恐くなったんだ・・・もしかしたらまた、体の何処かにダメージが来るんじゃないかって・・・)

 

タケル(あの満開が原因で、戦うのが恐くなったのか?)

 

マコト(もしそうだとしたら・・・)

 

タケル「行こう!マコト兄ちゃん!」

 

マコト「ああ!」

 

マシンゴーストライカーとマシンフーディーに跨る。

 

夏凜「問題無い!私も!」

 

 

 

 

 

 

友奈「よーーーーーーーーし!!!!!」

 

 

 

 

 

 

東郷「友奈ちゃん?」

 

夏凜「どうしたのよ?急に。」

 

友奈「先輩!あの走ってるのを封印すれば、それで生き残りも片付くんですよね?」

 

風「う、うん!」

 

友奈「だったら、とっとと終わらせて、文化祭の劇の話をしましょう!!」

 

そう言って飛んで、ジェミニ・バーテックスを追跡する。

 

夏凜「私も!!」

 

続いて夏凜も追跡を開始した。

 

風「友奈!!夏凜!!」

 

マコト「俺達も行くぞ!」

 

タケル「うん!」

 

マシンゴーストライカーとマシンフーディーで追跡する。

 

 

 

 

夏凜「ここは私に任せなさいっての!」

 

友奈「でも!」

 

夏凜「って言っても、聞かないだろうから一緒にやるわよ!!」

 

友奈「うん!!夏凜ちゃん!!」

 

タケル・マコト「フッ!」

 

ガンガンセイバー・ガンモードとガンガンハンド・銃モードで連射して、ジェミニ・バーテックスを怯ませた。

 

友奈・夏凜「おりゃああああああああああ!!!!!」

 

2人のダブルパンチがジェミニ・バーテックスを転ばせた。

 

友奈「やった!!」

 

しかしジェミニ・バーテックスが再び起き上がって走り出したが。

 

『カイガン!フーディーニ!マジイイジャン!すげぇマジシャン!』

 

フーディーニ魂を纏ったスペクターが鎖を飛ばして、ジェミニ・バーテックスを拘束した。

 

マコト「逃がさん!!」

 

するとジェミニ・バーテックスの両足に数本の短剣が刺さった。ジェミニ・バーテックスが転げ落ちた。

 

友奈「風先輩!」

 

風「皆ありがとう!」

 

マコト「遅いぞお前達!」

 

 

 

 

その頃東郷は、長距離からの援護役に。

 

東郷(他に敵影は無し・・・彼奴さえ倒せば、この延長戦も終わり。)

 

狙撃銃を発砲。

 

 

 

 

ジェミニ・バーテックスが起き上がった瞬間、東郷が発砲した狙撃銃の弾丸によって顔が破壊された。

 

風「よし、封印の儀!!」

 

夏凜「殲滅開始!!」

 

友奈「バーテックス!!」

 

風「大人しくしなさい!!」

 

樹「・・・・・・」

 

封印の儀を開始。

 

マコト「ハッ!」

 

すぐに鎖を手元に戻す。

 

タケル「っ!」

 

ジェミニ・バーテックスから御霊が出現。しかも大量。

 

友奈「やった!って、何これーーー!?」

 

風「私がやるわ!!(満開ゲージを溜めるのは危険な事かも知れない・・・だから、私自身がトドメを刺さないと・・・他の皆にやらせる訳には・・・)」

 

『ダイカイガン!フーディーニ!オメガドライブ!』

 

マコト「ハァッ!!」

 

鎖を射出して御霊を全て縛って固めた。

 

風「マコトさん!!」

 

マコト「風!俺に任せろ!行くぞ!!」

 

夏凜「トドメは私に任せて貰うわよ!!」

 

風「か、夏凜!止めなさい!部長命令よ!」

 

夏凜「私は助っ人で来ているのよ!好きにやらせて貰うわ!!」

 

風「マコトさん!やって!!」

 

マコト「分かった!!」

 

鎖を引っ張って御霊を引き寄せる。

 

マコト「俺の生き様、見せてやる!!」

 

回転キックを繰り出そうとした瞬間。

 

 

 

 

友奈「はあああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 

夏凜「っ!?」

 

風「っ!?」

 

樹「・・・・!?」

 

タケル「え!?」

 

マコト「何!?」

 

友奈「勇者、キーーーーーーック!!!!!!」

 

大ジャンプした友奈が、勇者キックで御霊を全て破壊した。ジェミニ・バーテックスが消滅した。

 

友奈「・・・ふぅ、何事も無かった・・・うん!成せば何とかなったね!」

 

夏凜「友奈!」

 

