日本国召喚 マイカルの日常   作:KAIZU

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ムーの医療改善①

 

 

 

 クワ・トイネの外交団が魔法を使って怪我人を治したことで、日本では医療での魔法導入を、という動きが活発化していた。

 

 しかし、まだ魔法がどんなものかもよくわかっていない上に、そもそも使える人材はいない。また、治験などができるわけもなく、今まで先のばしにしていた。

 

 しかし、ムーという魔法も科学も扱える国が現れたため、その方針はひっくり返ることとなった。

 

「日本の厚生労働省から参りました。間と申します」

「これはこれは、私、ムーの内務省衛生局のレイキ・リンクと申します」

 

 日本の厚生労働省は、ムーの良いとはいえない衛生環境の改善、医療技術の教授、そして魔導技術の医療への応用研究のために、管轄にある日本赤十字社と、製薬部門として竹田製薬、機器部門としてヲリンパス、医学部門として京都大学と共に、ムー内務省管轄のムー第一国家病院、オタハイト大学と協力して研究を進めていた。

 

 しかし、まずは医療技術の教授を行っていた。技術水準が違いすぎたからである。ムーが魔導技術も使用しているとしても、一番良くて戦後レベルであり、そもそもレントゲンやCT、MRI等の技術はなく、人に流れる魔力で異変のある場所を発見するというやり方であったからだ。

 

「では、本日はムーでの死亡原因のトップ、感染症についてです」

 

 ムーでの死亡原因は、戦前の日本のような割合となっており、感染症、特に肺炎や結核、胃腸炎が多い。日本人がムーへと仕事に行く際は、予防接種が義務付けられている。

 また、地球では根絶されたとされる天然痘もその存在が確認されており、早急な意識改革と対処が求められていた。

 

「ムーで特に流行っている結核は、日本ではあまり流行っていません。対処が早ければ助かる病気です。日本では普通半年くらいの治療が必要です」

「半年ですか?結構長いですね」

「はい。複数の薬を使って、確実に治します。複数の薬に耐性を持つものもいるので」

「薬に耐性を!」

「以前の世界では、もうずいぶん前から使われている薬にたいして、耐性を持ってしまっているのです」

 

 結核耐性菌は、大きな問題になりつつあり、将来は効く薬がなくなるのではないかとの声もあるほどだ。そして、新たな薬が開発されたとしても、それは高価なものとなる。

 

「特に結核は、入院する病棟を他の患者さんとは分けています」

「そこまでするのですか?」

「そうです。結核は空気感染が考えられるので、病棟を分け、私たち医療従事者も特殊なマスクを着用します」

 

 結核菌の感染力は強く、院内感染が起こる可能性もあるのだ。実際に起こった例もあるため、日本では十分に管理されている。

 

「日本からの情報が来る以前、我が国では結核は高山などで治療を行っていましたしね」

「そういえば、結核患者の方たちは普通の病院に移したのですか?」

「ええ、いま仮設のプレハブ病棟で治療しています。まあ、今までに結核で亡くなった方のご遺族からは、ムーの医学界はずいぶん突き上げがあってますが···」

「いえ、仕方のないことです。我々も昔同じようなことがあってますから。今後、正しい治療法で患者を救っていきましょう」

 

 さて、感染症について、魔法を使ってもそれほど症状に変化がないと言われていた。回復力増大や免疫力増大をしても、それほど効果がないという結果がでているからだ。

 しかし、それがどういった理由で影響が無いのかがわかっていない。単に意味が無いのか、効いているもののほとんどわからないレベルなのか。

 

「そもそも、魔法を治療に使うのは、最近では軽度の疾患や慢性疾患を軽減させるくらいにしか使われていないのです。時間のかかる疾患にはコストがかかりすぎて···。感染症は治療が長いというわけではなく、単に効果がわからないという理由から、使用されていませんね。今は投薬のみです」

「感染症に効果がない可能性が高いということはわかりました。ちなみに寄生虫にはどうなのです?サナダ虫とか」

「寄生虫はそもそも魔力で感知しにくいのです。そのため、症状が出てから対処するのです」

「なるほど」

「ただ、人に過剰な魔力を流して、巣くっている寄生虫を殺す、という手段はあります」

「本当ですか」

「ええ、この世界の寄生虫は魔力を持ってますから、過剰に魔力を流すと死滅するのです。寄生虫は目に見えます。研究しやすいので、どんな魔力をどの程度流せばいいのかわかっているのです」

「人にたいしての影響は?」

「あります。ただ、それは数日間魔力酔いになるくらいですよ。後遺症はありません」

「それは素晴らしいですね。日本には魔力を持っている人はいないですし、すぐに使えるようにはなりませんが···」

 

 日本には、実は厄介な寄生虫が多い。あまり知られていないが致死率100%近いものもいる。ただ、症例も少ないため治療法も確立されていないのだ。

 

「そういえば、流行り病では、日本と似たものもありますな」

「ええ、インフルエンザですね。近年我が国では大きな流行が起こることもあります」

 

 インフルエンザは、いろいろ名称を変えているが、ずいぶん前から存在している。古代エジプトの時代からその存在が知られていたとされる。

 つまり、それより前から存在しているのだ。当然、ムーにも存在している。

 対処法も確立していないため、重症化しやすい。年間20万人以上が国内外でなくなっているとされる。

 

「今、日本の工場で増産しています。しかし世界中の人の分はありません。せいぜい第3文明圏と、ムーの分がどうにか確保できるかどうかというところです」

「そうですか···」

「予防接種が出来るかわからない以上、自分でできる予防をするしかありません」

「以前おっしゃっていた手洗いとうがい、それからマスクですな」

「はい、そうですね。やるべきです。ですが、···」

「ええ、効果が薄いかもしれませんね」

 

 ムーでは、浄水等の概念がなく、基本的に井戸が生活水を確保する最大の手段である。その井戸水は汚れているものもあり、清潔とは言えない。

 

「それは今両国が共同で浄水場等の施設を建設中ですが、今年は間に合わないでしょうね」

 

 

 

 

 会話は続く。まだまだ、日は高い。

 

 

 

 





 自分は医療の知識はないです。そのため今回のはあまり自信がありません。ご了承下さい。
 あと、会社の名前とか大学の名前とか、そういうのは適当です。なんとなく収益が大きいとか、最近話題になったとか、そういうので決めただけです。
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