We are the woman.
月が欠けた、「ルナアタック」という事件から100日が経過した。
ノイズを自由に操ることができるらしい害悪完全聖遺物「ソロモンの杖」の輸送が行われたらしい。私?はは、多分結果出せてないから、お留守番ですよお留守番!
ノイズに邪魔されたりしたらしいが、作戦は成功したらしい。
これでこの「ソロモンの杖」の研究が進めば、ノイズ達はいなくなり、平和が訪れるというわけだぁー!あーははははは!!
駄目だったよパトラァァァッシュ!!輸送先だった米国の基地が襲撃されたらしく、「ソロモンの杖」も何者かによって奪取されてしまったらしい。許さんず!
ということを、司令から聞いた。はは、気絶しそうになったよ。これ本当に現実か?アニメじゃないだろうな。
本日、私とレーヴァテインは翼さんと世界の歌姫、マリア・カデンツァヴナ・イヴのコラボライブステージ、「QUEENS of MUSIC」に招待された。
招待席があったらしいけど、そんなところよりも他の人に紛れてた方が全然いい。豪華なとこだと変に緊張して楽しめん。ちなみに加賀美さんも一般席らしい。
隣でレーヴァテインはとてもウキウキした表情で待機している。
レーヴァテインは音楽が大好きだ。なので翼さん達の歌も好きなわけだ。………ちょっと妬いちゃうな。
ライブが、開始した。
♦︎
一曲目の「不死鳥のフランメ」が終了する。
会場はファン達の熱気に包まれ、私のボルテージのMAXである。レーヴァテインも目をキラキラさせえ次の曲を楽しみにしている。
「歌には力がある」
「それは、世界を変えていける力だ!」
この演出は本当に凄い。キラキラしてて。加賀美さん喜びそうだな。
悲鳴が、響いた。
『うろたえるな!!』
その悲鳴の原因は人類の天敵ノイズ。
そんな中、声が会場に響く。その声は翼さんのコラボ相手であるマリア・カデンツヴァナ・イヴの声だった。
ノイズ達は、まるで操られているかのような行動を見せる。
『私達はノイズを操る力を以てして、世界に要求する!』
ノイズを操る力…奪われた「ソロモンの杖」……!
マリア・カデンツヴァナ・イヴは、シンフォギアを纏っていた。それは、立花さんの纏う「ガングニール」、それであったが、立花さんの纏うものよりも遥かに黒かった。
聞いたことがある。適合係数が低ければ低いほど、シンフォギアを纏ったときのギアの色の黒の面積が広がると。
そんなことはどうでもいい!今この現状は、ノイズが現れッ!観客とレーヴァテインに危害が加えられるということだッ!
『私は、私達はフィーネ。終わりの名を持つ者だ!』
フィーネ!?殺されたはずじゃ……。トラックかな?
待て私、論点はそこじゃない。
「何だ!?」
「あの子飛んでるぞ!?」
「トリックじゃないのか!?」
そんな声が聞こえ、空中を見る。
そこには、シンフォギア「イカロス」を纏い、ノイズ達に向かっていく加賀美さんの姿が。
「志乃ちゃん!」
「レーヴァテインッ!貴女の力を貸して!」
私とレーヴァテインはその場で抱き合う。そして、聖唱を唱える。すると、私にシンフォギア「レーヴァテイン」が纏われる。
イカロスよりも基礎身体スペック向上率が高いその能力を活かし、蒸気を使いつつ私は大きく跳ぶ。
「加賀美さん!手伝います!」
「お願いします」
そう返された私はノイズ達の近くに降り立ち、着地と同時に被害を出さぬよう調整しつつ剣を振るう。
半数のノイズが消え去り、その後から残ったノイズ達にホーミングレーザーが降りかかる。おそらく、加賀美さんのものだろう。
レーヴァテインの力をより感じる。レーヴァテインを信じる。レーヴァテインは、自分の後ろで守る存在ではなく、隣で肩を合わせて戦う存在、そんな感覚がする。
「私は日本政府、特異災害対策機動部所属のシンフォギア装者!加賀美詩織!この事態の収束の為、観客の皆さんは冷静に、迅速に避難してください!」
んん!?名乗った!?ちょっと不味いですよ!!そういえば、救助活動を行うときは、名乗って救助する人を安心させるんだっけ……。…………これもみんなを守るためだよね!!私もやらねば!!
「同じく日本政府特異災害起動部所属シンフォギア装者の織田 志乃!私達がなんとかしますので、冷静に行動してください!」
うぅ…緊張で死にそう…。こんなに多くの人の前でこんなことやるとは…おりんの正気度を疑う……。
『志乃ちゃん大丈夫?』
「う、うん、大丈夫大丈夫」
レーヴァテインが私を心配してくれる。けど、レーヴァテインにかっこ悪い所とかは見せられないよね…!
