私は現在上空を飛行中です。加賀美さんのギアで連結して抱えられています。クリスさんは背中です。
「足元が無いから不安なんだが」
「クリスさんの頭が胸に当たって違和感がありますけど、大丈夫です……っう」
「お前今「くさい」って感じの声出しただろ!?」
「なんでそんなに鋭いんですか!確かにちょっと匂うなって思いましたけど」
「……2人とも何やってるんですか…」
上の二人が騒がしい。このテンション絶対今から戦うッ!って感じじゃないよ…私だけハブられてる、悲C。
「加賀美さん加賀美さん」
「ん?なんですか?」
「ノイズが見えてきたので真上で私を切り離してください」
「…………は?」
「私は地上戦しか出来ないので、空中戦は任せます」
「そ、そうじゃなくて…大丈夫なんですか?」
「大丈夫だと思います」
だって、レーヴァテインが、「任せて」って私の中で言ってくる。ならば私は、それを信じたい。私はレーヴァテイン、レーヴァテインは私だ。
ついにノイズ達の真上に到着する。私もレーヴァテインも準備はOK、いつでも行ける。
「じゃあいきますよ織田さん!どうなっても知りませんからね!」
「はい、お願いします」
すると、ギアの連結が外れ、私は落下を開始する。怖くはない。
近くにノイズが飛んでくる。着地の落下速度減少に蒸気噴射は使いたいし、このまま見過ごしてくれるとは思えない。
私は虚空から現れたレーヴァテインを両手で掴む。
「そりゃあっ!」
そして、私は飛んできたノイズを、上手く体の向きをレーヴァテインに手伝ってもらいながらノイズを斬り伏せる。
「うぅぅ…だっしゃあぁぁぁぁ!!」
地面にノイズが大量にいて鬱陶しかったので、両手でレーヴァテインを思いっきり地面に向けて投げつける。空中に浮かんでいたノイズも巻き込みながら高速で落下していき、地面にぶつかると同時に地面が砂煙に包まれた。
私は顔を下にして体を一直線に。抵抗が少なくなり、落下速度が増していく。そして、地面にぶつかる前に体勢を元に戻して全力で蒸気を噴射する。
落下速度は殺しきれなかったが、コンクリートの地面に小さいクレーターが出来た程度で、上手く着地できた。
着地した先には先程投げたレーヴァテインが、地面に半分ぐらい埋まって突き刺さっていた。
私はそれを勢い良く引き抜く。ノイズ達は2つの勢力に拡散。加賀美さん達の方と、私の方。
「…っしゃおらぁぁぁぁ!!」
私の叫びと共に、私を包むレーヴァテインも呼応する。ノイズはぶっ潰す、手加減なんてしねえぞオラァ!!
「セイッ!!」
私は大きく横にレーヴァテインを薙ぐ。剣と、剣の剣風でノイズ達が消える。
「ィィィヤァァァッ!!」
そのまま後ろに突き刺さったレーヴァテインの勢いを利用して後ろに大きく跳ぶ。そしてそのまま後ろにいたノイズにレーヴァテインを叩きつける。それだけで何体ものノイズを倒すことができる。
「ァァァァッシャッラァァァァ!!」
隙を作っちゃダメだ。私はそのまま思いっきり横に凪ぎながら跳ぶ。そして、空中で横回転と共にレーヴァテインを振り回す。
「ッ…加賀美さん、クリスさん…!」
要塞のようなノイズが加賀美さんとクリスさんを狙っている。しかし、向こうを信用しなくてはならない。
レーヴァテインが私を後ろから抱きしめる。暖かさが伝わる。
「ッシャァッ!」
ようやく蒸気噴射をする機構が、全身10秒蒸気噴射連続運転の代償のクールダウンから抜け出した。腕の噴射機構を、クールダウンに入らない程度に使い、更に剣に炎を纏わせて思いっきり一回転して剣を振る。
速度アップによってより強くなった剣風に、レーヴァテインの炎が加わり、大量のノイズが一気に消え去る。
ノイズ達が加賀美さん達の方を見る。どうやら対空攻撃のよう。
「こっちを見ながらくたばりやがれぇぇぇぇぇ!!」
させるかアホ。私は炎を再び纏わせたレーヴァテインを、背中の装甲から各蒸気噴射機構に繋がっていて、取り外し可能、ある程度伸びるプラグを右腕の噴射機構から引っこ抜き、引っ掛け、投げる。レーヴァテインは高速で回転しながら次々とノイズを潰していく。
プラグの伸びが上限に達して、私はそのままレーヴァテインに引っ張られる。私はプラグを引き寄せ、レーヴァテインを手に取る。プラグを右腕の噴射機構に突き刺す。
「くだばれやぁぁぁぁッ!!」
私はそのまま右脚を伸ばしながら右脚の噴射機構を起動、そのまま前方にいるノイズに飛び蹴りの形でトドメを刺した。
地上のノイズは全部倒し、地上の状況は終了した。それと同時に、要塞型のノイズにミサイルが命中するのが見えた。
加賀美さんが地面に着地し、ギアをクリスさんから切り離すと──◾️いた。なにやってんだぁぁぁぁぁ!!
