アニメ声クソザコリスナー装者の話   作:風峰 虹晴

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選択の結果

『――ノイズの発生源とされるバビロニアの宝物庫は破壊封印され、その鍵であるソロモンの杖も消失。現在の所新たなノイズの出現は確認されていません』

 

『マ?すげぇ』

『すげぇ…』

『本当に今後現れないのかな?』

『もしかしたら残党みたいなのもいるかもしれない』

『残党の可能性は低くない?』

 

『また月軌道は正常化、皆さんがご存知の通り。マリア・カデンツァヴナ・イヴとこの地上に住まう人々の思いが一つとなった奇跡の結果です』

 

『凄い光景だった…』

『神秘を感じた』

『世界に裸を晒しただけの利益はある』

『やめーやw』

 

『それでも彼女はテロリストとして世界に宣戦布告した身、今後国連の会議にて彼女の処遇が決まる予定です』

 

『報われねぇなぁ…』

『まぁしゃあない』

『仮にも犠牲者が出た訳だし…』

『それはそれとして罪は償ってもらうしかないよな…』

 

『以上をもって、報告を終わりとさせていただきます。続きましては私の「特異災害対策機動部広報」としての活動ですが、二課の国連への編入・再編成を機に終了とさせていただきます』

 

『お疲れ様』

『今後はどうなるんだろ?』

『おんなじ広告の志乃ちゃんはどうなるんだろ?』

『また配信して』

 

『織田さんも私と同じく広告としての活動を終了します。これは本人が1人では無理、と頼んだそうです』

 

『草』

『草』

『まぁそりゃ無理か』

『志乃ちゃんに1人は荷が重かったか…』

 

『個人としての活動については、続けさせていただく形です』

 

『知ってた』

『終身萌え声配信者』

『また翼さんとコラボしろ』

『マリアさんともコラボしろ』

 

『それでは、ごきげんよう』

 

 

 

 

 

「はぁ〜…これで終わりかぁ…」

 

 私は自室のパソコン画面から目を離し、椅子にもたれかかった。

 いやぁ、私の広告としての仕事もこれで終わりかぁ…。流されに流されたけど、やり切った感はあるよ。

 

 まぁ、それはともかく。

 私は生きています。とても危険な状態で、メディカルルームに直通特急されたけど元気です。流石に司令に怒られたといは元気じゃなかった…。

 

「志乃ちゃーん!」

 

「ごふぁっ!?」

 

「あぁごめん!」

 

「い、いいよいいよ…」

 

 お腹に向かってレーちゃんが突っ込んできた。ダッシュ込みで…。私頑丈じゃないよぉ…。

 

 あのとき、私はエネルギーの本流に流された。間違いなくギアは分解され、立花さんや加賀美さんと同じく、聖遺物との融合が消えていた筈です。

 けど、2人と私の融合症例の間に違いがあるとするならば、自ら行ったか、行わなかったか。

 立花さんは完全に望んではいない。加賀美さんも、最終的には受け入れたとは言え、最初は不本意なものだった筈です。…決めつけは良くないですけど。

 

 けど、私は、自分の意思で融合症例となった。なりたかったから、なった。

 ずっと一心一体、表裏一体、そんな感じのことを言い続けた。

 だから、あのとき、別の光が私達を包んだのは、きっと見間違いはなかった。

 

 レーちゃんは再び、こうして私の横に存在していて、話しかけてくれて、抱きついてくれる。

 違うとしたら、その存在の核が、レーヴァテインのペンダントになっていることだ。

 今までは、ペンダントは別で実体化していたレーちゃん。けど、あの時の戦闘でレーヴァテインという存在の核そのものに過負荷がかかったから、こうなったらしい。

 

 ペンダントには、一筋の亀裂が入っている。それ故、レーちゃんの体には、服の下に長い亀裂のように線が走っている。

 これは私も同じだ。レーちゃんと同じく亀裂が体に走っている。だから、やるべく他人と着替えるのは控えている。体育とかね。なんとか誤魔化してます。

 

 まぁ、簡単な話、私はレーちゃんとずっと一緒に居たいが故にこの判断をした。だから、唯一の融合症例になったとしても、何も後悔はない。

 

「志乃ちゃん」

 

「なぁに?」

 

「好きだよ!」

 

「……私もだよ」

 

 

 

 

 

『はーい、もしもーし、うたずきんさーん聞こえてますかー?』

 

『きこボボボボえ…てボボボボ』

 

『マイクおかしいですよー!?』

 

 草。絶対にそうはならんやろ。でもなっとるやろがい。

 

『草』

『おりんが来るまで緊張してたし』

『クソザコ感染してない?大丈夫?』

『現れるだけでうたずきんのマイクを破壊する女』

『後輩のマイクの破壊者おりん』

 

『うたずきんさーん、ちょっとー?』

 