「マリア・カデンツァヴナ・イヴ!あなたをテロの現行犯で拘束します!武器を捨て大人しくしてください、さもなくば」
「さもなくば!何かしら」
「射殺します」
お、おう。言うね加賀美さん。そういえば、あの時櫻井さんにもそういうことやってたね。経験者でしたか。
「あら、随分と自信がお有りのようだけど、私はフィーネよ?勝てる自信が?」
「貴女がフィーネだろうとフィーネであるまいと、地獄に送ってあげます、あなたの罪は重い」
『志乃ちゃん、避難は順調に進んでるよ』
私にレーヴァテインがそう告げた。レーヴァテインはギアとして体全体に纏っている。それのおかげかよくわからないけど、とりあえずギアから周りの状況を見れるらしい。
「最終通告です、投降してください。さもなくば、排除します」
「随分、冷徹なのね。あなた」
すると、ノイズ達が再び現れる。観客の避難はまだ完了していない。つまり…人質?
「……あなたほど、クズじゃありませんよ」
「………………」
ごめんなさいコミュ力低くて。会話に入れる気がしない。助けて。
「負け惜しみね、地に降りてギアを解除しなさい。そこのあなたもよ」
私はやむなくギアを解除する。とりあえずレーヴァテインには私の中にまだいてもらおう。複数人現れても意味はないし。
次の瞬間、私達の周りをノイズ達が囲んでくる。四面楚歌。逃げ道はなさそう。
「詩織!織田さん!」
翼さんが叫ぶ。そういえば、翼さんはテレビの前でシンフォギアを纏うわけにはいかないんだよね。一応国家秘密だし。
……あれ?私達人前でシンフォギアを纏ったのはかなりの大事じゃない?……はは、気にしなーい気にしなーい。
「そう、それでいい。ギアをこちらに投げ渡しなさい」
…………………………は?
この女、今なんつった?レーヴァテインを……渡せ?
私の頭の中に今まで見てきたレーヴァテインの表情が思い浮かんでくる。笑顔だったり、嬉しそうな表情が多いなか、初めてレーヴァテインと会ったときに言われた言葉。
『『私を手離さないで』』
記憶のレーヴァテインの言葉と、今私の中で発したレーヴァテインの言葉がぴったり重なる。
次の瞬間、加賀美さんの背中からレーザーが飛んでいき、観客を人質に取っていたノイズが消し飛ぶ。
「レーヴァテイィィィィィィンッ!!────!!」
聖唱を口にし、体が光に包まれる。
次の瞬間、私と、
「志乃ちゃん!」
私にはいつも通りのシンフォギア「レーヴァテイン」が纏われていた。しかし、いつもと違うのは、隣にいる存在。
私の昔の頃と瓜二つの顔と体型。しかし、その身に纏うは私と同じシンフォギア「レーヴァテイン」。
シンフォギアを纏っているとき、いることのできないはずの存在、
「レーヴァテイン……!」
私が身に纏っているのもレーヴァテイン、隣で頼もしく感じるこの子もレーヴァテイン。
私は隣にいるレーヴァテインの手を握る。レーヴァテインから手を離したとしても、私の体に纏われているのもレーヴァテインだから、問題はない。
けど、こうしてたい。常人よりも温かい体温が、私のことを安心させる。私にとっての一瞬の精神安定剤みたいになっている。
加賀美さんは跳躍した勢いのまま、フィーネの顔面に1発拳を食らわせていた。
「ようやくそのクソッタレな面に一撃入れられましたね、フィーネ」
加賀美さんは清々しい顔でフィーネにそう言い放った。流石おりん、やることがえげつない。
すると、手を握っていたレーヴァテインが突然消える。
「えっ…?れ、レーヴァテイン……?」
私はパニックになり周りをキョロキョロ見渡す。レーヴァテインの手を離さないって、約束したのに…。
『志乃ちゃん、私ここだよ』
頭の中にレーヴァテインの声が響く。そして、隣に久し振りに見た半透明のレーヴァテイン。
私はレーヴァテインに手を伸ばす。レーヴァテインもそれに合わせるが手を握っている感触はない。
だが温度を感じる。レーヴァテインの温かみが、パニックになった私の心を落ち着かせてくれた。
「バケモノね、あなた達……」
誰がバケモノだ、レーヴァテイン含めてここにいるのは人しかいないぞオラ。
「でもその代償は大きかったみたいよ」
「何の事ですか」
「………………?」
「あなたは世界を前に自らの姿と名前を晒した、私と同じ様にね……あなたはもう普通の生活に戻れない」
「で、それが?どうしたのでしょうか?私は闇に生き、闇に還る。それは今までと同じ、私には失うモノなんてない」
「そんなものいらない。レーヴァテインが隣にいれば私は万々歳だよ。闇の住人の居場所は現実にはない」
「……ッ!随分と寂しい人ね」
「まぁそんな事はどうでもいいのですよ、現行犯で拘束……ッ!!」
「ッ!上ッ!?」
すると、突如上から大量の丸鋸が私達目掛けて飛んでくる。
加賀美さんは機銃でそれを撃ち落とし、私は頑丈な剣を盾にしてそれを防ぐ。
「調!切歌!」
2人かよ!いや、これはある意味テンプレ……?いや、そんなことは今どうでもいい!わかることは更に状態はめんどくさいことになったってことだ!