マコト「友奈!」

 

タケル「友奈!」

 

友奈「うん!思ったより全然簡単だったね!皆!」

 

夏凜「あんた、何で勝手に・・・っ!?」

 

満開ゲージが3つ溜まってるのを見て驚愕した。

 

マコト「友奈、お前・・・!」

 

友奈「ご、ごめんね。新たな精霊の力が使いたくて、つい先走っちゃった。反省してます。」

 

タケル「だからって勝手な行動は止めて!」

 

マコト「お前がまた満開したら、また身体に影響を及ぼす事になるんだぞ!」

 

風「友奈・・・」

 

東郷「友奈ちゃん、身体は平気?」

 

友奈「うん!元気そのものだよ!大丈夫大丈夫。皆に怪我無く終わって良かった〜。」

 

東郷「友奈ちゃん・・・」

 

そして樹海が晴れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実世界。讃州中学校・屋上。

 

風「ふぅ・・・終わったのね。」

 

樹『お疲れさまです!』

 

夏凜「いいえ、まだそれを書くのは早いわ樹!」

 

アカリ「そうよ樹ちゃん!友奈ちゃん達が居ないのよ!」

 

夏凜「え?あれ?友奈?友奈?」

 

何と友奈と東郷、そしてタケルとマコトの姿が何処にも無かった。

 

風「ってか東郷も居ないじゃない・・・」

 

御成「タケル殿にマコト殿も居ませんぞ!?」

 

カノン「お兄ちゃーん!タケルさーん!」

 

風「東郷ー!」

 

夏凜「どうなってるの・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃友奈と東郷、そしてタケルとマコトは何処かの神社に居た。

 

タケル「ここは・・・?」

 

マコト「神社なのか・・・?」

 

東郷「戻ったけど・・・」

 

友奈「ここ、屋上じゃないよね・・・?皆は・・・?」

 

東郷「っ!大橋!」

 

友奈「え!?」

 

4人の目に映ったのは、壊された瀬戸大橋。

 

友奈「うわ、本当だ。だとしたら、結構離れた場所に来ちゃったのね・・・」

 

すぐにスマホのロック画面を解除しようとしたが。

 

友奈「あれ?電波入ってない?」

 

東郷「え?」

 

ロック画面を解除しようとしたが。

 

東郷「私の改造版でも駄目・・・」

 

タケル「あれ、ここってまさか・・・」

 

マコト「タケル、どうした?」

 

タケル「マコト兄ちゃん、ここ見覚え無い?」

 

マコト「見覚え?・・・っ!まさかここは・・・」

 

友奈「どうしたの?タケルさん、マコトさん。」

 

???「ずーっと呼んでいたよ?わっしー。ター君、マー君。」

 

何処からか少女の声が聞こえた。

 

タケル「この声・・・」

 

???「会いたかった〜・・・」

 

マコト「彼処だ!」

 

声がした方へ向かった。そこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

身体中が包帯で巻かれた1人の少女が、ベッドの上で寝たきり状態になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女「ようやく呼び出しに成功したよ〜。わっしー、ター君、マー君。」

 

友奈「え?わっしー・・・鷲?それにター君とマー君って?って言うか、何でここにベッドがドーンと!?」

 

タケル(この声、まさか・・・)

 

マコト(ここで再会するとは・・・)

 

少女「あなたが戦っていたのを感じて、ずっと、呼んでたんだよ?」

 

友奈「えっと、東郷さんの知り合い?」

 

東郷「・・・・・いいえ、初対面だわ・・・」

 

彼女から見て包帯の少女は初対面だと言う。

 

タケル・マコト「・・・・・」

 

少女「はぁ・・・うふふ、わっしーって言うのはね、私の大切なお友達の名前なんだ〜。何時もその子の事を考えていてね。つい口に出ちゃうんだよ。ごめんね。」

 

友奈「あの、私達を呼んだんですか・・・?」

 

少女「うん。その祠。」

 

友奈「これ、うちの学校にもある・・・」

 

東郷「うん、同じだね・・・」

 

少女「バーテックスとの戦いが終わった後なら、その祠使って呼べると思ってね。」

 

友奈「・・・・バーテックスをご存知なんですか?」

 

少女「一応、あなたの先輩になるって事かな?私、乃木園子って言うんだよ?」

 

友奈「さ、讃州中学の結城友奈です!」

 

園子「友奈ちゃん・・・」

 

東郷「東郷美森です。」

 

園子「美森ちゃんかぁ・・・」

 

友奈「先輩と言うのはつまり、乃木さんも・・・」

 

