日本国召喚 マイカルの日常   作:KAIZU

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長くなりそうなので切ります!


ムーの通貨改革①

 ムーは五大国であり、通貨経済が発展している。信用もあり、ムー以外の国であっても、ある程度使用できる。

 しかし、それだけに国内外での偽造が後をたたない。ムーの財務省と国家造幣局は常に頭を悩まされてきたのである。

 

 

「ならば、日本に技術指導を要請してはどうでしょうか。以前日本の紙幣を見せてもらったとき、前の世界で日本の通貨はトップクラスの技術だったと聞いています」

「フム···。しかしそう簡単に技術指導をしてくれるだろうか?自国の通貨偽造を防ぐ技術だぞ?」

「ですが、日本側としても偽通貨が出回るより良いでしょう」

 

 ひとまず頼んでみることになった。

 

 

 

 

  日本国 財務省 財務大臣執務室

 

「ムーが偽造防止技術の指導を頼んできた?そりゃまた、どういうこったい?」

 

 連日の激務で目の下に大きな隈をつくった大臣が尋ねる。

 

「ムーの通貨はまだ技術が日本に比べると未熟で、偽造が多いと聞きます。そのため日本に技術指導を求めてきているようです」

「ふーん、そうかい。わかった、検討しよう」

 

 大臣としては、これからムーとの経済的な繋がりが強くなると予想されているため、通貨の偽造を放っておく訳にはいかない。

 現在ムーでは日本と同じように硬貨と紙幣が使用されており、貴金属も使われている硬貨はまだしも、紙幣は基本的にただの紙と少し魔石の粉末を混ぜたインクを使っている程度、ということがわかっている。

 一方で、日本の持つ偽造防止技術を他国へと教えることで、日本の通貨が偽造されるということが考えられるため、無条件で教えるわけにもいかない。

 

「はぁ、ようやく企業進出関連の法案がまとまったというのに、また仕事だな」

 

 はぁ、とため息をつき、再び机に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

  ムー 国家造幣局 技術部

 

「ということで、日本からは『すかし』の技術を特許料を払うことで使用許可してもらえるということになりましたが、代わりに魔石インク関連の技術開示を求められています。後、いっそのこと日本が生産するという提案もされました」

「通貨の生産を他国に!?」

「地球ではよくあることだそうです。ある意味、最も安全だとは思いますが···」

「いや、さすがにそれはまずい。魔石インクの技術なら基本的にただの顔料と同じだ。問題ないだろう。だが日本のことだ、何か別のものにも応用するんだろうがな」

 

 魔石インクは、特定の魔力に応じて魔石の微細な粒子が反応して光る。ムーはその技術を紙幣に使っているが、実は神聖ミリシアル帝国ではある程度普及しているものである。

 

「よし、魔石インクの技術を開示すると日本側に伝えてくれ。これで日本の技術が入ってくれば、偽造がある程度止まるだろう」

「わかりました」

 

 

 

 

 

 

 ある程度交渉がまとまったところで、まずはお互いの通貨がどのように製造されているのかを知るために、両国が使節団を派遣した。

 

 

 

 

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 日本国 広島県 造幣局広島支局

 

「東京で通貨を作っているものと思っていましたが、違うのですな?」

「はい。現在造幣局の本局は大阪にありますが、そこは現在博物館となっております。硬貨を作っているのは、埼玉支局と広島支局です。このうち、埼玉支局ではプルーフ貨幣という流通目的でない貨幣が製造されています。そして、一般に流通している貨幣を製造しているのが、ここ、広島支局となります」

「なんと。ここの設備だけで日本中の硬貨を賄っているのですか!」

「そうなりますね。ただ、現在は第三文明圏の基軸通貨となりつつあるため、製造ラインがフル稼働しているのです。まあ他にも第三文明圏の各国の通常の通貨も製造していますが」

 

 第三文明圏では、圧倒的な経済力・技術力・軍事力を誇る日本の通貨が最も信用度の高い通貨として広がりつつあった。

 そのため、国内の通貨が流出していた。そうなると日本は通貨を発行しないわけにはいかず、地球の時の数倍、発行量を増やしていた。

 当然、その原料が日本にあるはずもなく、第三文明圏の各国の鉱山などを開発し、確保していた。

 

「今年はさらに増産しておりまして、約62億枚を発行しました。昭和49年の56億枚を越えて歴代最多です」

 

 ムーの国家造幣局の硬貨担当技術主任は、開いた口が塞がらなかった。60億枚。なんという量だろうか。そんな量の硬貨を発行するには相当な資金が必要だ。紙幣なら、基本的な材料は紙であるため、なんとかなるだろう。しかし、硬貨は金属。それも相応に高価な金属を使用しているはずだ。

 

「では、さっそく製造ラインを見ていきましょう」

 

 

 

 

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  同日 東京 国立印刷局東京工場

 

「本日はどうぞよろしくお願い致します」

「こちらこそ、我々のためにお忙しいなか申し訳ない」

 

 その一方、紙幣担当組は東京の国立印刷局に来ていた。

 

「大きな工場ですな。ここではどの程度の紙幣が作られているのですか?」

「詳しくは言えませんが、日本では今年は50億枚の紙幣を印刷しています」

「50億枚!経済規模からすると意外に少ないですな」

「いえ、これでも例年よりはるかに多いのです。普通は30億枚程度ですよ。第三文明圏での基軸通貨として使われ始めているので、足りないのですよ」

「なるほど、そういうことですか」

 

 ムーの通貨は、主に第二文明圏の基軸通貨として流通している。その導入は緩やかなものであり、一気に国内の流通通貨が流出するということはなかった。日本ではそれが一気に来ているのだろう。

 

「ではまず、日本銀行券のことについて、軽くご説明いたします。こちらへどうぞ」

 

 

 まずは解説をしてくれるようだ。一言一句聞き逃さないようにしなければ!

 

 

 

 




これ、3話くらいかかる分量になりそうです。
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