東方水晶録   作:かいせいクリュウ

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お久しぶりです。
コロナの影響もあり。
長らく続きが書けておりませんでした。
皆様は大丈夫でしょうか?

更新が止まっているにも関わらず
読んでくれている方、ありがたいことに感想をいただける方がおりましたので、投稿するモチベーションに繋がりました。

ここから少しずつ更新していきますので、
まだまだ物語は続いていきます。

幻想郷もまだできてないですからね


妖怪の山の宴会

少し陽が傾き、過ごしやすいと感じられる時間帯になってきた。

かなり大規模な宴会にも関わらず、開始の時間は決まっていないから驚きだ。

(まあ、そもそもこの時代に時計はないのだが。)

 

文が言うには、妖怪は本能で宴会を始めるから時間を決めるなんて野暮な話だそうだ。

そんなセリフを残しながら、友達を呼んでくると山の中腹に向かって飛び立っていった。

 

 

なんとも適当な話である。

そんなことを考えていると、ポツリポツリと人影が増えだす。

あっという間に鞍馬館前の宴会会場はいっぱいになった。

 

どうやら本能とやらは正確なようだ。

呆れと関心が入りまじりながらも、人影の方へと歩を進める。

 

………………………………………………………………

 

会場は4〜6少人数の円になるように囲み合っている

食べ物や酒はテーブル?樹齢千年はありそくな大きな木の切り株にたくさん置いてあり、交流メインだからか、席という概念はなさそうだ。

みんなそれぞれ、話したい奴に話しかけにいくようだな。

 

 

さて、どうしたもんか。

文と椛とは話したいよな。

あとは知らない妖怪ともはなしてみたい。

 

会場を見渡すと、天狗達の他にも鬼や見慣れない他の妖怪達も、ちらほら参加している。

 

どうやら天狗達は、周辺に住んでいる種族にも声をかけていたようだ。

まずどこにいこうか。と迷っていると。

 

雷鬼「おーい!海星!」

こちらを見つけると、向こうから雷鬼が笑顔で歩きながら声をかけてくる。

 

海星「ん?おぉ、来てたのか!」

まあ鬼は宴会好きそうだし、真っ先に来るだろうな。と思いつつ言葉は飲み込む。

 

雷鬼「隣いいか?天狗達に呼ばれてな!宴会ときいちゃあ行くしかねぇ。

そんなことより、大変だった見てえじゃねえか。

遣いの天狗達から聞いたぞ!」

心配というよりも好奇心に満ちた顔で聞いてくる。

 

 

海星「あぁ、もちろんだ。

まあな。大変だったなんてもんじゃないぞ。久しぶりに死にかけたよ。」

説明も難しいので適当に誤魔化す。

どーせまたあとで嫌でも話すことになるからな。

 

 

なんて、そうこうしている間に、天魔もやってきた。

 

天魔「さー…て。宴会の準備はできたか〜?」

なんとも威厳のない姿と声量だ。

 

そんな天魔に対して、さっと酒が注がれていく。そそぐ天狗の緊張した顔がなんとも違和感満載だ。

 

注ぎ終わった頃、紫がさっと場を鎮める。

 

そして天魔が宴会の音頭をとる

 

天魔「ありがと〜っと。

さて、お集まりいただき…皆感謝〜す…る。ん〜…。天狗はこれから…妖怪と人間の共存に〜力を貸すことに〜なる。

まあ…いっか。しゃべるの疲れちゃった。

楽しくはじめましょ〜!」

なんともダルそうな顔をしながら

宴会の音頭が終わった…のか?

 

天狗たち「「「…はっ!乾杯!!!」」」

天狗たちも音頭に意表を突かれたようで

一呼吸おくれて乾杯をする。

 

鬼たちや他の妖怪たち「「「おー!乾杯ーーー!!!」」」

天狗たちよりさらに一呼吸おくれて

鬼やその他の妖怪たちが乾杯する

 

やれやれ、あの天狗の長にはみんな振り回されっぱなしだな。

みんなというより、天狗たちは苦労が絶えないだろう…。

 

 

そんな労いの気持ちで天狗たちを思っていると、

天魔「や〜、やっとはなせるねぇ〜。」

すたすた…というより、のそのそとこちらに歩いてくる。

紫も同じペースで歩きづらそうに歩いてくる。

 

海生「そ、そうだな…。積もる話があるだろう」

こんなペースのやつと会話したことが無いから難しいな…。

これで強いんだから驚きだ。

 

こちらに向かいながら、

天魔が雷鬼にも気がついたようで。

天魔「お〜、雷鬼も一緒に話したら〜面白いだろうな〜っておもってたところだ〜」

にこにこしながら雷鬼に話しかける。

 

…チッ。やはり長同士、面識はあるよな。

そうだと思った。

天魔があの時代の生き残りであることを雷鬼が知らないはずがなかったのだ。

 

