「…………ハッ!」
私は目を覚まして上半身を勢い良く起き上げた。
私はさっきの部屋の隅で横になっていた。あれ?どうしてこうなったんだっけ?
私はさっきの出来事を思い出す。
「……あぁぁぁぁぁ…」
私はうなだれた。やらかしてしまった…。緊張のあまり失神するなんて小学校以来だ…。
「目を覚ましたかしら?」
「ヒェッ!?………………」カタカタ
「緊張しなくていいわ。私は櫻井了子、日本政府所属の組織『特異災害対策機動部二課』に所属する研究者よ」
「に、日本政府…?と、特異災害…?わ、私何されるんですか…?それに、加賀美さんどうしたんですか…?」カタカタ
「とりあえず落ち着いて、詩織ちゃんには既に説明し終えたので帰って貰ったわ」
「あっ、そうですか…」
私は数回深呼吸をする。正直緊張が抜ける気がしない。これは…近いうちにまた失神しますね(未来予知)。
「多少は落ち着いたみたいね。あなたにはこのリディアンで「あるもの」の適性があったから協力をお願いしたくて来て貰ったの」
あるもの…適性…つまり…それは…。
「じ、兵器…とかですか…」カタカタ
「まあそう言われればそうね」
「ヒェッ!私兵器という物として扱われるの…?」ガタガタ
「違うわ、人聞き悪いこと言わないで頂戴。というかあなた詩織ちゃんと同じような反応するのね。呼んだのが今日なのは身辺調査が終わったからよ。母子家庭の2人暮らし。けど昨日親が死んで1人暮らし。もし協力してくれたら、これから必要になるお金も給料として出るし、学費も一部免除するわ」
「……………………」カタカタ
「どう?悪い話ではないでしょう?」
確かに悪い話ではない。正直お金に関してはどうしようと思っていた。生命保険は毎月入ってくるらしいが、それでもこれから生活していけるか不安だったのでありがたい。
が、どのような内容なのかが非常に気になる。
♦︎
シンフォギア。聖遺物の欠片のエネルギーを用いて鎧型武装、そのシステムの呼称…らしい、別名「アンチノイズプロテクター」。
このシンフォギアというのは、別名の通り認定特異災害「ノイズ」に対抗できるという、驚異的な物らしい。
その第5号シンフォギア「レーヴァテイン」を扱うことになったのが、私織田 志乃。
初めて聞いた時はまたぶっ倒れるかと思いました。正直家に帰って情報を整理してるだけで倒れそう。
私がやる「お仕事」は、ノイズと戦うわけではなく、毎日放課後、16:00〜18:00にシンフォギアを纏い、様々な訓練を受けるだけ…らしい。それだけで10万円貰えるらしい。恐縮です。倒れそうです。
このシンフォギアに適性がある人は、風鳴 翼さん、加賀美 詩織さん、そして私の3人だけらしい。
ごめんなさいこれ聞いた時は流石に倒れました。未来予知が当たりましたね(白目)。
私にとって今一番危惧してるのはおりんと間近にいることになるということ。私何回倒れるんでしょうね。
そろそろおりんの配信が始まるのでパソコンを開いて待機する。おりん脳味噌溶けてないかな?大丈夫かな?
『こんばんおりん〜』
20:00、おりんが配信を開始する。
『今日はちょっと脳味噌を酷使する事が多くて疲れちゃったよぉ〜』
あっ、溶けてないのか。
コメント欄は「おりんに脳味噌入ってたのか…」等のコメントが多々流れてくる。やはりおりんのリスナーは考えること殆ど一緒だね。
『ヒドイヨ!確かにプリンぐらいの容量くらいしか入ってないけどおりんも考えることは考えてるんだよ!』
可愛い、やはり我らがおりん、可愛い。コメント欄でも「プりん」「かわいい」等のコメントが流れている。
『とりあえず先にご報告、しばらく夕方の雑談配信枠はおやすみにして夜のゲーム実況枠をメインにしていきたいと思いマース!ちょっと機材のアテが出来たのでもしかしたらバイノーラル配信もできるかもね~』
機材のアテ…あぁ、シンフォギアのお仕事のやつかな?
コメント欄は「おりんの小遣いでバイノーラルマイクが買えるわけないだろ!」「おりん、まさかついに枕営業…?」「いや企業所属になるのか!?」と騒然としている。
『誰が枕じゃい!普通にお仕事だよ!コンプライアンス的に話せないけどちゃんとお仕事なので安心してくたばって欲しい』
わぁ〜、さりげなく罵倒してる〜。国家秘密なんだよなぁ…。
…なんかコメント欄に居てはいけない人物が見えた気がするけど気にしないでおこう。おりんも気にしていないようだし。
おりんは誤魔化すようにいつもの「お歌」を歌っている。…コメント欄騒がしい!お歌に集中せいっ!
なんで「風鳴 翼」が公式アカウントで見にきてるんだろうなぁ…(困惑)。
多分だけど、あの櫻井 了子とかいう人に聞いたのかな?何にしろおりん凄い、私だったらもう気絶してる(確信)。
風鳴 翼が現れたことにより、リスナーは急増し、開始時1200人程度だったのに現在6000人超え。見てる私が緊張で倒れそうです。
『なんか、変な人が見えましたが、私疲れてるのでしょうか、ちょっとはい、ハイハイハハイ…とにかくですね!皆さん明日は一身上の都合でゲーム配信にさせていただきます』
おりんの1時間程度の配信は終了した。
私は少しだけスマホでSNSでおりんの配信について検索してみる。当たり前かのようにリスナー達によって騒然。これは…明日大変なことになってるカモ…?
私は未だに残る緊張感に悩まされながら眠りについた。
♦︎
やっぱりSNSで話題になってました(予言命中)
おりんについての記事が大量に作られてるのを確認し、久しぶりで戸惑いながらも作った朝ご飯を食べて学校に向かった。
学校に向かうと、校門に人だかりが出来ていた。
その騒ぎの中心にいたのは、翼さんと、顔を真っ赤にしているおり…加賀美さんだった。
正直関わって注目されるのは倒れる危険性があると思ったので逃げた。加賀美さん、生きてね。