大赦から送られたスマホ。
風「バーテックスに生き残りが居て、戦いは延長に突入した。」
タケル「こんな事態になるなんて、俺達も想像付かなかった。」
風「纏めるとそう言う事。」
アカリ「だから皆に、スマホが帰って来たの。」
友奈(戦いが、まだ続く・・・)
風「本当、何時もいきなりでごめん・・・」
東郷「先輩も、さっき知った事じゃないですか?仕方無いですよ。」
タケル「そうだよ。俺達も知ったばかりなんだから。」
友奈「東郷さんとタケルさんの言う通りです。先輩。」
夏凜「まぁ、そいつを倒せば済む話でしょ?私達は敵の一斉攻撃だって殲滅したんだから、生き残りの1体や2体どんと来いよ!」
樹『勇者部五箇条、なせば大抵なんとかなる!!』
マコト「だがそうやって浮かれてると殺られる可能性がある。だが、俺達でその殺られる可能性を不可能に変えてやらなきゃな。」
タケル「俺達も協力するよ。」
風「ありがとう。皆。」
部室から出て、廊下の窓を開けて高らかに宣言した。
風「よーし!バーテックス!何時でも掛かって来なさい!!勇者5人と仮面ライダー達がお相手だーーー!!!」
新たな戦いが始まった。
あれから数日が経って、2学期が始まったが。
友奈「な〜んて言っておきながら、全然来ないね。バーテックス。もう2学期始まっちゃったよ。」
東郷「敵を気にしないのは駄目だけど、気にし過ぎるのも良く無いわ。友奈ちゃん。」
友奈「東郷さんは落ち着いてるな〜。その秘訣は?」
東郷「嘗て、国を守り戦った英霊達の活動記録。うちで映像を見る?」
友奈「で、出来れば分かりやすくアニメになってるのが良いな〜・・・」
すると友奈の新しい精霊が飛び出した。その姿は、火炎を纏った猫の姿だった。
友奈「ありゃ?ああ!火車、急に出て来たら駄目だって・・・この子も牛鬼みたいに悪戯っ子なんだよね・・・」
東郷「友奈ちゃんが優しいからわんぱくなのよ。」
すぐに火車を戻した。
東郷(新たな戦力か・・・)
彼女はリボンを見て考えていた。
部室に到着。
友奈「結城友奈!入りまーす!」
東郷「こんにちは!」
風「ウィース!」
友奈「すっかりそのキャラ定着しましたね。」
樹『ウィースです。』
タケル「やっと来たね。2人共。」
すると風の新しい精霊の鎌鼬東郷の目の前に。
風「ああ!ごめん、そいつ好奇心旺盛で・・・犬神と違ってあんまり言う事聞かなくてさ・・・」
東郷「先輩の新しい精霊・・・」
鎌鼬が東郷の首回りを走る。
東郷「ああ、ちょ!くすぐったい・・・」
すると精霊の青坊主、刑部狸、不知火、川蛍が出現し、鎌鼬を東郷から追い払った。
友奈「東郷さんのは何時見ても賑やかだなぁ〜。」
すると精霊達が友奈を睨んだ。
友奈「あ、あははは・・・こんにちは・・・」
マコト「友奈を敵視してるのか?」
東郷「全員、気を付け!」
号令で精霊達を整列させた。
友奈「流石〜!訓練されてる〜!」
今度は頭が鏡の精霊が。
友奈「あれ?」
アカリ「それ樹ちゃんのだね。」
樹『私の雲外鏡と木霊も出てしまいました。』
今度は牛鬼と火車も出現した。
友奈「わわわわわ!私のも飛び出て来たー!牛鬼、他の精霊食べちゃ駄目だからね?」
風「大赦が新たな精霊を使えるよう端末をアップデートしてくれたのは良いけど、ちょっとした百鬼夜行ね・・・」
友奈「ほ、本当賑やか〜!もう一層文化祭これで良いんじゃないですか〜!?」
東郷「良くないわ!」
友奈「ですよね〜!」
夏凜「全く、あんたら精霊の管理ぐらい、東郷みたいにちゃんとしなさいよ・・・ってきゃああああああ!!!」
何時もの如く牛鬼に食われてる義輝。
義輝「諸行無常・・・」
カノン「精霊達可愛い〜!おいで〜!」
すると精霊達がカノンの方へ集まった。
カノン「あはは、可愛い〜!」
タケル「精霊達がカノンちゃんの方へ・・・」
樹『精霊達を和ませてます・・・』
友奈「カノンちゃん凄い・・・!」
その後。
風「ふぅ・・・ようやっと端末に戻ったわね。」
夏凜(それにしても私にだけ新たな精霊無しとか、どう言う事なのよ・・・ん?)
