日本が転移して4年、日本では航空機の不足が深刻化していた。
すでにあるB社製やA社製のものは古くなる一方であり、リバースエンジニアリングにも時間がかかっている。航空会社はこのままでは稼働できる機体が無くなると危惧していたのである。
しかし、日本では運良く久しぶりの国産機、八菱スペースジェットが開発中であった。
このような状態では一刻も早く八菱にスペースジェットを完成して貰うしかない。日本政策投資銀行、産業革新機構、航空会社そして八菱UFJ銀行は八菱航空機への1兆3000億円規模の融資を行うと発表、航空機開発における本気度を示した。
「そんなこと言ったって人が足りません!アメリカの資料はこっち(本部)でバックアップとってますけど、それでも限界です!人が欲しいんです!」
「金があるのに人が足りないとは。日本の人材の少なさがモロに出てきているな」
「正直中途採用なんてできるほど人材はいませんよ。自動車関連から作業員だけでも引っ張ってくるしかないですよ」
融資を受けた八菱航空機では幹部たちが大騒ぎであった。金をどっさり渡されて、早く作ってくれと言われても困るのである。人がいない。機械も日本では製造していなかったものもある。まずはそれらをどうにかしなければならない。
「八菱重工の方にマザーマシンをリバースエンジニアリングしてくれるところを紹介してもらおう、ただしその間は製造が遅れそうだな」
「今配線の再設計中です。終わったところから試作機に反映させていますが限界があります」
「部品のリバースエンジニアリングは終わりつつあります。国産に切り替えられそうです」
やることはたくさんある。各国への空港整備も進んでいることもあり、すでに以前の数倍の受注を受けている。そのなかには、政府専用機として購入することを決めている国もある。
「よし、急いで次の試験機を完成させるぞ。急いでいても安全には十分に考慮したものを作るんだ」
「まあこんな状況なら国交省もちょっとくらい制限を緩和するかもしれないですね」
ひとりの幹部が呟く。
「そんな気持ちで挑んではダメだ。緩めたら乗客に危険が及ぶかもしれない。命を預かるものを作っているということを忘れるな」
「は、はい。申し訳ありません」
「よし、では今日はここまでとする各自各部署へ方針を伝えてくれ」
精鋭たちが、動き出した。
その後、八菱航空機は世界の標準となった。純粋に技術力と資金力があったためである。
しかしそれに溺れることなく、新しい技術を取り入れ、ニーズを調査して世界最大の四発機、八菱スペースジェットL100を開発して、広大な世界の距離を縮めたのである。
神聖ミリシアル帝国は独自に航空機を製造して一定のシェアを持っているものの、八菱航空機の半分程度であり、今後も首位を守ることができると予測されている。
八菱航空機の躍進は確実ですね。TwitterにはM90ベースのクワ・トイネ公国の政府専用機のイラストをあげています。興味があればご覧ください。