「……シッ!」
私の私服が分解され、代わりにギアを身に纏っていく。…いや、既に私はレーヴァテインな訳であるから、これは装着よりも変形に近い。
黒を省き、黄色が足されたインナー。蒸気噴射口が追加され、繋がれるコードの数が多くなった機械部分のギア。
つまるところ、平成な変身から昭和的な変身になり、ガ○ア的なパワーアップをした。わかりやすい。
『志乃ちゃんどうする?』
頭の中にレーちゃんが語りかけてくる。ここは全く変わっていない。故に、非常に安心感を感じる。
「ん〜……あそうだ」
『どうしたの?』
「おりんの配信のコメ読み上げて〜」
おりんの視点からの情報が欲しい。今私の持ってる情報皆無に近いから。
『え゛っ、今?どうやって?』
そう聞かれると思いましたぜ。ヘッヘッヘ、シンパイスルコトハナイ。
私はちゃっかり持ち出した自分のスマホを、ギアのヘッドフォン部分を変形させたところにガッシャットォゥ!
これでよし。
「あい、任せた」
『え〜…危なくなったら止めるからね?』
「ありがとう、レーちゃん」
そういうと読み上げを開始するレーちゃん。後でジュースを奢ってやろう。
『9本でいいよ』
流石レーちゃん。謙虚だなー憧れちゃうなー。
御託はここまで、ここからは真剣に気合を入れていこう。
現在絶賛全力ダッシュ中。さて、どうするか…。
スカイタワーの煙が出ているところはかなり高めの場所。けど、このギアに飛ぶ方法は……
……あった。
「そうと決まればッ!!」
両腕両脚のギアをそれぞれ直列に。角度を調整すれば…
「これでよしッ!いざいざいざぁッ!!」
全力ダッシュ、からの〜…1、2の3ッッ!!
全力の跳躍。多分10メートル上ぐらい、上に跳んだところで、両腕両脚のギアから最大出力で蒸気を吹き出させる。
「おぉぉぉぉぉぉあぁ!?」
Gが凄いぃぃッ!?だがしかし、まるで全然ッ!!問題なしッ!!
スカイタワーとの距離が段々縮まってきた。加賀美さんがレーザーで外にいるノイズを落としていくのが見える。
『おぉぉ!!』
『ノイズがどんどん落ちていくゥ!』
『ほう、(ドンパチの)経験が生きたな』
流石レーちゃん。適度な速度でコメントを読んでくれる。あ、加賀美さんが突っ込んでいった。
よし、あともうちょっとで…って!?
「後もうちょいなのにッ!」
ノイズが私に向かって遅い掛かってくる。
急いで腕の蒸気噴射を停止。脚から噴き出す蒸気を調節してホバリングしながら大剣で斬り落としていく。
「あぁぁぁぁぁッしゃぁぁぁぁ!!」
『ん?』
『誰の声だ?』
『これ織田志乃ちゃんじゃない?おりんと同じ広告の』
『レアキャラktkr!』
『声が完全にバーサーカーのそれなんですが…』
誰がバーサーカーだ!?そこまで荒れてるわけじゃ…
…この前戦闘映像見せてもらったとき、自分にそこそこ引いた気が…?
……アッアッアッ
『志乃ちゃんここで気絶はダメだからね!?』
「あぁごめんごめん」
わざわざレーちゃんがコメ読みを中止して言葉で喝を入れてくれた。
よし、外にいるやつらはこれで…
「全ッッ!滅ッッ!!だぁぁっしゃい!!」
よしっ!外に浮いてる邪魔なノイズは消えた。加賀美さんに追いつかなければ…!
両腕の蒸気噴射再稼働。出力全開。突っ込むッッ!!
「お お お お お お !!」
開いていた穴から中に突撃。大剣は…狭いからしまっておこう。
「うぅぅぅ……しょぉう!!」
床で減速しながら着地。なんか多少抉れてるけど気にしたら負け!
「早く避難しなさい!」
あれは…フィーネ?じゃあ、この騒動もフィーネの仕業…?にしては避難を促すのはおかしくない?
「フィーネ、どういうつもりですか」
居た!加賀美さんだ!
…?なんだあいつら…ッッッ!?