樹『敵・・・いつくるのかなドキドキ。』
夏凜「そうね。私の勘では、来週辺りが危ないわね。」
風「実は敵の襲来は気のせい!だったら良いんだけどね〜。」
御成「そうなれば、平和になれますぞ。」
風「あの諸葛孔明だって、負け戦はあるのよ?攻防も筆の誤り。神樹様の予知のミスくらい・・・」
突然樹海化警報が鳴り響いた。
風「ええ!?」
タケル・マコト「っ!?」
周囲の時間が止まった。
友奈「噂をすればって奴かな・・・?」
夏凜「風が変な事言うから・・・神樹様の的確なツッコミね。」
マコト「お前も同じ事言ってただろ?」
夏凜「・・・」
外では樹海化が始まっていた。
風「来ちゃったわね。」
タケル「マコト兄ちゃん。」
マコト「ああ。」
夏凜「上等!殲滅してあげるわ!!」
樹海。
東郷「敵は1体。」
ジェミニ・バーテックスを確認。
東郷「後数分で森を抜けます。」
友奈「1体だけなら!」
風「今回の敵で延長戦も終わり!ゲームセットにしましょう!」
夏凜「そうね!絶対逃がさないわ!」
風「行くわよ!」
友奈・東郷「はい!」
タケル「行こう!」
マコト「ああ!」
両手を翳してゴーストドライバーを出して、オレゴースト眼魂とスペクターゴースト眼魂を押して、ゴーストドライバーに装填してカバーを閉じた。
『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』
『アーイ!バッチリミロー!バッチリミロー!』
タケル・マコト「変身!!」
『カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!』
『カイガン!スペクター!レディゴー!覚悟!ド・キ・ド・キ!ゴースト!』
タケルが仮面ライダーゴースト・オレ魂と、マコトが仮面ライダースペクターに変身した。
そして友奈達5人は勇者に変身した。
風「よーし!じゃあまた、アレやろうか!」
東郷「了解です!」
夏凜「本当好きよね。こう言うの。」
7人が円陣を組む。
風「敵さんをきっちり昇天させてあげましょう!勇者部!ファイトー!」
タケル・マコト・友奈・東郷・夏凜「オーー!!」
アカリ「頑張って!」
カノン「皆!負けないで!」
御成「ご武運を!」
戦闘開始。ジェミニ・バーテックスが走ってる。
マコト「彼奴、あの時の奴か?」
風「あの変質者ってさ、樹が倒せなかったっけ?」
東郷「元々2体居るのが特徴のバーテックスかも知れません。」
友奈「2体で1セット・・・双子って事?」
タケル「確かに、さっき確認したら双子座って表示されていたし。」
夏凜「何れにせよ、やる事は同じ!止めるわよ!」
樹「・・・・・」
東郷(精霊が増えた人と増えてない人・・・違いが満開にあるとしたら・・・)
風「そうよね・・・やらないと・・・」
夏凜「どうしたの!?さっきあれ程テンションあげて言ったじゃない!」
タケル「皆、どうしたんだ?」
夏凜(そうか、皆いざとなって恐くなったんだ・・・もしかしたらまた、体の何処かにダメージが来るんじゃないかって・・・)
タケル(あの満開が原因で、戦うのが恐くなったのか?)
