空気清浄機。昨今のインフルエンザの流行や、PM2.5などの大気汚染物質を取り除くことを目的として、発展をしてきた。
そして、ムーでは、この空気清浄機がよくわからない理由で流行っていた。主に上流階級の間で、である。
ムーは、地球でいう産業革命のさなかにある。イギリスの産業革命の様子はずいぶんひどい汚染があったが、幸いこちらでは魔法も発達しているため、そこまでひどくはない。
しかし、空気が悪いのは間違いない。そして、とある会社の幹部が偶然空気清浄機を手にいれたことから、ブームが始まった。
マイカル 竹田製薬マイカル支店
その日、竹田製薬マイカル支店では、進出後初となる現地企業との打ち合わせが行われていた。
「これは何ですか?空気が出ているようですが」
「ああ、これは空気清浄機といって、まあ簡単に言うと空気を綺麗にする機械です。空気中に浮いている小さな物質を取り除くのですよ」
「なんと、そんなものが?」
「まだ使用していないものがいくつかありますので、お譲りしましょうか?ああ、でも電気がないのでしたか」
「いえ、日本からの製品の輸入が始まっていますから、会社には自前の発電機を用意していますから、問題ありません」
「なら、あとで差し上げましょう」
「ありがとうございます」
数日後、クスマ医療薬品の経営戦略部で空気清浄機が稼働を始めた。
「あれ、部長、それはなんですか?」
「ん?ああ、先日日本の大手製薬会社と打ち合わせを行ったのだが、そのときにもらったんだ。空気清浄機といって、空気をきれいにするらしいぞ」
「空気をきれいにですか···。確かに最近空気が汚れてますからね。ラジオでまた喘息患者が増えたって言ってましたし」
実際に、経営戦略部の中でも、所々咳が聞こえている。町中でもそこらじゅうに乾いた咳をしているひとがいる。空気も霞んでおり、あまりいい状態とは言えない。
「まあ、気休め程度かもしれんが、精神的にはいいだろ?」
「確かに無いよりはマシですね」
数日後。
「なんか咳が少なくないですか?」
「やっぱりそう思うか?」
「というかみんな来るの早くなってないですか?空気清浄機も勝手についてますし」
「お前もそう思うか?」
「はい」
空気清浄機を稼働させてから数日が経過し、職場の雰囲気が大分変わっていた。
全体的に仕事を始める時間が早くなり、帰る時間は遅くなっている。咳もほとんどなくなり、静かなものである。
「本当に効果があったとはな」
「確かに、こんなに目に見える効果があるとは思いませんでした。最近はここからでるのが躊躇われるほどですよ」
「いくつか購入するか。予算申請しておかないと···」
「よろしくお願いしますね、部長。ついでに他の部にも教えてみてはどうですか?」
「ウム、それもしておこう」
その後、ムーでは空気清浄機が大流行。最初はムー市民にとって高価であったため、上流階級の間で、一般の経済状況が良くなってからは国全体で流行り始めた。それからは、少しずつムーの空気は綺麗になっていったのである。
ちなみに、空気清浄機大手のSHAPEは、この需要をバネにして自社株を買い戻し、独立を取り戻したという。
非常に遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。これからも忙しいので不安定ですが、今後ともマイカルの日常をよろしくお願いします!
そういえば、マイカルって言う会社があったらしいですね。倒産したらしいですけど。