東方水晶録   作:かいせいクリュウ

67 / 67
みなさま、お待たせ致しました。
すっかり寒いと思いきや、暖かい日も交互に来たり…。
体調は大丈夫でしょうか?

更新期間があいてしまったにもかかわらず、
前読んでくださった方など、感想を頂けて嬉しかったです。

更新頻度を上げねば!
コロナもだいぶ落ち着いてきましたので、更新いたします。
この宴会が終わった後、次の章へと向かいます。
それでは!


発明家の盟友との交流

 

 

天魔「お〜…文か〜今日はよくやってくれた〜。」

だらけた表情で酒を片手に手を振る。

 

 

文「あややや…天魔様。ありがたいお言葉です。

ですが…これは出直した方が良いでしょうか?」

 

文の顔が引き攣っている。

 

多分だが、そこらの国の軍事力を遥かに凌駕するテーブルになってしまっているだろう。

 

現世でいう、大統領クラスの集まり…?

それは大袈裟か。

 

まあ文が遠慮の声を出すのも無理はないだろう。

 

???「そ、そうだね…後にしようよ…。ありがとう文。」

文の服の裾を引っ張りながら水色の服を着た女の子が小さく声を上げる。

 

初めて見る妖怪だ。怯えているようだが…。

 

確かに自分が一般の妖怪だとしたら、「こんな押し潰されそうな席」には近づかないだろう。

 

ハッとここで我に帰る。

 

あぶないあぶない…。今回は交友関係を広げる為に参加していると言っても過言ではない。

その為にまだ酒もあまり飲んでないのだ。

 

 

海星「紫。あとは任せるぞ?俺と紫で仕事を分けよう。おれは広げる。お前はまとめてくれ。」

紫は賢いからこれだけでわかってくれるはずだが。

 

 

紫「わかりましたわ。お願い致します。」

コクリと頷く。

考えは一緒だったようだ。

 

 

俺は人脈の形成。

紫は人との共存に向けて賛同してくれそうな妖怪へのアフターフォロー。

 

それぞれある意味で戦いがはじまった。

 

 

海星「文、こちらから会いに行こうとしていたところだ。遅くなってすまない。」

まあ、完全に天魔の話のせいで他のテーブルに行くのを忘れていたのはここだけの話にしておこう。

 

 

文「いえいえ海星さん。いいのですか?

あちらの最強集団から抜けてきてしまって。」

じとーっという目で疑いの声。

 

 

海星「まあまあ、そうおちょくるな。」

実際会いに行こうと思ってたのは確かだ。

 

文「わかりました!このにとりちゃんに免じて許しましょう!」

と、突然大きな声で青色の女の子をグイッと目の前にひっぱってくる。

 

???「ひゅい!?」

突然のことで目をまんまるにして、不思議な声を出して固まる女の子。

 

海星「…!?…お、おい文。」突然のことすぎてこっちも対応に困ってしまう。

 

 

文「この子がぜひあなたと話したいと!つくづく罪な男ですねぇ」

先ほどのジトっとした目をもう一度むけてくる。

 

海星「あ…あぁ…。それは嬉しいんだが。

にとり?と言ったか?」

見知らぬ人と話したいのにはそれなりの理由があるはずだ。

 

 

???「……ぜぇぜぇ…。

そう、第一印象がおかしなことになってしまったけど。紹介ありがとうね、文。

私は河城にとり。よろしくね!盟友!」

 

赤くなった顔を押さえてから、

にぱーっと満面の笑みに切り替え元気よく挨拶してくる。

 

 

海星「盟友?…あぁ、おれは東方海星だ。

よろしくな!にとり。」

 

久しぶりに意思疎通が最初から取れる妖怪に会えた気がする…。

しみじみとそんなことを思う海星であった。

 

 

海星「俺のことはどこかで知っていたのか?」

さっそくわざわざ妖怪の方から会いにくるなんて…。願ったり叶ったりなのだが。

 

 

にとり「うん!この文から話を聞いてね!ぜーったい会って直接話してみたかったんだ!!」

 

目をキラキラさせながらこちらを見つめてくる。

とても年相応な女の子でかわいい。

しかし、にとりが何の妖怪なのか未だにわからない。

 

 

海星「ほー、話を聞く…なんだろうか。

にとりのお眼鏡にかなう話があったのかな?」

興味を持たれているのは間違いないが、身に覚えがない。

 

にとり「びっくりしたよー!私の発明をすでに知っていたんだもん!!」

にとりは興奮した様子で、俺の手をとる。そのままぶんぶんと上下に振り回される。

 

海星「お、おい…!

ん…発明…?文からの説明。」

今日の出来事を振り返る。

全てのことの発端。椛の写真を取り返す羽目になった…?

 

海星「カメラか!あれは、にとりが作ったのか!?」

確かに。新聞記者がカメラを持っているのはおかしくは無い。

しかし、時計の無いこの時代にカメラがあると言うのは違和感があった。

 

だがそんな発明も技術力があったとは…。

そんなことを考えていると。

 

さらに手にぎゅっと力を込められる。

 

にとり「そーなんだよ!そーなんだよ!

私の最高傑作!カメラ!

盟友は、説明が無いのに用途を言い当てたそうじゃないか!