マコト(もしそうだとしたら・・・)
タケル「行こう!マコト兄ちゃん!」
マコト「ああ!」
マシンゴーストライカーとマシンフーディーに跨る。
夏凜「問題無い!私も!」
友奈「よーーーーーーーーし!!!!!」
東郷「友奈ちゃん?」
夏凜「どうしたのよ?急に。」
友奈「先輩!あの走ってるのを封印すれば、それで生き残りも片付くんですよね?」
風「う、うん!」
友奈「だったら、とっとと終わらせて、文化祭の劇の話をしましょう!!」
そう言って飛んで、ジェミニ・バーテックスを追跡する。
夏凜「私も!!」
続いて夏凜も追跡を開始した。
風「友奈!!夏凜!!」
マコト「俺達も行くぞ!」
タケル「うん!」
マシンゴーストライカーとマシンフーディーで追跡する。
夏凜「ここは私に任せなさいっての!」
友奈「でも!」
夏凜「って言っても、聞かないだろうから一緒にやるわよ!!」
友奈「うん!!夏凜ちゃん!!」
タケル・マコト「フッ!」
ガンガンセイバー・ガンモードとガンガンハンド・銃モードで連射して、ジェミニ・バーテックスを怯ませた。
友奈・夏凜「おりゃああああああああああ!!!!!」
2人のダブルパンチがジェミニ・バーテックスを転ばせた。
友奈「やった!!」
しかしジェミニ・バーテックスが再び起き上がって走り出したが。
『カイガン!フーディーニ!マジイイジャン!すげぇマジシャン!』
フーディーニ魂を纏ったスペクターが鎖を飛ばして、ジェミニ・バーテックスを拘束した。
マコト「逃がさん!!」
するとジェミニ・バーテックスの両足に数本の短剣が刺さった。ジェミニ・バーテックスが転げ落ちた。
友奈「風先輩!」
風「皆ありがとう!」
マコト「遅いぞお前達!」
その頃東郷は、長距離からの援護役に。
東郷(他に敵影は無し・・・彼奴さえ倒せば、この延長戦も終わり。)
狙撃銃を発砲。
ジェミニ・バーテックスが起き上がった瞬間、東郷が発砲した狙撃銃の弾丸によって顔が破壊された。
風「よし、封印の儀!!」
夏凜「殲滅開始!!」
友奈「バーテックス!!」
風「大人しくしなさい!!」
樹「・・・・・・」
封印の儀を開始。
マコト「ハッ!」
すぐに鎖を手元に戻す。
タケル「っ!」
ジェミニ・バーテックスから御霊が出現。しかも大量。
友奈「やった!って、何これーーー!?」
風「私がやるわ!!(満開ゲージを溜めるのは危険な事かも知れない・・・だから、私自身がトドメを刺さないと・・・他の皆にやらせる訳には・・・)」
『ダイカイガン!フーディーニ!オメガドライブ!』
マコト「ハァッ!!」
鎖を射出して御霊を全て縛って固めた。
風「マコトさん!!」
マコト「風!俺に任せろ!行くぞ!!」
夏凜「トドメは私に任せて貰うわよ!!」
風「か、夏凜!止めなさい!部長命令よ!」
夏凜「私は助っ人で来ているのよ!好きにやらせて貰うわ!!」
風「マコトさん!やって!!」
マコト「分かった!!」
鎖を引っ張って御霊を引き寄せる。
マコト「俺の生き様、見せてやる!!」
回転キックを繰り出そうとした瞬間。
友奈「はあああああああああああ!!!!!」
夏凜「っ!?」
風「っ!?」
樹「・・・・!?」
タケル「え!?」
マコト「何!?」
友奈「勇者、キーーーーーーック!!!!!!」
大ジャンプした友奈が、勇者キックで御霊を全て破壊した。ジェミニ・バーテックスが消滅した。
友奈「・・・ふぅ、何事も無かった・・・うん!成せば何とかなったね!」
夏凜「友奈!」
マコト「友奈!」
タケル「友奈!」
友奈「うん!思ったより全然簡単だったね!皆!」
夏凜「あんた、何で勝手に・・・っ!?」
満開ゲージが3つ溜まってるのを見て驚愕した。
マコト「友奈、お前・・・!」
