日本国召喚 マイカルの日常   作:KAIZU

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誠に長い間放置してしまいました。すいません。元々イラスト描く方が好きなので、一度やる気が小さくなるとどうしても間があきます。まだやる気全開という訳じゃないので、かなり不定期になると思います。それなのにシリーズもの書くという...できるだけ早く次を上げられるようがんばります。

では、どうぞ。


日本へ押し寄せる諜報の波

 

 

 

 

 日本が異世界へと転移して数年がたち、第三文明圏やムーでは日本の会社による重厚長大の産業も育ってきていた。

 

 もちろん新世界の地元企業はかなり少ない。日本以外の国ではそもそも学校が無いに等しいためだ。また他国の住民が日本企業に就職しても、専門知識や資格が皆無なため任せることができるのはせいぜいレジや商品の補充などアルバイトのような仕事内容となってしまっていた。

 

 このような状況であることは各国政府、また日本側にとっても良いことではなかった。結局、日本人の仕事が増える一方だからである。そのため、人材の育成を開始した。ムーにつくられた、マイカル産業技術大学をはじめとする学校がそれである。

 

 こうした努力により、世界全体の識字率が上がり、日本へと留学して来る学生すら出てきた。さらに、日本企業へと就職するものも出てきた。

 

 

 

 

 

 

4月 東京 八菱重工

 

 

「すいません相沢さん、これ見て欲しいんですけど」

「ん?どうしたんだ山坂。お前が来るなんて珍しいな」

「まあ、そうなんですけど...ちょっと見て欲しいものがありまして」

 

 山坂は相沢の高校からの後輩である。仲が悪いわけでもなく、適度な距離感を保っている。

 

 ちなみに山坂は防衛航空宇宙セグメント企画管理部統括部リスクマネジメント課に所属している。いわゆる国防、宇宙及び航空機における他企業・組織からの干渉がないか、機密が保たれているかを管理する部門である。

 

 そんな部門の社員が統合経営戦略室へと足を運ぶのはただ事ではない。何かおおきな問題が発生した可能性がある。

 

 そう判断した相沢は机の上の書類をわきにおしやり、山坂のパソコンを置くスペースを確保した。

 

「よし、話をしよう。見せてくれ」

「はい。これです」

「これは...長船か」

 

 山坂が見せてきたのは長船と呼ばれる長崎造船所の映像だった。ドック内をうつす監視カメラのひとつからのもののようだ。

 

「では、再生します」

 

 再生される映像。特に何か問題があるようには見えない。夜でも明かりがある程度ついているので視界に困ることもない。

 

「別におかしなことはないように見えるが?」

「あと少しです」

 

 なんだ、まだなにも起こってないのか。ん?今人が通ったような。

 

「今の誰だ」

「分からなかったようです。この時間じゃ人もいません。これがわかったのも警備会社による報告によってですね」

「じゃあ誰が入ったんだ」

「...実は、まだ推測なんですが」

 

 いいよどむ。何か言いにくいことなのか?

 

「なんだ、はっきり言え。場合によっては社長案件だぞ」

「その...外国人かと」

「それは新世界側による技術の奪取が目的と思われるということか」

「はい。今回の被害は道具です。現時点で6つ紛失...ということになっていますが、盗まれたのだと思われます」

「警察への連絡はしたのか」

「はい。長崎県警察へ連絡を行ったとのことです」

 

 すでに警察へ連絡をしているのはまあ良い。だが外国人の関与している可能性がある。これは民間の会社では対処できないな。国が動く案件になりそうだ。

 

「よし、とりあえずこの件は社長にあげる。その後の対応がどうなるのかわからないが、色々と準備はしておけよ」

「は、はい」

 

 山坂は嫌そうな顔をして部屋を出ていった。これから資料をまとめるのだろう。さて、こちらも調査をするとしよう。

 

 

 1週間後 社長室

 

「なるほど、長船にな...」

「はい、統合経営戦略室と防衛航空宇宙セグメント企画管理部統括部からの報告です」

 

 現在社長室には重苦しい雰囲気が漂っていた。現在国内の造船所は需要過多で悲鳴をあげている。そんな中でさらに面倒な案件が降ってきたのである。不機嫌にもなるというものだ。

 

「はぁ、厄介だな。外国人によるものとは」

「日本側の警備体制を知らないので遠慮がありませんね」

 

 報告によればこの一週間に三回も侵入をされている。警備員がいるのにも関わらずである。そして毎回道具がなくなっているが、最近の侵入ではコンテナに使う材料まで盗まれている。

 

「一応防衛省、検察には伝えてあります。すでに調査を始めているとのことです」

「長船はどうだ。何か新しい発見は?」

「無いようです。前回警察が監視をしていたにも関わらず侵入を許しているのでかなり警戒しているとのことです」

「最悪回線を引っこ抜けば良い電子機器とちがって完全には防ぎようがないからな。はぁ、本当に厄介だ」

 

 

 後に新世界初の日本企業への諜報活動として記録される事案は、まだ始まったばかりであった。

 

 

 

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