書く時は割と勢いだけで書いているのでこれからも多分誤字とかは普通にあると思います
あと前回投稿ペース上げるとか言ったような気がするんですけど一旦忘れてもらっていいですか
よろしくお願いします
「直接会うのは初めてだなぁ。俺の名は……そうだな。ブラ───」
観客席に座りながら、のんびりとした口調で名乗ろうとするスターク。だがその言葉は生身のまま殴りかかってきた幻徳と一海によって遮られた。スタークは慌てた様子で立ち上がると跳躍して2人から距離を取る。
「っとォ、おいおい名乗りくらいさせてくれよォ。失礼な奴らだ」
「名乗りだと……何をとぼけてやがるエボルトォ!!」
ボトルをドライバーに装填しながら叫ぶ幻徳。それに対するスタークの反応は彼らの予想するものとは大きく違っていた。
「何だと……?お前らが何故その名を知っている」
「お前が戦兎や龍我、みーたんにやったことを忘れたとは言わせねぇぞ!!!」
叫びながら黄金の鎧を纏う仮面ライダー『グリス』へと変身し、スタークへと向かっていく一海。その拳をひらひらと踊るようにかわしながらスタークは首をかしげる。
「せんと?りゅーが?みーたん?誰だ?そいつらは。一体なんの話をしている」
「……なんだと?」
幻徳はそのスタークの様子に違和感を覚えた。まるで本当に知らないとでもいうような態度だ。だが幻徳は知っている。このブラッドスターク──いや、エボルトの言動は全て信用に値しない、暇さえあれば他人を欺こうとするような存在であることを。
地球外生命体エボルト。かつて一海と幻徳が生まれた世界に宇宙飛行士の肉体を乗っ取ることで来訪した侵略者。彼のもたらした『パンドラボックス』と呼ばれる箱によって生み出された巨大な壁『スカイウォール』と浴びた人間の心を狂わせる『光』によって日本という国は大きく姿を変えた。一海も幻徳も、彼の手によって人生を大きく狂わされ、親や家族同然の存在だった弟分達を失い、そして自分自身もエボルトとの最終決戦の中でそれぞれ命を落としていた。
ローグへと変身しながら幻徳は《ネビュラスチームガン》をエボルトへ向けた。エボルトは一海と距離を取りながら幻徳の方へと顔を向ける。
「……カフェのマスターへの擬態の次は記憶喪失のフリか?ふっ、その様子だと負けてエボルの力は失ったようだな」
「記憶喪失だと?俺がか?クックック……悪いが俺は自分が生まれてからこの星に来るまでの間の出来事をぜんぶ覚えてるぞ?記憶力には自信があるんでなぁ」
言い終えて、エボルトは何かに気がついたかのように両手をパンと打ち合わせた。
「そうか!お前らもしかして俺が喰った星の生き残りか何かか?それなら『違う世界から来た』って話もうなずける!……俺の名前も知ってるって事は火星辺りかァ?」
「ふざけてんじゃねえぞ!」
エボルトが幻徳の方を向いている隙に死角から不意打ち気味に放たれた一海の《ツインブレイカー》による一撃を胸に受け、エボルトは大きく吹っ飛んだ。そのままアリーナを囲っているシールドに叩きつけられ、床に転がる。
「がはっ……コイツは驚いた……ハザードレベル4.1だと?……火星に、そんな奴はいない筈だ。居たとしてもベルナージュくらいか?だが、奴は俺がこの手で徹底的に殺した筈だ……」
よろよろと立ち上がりながら、エボルトは考え込んでいた。その体を挟み込むように左右に2人の仮面ライダーが降り立つ。
ふらつきながらも直ぐに2人へ対し構えをとるエボルト。その姿を見ながら先程までの会話によって幻徳の中に生まれていた1つの推測がゆっくりと確信へ変わった。
「まさかお前は……俺たちとは違う、初めからこの世界に存在しているということか!?」
「だから何の話だ……いや待てよ、そうか……お前らは本当に違う世界から来たって訳か……フルボトルを持ってたのも俺の名前を知っていたのも、それなら納得だ…なぁ、そっちの世界の俺は元気にしてるかぁ?」
言いながらエボルトは全身に赤い炎のようなオーラを纏う。次の瞬間、瞬間移動のようなスピードで幻徳の目の前へ移動し、肘を突き出した。幻徳の全身を衝撃が貫き、そのまま吹っ飛ばされる。エボルトは床を転がる幻徳に目もくれず、今度は一海に狙いを定めた。
「なっ……ヒゲ!ぐあっ!!」
驚愕し、駆け出した一海も頭上から放たれたエボルトの回し蹴りによって床へ叩きつけられる。着地するエボルト。たおれた2人の仮面ライダーの変身が解除された。だがエボルトもその全身から赤いオーラが消え失せ、肩で息をしている。