園子「うん、私も勇者として戦ってたんだ。2人のお友達、2人のお兄さん達と一緒に、エイエイオーってね。今はこんなになっちゃったけどね・・・」

 

友奈「2人のお兄さん?」

 

園子「2人と一緒に居るお兄さん達だよ?」

 

友奈・東郷「え?」

 

タケル「園子、久し振りだね。」

 

マコト「こんな形で再会してしまうとは。」

 

友奈「乃木さんを知っているの?」

 

タケル「うん。友奈達が勇者になる以前から一緒に戦っていたんだ。」

 

マコト「園子と2人の勇者と共に。」

 

東郷「・・・・」

 

友奈「バ、バーテックスが、先輩をこんな酷い目に遭わせたんですか・・・?」

 

園子「ああ、うんとね、敵じゃないよ?私これでもそこそこ強かったんだから。えっと・・・あ、そうだそうだ。友奈ちゃんは満開したんだよね?」

 

友奈「え?」

 

園子「わーって咲いて、わーって強くなる奴。」

 

友奈「あ、はい。しました。わーって強くなりました。」

 

東郷「私もしました・・・」

 

園子「そっか・・・咲き誇った花は、その後どうなると思う?」

 

マコト「咲いた花は、時間が経てば花びらを舞い散らして枯れる。」

 

園子「そう。満開の後、散華と言う隠された機能があるんだよ。」

 

東郷「散、華・・・?花が散るの、散華・・・?」

 

園子「満開の後・・・」

 

 

 

 

 

 

「身体の何処かが、不自由になったはずだよ?」

 

 

 

 

 

 

東郷「・・・!」

 

友奈「え、それって・・・!?」

 

園子「それが散華。神の力を振るった満開の代償。花1つ咲けば、1つ散る・・・花2つ咲けば、2つ散る・・・その代わり、決して勇者は死ぬ事は無いんだよ?」

 

東郷「死なない・・・?」

 

友奈「で、でも、死なないなら、良い事じゃないのかな・・・?ね?」

 

園子「そして、戦い続けて今みたいになっちゃったんだ・・・元からボーッとするのが特技で良かったのかなって。全然動けないのはきついからね・・・」

 

マコト「お前、過去に満開を使って今の状態になったと言うのか?」

 

園子「まぁ、そう言う事になるかな?」

 

タケル「園子・・・・」

 

友奈「い、痛むんですか・・・?」

 

園子「痛みは無いよ?敵にやられたものじゃないから。満開して、戦い続けてこうなっちゃっただけ。敵はちゃんと撃退したよ?」

 

友奈「満開して、戦い続けた・・・?」

 

東郷「その身体は代償で・・・?」

 

 

 

 

 

 

園子「うん。」

 

 

 

 

 

 

友奈・東郷「っ!?」

 

驚愕の真実を聞かされた2人が絶句した。

 

友奈「ど、どうして・・・どうして私達が・・・?」

 

園子「何時の時代だって、神様に見初められて供物となったのは無垢な少女だから。穢れ無き身だからこそ、大いなる力を宿せる。」

 

マコト「その力を代償として、身体の一部を神樹に供物として捧げる。それがお前達が持つ勇者システムのだ。」

 

タケル「神樹様は、勇者をお供え物として見ているんだ。以前にある人から教えられたんだ。」

 

東郷「私達が・・・供物・・・?」

 

園子「大人達は神樹様の力を宿す事が出来ないから、私達がやるしか無いとは言え・・・酷い話だよね・・・」

 

東郷「それじゃあ、私達はこれから・・・身体の機能を失い続けて・・・」

 

言っている途中で友奈が東郷を止めた。

 

友奈「でも、12体のバーテックスは倒したんだから、大丈夫だよ!東郷さん。」

 

東郷「友奈ちゃん・・・」

 

園子「倒したのは凄いよね。私達の時は追い返すのが精一杯だったから・・・でもター君とマー君のお陰で殆ど倒せる事が出来たし・・・」

 

友奈「そうなんですよ!もう、戦わなくて良いはずなんです!」

 

園子「そうだと良いね・・・」

 

友奈「そ、それで失った部分はずっとこのままなんですか!?皆は、治らないんですか!?」

 

園子「治りたいよね・・・私も治りたいよ・・・歩いて、友達を抱き締めに行きたいよ・・・」

 

友奈「・・・・・」

 

東郷「友奈ちゃん!タケルさん!マコトさん!」

 

友奈「え!?」

 

タケル・マコト「っ!?」

 

 

 

 

 

 

仮面を被った謎の人物達が現れた。

 

 

 

 

 

 