(こいつ…。おれと天魔が戦闘になるようにわざと…)

 

海星「…雷鬼め、こうなることを知ってやがって俺に事前に言わなかったな?」

ジロリと雷鬼のほうを睨む。

 

雷鬼「カッカッカ!2人がぶつかるとどうなるのか興味があってな。なーに、事前に聞かれてないんだ。嘘はついてねぇ」

あっけらかんとした態度で笑い飛ばす。

 

 

天魔「ん〜どちらにせよ…出会ったら〜闘うつもりだったけどね〜。ま〜あ海星のことは〜…妾は昔から知っていたから。」

 

美しく艶のある髪をゆっくりと指で梳かしながらとんでもない発言をする天魔。

 

 

海星「なに?……おれは天魔のこと…。知らなかったぞ。」

太古時代にどこかですれ違っていたかもとは思ったが、こんなクセの強い妖怪、出会っていれば忘れるはずがない。

 

 

雷鬼「だよなぁ〜」

やれやれと言った顔で頷く。

 

天魔「えーそうだよねぇ〜…悲しいな〜あ…天狗という種族を創ったのは〜…海星なんだよねぇ〜。」

さらっととんでもない発言をし続ける天魔

 

海星「…なんだと?からかっているのか?」

話が掴めず、天魔を疑う。

 

雷鬼「いや、海星が確かに創ってる。俺が保証する。」

嘘をつかない雷鬼がこう言ったら最後。

話はついにとんでもない方向へ向かう。

 

 

海星「…説明を求むぞ。身に覚えが…雷鬼と居る時に天狗…。」

何かモヤモヤする。あった気もしなくもない。

 

雷鬼「昔、強い妖怪はなんだ?って話をしたじゃないか。そん時にお前の言ったこと、覚えてるか?」

雷鬼が懐かしむような顔で問いかけてくる。

そんなの言われても、何年前の話だってところだが…

思い出そうと努力してみる。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

side 太古 〜過去の記憶〜

 

ふぅ〜疲れた…そう呟く2人、雷鬼と海星だ。

 

どかっと倒れ込むように同時に座り込む。

周辺は木々が折れたり、抉れたり

並大抵の惨状ではないことを簡単に物語る。

 

どうやら手合わせをしていたようだ。

 

雷鬼「だいぶ俺のスピードにもついて来るようになったな。どうなってやがる。本当に人か?」

仰向けの状態でつぶやくように俺に話しかける。

 

海星「いやいや、結局動くのに精一杯で何もできなかったよ。まあ人並みよりも上なことは否定しないがな。」ハハハと軽く笑う

身体強化もだいぶ板についてきて、そんなことを言える余裕が出てきた。

 

雷鬼「ここら一帯の妖怪で俺についてこれるやつなんて居ねーよ。」やれやれと言った顔で話を続ける。

 

雷鬼「そこらの妖怪も面白い奴がねぇからなぁ…。人の恐怖とやらも、人と妖怪が遮断されてて関わりがないから強い妖怪が産まれないんだろうなぁ…」

 

雷鬼は寂しそうな顔をする。

 

たしかに、雷鬼以外の妖怪といえば、会話ができない獣のような奴が多く。知能が無いため、正直言って弱い。

(力の無い人からみると充分恐怖だが)

 

「鬼」という種族が強すぎるのもあるが

雷鬼にとっては張り合いが無いだろう。

 

海星「まあ鬼は強いからなぁ…。」

現代においても語り継がれる種族だからなぁ。ボソッとつぶやく。

 

雷鬼「なぁ、ふと思ったんだが、何故お前は鬼を知っている?そして強さの比較も出来ると言うことは、他の妖怪も知っているのか?」

雷鬼は普段適当な会話しかしないが、

たまに、なかなか痛いところをついてくる。

 

海星「ん…?おっ…おぉ…知ってるもんは知ってるんだよ。他の妖怪の知識もそこそこにはある。」本当は前世の記憶だが、まあ誤魔化す。

 

雷鬼「ほー!海星は物知りだしな!」

雷鬼はうんうんと頷く。真っ直ぐな瞳が心苦しい。

 

雷鬼「ちなみに。鬼と同じくらい強い種族はいるのか?あったことがあるのか??教えてくれよ。」

わくわくとそんな目をしながら、ガバッと立ち上がり聞いてくる。

 

海星「なるほどなー、鬼と同じくらいか…。」想像したこともなかった。

 

うんうんと頭をかしげた後。

 

海星「天狗かなぁ…。」

同じくらい有名だしな。まあ他にも吸血鬼とかも思い浮かんだが、和の雰囲気の鬼のライバルとしては天狗のほうが的確だろう。

 

雷鬼「天狗?どんな奴だ?なぜ強いと思う?」

突如として聞かされた好敵手の名前に興味が湧いたようだ。

 

海星「風を操ったりする妖怪だ。鳥から想像されることが多い。このご時世に自在に空を飛び回り攻撃できる。これほど厄介な相手はいないだろう?」

雷鬼も俺も地面を駆けて動くタイプだからな。

 

雷鬼「たしかにな…。厄介そうだ。」

 

海星「しかも、この時代にもし天狗産まれたらやばそうだな…。」

現代の天狗はカラスなどだが。

 

 

 

……ガサガサ!!

