アニメ声クソザコリスナー装者の話   作:風峰 虹晴

10 / 35
広がる日陰喜ぶダンゴムシ

 家に到着する。正直まだ信じられない。私がおりんの配信を見ることが出来るなんて。正直泣きそうです。あ゛っ…頼むから家の中で気絶だけは控えてって言ってるでしょ私!

 家に帰ってきてから時間が経つと、おりんが翼さんとのコラボ配信の告知をする。

 コメント欄には「スタジオ配信マジで!?やったな!」「お昼時点で翼さんの公式告知で出てたぞ」「おりんがんばれ、超がんばれ」「おりんもデカくなったな」「大丈夫?おりん生きてる?」「おりん翼さんのファンだったもんね、よかったね」「でもおりん絶対クソザコ状態になってるぞ」「イキれないおりんが楽しみだ」と皮肉混じりの応援コメントで溢れていた。というかまた親面してるやついるな?

 更に、「いくらおりんが遠くに行こうともおりんの影に俺達はいるぞ!」「おりんの居る場所がスタジオやステージになっても、おりんがいるならそこは日陰だ」「だから安心して行け!おりん!」とおりんの背中を押すようなコメントが。ごめんなんか泣きそう。お前らに泣かされるとは一度も考えたことなかったよちくしょー。織田 志乃、人生で一生の不覚。

 おりんの配信が始まる。

 

 

『これから大きな舞台に立つ私でも、変わらずに日陰と思ってくれるならば、いつも通りあなた達は私の闇を笑え、それが私の救いで、一番の応援だ』

 

 お、おう(困惑)おりんらしくない発言!これはイキってますね(確信)あれ?おりん泣いたのかな?声がなんか泣いてる時みたいになってる?

 コメ欄は「おりんポエムだ」「おりんは日陰、俺達ダンゴムシ」「しめっぽくするな」「気取るな」「イキるな」といつも通りのおりんを馬鹿にするコメントが増えていく。流石おりん、こんなときでも馬鹿にされるんだ。いいぞお前らもっとやれ。

 

『という事で君達には死んでもらう、今日はBLゲー配信だ、今日は女装少年モノだぞ!』

 

 許して。BL配信は見たくないんです!!けど見ないと明日への活力がー!!あ゛ー!!ごめんなさいー!!!

 コメ欄も「ウワーッ!」「ウワーッ!」「やめて」「ゆるして」「待ってた」「ノンケを引きずり込め」「急に汚りんになるのやめろ」と正に天国から地獄である。誰だよ蜘蛛の糸垂らしたやつは、絶対に許さんからな。

 

『ちなみにコラボラジオのタイトルは風鳴翼さんと私の名前からとって「風りんコラボ」おりんラジオ/最後の審判で日曜日の20時半から部屋を立てますからよろしく!』

 

 お、おう。だからBLだけはやめてね?

 その後、配信中私は顔を真っ赤にしながら時折顔を塞ぎながら配信を見てました。うぅ…(泣)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 配信当日までは特に何と言った出来事は起きなかった。まあ櫻井さんがなんかサボってるらしくそのお陰で加賀美さんと私と立花さんは特訓だよこんちくしょう。なんで筋肉痛にならないのかがふっしぎ。

 一応戦えるには戦えるけど…立花さんと加賀美さんにも負けてるしなぁ…。

 この「レーヴァテイン」が使えるアームドギアは今のところ2つ。

 1つは「レーヴァテイン」、剣だね、うん。

 これかなり大きい両手持ちの剣でね、全長は私ぐらいある。なぜ持てる私。あんまり重いって感じはしないけど片手ではあまり持てぬ。

 すっごく斬れ味がよくてすっごく硬いっていうか傷1つつかん。防御にも使えるとか便利、なにこれ。あとなんか炎を纏ったりこれを振るって炎を飛ばすとかもできる。汎用性高いねこれ。司令には真剣白刃取りされた。解せぬ。

 も1つは「スチーム」、腕肩腰脚の左右に1つずつ付いている。これの噴射口から高温の蒸気を噴射できる。連続運転最大10秒。

 これもかなり便利、後ろに噴射することで直線運動をかなり早くできるし、方向を調整すれば小回りも利く。相手の顔に吹きかければ不意も付けるし、しかもその場に撒き散らせば私の身を守ることができる。「レーヴァテイン」は耐熱凄いからね。司令には速度強化しても受け止められるし、何故か目くらましが効かなかったよ…。

 戦歴は司令に15戦15敗、立花さんに15戦5勝10敗、加賀美さんに7勝8敗。うーん…(微妙)