友奈「大赦の人達・・・?」

 

タケル・マコト「・・・・・」

 

大赦の人間達が5人を囲んだ。

 

園子「彼女達と彼らを傷付けたら許さないよ。」

 

大赦が園子に顔を向けた。

 

園子「私が呼んだ大切なお客さんだから。あれだけ言ったのに、会わせてくれないんだもん。」

 

タケル「それを押し切ったのか?」

 

園子「だから自力で呼んじゃったよ。」

 

大赦が園子に向かって頭を下げた。

 

マコト「お前、大赦から祀られてるのか?」

 

園子「そう。私は今や半分は神様みたいなものだからね。崇められちゃってるんだ。」

 

タケル「園子・・・」

 

園子「安心してね。あなた達も丁重に元の街に送って貰えるから。悲しませてごめんね?大赦の人達も、このシステムを隠すのは1つの思いやりでもあるんだよ。でも、私はそう言うの、ちゃんと言って欲しかった・・・」

 

彼女は涙を流した。

 

園子「分かってたら、友達ともっともっと・・・沢山遊んで・・・だから・・・伝えておきたくて・・・」

 

すると東郷が、園子の傍に寄って、園子の涙を拭いた。

 

園子「・・・くすっ、そのリボン、似合ってるね・・・」

 

東郷「このリボンは・・・とても大事な物なの・・・それだけは覚えている・・・けど・・・ごめんなさい・・・私、思い出せなくて・・・」

 

園子「仕方無いよ・・・」

 

友奈「方法は!?このシステムを変えられる方法は無いんですか!?」

 

園子「神樹様の力を使えるのは勇者だけ・・・そして勇者になれるのは、極々一部・・・私達だけなんだよ・・・」

 

友奈「・・・・・」

 

タケル「変えられる!!」

 

友奈「っ!?」

 

東郷「っ!?」

 

園子「ター君・・・?」

 

タケル「例えシステムが変えれなくても、未来は変えられる!きっと、散華された勇者の身体はきっと戻るはずだよ!」

 

友奈「タケルさん・・・」

 

マコト「タケル・・・」

 

ヒミコゴースト眼魂を出した。

 

タケル「ヒミコさん、未来を予告出来ますか?」

 

ヒミコ『・・・・駄目、ぬし達の未来が見えない・・・』

 

友奈「そんな・・・」

 

東郷「・・・・」

 

ヒミコ『だが、自らの手で未来を変える事が出来る。それを忘れない事だ。』

 

タケル「・・・友奈、東郷、俺達の手で未来を変えよう。そうすれば、失った身体が元に戻れるかも知れない。」

 

マコト「園子、お前の失った身体も絶対取り戻してやる。そうすれば、また歩けるようになるはずだ。」

 

園子「ター君・・・マー君・・・ありがとう・・・返してあげて。彼女達の街へ。」

 

大赦が拝んだ。

 

園子「何時でも待ってるよ。大丈夫、こうして会った以上、もう大赦側もあなたの存在をあやふやにしないだろうから。」

 

東郷「・・・・・・」

 

園子「そうだ、ター君、マー君。」

 

タケル「何?」

 

園子「あの子は元気してる?」

 

タケル「・・・ああ、元気してるよ。」

 

マコト「今でも頑張ってる。」

 

園子「そう、ありがとう・・・」

 

 

 

 

 

 

夜、友奈と東郷を乗せた大赦の車が走る。その後ろからCRF250Lとマシンフーディーが付いて行く。

 

友奈「・・・・・っ!」

 

何かを決心した友奈が、東郷を抱き締めた。

 

東郷「友奈ちゃん・・・?」

 

友奈「勇者部五箇条・・・なるべく諦めない!」

 

東郷「友奈ちゃん・・・」

 

友奈「東郷さん、大丈夫だよ!私、ずっと一緒に居るから!何とかして方法を見付けるから!タケルさんやマコトさんも未来を変えようって言ってた。だから、一緒に身体を戻す方法を見付けよう!」

 

東郷「友奈ちゃん・・・!」

 

新たな戦いが再び始まった。

 

「END」




         キャスト

    天空寺タケル:西銘駿

     深海マコト:山本涼介

      結城友奈:照井春佳
      東郷美森:三森ずすこ
      犬吠埼風:内山夕実
      犬吠埼樹:黒沢ともよ
      三好夏凜:長妻樹里
      乃木園子:花澤香菜
        義輝:肝付兼太

     月村アカリ:大沢ひかる
        御成:柳喬之
     深海カノン:工藤美桜

    英雄ゴースト:関智一

第九話・姉妹!心の痛みを判る人!

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