アニメ声クソザコリスナー装者の話   作:風峰 虹晴

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おりんと銀髪とノイズ

 今日のおりんの配信はお休みである。ちくせう、明日のやる気は大丈夫かな?

 でも流石に理由はわかる。今日は翼さんのライブらしい。おりんの悩み相談(笑)を聞くに、翼さんからVIP席を用意してもらったらしい。正直私はおりんほど興味はないけど、それなりには興味あるから羨ましい。

 元々ツヴァイウィングは2人。しかし翼さんと、もう片翼である「天羽 奏」は、2年前にライブ中にノイズが大量に発生する惨劇により死亡した…らしい。

 立花さんの扱う「ガングニール」というシンフォギア。元々は奏さんの物だったらしい。聞いただけの話だが。

 今回のライブは2年前にそんな惨劇があった場所と同じ場所。つまり翼さんは、大事な人の死を乗り越え、前を向こうとしている。

 少し気持ち暗くなると、半透明の「レーヴァテイン」が現れて、私の頭を撫でる。

 レーヴァテインは最近ちょくちょくこうして出てくる。撫でられた感触はないけど、ペンダントを介して気持ちは伝わる。

 フラフラしながら歩く。すると、ベンチに加賀美さんが座っていた。う、うーん…どうするべきか私…。ゆ、ゆゆ勇気を振り絞れば行けるはず!

 

「かっ加賀美さん!こ、こんにちはぁ?」

 

「変な口調になってますよ織田さん」

 

 おっと失敬。…ありがとうレーヴァテイン、だけど今はいいかなちょっと見られたりするのは困るから!あ、しょんぼりした?ごめんね?

 

「なっなななんか落ち込んでますね、だ大丈夫ですか?」カタカタ

 

「え?えぇ大丈夫です」

 

「いいいつも通りわわ私でよければきき聞きましょうか?」カタカタ

 

「…ありがとうございます。私、友達って分からないんですよ。憧れの人にせっかく友達と呼んでもらえたのに、何処に居ればいいのかまったくわからないんです。はっきり言って、その人の隣に居るに相応しいだとか相応しくないだとか考えてしまうんです」

 

「…い、いいんじゃないですか?とっ友達ってよよ呼んでもらえるってここことは認められてるしし証拠ですから、あああんまり悩むべきじじゃないですよ」カタカタ

 

「…そういうもんですかね?」

 

「むむ寧ろ配信のときみたいにし、してたらあいと思います」カタカタ

 

「…そうですか」

 

 私達はお互いに話し始める。レーヴァテイン大人しくしてて、感触ないけどわかってるからね!?頭撫でてるの!!

 途中から銀髪の女の子がやってきた。名前は雪音クリスというらしい。…なんかボロボロだ。

 

「クリスさん、また会いましたね」

 

「おう、何か悩んでるみたいだったからな」

 

「………………」カタカタ

 

「それじゃまるで私の悩みを聞きに来たみたいじゃないですか」

 

「あるんだな、悩み。というかそいつ大丈夫か?」

 

「常にありますよ、人は悩みと闇からは逃げられませんからね。織田さんは平常運転です」

 

「………………」カタカタ

 

 私人見知りなんですよ。いつになっても初対面の人と出会うと緊張して喋れなくなるしたまに泣いちゃうし。

 

「じゃあ、お悩み交換会でもしましょうか」

 

「なんだよそれ」

 

「私、配信をやってるんだけど、よくダンg……リスナーの皆と悩みを打ち明けたり、一方的にぶつけたりして発散してるんだ」

 

「あんたのリスナーってなんだか迷える子羊みたいなイメージがあるな」

 

 迷える子羊て…私は別に迷ってまないですしぃ。

 

「ただのダンゴムシですよ、石の下にいる様な日陰の生き物みたいな奴らです」

 

「グブゥ…」チーン

 

 私のメンタルがー!!私のメンタルそのものがー!!…ありがとう、今頭撫でてもらうのは嬉C。

 

「すげぇ例えだな……おいそいつなんかダメージ受けてるぞ」

 

「だ、大丈夫です…貧弱メンタルに加賀美さんの言葉が…」プルプル

 

「じゃあアンタの悩みを打ち明けてみろよ、言いだしっぺの法則って奴だろ」

 

 加賀美さんは私に言うようにクリスさんにも悩みを打ち明けた。…ん?嫌な予感がする?まあ、今はちょっとペンダントで大人しくしててね。

 

「難儀な奴だな、アタシやソイツに今こうしてるみたいに隣に居てやればいいんじゃねぇか?」

 

「それはあなたとの関係がそんなに深くないから出来ているんです。…織田さんとの付き合いは浅くはありませんが。私が怖いのは幻滅、あの人に嫌われたら生きていられない、かもしれません」

 

 そんなもんかなぁ。そんなこと、あんまり考えたことはなかったなぁ。私は悩みは即刻解除できるものしか悩まない。それはそれ、これはこれ理論。スパッと割り切っちゃうのです。

 

「……わからなくもない、な」

 

 その後も加賀美さんとクリスさんとの悩み相談は続いた。…私もたまに投入されるんですけど。なんで?

