今回は今までとは少し違う雰囲気の文書です。
苦手な方はすいません、まあ初めてなりに頑張ってみたので
それでは!
一方そのころ。
文「ふぅ…まあざっとこんなもんでしょう。」
文はすこし速度を落としながら飛行する。
文「あややや…海星さんは、やはり只者ではなかったですねぇ…。あれはもう妖怪ですよ…。」
先程対峙した時の姿を思い出す。
「名残惜しいですが、結局こちらの土俵に持ち込んだのでね、勝たせてもらいます。」
大人気ない気持ちがあるのか、すこし後悔したように呟く。
「ゲームとはいえあんな必死に私を追いかけるなんて、なんだかそそるものがありますねぇ…。」
身体をくねくねさせながら冗談を交えつつ暇を潰す。
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枝を蹴り、しなりを利用して前に飛ぶ。
『ビュン!』
瞳を閉じていても、エコーロケーションのように。
先程まで見えなかった先の、もっと先の木でさえ、その造形を通り抜けていく風が浮き彫りにしていく。
2つ先の木の幹に指をグッとかけ加速。
『ビュン!』
ここから6m先の4本目の木と5本目の木が重なっているので、右に重心を逸らしながら木と木の間をすり抜ける。
そのまま身体を捻りながら木の枝を横から蹴る。
『ギュン!』
通れる道を瞬時に判断し、最速で駆け抜ける。
感覚と四肢を使って
蹴って、蹴って、蹴って…。
加速、加速、加速。
文「そろそろ、時間もいい頃になってきましたね…!?!」
ふと空を見上げた文の視界に一瞬チラリと影が映った。
だがもう遅い。その時には気付くのが遅かった。
海星「よぉ…油断し過ぎたようだな…!!」
ガシッと文の腕を掴んでその勢いのまま
地面に押し倒し、倒れ込む。
文「ガハッ!」
背中から地面に叩きつけられたため文は肺の空気を全て出してしまう。
これでもう空には逃げられない。
天狗たち「「!?!」」
椛「わ!!!」
スキマの向こうの天狗たちも絶句してしまう。
海星「やっと追いついたよ。さすがのスピードだ。」
カラカラの喉と熱くなった肺が自身を焼く。慣れないことをした為、息が上がってしまった。
息を落ち着けながら、ゆっくりと文に語り掛ける。
文「くっ…!どう…して。はっ!?」
文はここで違和感に気付く。
海星は目を閉じている、そして鬼のような角。
文「なにか仕掛けがありそうですね…。ぬかりました…。」
心底悔しそうな顔をする文。
よほどの自信があったからこそ付け入ることができたのだ。
海星「あぁ、君のおかげで風を視ることを覚えた。
さて、筆を頂いていくよ。
どこにある?」
そう言いながら文を抑えている手を離し…。
ピキっ…ピキっ…ピキ…。
地面から現れた水晶たちが文の腕と足を絡めとり縛りつける。
文「あの…!?ちょっと!?」
今から何をされるのか、想像がついたのか
文は焦ったような声を上げる。
文(捕まるはずがないと思って、これは…やってしまいましたね…。筆を隠したのは…でも。)
文「全ては天魔様の勝利の為。隠し場所は最後まで言えませんね。」
あくまで忠誠心が勝るか。これが天狗。見上げたものだ。
文の服は白いシャツに黒いフリルがついた短いスカートを着ている。
筆は外見からは見えないので、あるとすれば…。
海星「服の中か…。」
やれやれ。とした顔になりながらも、ちらりと文の方に顔を向ける。
文「ひぁ…あ、あの…。」
覚悟していたのだろうが文の顔が引き攣る。
もがこうとするが、両手両足を縛ってあるので抵抗は虚しく終わる。
海星「目を閉じているから大丈夫だ。」
エコーロケーションのように割と鮮明にみえているが、言う必要が無いだろうから、そこは黙っておく。
海星「ならスキマもいまは閉じておこう…。」
海星が右手を横に振ると。
ピキっ!と快音を立ててスキマの両端が塞がれた。
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天狗たち「そんなぁああ!!うわあぁぁぁあぁぁあ!!!!」
固唾を飲んで血眼で見ていたオスの天狗たちが絶望した声を上げて倒れ込む。
椛「…やった!海星さんが勝てそう…!でもなんででしょう、少し胸がドキドキして痛いです…。」
文との距離が近いことに少し胸の痛みを覚える。椛が、その意味を知るのはまだ先のことである…。
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文「なら大丈夫ですね……って!そんなわけないじゃないですか!解いて下さいよ!」
そう涙目で訴える文に対し。
海星「だめだね。1度逃がしている。
俺も友人である紫のために、確実に頂いていくよ。」
無慈悲だが、仕方ない。
文「…あの…優しくしてください…ね?」
そう言いながら目を閉じる文。
すこしニヤリとしたように見えたのは気の所為だろうか。
海星「あぁ、優しくしよう。
…ん?」
この一言を皮切りに海星の視界は一瞬【ゼロ】となった。
海星「風が…止んだ?こんなこと…。」
信じられないが
慌てて当たりをキョロキョロする。
正しく言うと、風が消えたのだ。
文「なにしてるんです?時間稼ぎなんて野暮な真似しないでくださいよ。
それとも?女の子の服を探るなんて照れちゃって出来ませんか?」
文が話しかけてくると同時に再び風がそよそよと戻ってくる。
海星「森が深いからか?あぁ、すまないな。」
もともと風は小さかったし、木が乱立している雑木林なので無風状態になることもあるのだろう。
再び視界が戻ってきたので文の方に向き直る。
海星「なら、恥ずかしがっても時間稼ぎになってしまうようだから手短にな。」
そう言って服の方に手を伸ばす。
文「…ええ。手短に…ね…。お願いしますよ。」
隠し場所を言ってくれたら楽なんだが、お互い上のメンツを保たせる意地の張り合いになっているので無理だろう。
諦めて、筆を探すことに集中する。
まずは首から肩にかけて見てみるが、ここにはまず無いだろう。サイズ的にも隠すところが見当たらないのと、不自然な所もない。
一応、指を当てて確認する。
文「…ん。びっくりするじゃないですか。」
首筋に指が当たったことに対し、びっくりしたのか声を上げる。分かっているだろうに。
俺を惑わそうとしているのだろうか。
特に硬い筆のような感触はない。
襟のところにも隠してはいないようだ。
順当に行けば、次に胸からお腹にかけてだが、仮に隠されてなかった場合にのちのち困るのでここは後回しだ。
足から腰にかけて見ていく。
文「あややや。次は胸あたりかと思いましたよ。海星さんはお楽しみは取っておく派ですか?果物とかは食事の最後に食べる人ですね?」
ニヤニヤしながらも語り掛けてくる。
やはり、お得意のおちゃらけた感じで惑わそうとしてい…
ん?