なんで知ってるのか気になってさ!」

 

 

にとり「…!」

 

ここで手を強く握っていた事に気付いたのか

パッと手を離す。

 

にとり「ごご、ごめんよ!つい興奮しちゃって…」

手を後ろに組みもじもじと

緑の鞄をいじるにとり。

 

 

海星「良いんだ。気にしないでくれ。

おれもあんなに進んだ技術力は初めて見たからびっくりしてな。ぜひ製造者に会いたいと思っていたところだ。あれは…あのカメラは、にとりが1から考えたのか…?」

 

俺自身使った事あるものはすんなりと作り出せる。

原理を理解せずとも、能力でそこは補っているのだ…。

 

しかし…この河童のにとりは…0から生み出したというのか。

カメラという機械を…仕組みや原理を考えて…?

 

 

にとり「まあね!世界の一瞬を切り取れる機械があったら面白いと思ってね!つくってみたんだ!新聞も文字だけじゃなくて!実際の景色と一緒に見てもらえればわかりやすいよね!」ふふん!と言ったドヤ顔で説明するが…。すごすぎる…。

 

にとり「…あれ?」

 

海星「…!天才だ!!」

見つけた!この子は生活の水準を大幅に変えることになるだろう。

 

 

カメラが作れると言うことは、ある程度のものを作ることができるだろう。

そこに俺の現代の知識が加われば…!

なんと言うことだ、この技術力。

 

自分一人で引っ張らなくてはいけないと思っていたが…こんな早々に解決するとは…

しかし河童だと?

緑色の身体で水掻きがあって頭にお皿のイメージがある妖怪だったが…

 

 

 

にとり「ぁ…あの…!盟友…?さっきの仕返しかい?」

少し顔を赤らめて下を向く。

 

海星「…?…!すまん!」ハッとする。

思わず手を握ってしまったようだ。

 

にとり「私たち似たもの同士なのかもね!」

にぱーっと明るい顔で握りしめてくる

 

いい奴で助かった。

 

 

海星「…そうだな!そこでだにとり。こーゆーものは作れるか?」

あるものの概要を伝える。

 

 

にとり「わーー!そんな発想があったなんて…。さすが盟友…!

でもそんな材料…。」

すぐに無理とは言わないあたり、こいつは本物の発明家だ。

 

 

そして瞬時にこの発明の問題点に気づく。

能力によるものだろうか。

 

 

海星「材料に関しては問題ない。」

そう言いながら、手を伸ばす。

ジャキジャキ…シャキン。

 

水晶を加工して出す。

それぞれ特色が違う。電気を通しやすいもの。熱に強いもの。

 

にとり「わああああ!これは!!夢みたい!!なんでも作れそうだよ!」

目をキラキラさせながら水晶を手に取る。

 

 

海星「切ったり加工したい時は声をかけてくれ。」

水晶といえど、力が込められているため、ちょっとやそっとのハンマーでは割れない。

そこがこの能力のちょっとしたネックだ。

 

 

にとり「ふふん、このにとりちゃんに不可能はない!」不敵な笑みを残し、水晶を一つ石の上に置く。

 

なにをするつもりなのだろうか。

 

にとり「水を操る程度の能力…!」

スパッ!!水のカッターを発生させ、真四角にカットした。

 

海星「水を操る程度の能力だと…!」

 

知能をあげたり、発明する能力ではなく

単純な能力。それ故に驚いた。

 

やはり即座に高圧なカッターを作り出すその頭の回転の速さ。

にとりの素のIQが高いのだろう。

 

海星「すごいな…!これからの発明が楽しみだな!にとり!」

全力でサポートすることを心に誓った。

 

漫画で言うところのDr.STONEだな。

しかも材料が無条件で揃う世界線と思っていい。

無敵だ。

 

 

にとり「うん!本当に会えて良かったよー!」

ニコニコしながら、水晶を見て頭を抱える。

当初のもじもじした、にとりはもうどこにもいなかった。

 

 

文「…まったく…。私は放置ですか…。

まあにとりが満足したならいいんですけどね!」

なぜか頬を膨らませてこっちを見る文

どうしたのだろうか。

 

 

海星「文もありがとう。文に最初に出会えて良かったよ。」

こうも顔が広いと言うのは、俺にとってありがたいことこの上ない。

一人で河童のコミュニティに入っていくのに、かなり時間がかかっただろう。

しっかりと文の目を見て感謝を伝える。

 

 

文「は…はぁ?!なん…!そんな!…カーッ?!」

理由はわからないが、顔を真っ赤にして向こうへ飛んでいった。

カラスの天狗らしいといえば…怒るだろうからやめておこう。

 

そんな冗談を考えていると…

グイッ

 

重心が後ろに引っ張られる。

 

まあ背後から近づく気配に気付かぬ俺ではないが。

 

海星「おー、どうした?椛。」

後ろを振り向かなくてもわかる。

裾を引っ張る椛に声をかける。

 

椛「…最初に会ったのは…ワタシです!」

ほっぺたを膨らませた椛が尻尾を立ててこちらを睨んでいた。




にとりちゃんですね!
好きです。かわいらしいですよね。

次回は次の章に触れる内容の予定です!
それではお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。