今回はオリジナル展開の話。
こんなに長くなくてもよかった気がするけどね。
まぁ、勢いのあるうちに書くのは基本だよね?
とりあえず、だいぶユクリスの魔法の正体が見えてきたので、
今回使った魔法の解説くらいは、あとがきでちゃんと解説していきたい。
↓それでは本編です↓
昨日の出来事をおさらいしようと思う。
まず、穂波に説教をしようとしたが、アディリシア様のご好意によりやめておいた。
そのあと、改めて蓮さん、猫屋敷蓮と話をした。
まず、なぜ入ると同時に蓮さんは僕を睨んだのか?
理由はとても理不尽だった、と言うか勘違いだった。
蓮さん曰く、「いやぁ~、編集長が新人を投入してせっつきにきたのかと、あ、あははは」なんて言われた。
いいんだけど、睨まれた瞬間、呪詛の気配がしたのはやり過ぎだと思う。
久しぶりに会ったのにこれは酷いと思った。
ちなみに蓮さんは陰陽道課課長と言う役職である。
次にアレンジされた巫女服のみかんちゃんだ。
4年前に実はあっていて、「最初はわからなかったけど、ゆくりすさんだったんだ!」っとはしゃいで喜んでくれて少しだけ救われた気がした。
鬼の件も聞いているし、ほかにもいろいろ大変だったことも。
みかんちゃんは神道課契約社員
それとここにはいない隻蓮さん。
二~三ヶ月ほど前にクライヴというゲーティアの徒弟、彼の反逆行為の裏で糸を引いていたガラという男と戦ったこと。
あの時は僕も実は参戦していた。
だが、これにトリスメギストスである僕が関与していたことを知られるわけにも、僕が知っていると言うことも協会やほかの結社に知られるわけにはいかなかった。
何故なら、ガラはオピオンとつながりがあり、ゲーティアを裏切っていたからだ。
だから、その場で自らダフネさんに契約〈ゲッシュ〉を誓った。
いわく「隻蓮さんかダフネさんがアストラルかゲーティアに、僕のことを洩らさない限り僕は誰にも報告しません。」
騎士として当然のことではあったのだが、ダフネさんはずっとお礼を言っていたっけ。
この隻蓮さんは真言密教課契約社員
黒羽さんはうわさには聞いている。
挨拶をすると、とてもいい笑顔で「こちらこそよろしくお願いします」と答えてくれた。
僕の先輩にあたる訳です、例え幽霊でも僕は敬意をもって接することができるだろう。
まず、なんとあの“影崎”さんに普通に接する事が出来るとか、それだけで尊敬します。
しかも、このアストラルの家事・雑務全般を担っているだけでも素晴らしい。
今回自分と同じく新入社員として入ってきたオルトヴィーン・グラウツ君。
社長に決闘(フェーデ)をしかけたのが初めての出会いだとか聞いた。
もちろん、魔法使いにとって上下関係は絶対であるし、魔法が使えない社長など位階が無いに等しい。
彼からすれば、相手にする価値も無いし言う事を聞くのも意味は無いだろう。
それに怒る事は僕には出来ない、魔法すらまだ関係無い時に社長、いつきのことを見下していたことのある自分には権利がないだろう。
彼は“あの”〈ミーミル〉からやってきた様だ。
そして、ゲーティアの首領・ソロモンの姫、アディリシア・レン・メイザース様である。
改めて挨拶をすると「アストラルにこんな隠しだまが………」なんて言われた。ソロモンの姫君に言われるとはとても光栄なことだ。
この僕には恐れ多いお方だが、ディアナさんから聞いた話では社長と穂波のご学友で、穂波とはライバル関係なんだとか。
このアストラルではあまり上下関係が無いだろうが、騎士としてはあまり褒められない。
もちろん、これから徐々にこのアストラルの流儀にあわせていくようにするのだが、アディリシア様には少し腰が引けそうだ。
穂波、うん、彼女はわかりやすいなぁ。
たまに連絡は取り合ってはいた。
穂波がアストラルに入るとその連絡は頻繁になり、たまに怒られてもいた。
「そんなにいっちゃんが心配なら、はよこっちきいや!」っと。
だって、僕がアストラルにふさわしくなれたかわからないんだもの。
そのあたりが心配で言うと、
「ユクリス、あんたそれはあたしをバカにしすぎ。あたしやってケルト魔術復活させるのに二年かかってん、ユクリスは私と同い年の時にありもしない魔術つくっとんのやから。」
そのセリフにはさすがに抵抗できず、言わなくなった。
それと、社長の目に使われる薬の材料は、半分は僕が集めて穂波に送ったものだ。
僕自身薬は作れないが“保護”と言う事は飛びぬけていて、見つけた材料はちゃんと保護するため痛まないし傷つかない、元の形のまま送り届けられる。
この方法は僕の魔法に由来するが、伊達にトリスメギストスに所属していないと言うところをわかってもらいたい。
まぁ、一部材料を私的運用してもいいことにしてある。
彼女は自分の妹分だからね、ついでに穂波はケルト魔術魔女術課正社員だそうだ。
そしてわれらが社長、アストラルの首領、伊庭いつきだ。
話をすると昔から何も変わってはいなかった。
ちょっと臆病だが、とても優しい笑顔。
事件の話は知っているし、少し調べただけで、あの勇気をもって戦っているのだろうと確信できた。
彼は僕が主と認めた存在で、僕にとっては弟分だが彼はそれを知らない。
いや、忘れている。
あの事件から少し前のことを魔法により忘れてしまった。
僕はその償いとして、そして彼と歩んでいけるように強くなって帰ってきたつもりだ。
彼の目の状態は穂波から聞いている。
つまるところ、穂波が僕の煮え切らない心を一歩踏み出させたのだ。
穂波が「もう何でもいいからはようきて、いっちゃんにこれ以上眼帯を取らせない為にも。」消え入る様な泣きそうな声で連絡がきたのは本当にびっくりしたものだ。
なにがあったのかはわかる、鬼の件である。
彼女が自分に頼るなどめったになかったが、鬼の件はそれほどまでに大変だったのかと痛感した。
回想としては、とりあえずこんな感じかな?
