明日は投稿出来ないし、先に言っておきますた。
いちおうペースをあげて更新しようと思っております。
いやはや、そろそろ吸血鬼編終わると思ってたけど、ちょっとなめてたよ(;・ ・)
では本編です
>>いつき
ツェツィーリエの蝙蝠の使い魔(アガシオン)をやっとの事で退け、校舎から玄関に出るとそこには激しい戦闘が起きていた。
どんな物でも腐らせる漆黒の魔風がグラウンドを走り抜ける。
だが、祈りを捧げて突き進むユクリスさんは、その手の剣を振るっただけで魔風を消し去る。
僕は唖然としていた。
あの吸血鬼は、アディリシアさんでさえも押し切れなかった。
それこそ一種の魔法に見えたのだ。
隣を見れば、それを見ていたオルトくんもまた同様、その戦いを眺めていた。
だが、次の瞬間、
―――ドンッ!!!
激しい爆炎がユクリスさんを包み込んだ。
一瞬しか見えなかったが、ユクリスさんがツェツィーリエを斬ろうとした。
そのときだ、それを読んでいたかの様に後ろへ跳びユクリスさんへ向けてルーンのコインが投げつけられた。
―――戦慄が走る。
背筋を走るのは寒気、右目に走るのは痛み。
爆炎は燃え盛るが、その炎は不可解にゆがみ、揺らいで二つに避けた。
何が起きたのかわからなかったが、そのとき聞こえたのだ。
―――見ろ
いつも、必ず真に迫ると聞こえてくる。
―――視ろ!
ならば、これもまた魔法であると。
―――観ろッ!
右目の眼帯を透かして見せられる。
ユクリスさんの周りには沸き立つ呪力。
そして何よりも、体を覆う様に呪力で築かれた家と言う家、建物と言う建物が崩れながらもみえたのだ。
――――――アァ、ソウ、アレモマタ、魔法ト言ウ形、本来ノ魔法ッ!
右目の痛みを抑えながらも、体が前に出ていた。
確かにユクリスさんはすごい。
でも、このままでは勝てない。
いや、死んでしまうかもしれ無い。
なら何を迷う?
ユクリスさんの事はまだまだ何も知らない。
それこそオルトくんよりも知らないのだ。
穂波の幼馴染で、世界でも有名な魔法使いらしい。
それぐらいしか知らない。
彼が僕の社員だと言うのなら、もっと知らなきゃいけない。
もっともっとみんなと一緒にいたい。
ならもう迷ってはいられない。
無意識に動かしていた体を、今度は己自身の意思で前へと突き動かした。
>>ユクリス
炎を自身の呪力と、最初から掛けてあった町ひとつ分の防御力を誇る<聖バジルの奇跡>による結界で無傷である。
「おいおいおい!なんだよそりゃぁ!?まさかとは思うが、本当にてめぇの体は鋼鉄だってのか?」
ツェツィーリエの文句にもちろん、そう言う伝承があることは知っているようだが、自分の魔法がまさか人では無く、この剣のみを突き詰めたモノであると誰が思うだろうか?
ゲーティアでさえもソロモン王の伝承に基づき、その力を使う為に72柱の魔人を使うのだ。
ケルト魔術はケルトのドルイド僧が自然と共に生き、その神話を歌い続けた結果。
何かしらの自然現象、何かしらの神話、何かしらの人の偉業を根源にしているのが魔法。
だが、ユクリス自身、その三つには属さない。
自分はただこの不滅の刃の伝承と再現にのみ傾倒した魔法を編み出したのだから。
自分しか使えない魔法は、知らぬものへのアドバンテージとなる。
「もちろん、鋼鉄の体は再現した。だが、その程度どころか、僕の体は町一つ分の重みがある」
「ハッ!そう言うことかい!」
コインを取り出したツェツィーリエに身構える。
事実、無傷であったが、先ほどの攻撃で結界は解けていた。
魔風(ハガラズ)を呪力と結界で吹き飛ばし、その上至近距離からのケイナズで消し飛んでしまった。
正直、ここからは己の呪力による身体強化と<聖ペトロ十字>による魔法解除で戦うしかない。
「あんたも十分アタシと同じバケモノだね」
即死、どころか塵すら残さない一撃を二度受けて無傷だけに、ユクリスも苦い顔をした。
否定できないなぁ、なんて思った。
「ユクリスはバケモノなんかじゃない。僕の、社員だ」
声へ振り返る。
そこには赤い紅い赫いカーバンクルの瞳。
それこそが神代の瞳、すべてを視る獣の瞳、妖精に愛された証。
――――――――その名は妖精瞳<グラムサイト>
瞳の赤い色が回りの空気に溶け込む。
これが妖精瞳<グラムサイト>、いつきの精神と体を蝕む力。
使わせないためにここに来た。
なんのために自分はアストラルへ来たのか?