友奈「ご、ごめんね。新たな精霊の力が使いたくて、つい先走っちゃった。反省してます。」
タケル「だからって勝手な行動は止めて!」
マコト「お前がまた満開したら、また身体に影響を及ぼす事になるんだぞ!」
風「友奈・・・」
東郷「友奈ちゃん、身体は平気?」
友奈「うん!元気そのものだよ!大丈夫大丈夫。皆に怪我無く終わって良かった〜。」
東郷「友奈ちゃん・・・」
そして樹海が晴れた。
現実世界。讃州中学校・屋上。
風「ふぅ・・・終わったのね。」
樹『お疲れさまです!』
夏凜「いいえ、まだそれを書くのは早いわ樹!」
アカリ「そうよ樹ちゃん!友奈ちゃん達が居ないのよ!」
夏凜「え?あれ?友奈?友奈?」
何と友奈と東郷、そしてタケルとマコトの姿が何処にも無かった。
風「ってか東郷も居ないじゃない・・・」
御成「タケル殿にマコト殿も居ませんぞ!?」
カノン「お兄ちゃーん!タケルさーん!」
風「東郷ー!」
夏凜「どうなってるの・・・?」
同じ頃友奈と東郷、そしてタケルとマコトは何処かの神社に居た。
タケル「ここは・・・?」
マコト「神社なのか・・・?」
東郷「戻ったけど・・・」
友奈「ここ、屋上じゃないよね・・・?皆は・・・?」
東郷「っ!大橋!」
友奈「え!?」
4人の目に映ったのは、壊された瀬戸大橋。
友奈「うわ、本当だ。だとしたら、結構離れた場所に来ちゃったのね・・・」
すぐにスマホのロック画面を解除しようとしたが。
友奈「あれ?電波入ってない?」
東郷「え?」
ロック画面を解除しようとしたが。
東郷「私の改造版でも駄目・・・」
タケル「あれ、ここってまさか・・・」
マコト「タケル、どうした?」
タケル「マコト兄ちゃん、ここ見覚え無い?」
マコト「見覚え?・・・っ!まさかここは・・・」
友奈「どうしたの?タケルさん、マコトさん。」
???「ずーっと呼んでいたよ?わっしー。ター君、マー君。」
何処からか少女の声が聞こえた。
タケル「この声・・・」
???「会いたかった〜・・・」
マコト「彼処だ!」
声がした方へ向かった。そこには・・・
身体中が包帯で巻かれた1人の少女が、ベッドの上で寝たきり状態になっていた。
少女「ようやく呼び出しに成功したよ〜。わっしー、ター君、マー君。」
友奈「え?わっしー・・・鷲?それにター君とマー君って?って言うか、何でここにベッドがドーンと!?」
タケル(この声、まさか・・・)
マコト(ここで再会するとは・・・)
少女「あなたが戦っていたのを感じて、ずっと、呼んでたんだよ?」
友奈「えっと、東郷さんの知り合い?」
東郷「・・・・・いいえ、初対面だわ・・・」
彼女から見て包帯の少女は初対面だと言う。
タケル・マコト「・・・・・」
少女「はぁ・・・うふふ、わっしーって言うのはね、私の大切なお友達の名前なんだ〜。何時もその子の事を考えていてね。つい口に出ちゃうんだよ。ごめんね。」
友奈「あの、私達を呼んだんですか・・・?」
少女「うん。その祠。」
友奈「これ、うちの学校にもある・・・」
東郷「うん、同じだね・・・」
少女「バーテックスとの戦いが終わった後なら、その祠使って呼べると思ってね。」
友奈「・・・・バーテックスをご存知なんですか?」
少女「一応、あなたの先輩になるって事かな?私、乃木園子って言うんだよ?」
友奈「さ、讃州中学の結城友奈です!」
園子「友奈ちゃん・・・」
東郷「東郷美森です。」
園子「美森ちゃんかぁ・・・」
友奈「先輩と言うのはつまり、乃木さんも・・・」
園子「うん、私も勇者として戦ってたんだ。2人のお友達、2人のお兄さん達と一緒に、エイエイオーってね。今はこんなになっちゃったけどね・・・」
友奈「2人のお兄さん?」