私は初戦闘、死なずに済んだ。…加賀美さんとクリスさんは、最悪だったみたいだけど。
♦︎
戦闘は終了、私は自分のスマホを見る。…残念おりん、ライブは終わっちゃったみたい。レーヴァテイン、私は大丈夫だから撫でなくていいよ。
「で……どうすんだよ、あたしを無理矢理にでも連れて行くか?」
「しませんよ、そんなこと」
「わっ、私もそんなことしししたくないです…」カタカタ
クリスさんは見た感じ悪いって感じはしないし、私達に協力してくれたから悪い人じゃないのはわかる。…まあ、男勝りな喋り方ではあるけど。
「私は貴女の意思を尊重します、クリスさんが来たいと思った時にでも来てください」
「………………」コクコクカタカタ
あぁ…まだ人見知りが適用されてる…仲良くなるんだったら、早くこの緊張をなんとかしないと…。あ、レーヴァテイン手繋いでてくれるの?ありがとう。けど緊張は和らがないかな?
「お前、本当に変わってんな。アイツらの仲間なら無理にでもアタシを追っかけてくると思ったんだがな」
「私を立花さんみたいな陽キャと一緒にしないでくださいよ、私は自分からそういうグイグイいける性格じゃありません」
「………………」カタカタ
「あんなに熱くなってたのにかー?…ソイツはいつになったら落ち着くんだ?」
「す、すいません…」
あぁ、ほんと、自分の弱さに泣きたくなる。今泣きそうなんじゃなくて、緊張で倒れそうだけど。レーヴァテイン、もし倒れたら支えてね。
「それは……大事な人の晴れ舞台を潰されたくなかったから……」
「ははーん、アイツだな。風鳴翼」
「っ!?」
「図星かーそっかそっかぁお前の言っていた友達っていうのは風鳴翼の事だったかぁ~そりゃ立ってる場所が違うわな~」
おりんめっちゃ顔とか言動に感情出るよね、正直でよろしい。私は感情が正直すぎて逆に拗らせて倒れそうです。こんな自分が情けないよ…。
「でも、だからこそ横に居てもいいんじゃねぇか?」
「えっ」
「なんでもねぇ、ただちょっと……一人は寂しい、だろうなって思っただけだ」
「クリスさん……クリスさんも、一人が嫌になったなら、いつでも……私の所に来てくれてもいいんですよ?」
あ、勇気出したおりん。私の何百倍もの勇気、羨ましい…。私ですか?いつでも震えてるクソザコダンゴムシです。うーん…一応頑張ってみよう。
「はっ、んな事できるかよ、これ以上お前に迷惑はかけたくねぇ」
「そんなに迷惑に思ってない、むしろ私の知らない所で死なれてたりしたら……」
すると突然加賀美さんが尻餅をつく。えっ!?今は気絶だけはしないでね!?そしたら私も一対一とかいう敗北確定の戦いで気絶してクリスさんが困惑しちゃうよ!?…あ、疲れが出ただけ?なるほど、そうでしたか。焦ったぁ…。
加賀美さんはクリスさんによって家に送られた。私は一応大丈夫だったのでそのまま自分の足で家に帰る。
家に到着すると同時に、二課から電話が入ってくる。どうやら私を心配してくれたみたいだ。心配はレーヴァテインだけで充分ですよー。
私はベッドに飛び込む。あんまり上手く動けなかったかな?ちゃんと戦えたかな?そんな心配をしながら、私は眠りについた。