 

「ッ……!?」

 

 クリスさんが何かの異常を感じ取ったらしく、私と加賀美さんの腕を掴んだ。

 

「どうしました?」

 

「なっ、なななにかあったんですか?」カタカタ

 

 正直倒れそう。私泣きそうです。緊張であばばば…!

 

「炭だ、ノイズが近くに居やがる」

 

 よく見ると空中に黒いのが飛んでいる。これがノイズ。つまりお母さんを殺した元凶。

 いっつも迷惑掛けてんなお前!!

 

「ごめん、クリスさん、ちょっと内緒にして欲しい事があるの」

 

「こんな時になんだよ、危ないから逃げるぞ」

 

「私、ノイズと戦えるの」

 

 加賀美さんはクリスさんにそう告白した。非常事態。国家機密とかは関係ない。いい判断だ、流石おりん。

 どうやらおりんの端末に着信が来たらしく、スピーカーをオンにしてくれる。

 

『はい、加賀美です』

 

『加賀美くん、織田くんもいるな!?』

 

『…は、はい、います…』カタカタ

 

『すぐにその場から離れろ!ノイズの反応を検知した!』

 

『司令、私。戦います』

 

『わ、私も、戦います』

 

『加賀美くん!!織田くん!!』

『翼さんはライブを楽しみにしてました、いつも守られている分、今日くらいは私が守ってもいいじゃありませんか』

 

『私は…………』カタカタ

 

『待て、加賀美くn』

 

 加賀美さんは司令の言葉を無視して端末の通信を切る。すると、シンフォギアのペンダントを手に持つ。

 

「おい、アンタ……それは……」

 

 クリスさんは加賀美さんを持ってる方の手を離す。

 

「表の顔はただの学生、裏の顔は人気配信者、そしてその正体は正義のヒロイン、さて……この中で嘘はどれでしょう」

 

 加賀美さんはシンフォギア「イカロス」の聖唱を唱える。闇の中、更に黒い闇が私に纏わりつき「月」の様な灰銀の装甲を纏う。答えは明白、至極簡単。我々ダンゴムシには簡単すぎる。

 

「こ、答えはに、人気配信者!」

 

「織田さんなんで答え言っちゃうんですか…。…正解。答えは人気配信者です。所詮はちょっと最近流行ってるだけの配信者にすぎないの」

 

「わっ私達ダンゴムシにはひひ非常に簡単な問題です!私の前でだだ出したのがううう運の尽きです!」カタカタ

 

「大丈夫……大丈夫です、クリスさんは私が守りますし、ノイズは全部倒しますから……」

 

 おりんは震えている。当たり前だ。怖いと思うから。

 

「何が大丈夫なんだよ、震えてるじゃねぇかよ」

 

 クリスさんは加賀美さんの手を再び手に取る。

 

「アタシも戦うよ」

 

 クリスさんも歌を歌う。すると、クリスさんもまさかのシンフォギアを纏った。

 

「大丈夫だ、アタシはお前を信じる。大人どもみたいに私に変な同情だとかで近づいたんじゃないって、だからとっととノイズ共を倒しちまおうじゃねぇか」

 

 二人はシンフォギアを纏い、戦う決意を決めた。私だけ逃げるのか?一番弱いから?

 逃げてもいいの?いや、私は逃げたいの?ノイズは私にとって宿敵、倒すべき相手…なんだよね。

 目の前にレーヴァテインが現れる。レーヴァテインは私の手を握る。そっか、さっきの嫌な予感は、これだったんだね。

 手が暖かい。私はレーヴァテインが握る反対の手で、シンフォギア「レーヴァテイン」のペンダントを握る。

 私はレーヴァテイン、レーヴァテインは私。

 

 ──力を貸して、レーヴァテイン

 

 私は聖唱を口ずさむ。いつもと何かが違う。いつもはない、非常に心地よい安心感が私を包む。

 

「…私も戦います」

 

 クリスさんと加賀美さんは私を凝視する。いつもなら緊張する。けど今は全然緊張しない。

 

「3人で、頑張りましょう」

 

「…はい、そうですね」

 

「あぁ!やろうぜ!」

 

 私はクリスさんと加賀美さんの手を握る。やってやろうじゃねえか。

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