「どうでした?いつき君は」
バイクの後ろから抱きつく様に乗っている少女が聞いてきた。
「うん、昔からかわっていなかったよ」
クスッと笑う様にユクリスは言った。
後ろに座る少女もクスクスと笑った。
「やっぱり昔からお人よしだったんだ」
道路を走りトリスメギストスの支部へとやってきた。
二人はバイクから降り、少女を支部のひとつの部屋に連れて行き、そこでやっとユクリスは振り返った。
「おじいさんの魔法使いとしての遺産を引き継がなければ、魔法は勉強しても文句は無い筈だよ。なにせ協会は明言したからね『魔法の後継者、または魔法使いとして遺産を受け継がないかぎり、咎める気は無い』とね。」
得意げにユクリスは続ける。
「もちろん抗議も殺到するけどね。でも、抜け道は必ずあるよ。」
安心させる様にやさしく微笑む。
「まず、魔法の後継者って意味だけど、キミのおじいさんは修験道だったけど、これからキミが勉強する魔法は修験道じゃない。つまり後継者にはならない。」
少し悲しそうにする少女の頭に手を乗せた。
「すまないね、おじいさんとの思い出の魔法も、キミには教えられなくて。」
「いえ、おじいちゃんと魔法が違っても、おじいちゃんと同じ魔法使いになれるなら。」
少女は決心したように頷いた。
ユクリスはそれに頷き返して、続きをしゃべる。
「次に魔法使いとしての遺産についてだけど、ようは一族代々守り続けていた魔法の技術・呪物(フェティッシュ)を受け継がないって事だ。」
吹っ切れたのか、「なるほど」と声が聞けるようになっていた。
「そして、キミは協会傘下の魔術結社の組織員に襲われた。
それも銃を使ったり、刀剣を使ったところで勝てない相手だ。
協会は先ほどの取り決めに違反している事になる。
つまり、キミはキミ自身で身を守る必要があるんだ。
魔法でしか守れない自分を守らなければならないのなら、魔法使いになるしか……ないよね?」
少しだけいつものユクリスには想像し難いが、とても悪戯好きな表情をしていた。
ユクリスは続けて言う。
「キミだけを守るなら、このトリスメギストスの魔法より僕が扱う魔法の方が良いんだろうけど、僕もここへは週一回来れるか来れないかだからね、ディアナさんと相談しようかなぁ。」
少女は考え込もうとするユクリスに元気良く言った。
「ユクリスさんと同じ魔法にしてください!」
「むむ、まぁ、キミが良いなら良いけども、教えてあげられる時間が限られているし、とりあえずお守りと資料を渡そう。」
ユクリスの言葉に少女が少し喜んだ顔をしたにはしたのだ。
だが、果たしてこのあと喜べるかどうか?
トン
机の下から取り出したのは厚さ2センチ前後のA4の書類、それを机の上に置く。
「この魔法はこの世界で僕一人しか使ってないモノだから、僕が編纂してまとめた時の書類をわかりやすくまとめといたから。」
少し安堵した少女だったが、
「とりあえず、最初はこれだね。」
先ほどのA4サイズの書類を渡される。
「これを覚えたら次は実技なんですか?」
「いや、違うよ」
「え?」
ドスン!