「はぁ……はぁ……チッ、流石にこの不安定な体じゃあ俺の全力には耐えられんか……ベルナージュめ…………」
忌々しげに空を見上げるエボルト。そして、倒れ伏す2人を見回す。やがて、とても楽しそうに笑い声を上げた。
「ふっ……フッハッハッハッハッ!だが!俺はツイてる!まさかこんな所で器候補を2人も確保できるとはなぁ!さて、お前らには俺と一緒に来て───」
「そこまでだ」
風切り音と共に飛来した何かがエボルトに直撃する。ゆっくりと自分の体へと目を向けた彼は胸部から鋼鉄の刃が生えているのを見つけた。
「侵入者、大人しく捕縛されてもらうぞ」
胸にIS用の大型ブレードを突き刺したまま後方を振り返る。黒いスーツに身を包んだ女性、織斑千冬が量産型IS「打鉄」を装備した学園の制圧部隊を引き連れてエボルトを睨みつけていた。アリーナの方へ目を向けると、ISが解除され横たわる一夏と鈴、そして一夏の刀を突き立てられ機能停止した「正体不明のIS」を取り囲む制圧部隊のISの姿が目に入る。
千冬が従えるISを装備した人間達は胸を貫かれたまま平然としているエボルトの姿に戦慄しているが、その先頭に立つ千冬だけは動揺する様子も見せない。
「おいおい、この学校では侵入者を見つけたら取り敢えず剣をぶっ刺すっていうルールになってるのかぁ?…………ンン?」
エボルトは胸のブレードを引き抜き、放り投げる。暫く無言で千冬と睨み合っていたが、やがて耳元に手を当て誰かと通信しているかのような素振りを見せたあと肩を竦めた。
「やれやれ、時間切れだ。こいつらのお陰で今アンタらと相手するのはキツい。あっちの仕事も終わったようだし、ここら辺で退散しようかね」
「逃げられると思うか。私はお前を逃がすつもりは一切ないぞ」
横に立っているISを纏った女性が千冬へ近接ブレードを差し出す。受け取った千冬はエボルトへとそれを向けた。同時に周囲のISが一斉にエボルトへ襲いかかる。
「おぉ怖い。でも俺は逃げるぞぉ?おーい」
緊張感の欠片もない声でエボルトがどこかへ呼びかける。次の瞬間、エボルトへと向かっていったIS三体が、一斉に弾き飛ばされた。千冬の顔に驚愕の色が浮かぶ。
いつの間にか、エボルトを庇うように2人の怪人が立っていた。それぞれ右半身と左半身を白と青の歯車のような装飾で覆い、そのもう半身は黒い機械的な装甲で包まれている。IS、というよりは幻徳と一海が使用する『ライダーシステム』、そして今目の前にいるエボルトの姿『ブラッドスターク』に近い印象を受けた。
「ちっ、仲間がいたか!!」
千冬は近接ブレードを構え2人の怪人へと斬り掛かる。振るわれたその刃を、白い歯車で半身を覆う怪人が掌で受け止めた。もう片方の怪人がエボルトを庇うように立ったまま、幻徳が使用しているものと同じ《ネビュラスチームガン》を取り出し千冬の方へと向ける。咄嗟に飛び退く千冬。だがその銃口から放たれたのは弾丸ではなく、黒い煙だった。
「何だと!」
千冬が体勢を立て直し再び斬り掛かるよりも早く、怪人とエボルトはその黒い煙に全身を包み込まれる。その中からエボルトの声が響いた。
「それじゃあなIS学園の諸君、そして織斑千冬。またあった時はよろしくな。チャオ!」
千冬が横なぎに振るったブレードが煙を切り裂く。だが手応えは全く無く、3人の怪人は制圧部隊の目の前から文字通り煙のように消え失せていた。
「ッ…………」
医務室のベッドで目を覚ました鈴は全身の痛みに思わず声を漏らした。
医務室の中には窓からオレンジ色の光が差し込んでいる。もう夕方なのだろうか。随分長いこと意識を失っていたようだ。
あの時、正体不明のISと戦いの途中から記憶が無い。最後に見たのは光る刀を構え敵に襲いかかる一夏の姿だった。
「──────ッ!!」
負けた。一夏に。そしてあのISに。言い訳のしようがない、完全な敗北。それを実感し、鈴は歯を食いしばる。目から涙が零れそうになる。
自分の強さに絶対的な自信があった。負けるはずのないという確信があった。
だが現実はこれだ。一夏に負け、それだけではなく助けられた。自分の情けなさが嫌になる。いっそこのまま消えてしまいたいとすら鈴は思った。
強くなりたい。一夏よりも、誰よりも。ただ助けられたくない。共に戦えるようになりたい。
ISが襲撃してきた時、動けなくなった自分を一夏がレーザー攻撃から庇ってくれた時のことを思いだし、自分への怒りから思い切りベッドを殴りつけた。
「自分の弱さが許せないのかぁ?」