そんなことを話してると遠くの草むらが揺れる。

 

 

グギャァアァ!!!

恐竜のようなフォルムをした羽毛に覆われた鳥が、大きなトンボを追いかけている。

 

海星「鳥のベースがあれだもんなぁ…。」

 

思わず馬鹿馬鹿しくなって笑ってしまう。

恐竜が闊歩すること時代。

カラスなんて比ではなく…。

 

 

海星「全ての鳥の祖先…始祖鳥…。

そんな化け物みたいな鳥の天狗がいたら…。」

思わず想像しただけで悲惨な結果が見えた。

 

雷鬼「始祖鳥?なんだそれ?

なんだか楽しそうだな。」

へへっと笑う雷鬼。

 

海星「いや、楽しいもんか。久しぶりに心の底から恐怖したよ。」

始祖鳥が絶滅しなかった世界。そんな想像ができないのだ。

ブルっと震える。

 

雷鬼「ほぉ…海星にここまで言わせるとは…。楽しみだな…。手合わせ願いたいもんだ。」

不敵な笑みを浮かべる雷鬼、こいつは闘うことしか考えてないんだな。

 

海星「やれやれ、戦闘狂には付き合ってらんないよ…。ってか、もうこんな時間か。

ちょっと考えを落ち着けたいから今日は帰るぞ。」

始祖鳥なんて言葉がまだ存在しない世界。

知るはずもない知識をこれ以上話すとボロが出そうだ。この辺でお暇させてもらおう。

 

雷鬼「そうか!またな!」

そんな考えも無意味なように、あっけらかんと俺を送り出す雷鬼

 

海星「あぁ、またな!」

またちょっと罪悪感を覚えつつ帰路に着く。

 

海星「久しぶりに1人の帰り道が怖いな」

そう呟きながら。

 

side〜???〜

 

???「ギ?ギアヤアァアァアァ!!」

1匹の始祖鳥が銀色と黒色の光に包まれる。

 

誰かの恐怖が妖怪を作り出した瞬間だった。

 

 

…………………………………………………………

side海星  〜現代 妖怪の山〜

 

海星「確かに会話はしたが…。」

思い出した。だがそれがきっかけになるとは。

 

 

紫(只者ではないとは思っておりましたが…想像のスケールを超えるお話しでした…。)

知りもしない太古の世界の話。ゴクリと唾を飲み込む紫

 

天魔「そ〜であろ〜。妾の最初の記憶は…。【コノオトコヲ恐怖サセロ】じゃからな〜。」

ぐりんと梟のようにこちらを振り向く。

 

ゾクっとした視線が心臓に突き刺さる。

いや、怖すぎだろ。後ろの下っ端天狗がひっくり返ったぞ。

 

この天魔の掴めなさは異常だ。

鋭いのかボケているのか全く解らない。

 

天魔「な〜んてな〜。

じゃが妾は今日、最古の世界で産まれた理由を達成したのだ。素晴らしき日じゃなぁ〜。」

ケラケラと笑う。

 

ここまでくると執念だ…。

妖怪というものの恐ろしさを再度認識する。

 

天魔「あとは…この命…創り出した貴様の為に使っても良いのじゃぞ?」

能力を使い聞き取りやすい声で。

ニヤリと微笑む。

 

 

海星「始祖鳥の天狗…。俺が心から恐怖した存在…。」

あの文明を滅ぼした爆弾から単独で逃げるのなんて容易いだろう。

 

海星「お前は天狗の頂点だ。天狗達を導く為にこれからも生きてくれればいい。」

俺の為に使うなんて、そんなおこがましいお願いはできないしな。

 

 

天魔「……わ〜か〜り〜ました〜。」

なんとも間の抜けた返事をする。

拗ねている…?のか?

 

雷鬼「あーあ…」ぼそりとつぶやく。

海星に人の心を読み取る力を与えてくれと願う雷鬼だった。

 

文「あややや…!すごいメンツですねぇ海星さん。」

射命丸文が向こうから飛んでくる。

 

妖怪の山のあちらこちらでワイワイと笑い声が響く。

宴会はまだまだ続きそうだ。

 




さて、オリジナルの天狗の長でした。
せっかくの古代スタートなので絡めたキャラ設定になってます。
ロマンがありますよね。

次回も宴会で、新しい原作キャラにも触れていきたいと思います。
宴会が終わったら、そこから新章に突入できればと考えてます。

それでは!
更新開いてしまいもうしわけなーい
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