センパイと呼んでくる後輩がカワイイ件   作:椿遊

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UA2500ありがとうございます。

今月中に後数話投稿できればと思います。



執心(前編)

下校する生徒がちらほらと現れる中、俺のクラスのホームルームも終了した。日によってホームルームにかかる時間にズレがあることで定評のある我が担任。帰宅部である俺からすると大したことではないかもしれないが、早く部活に向かいたい、友だちと遊びに行きたいと思ってる人からすると長引くのは勘弁してほしいところなのだろう。

しかし、今日に限っては帰宅部である俺も勘弁してほしいと思っている部類に入る。ポケットに入れているスマートフォンからの振動が収まる気配がないのである。隣のクラスメイトと目が合う。謝罪の意を込めて頭を下げる。

 

「珍しいね。何かあるの?」

 

「遊びに行く予定のあるやつからだと思う」

 

「あー、今日話長いもんね」

くすくすと柔らかい笑みを浮かべながら話しかけてきたのは高槻さん。昨年も同じクラスだった女子生徒だ。

時々話す程度だが、会話で気を使わずに済み、共通の趣味もあるので仲の良いクラスメイトのひとりだ…と俺は思っている。

 

「でも一緒に遊びに行く人なんていたっけ?」

「…ディスってる?」

 

「あ、心当たりのない人だったら行かない方がいいよ。お金盗られたり、何かの犯罪に巻き込まれたり…」

 

「ディスりがとまりませんね…ちなみに知り合いです」

 

またまたぁと手を仰がせ突っ込んでくるが事実である。いや、もしかしたらあの後輩からお金を盗られたり…という可能性は無きにしも非ず…と思ったがそんなやつじゃないだろう。

 

「なら誰っちゅーねん?」

 

「名前知らへんねん」

 

「そりゃ怪しいで」

 

「せやけどこの学校の子や」

 

「ちょっとあなた達静かにね」

 

エセ関西弁での会話を続けていたところ先生からの横槍が飛んできた。気付かぬうちに声量が上がっていたのだろう。そういえば今日いろいろと注意されてる気がするんだが厄日なのか?

一応自分に非があるし、しっかりと反省してます。もちろんエセ関西弁を使ってしまったことも反省してます。

 

 

 

 

 

 

「何かあったら明日私に言うんだぞ、わかった?」

 

ホームルームも終わり、スマートフォンを手に取り教室から出ようとしたところで高槻さんから声をかけられた。

 

「安心しろ、変なことは起きないから」

 

「フラグを立てるのがお上手ですねぇ」

 

…無意識にフラグを立てるような発言をしてしまった。フラグとかいらないからマジで。

 

「じゃあまた明日」

 

「これが彼と私の最期の会話になるとは、このとき高槻葉月は想像していなかった…」

高槻さんは手を振り先に教室から出ていった。

逆にフラグ解除してくれたな。スマホの画面を見てみると通知が溜まっていた。

まだ終わらないのか、教室に残ってるの退屈だ、暇だ、とのことでトーク履歴が埋め尽くされていた。

とりあえず今終わったと連絡を送る。

すると即座に返信があった。教室にいるから早くこいとのことだ。階段を降り、彼女のクラスへと向かう。開いたドアから中を覗き見ると女子生徒と話している後輩の姿があった。

 

 

「遅いですよー」

 

手元にはノートとプリントが見える。暇だったから課題でもしていたのだろう。

俺の姿を見て後輩と話していた女生徒は会話を切り上げ教室から去っていった。

「遅れてすまん」

 

「待ち時間で課題終わったんで結果オーライというやつですよ」

 

右手でVの字をつくりこちらへ向けて突き出した。そしてちょきちょきと指を動かし微笑む。可愛いという単純な言葉が頭に浮かぶ。

流行りの動画投稿アプリとかでこのシーンが公開されてたら即効でお気に入りに登録してる。間違いない。

 

 

「…それじゃあ早く行きましょう」

 

そう言ってノートを机にしまい、バッグを肩に掛け立上がる。置き勉タイプなのか…小学生の頃はなぜか置き勉禁止という縛りがあったなと、今のシーンをみて昔のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

「ゲーセンで何しましょうか」

 

「何かしたいこととかある?」

 

「質問に質問で返さないでください」

 

と言われても俺がしたいことは特にない。なぜか誘ってしまったが資金は枯渇状態であり、出来れば出費は抑えたい。ゲーセンに行ったことがないという珍しい後輩に付き添うといった形で過ごしたいのだが。

 

「ぬいぐるみとか好き?」

「え?まぁ好きですが」

 

「ならクレーンゲームとか」

 

うーんと考えながらも歩みは止めずに目的地へと向かう。

「私知ってますよ、クレーンゲームのアームを弱めて景品が取れないようになってることを」

 

「確かにそういう所もあるな」

 

「今から行くところは普通だと思うけど。あと単純に下手くそだから景品が取れないっていうのもある」

 

「えー…じゃあ私無理です」

 

その場で歩みを止め立ち止まりやや項垂れる。

「ちなみに先輩の腕前はどうなんですか」

 

顔を上げ、こちらを向き聞いてきた。

 

「中の上くらいじゃないか」

 

少し見えを張った。本当は中の中か中の下…だと思うからそこまで盛ってない。

 

「へー」

 

なんかめっちゃ見てる。通行人に気をつけないといけないんだから前を向いて歩いてね。

 

 

「あとはアーケードゲームとか」

 

「何ですかそれ」

 

「ハイウェイファイターとかぶよぶよとかわかる?」

 

「あ、知ってます。ハイウェイファイターはやったことないですけど、ぶよぶよは子どものころやってました」

 

「そういうゲームのこと」

 

「じゃあそれの対戦とかできるんですか?」

 

「できるよ」

 

「やりましょう」

やや食い気味に応えてきた。クレーンゲームよりもこちらの方がお気に召したらしい。

ただ、顔を近づけて来られるとドキッとするからやめてほしい…無意識でやられると照れるんだよな。無意識じゃなくても照れるんだろうけど。

 

 

 

 

 

 

 

 





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