後悔の念に囚われ掛けたが、そこで思いとどまる。
つまらない事を悔やむより、今は一秒でも早くいつきを休ませる事だ。
ならば、ならば僕がやるしかない。
「社長!僕が抑えます!そのあいdッ!」
「僕も一緒だ」
今なんと言った?
「しかし!」
「社長命令だ」
―――――――!!!
体に戦慄が走る。
従えば勝てるかも知れない。
しかし、それは僕の目的、穂波との事もある。
だが、この時だけは抗えない、彼が生涯の主と定めた時からこれは決定されていた事だ。
「はっ!この剣は我が主と共に!」
ユクリスは自然と共に剣を地面に刺し、その柄に両手を添え、片膝をついて頭を垂れる。
「茶番は終わりか?」
頭を垂れていたユクリスには、まさかツェツィーリエが接近していることなどわかるはずがない。
だが、声が聞こえてもピクリとも動かないユクリス。
ツェツィーリエは吸血鬼としての怪物じみた腕力と爪で、ユクリスの首を刎ねようとする!
「―――っ!!!」
次の瞬間、ドォ!っとグラウンドに砂埃が舞い上がり、同時に吸血鬼の体が数メートルも後方に吹き飛んだのだ。
「なっ!?」
その驚きは誰のものか?
もちろん、ユクリスはいつきを信じていた。
起き上がるツェツィーリエも、見ていたはずのオルトヴィーンでさえもそれに驚き、今何がおきたのかわからないでいた。
風が吹く。
桜の花びらが舞い跳び空気を彩る。
その中をユクリスの前へと歩み出て、そこで堂々と花びらの中立っていた。
桜の桃色に染まった空気を引き裂く様に、猛々しい赤が輝きを増して見えていた。
「イツキ……」
オルトヴィーンの腕の中でアディリシアがその名を呼んだ。
「僕が、いや……、僕達が相手だ」
と、王の様に彼は告げた。
「<アストラル>取締役社長・伊庭いつきが、いや――――僕らがお前の敵だ」
稀代の吸血鬼を前に、彼の少年は堂々と言い放ったのだ。
どうだったでしょうか?短かったとかは自分で思っているのでなんともいえませんが
ちゃんといつきと絡んでいけるのかが重要なポイントだし、原作キャラが言いそう、やりそうな事を考えて矛盾しないようにしないといけないから、設定壊さない様にとか、最初考えていた風にはなかなか書けないものですね(´。`;)
※この先軽くネタバレしてます(みんなわかってそうなネタだけど)
では軽い今回の話について。
とりあえず、ユクリスの魔法は、まぁぶっちゃけローラン、オルランドの伝承を参考にしてます。
ただ、ローランではなくて不滅の刃=デュランダルの伝承がユクリスの魔法。
つまり、デュランダルの柄には聖人(宗教によって天使と同等になった人間)の聖遺物がこめられている。
だから、奇跡その派生の伝承として取り込めるだけの相性があったってことにしています。
そして、デュランダルを持つことを許されたローラン、つまり唯一の担い手であるローランはその伝承にあるべき、もとい、なくてはならないし、加えれば強いので足した感じ。
追加の伝承は聖人の奇跡じゃなくて、ローランだったってのが正解。
説明でわからなかったことや、ここがおかしいとかあったら感想のほうへよろしくお願いします(>Д<)ゝ”