戦姫絶唱シンフォギアEX   作:冬月雪乃

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第一期最終話Aパート SynchroGazer

ーー暴走。

立花さんを除く三人が慌てて立花さんを抑え込みにかかる。

幸いにしてXDモードのおかげか、暴走に抗えているらしく、黒が時たま光に吹き飛ばされるように顔や腕などの一部だけ剥げる。

 

「ッ……ヴッ……ア……グゥ……!」

 

まずい、と加速した眼下。

ーーシェルターが吹き飛んだ。

ここで敵かと身構えるが、そこにはーー

 

「正念場だァッ! 踏ん張りどころだろうが!」

「……えっ」

 

拳を構えた司令官が叫ぶ。

いや、え、待って。どう見ても怪我しててそのパンチ撃てるの嘘でしょ……!

思わず愕然とするが、状況は待ってくれない。

次々に飛び出して来た緒川さん、藤堯さん、友里さんが立花さんに声をかけていく。

それはきちんと届いてはいるようで、立花さんは顔を歪めながらもそちらに向けた。

 

「屈するな立花!」

「おまえを信じて、おまえに全部賭けてんだ! おまえが自分を信じなくてどうすんだよ!?」

「ーーウグググ……グ……ガガ……!」

 

立花さんの左右。

風鳴先輩と雪音さんが立花さんを支えるようにして抱きしめる。

相変わらず立花さんは抗いに全力を賭けているがーー

 

「攻め時を見誤る私ではないッ!」

「ッ!?」

 

計六本の触手が伸びてきた。

朱色となったそれは真っ直ぐに立花さんを刺し殺しにかかるが、

 

「させません!」

 

ふた振りの聖剣を振り抜いてビームを防壁として正面から展開。

攻防同時の一手とする。

 

「フィーネは私が抑えます! だから負けないでッ!」

「ーーッチィ!」

 

そして下から来るのは立花さんの友達からの応援。

 

「貴方のお節介を!」

「あんたの人助けを!」

「ーー今日は! 私たちが!」

「姦しいッ! 黙らせてやるッ!」

 

フィーネの苛立ちの声。

同時に六本の触手にエネルギーがチャージされていく。

 

「デュランダル無しでもまだ撃てると!?」

「腐っても完全聖遺物二つだッ!」

 

ーーあぁ、いや、

 

「ならば! 円卓議会承認解除(シールサーティーンディシジョンスタート)》」

 

ーーこれは友を守るための行いである。

ーーこれは抗うための戦いである。

ーーこれは命を守る戦いである。

ーーこれは世界を救う戦いである。

 

ーー四つの申請を確認。解除。

 

瞬間。溢れ出る無限とも言えるほどの、凄絶なフォニックゲイン。

それを間髪入れず、撃たれた六本の砲撃に向けて振り下ろす。

 

ーー《限定解放・円卓の剣(knight of round)

 

「ーーこれでも相殺が限界ですか!?」

 

背後、風切り音と立花さんの呻くような叫びがして、抗いに失敗したことを悟る。

ーーが。

 

「響ィーーッ!」

 

小日向さんの声。

振り下ろされる寸前のデュランダルはそのまま停止し、さらに下からはみんなからの声援が届いていく。

 

「ーー塗り潰されて、なるものかぁあぁっ!」

 

立花さんはついに暴走を打ち破った。

同時、激しく背後で渦巻くフォニックゲインを感じ、そして浴びる。

即座に急降下。

 

「その力は……何を束ねた!? 」

「響き合うみんなの歌がくれた、シンフォギアでぇーーッ!!」

 

ーーSynchro gazer!!

 

私の先の砲撃など鼻で笑うほどのフォニックゲインを纏った一撃を振り下ろした。

それは容易く龍を断ち、その重厚だった赤き鎧は瞬く間に溶け出していく。

 

「完全聖遺物同士の対消滅……」

 

呆然としたフィーネの声が響く。

そして消え失せたデュランダルを振り下ろした形で残心する三人。

ちょっとあそこに混ざりたかった、などと寂しさを覚えるが、それはいい。

 

「ーーどうしたネフシュタン! 再生だ! この身砕けて、なるものかァアッ!」

 

次の瞬間。

フィーネを中心として大爆発が一帯を襲った。

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