「さて、もう警告はいいでしょう。私ももう手加減している余裕はないので、あなた達を殺すつもりで行かせて貰います」
「私もです。大事なものに手を出すのなら、それ相応のリスクも覚悟してますよね?」
「……偽善者の仮面を取り繕う事もない!」
黒髪の少女が私達の方を睨む。
「知った事ですか、やらない善よりやる偽善、少なくともノイズで観客を人質に取るあなた達より覚悟はキマってますけど~?」
「ムカつくデス!」
「そっちがムカつくなんて知ったこっちゃないよ!」
こちとら今あんた達の行動でフラストレーションが溜まってるんだ!ごめんレーヴァテイン、怖かった?
「翼さん!もうカメラはありません!やっちまいましょう!」
「もうカメラ回ってませんよ!」
「詩織……織田さん……」
いつのまにか放送は中断されていた。緒川さんのお陰かな?NINJA?
「いいんですよ、翼さん。私は所詮影に生きる存在です、今までよりより深い影にでも隠れてればいいんです、それよりも今は翼さんのライブを台無しにしてくれたこいつらを捕まえる、それが大事でしょう?」
「……そうだな……」
「させるかデス!」
「それはこっちのセリフッ!」
緑色のギアを纏った金髪の子が、鎌をこちら側に振ってきたから、私は剣で思いっきり弾き返した。ゲーム風に言うと、パリィってやつかな?
後ろからレーザーが飛んでくる。多分、加賀美さんが出したやつ。
レーザーは私のことを無視し、さっきの緑色のギアの子の方に地面に水平に放物線を描くように飛んでいく。
「切歌!」
しかし、その間にフィーネが入り込み、自分のマントでそのレーザーをかき消す。
「美しい仲間意識ですね、ならどっちも!」
「させない!」
「邪魔です!」
多分さっきの丸鋸を飛ばしてきたであろうピンク色のギアを纏っている少女が加賀美さんに向かって飛んでいく。それに合わせて、加賀美さんが機銃掃射を浴びせる。
ピンク色のギアの少女は、機銃掃射を浴びて、地面に墜落した。
「詩織、織田さん、仕掛けるぞ!」
「はい、翼さん」
「はいぃ!お願いレーヴァテイン…もう一度一緒に戦って!────」
『うん!任せて!』
翼さんと私は聖唱を口にする。すると、翼さんと私は光に包まれる。翼さんはシンフォギア「天羽々斬」を纏い、私の隣にはシンフォギア「レーヴァテイン」を纏った、妹のレーヴァテインが現れる。
これで戦況は4:3で私達の方が有利!……まあ、役立たずである私がいるんですけどね。
「よくもやってくれたわね、覚えていなさい」
「逃げるんですか?いや、逃がすとお思いで……?」
すると、フィーネ達はノイズを呼び出す。ノイズ達ぐらいなら、私達の今の戦力ならあっという間に殲滅できるのに…?
「自分達で呼び出したノイズを攻撃した!?」
ファッ!?なにやってんの?
ノイズ達が攻撃によって飛び散る。……あぁ、これ、めんどくさいやつか。
「翼さん、ちょっとマズイかもしれません、こいつら増えてます。どうしましょう」
「このままだと無限増殖です」
「このままだと手に負えないよ〜!」
「なんだと!?」
これ以上増殖されるのは非常にめんどくさい。レーヴァテインの絶唱を使えば多分増えないけど…!
「命拾いしましたね、フィーネ。ですが必ず私達はあなた達を地の果てまで追い詰めて今日の事を後悔させてやりましょう」
「………………」
フィーネ達は逃げた。絶対に許さんからなあいつら。少しでもレーヴァテインに危険な晒すやつは許さん。
その後合流した立花さんとクリスさん、それに翼さんが、絶唱を束ねてノイズ達を殲滅した。
その後帰投した私と加賀美さんは、二課に拘束された。