 まだまだ弱いなぁ…。「レーヴァテイン」、私味方相手に戦いたくないよぉ〜…。

 私が心の中でそう呟いた瞬間、「レーヴァテイン」のペンダントが淡く光って気がする。でもまあ、気のせいでしょ。だってシンフォギアは人じゃないし心があるかどうかわからないし…。

 でもまあ、気にしたら負けか。とりあえず配信を待て、話はそこからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日曜日。現在私は翼さんと一緒に喋りながらおりんを待ってます。正直倒れそう。まあ何か私が倒れたら一応受け取っといてとは緒川さんに言っておいた。緒川さん優しい。

 

「………というところが私はおりんの魅力だと私は思います!」イキイキ

 

「わかるわ。織田さんとは気が合いそうね」

 

「わっわわ私なんてただのダンゴムシです…」カタカタ

 

 なぜか意気投合しかけてるのは何故なのだろう。だかしかし、嫌ではないのも何故かはわからん。

 おりんが来た。

 

「こんばんは、翼さんと織田さん」

 

「待ってたわ……詩織」

 

「………………」ガタガタ

 

 ごめんなさい2人が揃った瞬間私緊張が一気にきました許して。今考えたらさっき翼さんとなぜ会話できた私。

 翼さんがおりんに手を差し出す。しかしおりんはそれを取らない。チキったなおりん。気持ちはわかるぞおりん。

 そしたら翼さんが自分から手を取りに行った。これ私されたら間違いなく即失神確定ですね。見てるだけで気を失いそう。というか口の中があまーい。

 

「大丈夫、詩織が少し内気なのはわかってる、だから私が引っ張って行く」

 

 その言葉を聞いたおりんが顔をあげる。あの表情はおそらく死にかけてるな?私にはわかる。

 

 

「あ……アッ……そう……そうですね!行きましょう!時間はもうすぐです、光と闇のラジオを始めましょう!」

 

「ふふっ」

 

 私が死ぬのが先かおりんが死ぬのが先か、そこらへんの勝負だと私は思う。まあどちらも既に瀕死だというのは多分異常。

 

 

 

 

 

『おりんラジオ、最後の審判』

 

『ゲストは私、風鳴翼でお送りします』

 

 ついに始まったコラボ配信。私は緒川さんの隣で見守ってます。完全に通知ですら音を消したスマホで配信のコメントを確認しつつ。なにこれ贅沢。

 コメ欄は「はじまったぞ!」「おりんがイケボを演じているぞ」「萌え声を捨てるな」「マジで翼さんだ!」「というかスタジオ配信っておりん何者なんだ」「余計な詮索は寿命を縮めるぞ、主におりんの」と騒然としている。私は今耳が幸せでいっぱいです。心の中は緊張でいっぱいです。というか視聴数多いな!!おりんも緊張するわそりゃ、5万人ってなんぞ、イケボじゃんおりん。

 

『ええ、私も何が起きたのかさっぱりわかりませんがね、翼さんのお誘いで何故かスタジオで配信してるんですよ、人生何が起きるかわからないから一日一日を噛み締めて生きるんだぞみんな、ところでなんで翼さんは私とコラボしたいなんて思ったんですか?』

 

『リスナーの皆さんと楽しく話しているのを見たの、それを見て楽しそうだな~私も混ざりたいな~と思って』

 

 楽しい(笑)。思わず笑い声を押し殺すのと緊張を押し殺すのに一生懸命な私。あれを楽しいと思えるのは中々の強者。私である。というか翼さんが混ざったらみんなそれどころじゃないよ。

 

『ところでおりんさんは私のファンという事だけど、私のどういう所を好きになってくれたのかな?』

 

 おりんに恥ずかしい思いをさせたいという感情が見える見える…。おりんにとって恥ずかしい質問されたなこりゃ。

 

『あっあっ……アノデスネ……私にはない輝きが、翼さんという光の輝きが……あまりに綺麗に見えたからです……』

 

 おりん可愛い。私並みのメンタル…じゃないな、私よりもまだ強いなメンタル。泣きそう。いや、倒れそう。

 コメ欄は「クソザコナメクジ」「終身名誉陰キャ」「非イキリ萌え声生主」「人気生主」といつも通りの罵倒ばっかで安心する。お前らは変わらんのな。

 

『ふふっかわいいわね、おりんは……という事で最初の企画、私の持ち込み企画「おりんの可愛い所を上げてこう」これは私のマネージャーと私が過去のアーカイブやログから独断と偏見で選んだおりんの可愛い所をピックアップしてくコーナー』

 

『ウワァーッ!!!なんて企画持ってきてるんですかね翼さん!?』

 