突然耳元で声が響く。それも男の声だ。鈴は咄嗟に反応し周りを見回した。だがカーテンで仕切られたベッドの周辺には誰もいない。それどころか医務室の中に自分以外の人間の気配は感じられなかった。
「わかるぞぉ?弱さってのは罪だ。何も手に入れることも出来ず、誰かからお零れをもらうことでしか生きていけない。そんなのは嫌だよなぁ?」
「誰よアンタ。何が言いたい訳?」
鈴は痛む体を無理矢理動かしながらベッドから降りた。声は遠くから響いたかと思えば耳元で囁く。出処の掴めない謎の声に眉をひそめつつ鈴は敵意を剥き出しにしながら尋ねた。
「俺が誰かはお前が知る必要はない。今はな。だが、覚えておけ。その時が来たら、俺がお前に力を与えてやる」
「どういう─────」
意味よ、と鈴が声にする前にその体は意識を失い再びベッドに倒れ込んだ。ベッドに横たわる体からぬるりと赤い「何か」が這い出す。
「お前には期待してるぜ、凰鈴音。俺の器のスペアとしてな」
その何かはうねうねと蠢くと、膨張し人の形をとった。地球外生命体エボルト、その地球での偽りの姿「ブラッドスターク」だ。
「それにしても……この星は俺をどこまでも楽しませてくれるなぁ!ISに織斑千冬、篠ノ之束……そして異世界から来た『仮面ライダー』に…『ヘルブロス』!『
エボルトは誰にも気付かれる事なく医務室から校舎の外へと出て空を見上げる。
そのバイザーに覆われた顔から表情を伺うことは出来ない。だがその声は楽しげだった。
「待ってろよベルナージュ……!お前に奪われた俺の肉体とパンドラボックス……いつか火星に封じられた物を必ず奪い返しに行くぞ……!!」
遠い星へ、届くはずもない宣戦布告をするエボルト。やがてその姿は夕焼けの中に沈むように消えていった。
鈴が寝かされていた医務室とは別の一室、3つならんだベッドに学園で3人の男子生徒が仲良く並んで寝かされていた。
痛みで呻く一夏の顔にはどこか安堵感のようなものが見える。だがその横で横たわる一海と幻徳の顔は深刻なものだった。
かつての世界で交戦したエボルト。それと同じ存在がこの世界にも存在しており、しかもそれと戦い敗北したのだ。その事実は、2人の気分を落ち込ませるには十分すぎた。
「元気出せよ二人とも。結局そのブラッド……なんとかってやつは逃げてったんだろ?」
一夏の励ますような言葉に一海は力なく笑う。
「逃げてったじゃねえんだ。逃がしちまったんだよ、俺らが負けたせいで」
その声には多少の苛立ちが含まれていた。一夏はそれが自分へではなく一海自身へ向けられたものだと理解していたが、その静かな迫力に押され口を噤む。
一海はベッドの横の小さな棚の上に置かれた物を手に取った。
青い拳のような形状をしたガジェット『ブリザードナックル』だ。
「こいつさえ使えれば……」
「おいポテト」
呟く一海に幻徳が咎めるように声をかけた。一海は自分を見つめる幻徳の目を見つめ返す。
「馬鹿な事は考えるな、お前があの時消えたあと皆がどれ程悲しんだか分かってるのか」
「そんなの……」
分かってるよ、と言おうとしたが喉から声が出なかった。幻徳から目を逸らしブリザードナックルを持つ自分の手を見つめる。
「……くそっ!!」
一海は乱暴に手に持っていたガジェットを置いてあった棚の上に置く。一緒に棚の上に置いてあった一海のフルボトルが振動で揺れた。
(あの時?消えた後?なんの話をしてるんだ……)
横で話だけ聞いていた一夏は幻徳の言葉にふと疑問を浮かべた。そしてそれを本人達に訪ねようとした時
「猿渡、氷室。意識が戻ったか」
織斑千冬がドアを開けて医務室に入ってきた。3人は一斉にそちらへ目を向ける。
「今日のクラス対抗戦の時に現れた侵入者について色々と聞きたいことがある。怪我をしているところ悪いが着いてきてもらうぞ」
有無を言わせないような千冬の言い方に、一夏は不安を覚えた。まるで二人が罪人のようだ。
「お、おい氷室、一海……」
「わりぃ一夏。つぅわけで行ってくるわ」
「お前はもう少し休んでるといい」
ドアが閉まる。1人になった医務室の中で、一夏は不安と疑問を心の中で渦巻かせながら2人が出ていったドアを見つめる。
数分後に箒とセシリアが様子を見に来るまでの間、一夏はずっとそうしているのであった。
あんまり先のこととか言いたくないんですけどグリスブリザードは絶対出したいです。何時になるかはわかりませんが。
プライムローグも。詳細まだわからないけど。
あとあのブリザードの色、美空色って言うらしいっすね(最近になって知った)