二課に連れてこられ、シンフォギア装者となってレーヴァテインと出会ってから2ヶ月が経った。
私は屋上で寝ている。もちろん寝るのが目的じゃない。前の私の心の支えはおりんの配信。けど、今は、おりんの配信と、レーヴァテインがないと生きていけない。
「…ねぇレーヴァテイン」
「なにー?」
「なんで私は押し倒されてるのかな?」
現在私はレーヴァテインに押し倒されてます。なんでか?わからん。というかめっちゃドキドキして夢の中で失神して鼻血を出すとかいう謎の状況になるよ!?
「………あはは?♪」
レーヴァテインの顔は目の光が無くなってて不気味に笑ってる。なにそれこわい。
「なんで笑ってるの?ねえなんで服に手を伸ばすの?やめて!そんな展開よくないやっやめやめろぉぉぉぉ!!……お゛っ♡」
♦︎
「…はぁっ!?はぁ…はぁ…」
なんだこの夢は、レーヴァテイン怖い。何をされたか思い出せないし思い出したくない。
…レーヴァテイン、ごめんなさいなの?もうしない?あ、しないの?ならおっけーです。
こんな感じに、別に1人レーヴァテインがいるから1人じゃないし十分楽しい。ただし配信だけは見る。見ないと死んじゃう。
「あ、加賀美さん」
「織田さんもここにいたんですね」
すると扉から加賀美さんが屋上に出てきた。そっか、加賀美さんもここお気に入りだったっけ。
私がここで寝てる理由はもしかしたら二課から何か呼び出しがあったときにすぐ行けるから。まだ司令の前に立つと怖いしよく失神します。
「ここに居たの2人とも」
「ええ、学校だとここが一番落ち着きます」
「わっわわわっ私もでっです!」カタカタ
「私もそう思う」
屋上に翼さんが来る。もう泣きそう。助けてレーヴァテイン。とりあえず勝手に肩に乗るのやめようか、軽いけど見られてるんだったら恥ずかしすぎる。
加賀美さんと翼さんは2人で会話している。おりんが遠くに…。行かないで。ちくせう、聞いてる限り甘々だぞ。
すると、3人の端末が同時に鳴る。
『ノイズが現れた!翼はそっちに向かってくれ、織田くんと加賀美くんはリディアンで待機だ』
やっぱり何かしらの連絡はあると思った。まあ私は待機だよね。というか空飛べる加賀美さんの方が有用そうだし、私も戦闘では負けてるから当たり前だよね。
「そういう事だから……行って来るわ」
「はい、じゃあ私は何時もの様に帰りを待ってますよ」
「わっ、わわ私も!ごっごご健闘をを!!」カタカタ
「そう拗ねるな、詩織のしている事も立派な仕事だよ。志乃はとりあえず落ち着いて」
ん!?名前呼び!?まあ一応楽しくは話すときは無きにしもあらず…が!今日初めて名前呼びされて失神しかける私。一瞬意識がブラックアウトで危険信号。
「……無事に帰って来てくださいね」
「がっががっが頑張ってくくくくくっください!」ガタガタ
「当然よ」
翼さんは行ってしまった。ちらりと加賀美さんの顔を覗く。…なんか、悲しい顔をしているなぁ…おりんらしくない。
すると、私と加賀美さんの端末が再び鳴る。
『なんですか、司令』
『また何か……?』カタカタ
『加賀美くん、織田くん、もしもの場合……君達にも戦ってもらう必要があるかもしれない』
『……何故ですか?』
『今、4体のノイズがスカイタワーへ向かっている。おそらくそれは陽動、もしもこのリディアン……いや、二課本部がノイズに襲われた場合……』
『わかりました』
『り、了解…です』カタカタ
『いいのか、加賀美くん、織田くん』
『いいんです、これもお仕事……いえ私のやりたい事かもしれませんね』
『わ、私もやります!だ、だって私装者ですし!』カタカタ
私達は通信を切る。思いっきり息を吸い込んで、隣に立ってるレーヴァテインを見つめる。レーヴァテインは、勇ましく笑い、私を見つめる。
すると、爆発音とともにノイズが現れる。
「負けない…私はレーヴァテイン、レーヴァテインは私…!」
聖唱を唱え、隣にいたレーヴァテインが消え、私は赤と黒のレーヴァテインを纏う。いなくても、声が聞こえる。レーヴァテインの声が。
私は屋上から飛び降りた。
近くで特異対策機動部一課が、生徒のみんなを避難誘導をしていた。そこにノイズが近くに現れる。
ノイズに対抗できるのは、アンチノイズプロテクター、シンフォギアのみ。
私はレーヴァテインを出現させて力強く握り、味方に当てないよう調整しつつレーヴァテインを振り回す。空中からは加賀美さんが機銃を撃ちノイズ達を掃討する。
「避難誘導に集中してください!!ノイズは私達が引き受けます!」
「ぅぅうっしゃあっ!!早くッ!逃げてくださいッ!ラァッ!!」
加賀美さんに大型は任せる。私は避難誘導の妨げになりそうなノイズを片っ端から排除していく。
加賀美さんはギアで剣を形成し、機銃を放ちながら突っ込んでいき、回転しながら加速して巨大なノイズをえぐり倒す。
こっちも負けてられないよね、レーヴァテイン。
加賀美さんは巨大ノイズの口の部分に機銃を叩き込むと、巨大ノイズは爆発する。
「逃げて!!!」
巨大なノイズを見た直後に加賀美さんがそう叫ぶ。