否定と共に舞い降りたるは書類。
天使のように白い書類だが、少女にはとても悪魔に見えたという。
そこに置かれた書類は、先ほどの2センチ前後のA4サイズの書類が五倍ほどと、使い古された手帳、そして20センチほどの書類。
「う、わぁ……、これ全部ですか?」
「うん、僕が編纂したときの十分の一になってるはずだよ。」
少しげんなりした少女は、それでもましなのかと諦めた。
「うん!私頑張ります!」
「よし、僕もなるべく勉強を見るためにも、仕事が終わったらキミの家に寄る様しよう。」
「本当ですか?」っと、少しうれしそうな少女に気づかない。
やはりこの男はアレだった。
「あ、キミがこの魔法を使える様になったら、僕とキミだけの魔法になる訳だ」
何気なく言ったが、少女が少しだけ頬を赤くして「そうですね!」っとうれしそうに言っていた。
「あらあら、若いっていいわね。」
そこに喪服姿の女性がいた。
「これはディアナさん、紹介しますね。彼女が功刀・翔子(クヌギ・ショウコ)、僕の初めての弟子になります」
「初めまして、トリスメギストス首領・ディアナと申します。
一応、所属がトリスメギストスとなりますが、
ユクリス君は家族みたいなモノですし、トリスメギストスの事は気にしないで、
あなたも私のこと、お姉さんだとおもってくれると嬉しいわ。」
相変わらず目元の見えないディアナさんだったが、その口元はやはり美人の一言であり、その口元はやさしい微笑みを携えていた。
「よ、よろしくお願いします!」
少々おっかなびっくりだが、少女、功刀・翔子は折り目正しい礼をしていた。
「ふふ……、あぁ、そうそう、これを届けに来たんでした、どうぞ」
ディアナさんは懐からネックレスを取り出して、ユクリスに渡した。
「ありがとう、ディアナさん」
お礼を聞いたディアナさんは「なにかあればいってくださいね?」と言って去っていった。
「erraaldoi(エレドイ)・聖大の加護、満ちぬ者に安らぎと災いを阻む堅牢なる城壁を与えよ」
ふいにディアナさんから渡されたネックレスをユクリスが右手の平に乗せて、祈りを唱える。
だが光っただけで何も起こらない。
「さて、出来た。」
ユクリスはおもむろに翔子へ近づき、その首にネックレスを掛ける。
まぁ、例外なく翔子は真っ赤になったが、気にもとめない。
そのネックレスはユクリスと同じものだった。
「今このネックレスには僕とのパス、ようは繋がりが出来ている。
このパスはキミを守るための結界・障壁の維持する役目がある。
その障壁は、銃弾なら50発前後、並みの魔法なら20発、刀剣の類なら100や200は耐えられるはずだよ。」
「こんな風に」っと言って、スーツの内側からナイフを取り出し、自分の手の甲に落としたがキィン!と金属音と共に弾かれていた。
「ただ、これ以上の硬さにするのに、通常の魔法の二倍の呪力を消費するから困るね。」
平然とそう言うが、彼が編纂した魔法の伝承通りの状態だ。
だが、翔子が勉強の途中、最後の伝承の部分でやっとその事を知るのだが、まだまだ先である。
「さて、今日は遅くなってしまったし、帰りはご飯を奢ろう。」
「え?でも、アストラルのお仕事もあるんじゃ?」
ユクリスは翔子の言葉に笑顔で答えた。
「さっきディアナさんに呪物(フェティッシュ)の取り寄せの資料と、種類やその他をまとめた書類は渡したから、僕の今日やる仕事はおしまいかな?そのまま帰るって伝えてきたから問題ないよ。」
いつの間に!?とか翔子が言ったが、ユクリスはにっこりと笑っただけだった。
二人はまたバイクに跨り、暗闇と夕日の間を縫うように街中へと消えていった。
後日、翔子に噂が出来る。
年上の男性と夕暮れの街中を楽しそうに歩いていた……と。
5007文字か…、あんがい勢いあったね。
次回から少しずつでも魔法合戦がしたいけど、レンタルマギカは前半がほのぼの。
後半がこれでもかってくらいの魔法合戦なんですよね(;・∀・)
んで解説です。
erraaldoi(エレドイ)・聖大の加護、満ちぬ者に安らぎと災いを阻む堅牢なる城壁を与えよ。
erraaldoi(エレドイ)←これの意味は穂波やフィンの「ハイル」って単語と同じで、魔法全体の形を決めている感じ。
ちなみにこの「erraaldoi」ですが、バスク語で『巨大・巨人』の意味だそうです。
そして、「聖大の加護、満ちぬ者に安らぎと災いを阻む堅牢なる城壁を与えよ」←これですが、ある聖人(宗教によっては天使などと同等の扱いである人間)を指します。
貧しい者の為に町を作ってまで、人を守ろうとした聖大と呼ばれた神父であり、聖人「聖バジル」と言う人がいました。
それを過大表現させて、町一個分の防御力の結界・障壁と扱ってみました。
もちろん、これは「erraaldoi」とは直接関係はありません。
ただこれが本題って魔法を解説した時に、まぁ、これを使ってもしかたないかなぁって思うはず。
では、今回のユクリスの魔法についての解説おわり!
また次回に会いましょう!