ここで海星は違和感に気づいてしまった。
少し文の声と身体が震えているのを。
確かに、今思えば
族長の命令で勝手にこんなことに巻き込まれて、先程知り合った男に拘束されているのだ。女の子にとっては恐怖でしかなく、気が気ではないだろう。
海星「…。」ピタリと手を止める。
文「…。どうしました?怖気付いたんですか?」
突然手を止めたので文も不思議に思ったのか
問いかけてくる。
海星「いや、文。妖怪と言えど、女の子に対して配慮が少し足りなかった。怖い思いをさせてしまっただろう。すまない。」
素直に心の内を話す。
文「…。」
文は驚いたような顔をして、じっとこちらを見る。
海星「あくまで勝負。下心などはない。
難しいかも知れないが、安心してくれ。」
安心できるように優しく、ゆっくりと語りかける。
文「…。(コク)」
少し間が空いた後に、文は小さく、こくりと頷いた。
先程の挑発的な発言や態度はやはり演技だったことがわかった。
安心しろと言われても、怖いものは怖いだろう。あとは行動で示すだけだ。
海星「服を少し脱がすぞ。」
そう言いながら
白シャツにベルトが着いているため、外していく。
カチャカチャ…。
風の音の他に乾いた金属の音が森に響く。
そしてシャツのボタンを下から下着が見えない程度にはずしていく。
プッ。パチッ。パチッ。
2、3個ボタンを外し、シャツを上にたくし上げる。
腕や足とはまた違う、引き締まった白い肌が空気に触れる。
文「んっ…。」
恥ずかしそうな声をあげる。
それに終わりを告げるかのように。
海星「あった。」
ホッと安堵の声を上げる。
腰から脇腹にかけてスカートに挟んである筆が顔を表した。
海星「なんでまたここに隠したんだ。」
思わず呆れた声をあげる。
文「鞄もポケットは無いし、そこしか無かったんですよ…。」
独り言のつもりだったのだが、文が申し訳なさそうな顔をする。
海星「じゃあ頂いていくよ。」
そう言いながら手を伸ばす。
その瞬間。
ピタッ。風が止み。
再び辺りは無風状態になる。
海星「ちっ…。なんなんだ?」
でも再び風が吹くタイミングまで待つのは時間稼ぎになりフェアじゃない。
目を開けるのも、風を読むのに慣れたこの感覚を、振り出しに戻してしまいそうな気がして。気が引ける。
そのまま、早く風が吹くことを祈りながら、筆の位置を思い出し手探りで取ろうとする。
ピトっ。
筆ではなく、文の肌に触れる感触がある。
文「え?…んっ。」
海星「あ、すまない。見えなくて。」
急いで離すが、冷たい肌の感じが手に残っている。
文「いえ…大丈夫ですよ。そのまま、早く取ってください。」
海星「早く取れと言われてもな…。」
完全な闇の中であまり肌に触らないように筆を探る。
つぅー…。
文「あっ…。ちょっ…と!海星さ…」
お腹の柔らかい感じが人差し指と中指に伝わり。文が思わず声を上げる。
海星「すまない。思いのほか難しくてな。」
こちらも気が気じゃないので早く終わらせたいのだが…。
文「…今のとこよりもう少し右です。」
もう観念したのか、位置を指示してくれた。
海星「ありがとう。でも右か?」
そう言いながら指を下に降ろすと。
ツプ。
柔らかくも急に沈み込む感触に指が包み込まれる。
文「んあっ…っ! …ばか!!私から見て右ですよ!!」
おへそに指が当たってしまい文が怒りながら体をくねらせる。
海星「す、すまない…。」
そう言いながら筆を腰から抜き取る。
最近で1番違った意味でドキドキした。
スーッ。と引き抜く。
文「あっ…くっ。ほんと…わざとやったんですか?」
ジトーっとした目で睨んでくる。
海星「わざとじゃない。ここまで繰り返してしまっては信用できないと思うがな。」
そう軽く返す。
もうこうなればこちらもヤケだ。
文「まあいいです。さて、まだ終わったわけじゃないですからね。次は。わ た しが追いかける番です。」
そう言いながら再び文の顔つきが変わる。
逃げ切るのはこれまた骨が折れそうだ。
さて、えろ回といいますかなんといいますか。
まあ難しかったです笑
それでは!何かありましたら感想にて。