「………どうもこうも無いわ、ただ私は私の……」
「居たぞ!撃て!」
おぉぉぉぉぉぉ!?ううう撃ってきたよぉぉぉぉ!?
『めちゃくちゃ撃ってきたが!?』
『おりんSUGEEEEEEE!!』
『銃撃読んでぇ!』
『まだ防ぐぅ!』
『おいあそこ普通に人いるぞ!?』
ッ!民間人!?逃げ遅れてる!?
「うわぁああああ!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
民間人の人を庇うように前に出る。咄嗟に反応して動いたからか、防御と何もしてない。
「織田さん!?」
『志乃ちゃん!?』
加賀美さんとレーちゃんが私に心配の声をかけてくれる。めちゃくちゃ痛い。けど、多分大丈夫。
「ッッ…大丈夫ですか?」
「は、はい!あ、あなたは…?」
「私は大丈夫です。早く逃げてください」
そう私が言うと、民間人の人は逃げていった。
『おおおおおおおおおおおお!!』
『何事かと思ったら織田志乃ちゃん!志乃ちゃんじゃないか!』
『ナイス志乃ちゃん!』
コメントもナイス。私の判断に間違いはなかった。
「そこの集団、私は日本政府の――」
加賀美さんは銃撃してきた集団に対して対話を選択。加賀美さんから話しかけた。
「構わん撃て!!」
が、集団を対話を拒否。再び銃撃する。
弾丸が加賀美さんの体を貫通…ってぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
「加賀美さんッ!?」
腹に5発、頭に2発、胸に4発に命中。被弾して、貫通したところからはドロリと蝋が垂れてきている。
『おりん!?』
『ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』
『※一部ショッキングな映像が含まれています』
『おせーよ!!』
コメントも混乱している。
絶対に許さんぞ。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
私は蒸気を噴かせて地面を滑るように移動。銃撃にも当たるが我慢する!
勢いのままパンチ。とりあえず1人は気絶。
「は゛ぁ゛ッッ!!」
回し蹴り。1人の横っ腹に打ち当たり、そのまま膝を曲げてから蹴り飛ばす。複数人が巻き込まれた。
「ら゛ぁぁッしッ!!」
すぐに近くにいるやつの頭を蹴り上げる。脳震盪で気絶してくれたから両手で掴んでバッドみたいにスイングしてやった。
「状況終了。あ、加賀美さん。拘束お願いします」
「あ、はい」
加賀美さんがネットで纏めてくれた。これで起きてもどうもならないでしょ。
『?????????』
『あっ、外からの咆哮は志乃ちゃんかぁ(白目)
『信じられるか?この子が生放送で噛んでたんだぜ?』
『正にバーサーカー』
「マリア・カデンツァヴナ・イヴ、どういう状況か。教えてもらいましょうか」
「……マリア、屋上から脱出を」
フィーネに担がれていた女性が、声を発した。フィーナはそれに従って、逃げてしまった。
「待ってくださ……!」
加賀美さんが追いかけようとしたが、床が崩壊してしまった。このままじゃ折角捕まえたやつらが死んでしまう。
「加賀美さん、この人達どうします?」
「…回収して脱出しましょう。後は二課の方々が回収してくれる筈です」
「わかりました」
私はネットを掴んで加賀美さんと一緒に脱出する。
ドォォォォォン!!
「おぉう!?」
スカイタワーの上部が大きな爆発を起こす。…誰も巻き込まれてないよね…?
「あ゛っ」
「?加賀美さんどうしました?」
「…配信付けっ放しでした…」
えぇ…忘れてたのか…。
……あ。
「…今、私も見られてます…よね…?」
「そう…ですね…」
「…………」
『志乃ちゃーん!?今更感が凄いよ!?』
きききききき緊張が今になってこみ上げててててて
というかさっきの動き見られてるじゃん!?あぁぁぁぁぁ!?
『草』
『草』
『イェーイ、志乃ちゃん見てるー?』
「見えてますよーだ!今までのやりとりも聞いてるからなダンゴムシィ!』
『!?』
『!?』
『クッソwwwww』
『ダンゴムシ呼びは草』
『草』
読まなくていいよレーちゃん……。
後日、動画投稿サイトに私のまとめがアップされていた。コメントが流れる方の。
一応マイリスしておいた。
ぶっちゃけた話、分けなきゃよかった…
質問感想等、お待ちしております!!