予定通りガダル航空機の回です!
運ばれてきた昼食を見たムー人たちの感想は「航空機のなかでこんなものが食べられるとは」というものだった。
まず目を引くのはその豪華さだ。ムーの機内食も機内に調理機械があるためそこそこ豪華である。しかし、まるで今その場で調理したようなそれが1人3つ、運ばれてきた。調味料のようなものや、飲み物と思われるものもある。
「これはまた素晴らしいな。まるでつくりたてのようだ」
「まさか大がかりな調理設備が備えてあるのか?」
「食器は金属だが、いったいなんの金属なんだ?我が国使われる銀食器ではないし...」
さっそく昼食を食べるムーの人たち。
「味も良いな、美味だ!」
「これは鶏肉か?しっかり味付けもしてあるし、中までちゃんと火が通っている」
ムー人はムーの飛行機の中では味わえないレベルの食事に舌鼓をうったのだった。
「ふぅ、こんなに美味しいものだとは思わなかったな」
「私は特に生ハムがおいしかったですね」
「デザートのシャーベットというのも冷たくて良かったです」
食後のデザートも食べ終えて、一休み。アイナンク空港から飛び立ってまだそんなに時間はたっていないので、ゆっくりと雑談していた。
「そう言えば、今どこを飛んでいるんだ?」
「食事に夢中でしたな」
そう言って各々が窓の外を見てみる。
「これは...」
「なんと美しい。やはりこの星は丸かったのだな」
「薄い雲がずっと遠くにありますね」
窓から見える景色は、天気が良い日を選んだこともあって素晴らしいものであった。ほとんど雲はなく、上空に薄い筋のような雲がある。下にはムー大陸が広がり、遥か彼方に丸い地平線が見えている。
「ムーの航空機ではこの高さまでは上がりませんな」
「そもそもエンジンが持たないな」
そうしてムーの人たちが外を眺めて自国の航空機と比べていると、
「皆さま、この飛行機について今から30分ほどご説明いたします。こちらの近くの席に座っていただけますか」
「この飛行機の中で説明をやるのですか?」
「ええ、そうです」
「この中でやるのか」
「黒板のようなものもないようだが」
いぶかしく思いつつも、とりあえず席につく。
「では、これよりご説明させていただきます」
日本の担当は黒い小さな箱を取り出すと、背後の壁に埋め込まれているガラスのようなものに向かって腕を伸ばした。
「「「!」」」
一瞬で光が点り、ムーの言語で書かれた『ジェット旅客機』というタイトルが映し出される。
「これは一体!?」
「映写機の一種なのか?しかしフィルムなどは見当たらないな!」
「しかも綺麗な絵ですね」
「原理的には魔信が近いのだろうか?」
魔信に似ている部分はあるものの、大きさと精彩さは明らかにこちらが上であった。
「日本の担当者殿、この装置は一体なんですか?魔信に近いようだが...」
「あぁ、これはいわゆるテレビの一種ですね。色々なものを映し出せます。今回はこれを使って説明を行いますので」
そう言って、担当者は冊子を配り始めたのだった。
結局未だに説明に入ってないという。