巨大なノイズに向かって機動部隊員達が銃を放っている。しかし、後ろから小型のノイズ達が。
「やらせると思ってたのかぁぁぁぁぁぁッ!!」
私は炎を纏わせたレーヴァテインを微調整して思いっきり地面に向かい叩きつける。炎が飛んでいき、後ろにいたノイズ達が全て一気に爆発する。
「一撃で仕留めるッ!!ラァァァァァァァッ!!!」
私は巨大なノイズに向かって走る。途中小型のノイズ達が襲ってくるが難なく蹴散らす。そのまま私はジャンプして、蒸気をフル回転。前方に高速で突っ込み、腕の蒸気噴射を使い最大速度の突きをする。
そのまま巨大ノイズを真ん中から貫通する。巨大ノイズば爆発し、いつの間にかノイズは消えていた。
「はぁッ…はぁッ…」
全身の装備の機械部分から排熱の蒸気が勢いよく吹き出す。見た限り犠牲者は0人に抑えることができた。
加賀美さんが校舎の中に対スピードの飛行で入っていく。私もそれに合わせてレーヴァテインを消し、同じ速度で走る。
校舎内で私の足音が響く。私達以外誰一人いない校舎は、初めてだ。
すると、誰かに無理矢理こじ開けられたようにされていたエレベーターのドアを発見する。
私は加賀美さんにイカロスのギアで連結され、一緒にしてに降りていく。
すると、天井が破壊されたエレベーターがある階層があったので、着地してギアの連結を外してもらい、中に入っていく。
そこには戦闘の名残である破壊後と血痕が大量に見つかった。かなり壮絶な戦闘だったみたい。
加賀美さんが端末でロックを解除して、中に入る。…レーヴァテイン、心配するのはわかったから、落ち着いて。…普段なら私が落ち着かされる場面なのにね。
「まだ追いかけてくるか、しつこい奴らだ」
そこには、金色の鎧を纏った女性がいた。
「動かないでください、動けば撃ちます」
加賀美さんはその人に向かってランチャーを向ける。やっぱり、敵って認識するよねー。
「飛べるだけしか取り得の無い玩具、耐久性も他に比べて劣る、おまけに装者はただの小娘。そっちはその玩具と比べるとマシだが、装者がメンタルが貧弱なただの小娘」
こっちの特徴を言い当てる…この声…やっぱり。というかメンタルのこと言うな!気にしてるんだぞ!
「「櫻井……了子……!」」
「加賀美詩織、織田志乃、命が惜しければその来た道を引き返し、怯えてなさい」
この人は何かモニターに向かって操作している。近くにカプセルがあり、そこには一振りの剣が。
そういえば、二課よりも更に地下に、「デュランダル」っていうほぼ完全な聖遺物が保管されてるって。…つまり、これが目的?
加賀美さんもそれを理解したらしく、機材に向かって機銃をばら撒いていく。
「貴様!!」
櫻井さんは巻き込まれまいとその場から跳んだ。
「シャアッ!」
「ガッ…!?」
見逃すと思ったのか?私は身軽な状態のまま空中の櫻井さんの腹に飛び蹴りを食らわせる。
加賀美さんはそこにスモークグレネードで煙幕を張る。私もそれに便乗して、その場に蒸気を振り撒いて、二重の幕になる。
私は蒸気の熱にレーヴァテインの温度を合わせるようにして、身を潜める。すると、加賀美さんがランチャーから3発、何かを発射する音が聞こえた。
「ちぃっ!小賢しいマネを!」
櫻井さんが叫ぶ。未だに二重の幕に隠れて見えない。
「投降してください、次は……命を奪います」
加賀美さんは櫻井さんに向かってそういう。けど、声と足は震えている。多分はったり、撃てない。
「甘いな、本当に甘い、お前は戦いを知らな過ぎる」
「何を言いますか」
「お前には撃てない」
二重の煙幕が晴れる。そこには、右腕をトリモチによって固定されていた櫻井さんの姿。
「撃ちますよ……」
「本当に甘いよ、お前も奴も……だから勝てない」
「何を……」
すると、櫻井さんの鞭が動く。多分、加賀美さんを狙ってる。
レーヴァテインが私を止めようとする。私だって本当ならこんなことしたくはない。
けどおりんはみんなの闇、居場所がなくなる。いうなら私の居場所も。
「ラァァァァッ!!ガッ…アァッ…!!」
「ッ!?織田さん!?」
私の腹のど真ん中を鞭が貫いていた。凄く熱い。今すぐにでも気絶しそうな痛み。
「愚かな…!」
「えへへ…づ、づがまえた…!」
私は鞭をこの手で捕まえる。凄く熱くて、痛くて、気絶しそうだけど、気絶に耐えるのは慣れてる。
私は鞭を掴んで思いっきり横に投げる。
「レ゛ーウ゛ァ゛テ゛イ゛ン゛!!!────!!!」
私はレーヴァテインの絶唱を発動する。絶唱により現れたレーヴァテインは、大きく、歪に、殺傷力を増し、強大な炎を纏う。
「────────ッ!!!!」
その一振りの剣を、櫻井さんに向ける。
「ガアッ!!」
しまった。少しずれて息の根を止め損ねた。その瞬間、私の顔に冷たい感触が訪れる。
倒れた。それを自覚しつつ少しずつ意識も薄れていく。腹からは血がドクドクと溢れ、血溜まりが出来上がる。
加賀美さんが寄ってくる。何か言ってるようだが、目もぼやけて見えにくいし、耳も聞こえない。
私の意識は、消えた。