『だ、大丈夫だ!!』

 

『あ、よかった……という訳で皆さんご存知の通りうたずきんさんの初生放送にゲスト兼サポートとしてお呼ばれした「おりん」です』

 

『きょ……今日はよろしく』

 

『はぁーいよろしく』

 

 というわけで、私は今、「うたずきん」ことクリスさんの生放送を見てます。

 レーちゃん?レーちゃんは活動時間に限界があるから今は休んでます。声は聞こえます。

 

『イキりおりん』

『後輩にイキるな調子にのるなよおりん』

『歌でマウントを取り合え』

『うたずきんかわいい!』

 

 ちなみにこのうたずきんことクリスさんは、生放送が初めてなだけであって動画投稿を主にしている。

 特に歌は凄い伸びであり、既におりんを超えている。オペラ曲のクオリティが高すぎたんや…。

 ちなみに編集の手伝いしました。あぁ…私のやったことは…全て無駄じゃなかった…。

 

『キボウノハナー』

 

 歌わんでよろし。

 

『というわけで今日は一緒にゲームをやっていきたいと思います』

 

『今日やるゲームは「パイロット&ガンナー」二人で戦闘機を操作する、ゲームだけど大丈夫かぁ?アタシ自信ないぞ……』

 

『うたずきんさんは撃つだけでいいんですよ、パイロットは私がやりますから』

 

 …この状況、加賀美さんとクリスさんと一緒にノイズ退治をした時を思い出します…。思い出したくない記憶もあるけど。

 

『おりんの動きを信じろ』

『実質音ゲーじゃないか!』

『これガンナーの方が難しいんじゃ……』

『うたずきんのゲーム配信初めてがこれか……』

『おりんは歌いながら操縦しろ』

 

『はぁい、じゃあおりんは歌いながら操縦します』

『はぁ!?「うたずきんも歌いながら撃って」って無茶振り……んの……そんな事言われた……退けねえじゃねぇか!』

 

 え?やるの?冗談半分で米打ったのに?やらなくてもいいんだよ?

 

『良心の呵責?』

 

 そんなところです。

 

『ツンデレうたずきん良い……』

『照れずきん』

『おりんもかわいい事しろ』

『語気が強いのにかわいい女』

 

 ここはうたずきんのチャンネル…やはりクリスさんに軍配が…だか私はおりんを推すぜ!

 

『じゃあ、即席デュエットしながらの「パイロット&ガンナー」皆さんお楽しみください』

 

『武器は……ウェポン1がワイドショット……2が機銃、3がロックオンミサイルで行くぜ』

 

『はい、じゃあ私はフレア・バレルロール・オプションで』

 

 ゲームがスタートすると同時に、2人は歌い始める。

 見所さん大量発生の配信企画が、満を辞してスタートした。

 

 

 

 

 

『畜生!コンテニューだ!クソッタレ!』

 

『これでクリアしましょうね、うたずきんさん』

 

 ンンンンンン惜しい!でもクリスさんも慣れてきたっぽいしこの調子なら…あ、撃墜された。

 

『がんばれ』

『後少しだ』

『ゲームに集中してるのに歌えるの凄すぎる』

『初プレイで4コンテニューか、まあまあだな!』

『おりんが足を引っ張りすぎる……』

『イキり失敗シリーズ』

『おりん惨敗シリーズ』

『また音程を外して撃墜されてて草』

 

 見てるだけでも楽しい時間。レーちゃんと会話しながら見る配信は、ようやく終わりを告げる。

 画面に映るクリアの文字。コメントが歓喜の声で包まれる。

 

『はぁ~お疲れ様でした!うたずきんさん!』

 

『お疲れ、楽しかったな!』

 

『はぁい、本当に……音程外したりして最初はアレでしたけど』

 

『けど段々とどう合わせればいいか分かってきてからは爽快だった!またこういうのやろう』

 

『ありがとうございます、では私は今日はこの辺りで』

 

『お……おつおりーん!』

 

『おつおりーん!』

『かわいい(確信)』

『この後おりんもう一回放送あるんだよな……』

『過労死しない程度に配信し続けろ』

 

 配信が、終了する。

 

「あぁ〜!面白かったぁ〜!」

 

 椅子にもたれかかりながら、余韻に浸って声を上げる。

 

「レーちゃ〜ん。レーちゃ〜ん?…寝たのかな?」

 

 多分レーちゃん寝ちゃった。珍しい…。やっぱりまだちょっと辛いのかな…?

 

 私の目の前には配信が終わり、先程の配信のアーカイブが表示された液晶画面があった。

 

「…やろ」

 

 私はアーカイブと編集アプリケーションを、開き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 ノリだけで作った切り抜き動画は、結構伸びてしまった。




基本的にはやっぱり週一投稿
先週は投稿できずにすみませんでした…

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