園子「2人と一緒に居るお兄さん達だよ?」
友奈・東郷「え?」
タケル「園子、久し振りだね。」
マコト「こんな形で再会してしまうとは。」
友奈「乃木さんを知っているの?」
タケル「うん。友奈達が勇者になる以前から一緒に戦っていたんだ。」
マコト「園子と2人の勇者と共に。」
東郷「・・・・」
友奈「バ、バーテックスが、先輩をこんな酷い目に遭わせたんですか・・・?」
園子「ああ、うんとね、敵じゃないよ?私これでもそこそこ強かったんだから。えっと・・・あ、そうだそうだ。友奈ちゃんは満開したんだよね?」
友奈「え?」
園子「わーって咲いて、わーって強くなる奴。」
友奈「あ、はい。しました。わーって強くなりました。」
東郷「私もしました・・・」
園子「そっか・・・咲き誇った花は、その後どうなると思う?」
マコト「咲いた花は、時間が経てば花びらを舞い散らして枯れる。」
園子「そう。満開の後、散華と言う隠された機能があるんだよ。」
東郷「散、華・・・?花が散るの、散華・・・?」
園子「満開の後・・・」
「身体の何処かが、不自由になったはずだよ?」
東郷「・・・!」
友奈「え、それって・・・!?」
園子「それが散華。神の力を振るった満開の代償。花1つ咲けば、1つ散る・・・花2つ咲けば、2つ散る・・・その代わり、決して勇者は死ぬ事は無いんだよ?」
東郷「死なない・・・?」
友奈「で、でも、死なないなら、良い事じゃないのかな・・・?ね?」
園子「そして、戦い続けて今みたいになっちゃったんだ・・・元からボーッとするのが特技で良かったのかなって。全然動けないのはきついからね・・・」
マコト「お前、過去に満開を使って今の状態になったと言うのか?」
園子「まぁ、そう言う事になるかな?」
タケル「園子・・・・」
友奈「い、痛むんですか・・・?」
園子「痛みは無いよ?敵にやられたものじゃないから。満開して、戦い続けてこうなっちゃっただけ。敵はちゃんと撃退したよ?」
友奈「満開して、戦い続けた・・・?」
東郷「その身体は代償で・・・?」
園子「うん。」
友奈・東郷「っ!?」
驚愕の真実を聞かされた2人が絶句した。
友奈「ど、どうして・・・どうして私達が・・・?」
園子「何時の時代だって、神様に見初められて供物となったのは無垢な少女だから。穢れ無き身だからこそ、大いなる力を宿せる。」
マコト「その力を代償として、身体の一部を神樹に供物として捧げる。それがお前達が持つ勇者システムのだ。」
タケル「神樹様は、勇者をお供え物として見ているんだ。以前にある人から教えられたんだ。」
東郷「私達が・・・供物・・・?」
園子「大人達は神樹様の力を宿す事が出来ないから、私達がやるしか無いとは言え・・・酷い話だよね・・・」
東郷「それじゃあ、私達はこれから・・・身体の機能を失い続けて・・・」
言っている途中で友奈が東郷を止めた。
友奈「でも、12体のバーテックスは倒したんだから、大丈夫だよ!東郷さん。」
東郷「友奈ちゃん・・・」
園子「倒したのは凄いよね。私達の時は追い返すのが精一杯だったから・・・でもター君とマー君のお陰で殆ど倒せる事が出来たし・・・」
友奈「そうなんですよ!もう、戦わなくて良いはずなんです!」
園子「そうだと良いね・・・」
友奈「そ、それで失った部分はずっとこのままなんですか!?皆は、治らないんですか!?」
園子「治りたいよね・・・私も治りたいよ・・・歩いて、友達を抱き締めに行きたいよ・・・」
友奈「・・・・・」
東郷「友奈ちゃん!タケルさん!マコトさん!」
友奈「え!?」
タケル・マコト「っ!?」
仮面を被った謎の人物達が現れた。
友奈「大赦の人達・・・?」
タケル・マコト「・・・・・」
