アニメ声クソザコリスナー装者の話   作:風峰 虹晴

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幸運ダンゴムシ

「私を手離さないで」

 

 目の前で「レーヴァテイン」を纏った私が私にそう言った。

 これは夢だってわかる。自分で体を動かせない。これが明晰夢ってやつなのか。

 

「私を手離さないで」

 

 私が私に歩み寄ってくる。私の手は目の前の私の手を掴む。ようやく動くようになった口で私はこう言う。

 

「離すかバーカ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぇっ!?」

 

 夢か…。なんか凄い恥ずかしいこと言った気がするけど気のせいだろう。気のせいったら気のせいなんだ。

 SNSを見る。うわー…おりん…というか翼さん凄い人気だね。あとゲロ音MADの再生数これ以上伸びるのヤメロ。既にミリオン達成してるでしょ!?これ以上は許してあげてよぉ!!これを作ったことに私は反省と後悔をしています。ちなみにミリオン達成時は座ったまま失神してました。

 とりあえず落ち着け私、家一人で失神して倒れるのは火曜サスペンス並みの所業だぞ。それだけはいけない。

 私は朝の用意を済ませて学校に向かう。途中で加賀美さんと出会う。

 

「おおおおはようございます加賀美さん!」カタカタ

 

「あ、織田さん。おはようございます」

 

 挨拶し返された。なんか泣ける。朝早くから泣きたくないから我慢する。

 

「ええええっと…翼さんとのコラボ、おおおめでとうございます」カタカタ

 

「あ、ありがとうございます…」

 

 加賀美さんに祝いの言葉を送ると、加賀美さんは顔を引きつらせて苦笑しながら私に返事する。流石おりん、メンタルが弱い。ごめんなさい私の方が弱いです(諦め)

 加賀美さんと一旦別れ、私はさっさと学校に向かう。ようやくここへの登校に慣れたかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ!?まっままっマジですか!?」

 

「ええ、全然いいですよ」

 

「ア゛ッ…!?」

 

 私は喜びと驚きと困惑と緊張によって一瞬にして意識がブラックアウト。

 次目を覚ました時には地面に横たわっていて、翼さんのマネージャーである緒川さんに呼びかけられていた。あ、頭痛い。こりゃ思いっきり打ったなちくしょー。

 

「あだだだだ…ほ、ほほ本当に配信を見てていいんですか!?」ガタガタ

 

「はい、翼さんが是非と」

 

「あっ…ごめんなさい今すぐ支えてください!!あっ…」

 

 私は気を失う直前に緒川さんに受け止められる感覚を感じて再び意識を失った。

 次に目を覚ましたときは初めてここに来たときに気を失ったときと同じ場所に寝かせられていた。解せぬ。

 なんと私、間近でおりんと翼さんのスタジオ配信を見ることになったらしい。いやスタジオ配信とか初めて聞いたんですけど。というか私本当に居ていいのか!?倒れるぞ!?

 マジで倒れるかも。配信中にだけは絶対に倒れんぞ。

 とりあえず緒川さんに謝罪とお礼をして話を聞かせてもらう。

 どうやら翼さん、機械が苦手らしい。まあ、これは想定内。だからスタジオで配信するらしい。はい想定外。

 どうして私が出てくるのかが謎だ。と思ったら私おりんのリスナーってバレてたっぽい。解せぬ。国の力つえぇ。

 私は再び緒川さんにお礼を言う。私は地上に出て帰ろうとする。これは早く寝ましょう。正直まだ頭痛いんですよ。

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