 やったぜ。なんと素晴らしいコーナーなんだ。正直気になるので嬉しい。ほらお前ら喜べよ。

 コメ欄は「翼さんおりんを呼び捨てだーッ!」「仲良し」「おりんは可愛さを売って行け」「BLゲームで地獄を見せた女とは思えない」と楽しんでいるコメントが続く。というかお前ら本当に楽しんでるな。私もだけど。

 

『おりんの可愛い所その一「声」その可愛らしい声を巧みに使い分けていく』

 

 わかる。おりん配信の芯の芯、基本にして原点である。わかってらっしゃる翼さん。

 コメントも「確かに」「それに釣られたのが俺達だ」「基本よね」ま、まぁわかるけど……。と共感の声が。流石我らダンゴムシ軍団。

 

『おりんの可愛い所その二「イキリ失敗」頑張って強がって見せるけど強がれてない所』

 

 イキリ成功殆どないよねおりん。失敗するのもいいけどもっと成功してもええんやで?

 ダンゴムシ達も「クソザコおりんの代名詞」「おりん惨敗シリーズ」「わかる」と再び共感の声が。というかもう代名詞レベルなのか…頻度高いなぁ。

 

『おりんの可愛い所その三「緊張するとふにゃふにゃになってしまう所」普段からおりんと接してるとよくわかるけど私の前だとすぐに弱々しくな……』

 

『ワァーッ!翼さんちょっとまっ』

 

 まずいですよ!?これは身バレか!?炎上案件か!?やりそう!誰か特定の仕事しそう!!許してあげて!!

 コメ欄も「『普段』から!?」「まっておりんとリアルで繋がりあり!?」「いや待ておかしくないぞ、おりん……萌え声……全ては繋がった!」「音楽系でつながりねーなるほどなるほど…!?」と騒ぎ始めた。落ち着け落ち着け、とりあえずダンゴムシ達は鎮火に徹しろ。

 しかしコメ欄は「まぁ、別に不思議じゃないよね」「むしろおりんのトークスキルとかから只者ではないと感じていた……」「でもおりんの闇は本物だから……」「クソザコ化がリアルでも発動している時点で……」となんか予想と違う動きをし始める。よかった。燃えなくてよかった…。

 

『こんな風に心配性な所も可愛い所ね』

 

 まさか狙ったのか!?翼さん…恐ろしい子!!まあ確かに可愛いね。表情も見れて私はっぴー。

 コメ欄も「わかる」「翼さんにならおりんを任せられる」「おりんをいじっていけ翼さん」さっきの通り共感の声が。結構落ち着いたな。よし、トドメは私が刺そう。

 

(「最初から心配しているのはおりん一人だったというオチでは?」っと…)

 

 コメントを打ち合えるとおりんがうなだれた。やったぜ。的確な攻撃ができて思わず私もにっこり。しかし未だに倒れそうである。こんなメンタルの弱さに怨みを。怨まれたら私死んじゃいます。

 

『とこんな所ね、さて私の持ち込み企画はここまで、次はおりんの企画だけど大丈夫?』

 

 すっごい笑顔だ翼さん…おりんめっちゃダメージ受けてる…大丈夫?おりん生きてる?(ドス黒い笑顔)

 

『翼さんの笑顔に免じて……許します……ですが、その代わり私のワガママを一つだけ聞いてもらいます』

 

 あ、許すんだ。めっちゃ気になるぞおりんのわがまま。とりあえずコメント欄のお前らも落ち着け。

 

『たのしみね、おりんの企画』

 

 翼さんもおりんを笑顔で待つ。楽しみ…。

 

『いっ……一緒に歌って欲しいんです!!!』

 

『ええ、一緒に歌いましょう』

 

 キタッ!!キタコレ!伝説の瞬間に立ち会ったぞ私は!!この日を忘れないぞ私は!!(泣) だから倒れそうになるのやめろぉ私ぃ!!(震)

 コメ欄は「おりん、良く頑張った」「泣いた」「大 勝 利」「おりん優勝シリーズ」「ありがとう翼さん」とドンパチ賑やかなお祭り状態です。お前らもっと騒げ。

 おりんと翼さんは、翼さんが選曲した、『ORBITAL BEAT』を歌った。おりん半分泣いてたけど。私?私ですか?声めっちゃ抑えてますけどボロボロ泣いてます。嬉しすぎて。

 配信は終了した。第2回の約束をして。配信が終了した瞬間、私の意識が手を振りながらバイバイしてブラックアウト、緊張の糸ほぐれたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、昨日の夜冷めやらぬ興奮と訪れたやばい深夜テンションがベストマッチ。おりんメトロノームというタイトルで私達の昨日の配信の切り抜きと私の醜態を交互に見せていく動画を勢いで作ってしまい、確認したら日間一位になってしまいました。ごめんねおりん、今回は後悔も反省もしてないよ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。