大赦の人間達が5人を囲んだ。
園子「彼女達と彼らを傷付けたら許さないよ。」
大赦が園子に顔を向けた。
園子「私が呼んだ大切なお客さんだから。あれだけ言ったのに、会わせてくれないんだもん。」
タケル「それを押し切ったのか?」
園子「だから自力で呼んじゃったよ。」
大赦が園子に向かって頭を下げた。
マコト「お前、大赦から祀られてるのか?」
園子「そう。私は今や半分は神様みたいなものだからね。崇められちゃってるんだ。」
タケル「園子・・・」
園子「安心してね。あなた達も丁重に元の街に送って貰えるから。悲しませてごめんね?大赦の人達も、このシステムを隠すのは1つの思いやりでもあるんだよ。でも、私はそう言うの、ちゃんと言って欲しかった・・・」
彼女は涙を流した。
園子「分かってたら、友達ともっともっと・・・沢山遊んで・・・だから・・・伝えておきたくて・・・」
すると東郷が、園子の傍に寄って、園子の涙を拭いた。
園子「・・・くすっ、そのリボン、似合ってるね・・・」
東郷「このリボンは・・・とても大事な物なの・・・それだけは覚えている・・・けど・・・ごめんなさい・・・私、思い出せなくて・・・」
園子「仕方無いよ・・・」
友奈「方法は!?このシステムを変えられる方法は無いんですか!?」
園子「神樹様の力を使えるのは勇者だけ・・・そして勇者になれるのは、極々一部・・・私達だけなんだよ・・・」
友奈「・・・・・」
タケル「変えられる!!」
友奈「っ!?」
東郷「っ!?」
園子「ター君・・・?」
タケル「例えシステムが変えれなくても、未来は変えられる!きっと、散華された勇者の身体はきっと戻るはずだよ!」
友奈「タケルさん・・・」
マコト「タケル・・・」
ヒミコゴースト眼魂を出した。
タケル「ヒミコさん、未来を予告出来ますか?」
ヒミコ『・・・・駄目、ぬし達の未来が見えない・・・』
友奈「そんな・・・」
東郷「・・・・」
ヒミコ『だが、自らの手で未来を変える事が出来る。それを忘れない事だ。』
タケル「・・・友奈、東郷、俺達の手で未来を変えよう。そうすれば、失った身体が元に戻れるかも知れない。」
マコト「園子、お前の失った身体も絶対取り戻してやる。そうすれば、また歩けるようになるはずだ。」
園子「ター君・・・マー君・・・ありがとう・・・返してあげて。彼女達の街へ。」
大赦が拝んだ。
園子「何時でも待ってるよ。大丈夫、こうして会った以上、もう大赦側もあなたの存在をあやふやにしないだろうから。」
東郷「・・・・・・」
園子「そうだ、ター君、マー君。」
タケル「何?」
園子「あの子は元気してる?」
タケル「・・・ああ、元気してるよ。」
マコト「今でも頑張ってる。」
園子「そう、ありがとう・・・」
夜、友奈と東郷を乗せた大赦の車が走る。その後ろからCRF250Lとマシンフーディーが付いて行く。
友奈「・・・・・っ!」
何かを決心した友奈が、東郷を抱き締めた。
東郷「友奈ちゃん・・・?」
友奈「勇者部五箇条・・・なるべく諦めない!」
東郷「友奈ちゃん・・・」
友奈「東郷さん、大丈夫だよ!私、ずっと一緒に居るから!何とかして方法を見付けるから!タケルさんやマコトさんも未来を変えようって言ってた。だから、一緒に身体を戻す方法を見付けよう!」
東郷「友奈ちゃん・・・!」
新たな戦いが再び始まった。
「END」
キャスト
天空寺タケル:西銘駿
深海マコト:山本涼介
結城友奈:照井春佳
東郷美森:三森ずすこ
犬吠埼風:内山夕実
犬吠埼樹:黒沢ともよ
三好夏凜:長妻樹里
乃木園子:花澤香菜
義輝:肝付兼太
月村アカリ:大沢ひかる
御成:柳喬之
深海カノン:工藤美桜
英雄ゴースト:関智一
第九話・姉妹!心の痛みを判る人!