アズれ!艦船少女たち!【アズールレーン】【二次創作】   作:琥珀ナオ

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序章〜着任〜

 別に何がしたいわけでもなかった。

 ただちょっとだけ他人より人という「群れ」を動かす才能があっただけに過ぎない。

 

 そんな自分に届いた異動通知。

 それは、地球外海洋生命体セイレーンに対抗するため、人類を守る旗印となる海洋防衛連合「アズールレーン」の統括指揮官への任命であった。

 

 いくら人類存亡の危機でも、その前線基地となる場所はアズールレーン主要4国のどこから行こうにもやや遠い(とはいえ元々はユニオン領であった場所)島に作られているため、好きこのんで行きたがるものはいない。

 

 しかし、先のセイレーン襲撃により制海権の9割を損失しながらもなんとか撃退することが出来たのはメンタルキューブという超技術、及びそれによって生み出された「艦船少女」達の力あってこそだ。

 

 誰かがやらねばならぬ。

 そんな中、若くして少佐という地位に就いたばかりで、碌な人脈も築いてなかった自分に白羽の矢が立ったのだろう。

 

 だから、これは避けられぬ運命として受け入れるほかなく。

 

 また、ここから始まる人生はきっと、誰にも真似のできないものとなる。

 

 そんな確信めいた予感があった。

 

 …

 

 異動通知を受け取り各種手続きを終えた後、自分はほぼ全ての財産を持って異動先の「アズールレーン対外敵生命体対策本部」となる島へと向かっている。

 

 移動手段は当然ながら船だ。

 そして、この船はただの船ではない。

 

「指揮官!ここにいたんですね!」

 

 デッキで何気なく遠くを眺めていると、後ろから声をかけられた。

 

 振り向くと、そこには小柄な体躯、白く輝くノースリーブトップレス、そして、その身長と同じぐらいの長槍(ジャベリン)を抱えた少女がいた。

 

「どうしました?もしかして酔っちゃいました?」

「いや、そんなことはない。さすがロイヤルだ。操船も優雅で乗り心地がいい。」

「えへへ〜」

 

 外見通りの年頃の少女のように照れる彼女であるが、当然ながら普通の少女ではない。

 

 彼女は現在自分達が乗っているロイヤル製駆逐艦『ジャベリン』の艦船少女だ。

 

『艦船少女』。メンタルキューブというアイテムを用いて生み出される『船の化身』。

 

 元来多くの水兵達によって運用される船を、彼女達はその身一つで全て掌握し、操作することができる。

 

 また、彼女たちの中核をなす『リュウコツ』が壊れない限りは、例え大破していたとしても適切な資材投入と精神的な休息によって通常の船ではありえない速度で回復する。

 

 そんな彼女達は嘗ての『大戦』によって製造され、投入された『軍艦の記録』をベースに『その船に対する人類の記憶』が結晶化した存在である。

 そのため彼女達の真価はまさに、『海戦』において発揮されるものであった。

 

 《…こちら艦隊左翼・綾波、10時の方向より国籍不明の小型船団が接近中。》

 《こちら艦隊尾翼・Z23、こちらからも確認できます!》

 

 艦内に通信が響きわたり、進行方向左側からサイレンが鳴り響く。

 

「敵襲!?」

「待て、まだそうと決まったわけじゃない。迂闊に攻撃して同盟国だった場合が問題だ。綾波、旗艦は確認できるか?」

 《………旗艦らしきものはない…です。》

「このままで進めば該当船団に接触はどれ程になる?」

 

 この場合の接触とは、射程範囲に相手が入ってくるまでの時間である。

 

 《10分程になるかと。》

「それなら先ずは汽笛・探照灯・電信で対話を試せ。全艦、1時の方向へ舵を取れ。ジャベリンは2速落とし、ラフィーは1速上昇し綾波の2時前方へ、輪形陣でジャベリンを右翼に回せ。」

 《了解です。》

 《了解!》

 《ラジャー…》

「はい!」

 

 ジャベリン船体の速度が落ち、右に動いていく。その艦首の先をふんわりとしたツインテールの少女、ユニオン製駆逐艦『ラフィー』がまるで海上を滑るように横切っていった。

 

 そう、これが艦船少女達の本来の姿。

 

 今回ジャベリンには自分を乗せる必要があったためフネ型になってもらっているが、本来彼女達はあのようにヒト型で運用するものであった。

 

 数分以内に、彼女達は自分の指示したように陣形を組み直した。人間の操作する艦隊では、余程の練度の乗組員を乗せないとありえない速度だ。

 

 そして、陣形を組み直した頃に、最初に船団を発見した艦隊左翼、重桜製駆逐艦『綾波』より連絡が入る。

 

 《指揮官、指示された汽笛・探照灯・電信、どれも反応なしです。》

「そうか、それなら最後通牒だ。それ以上接近してくるようなら発砲すると電信を入れて赤の発煙筒を炊け。

 各艦、射程圏内に船団が入り次第発砲を許可する。」

 

 綾波が通信をしながら発煙筒を炊くのが見えた。緊張が走る。

 数分が経過する。

 

 《敵船団、接近…綾波、発砲します。》

 

 その通信とほぼ同時に、綾波の主砲、127mm連装砲の発射された爆音が鳴り響く。

 弾は命中。先頭を走っていた船の左舷前方を砕いた。

 望遠鏡で見てみれば船員達もかなり慌てている。そうならないように再三勧告したはずなのだが…。

 

「まぁいい。ラフィーと綾波は1速上げて敵船団の左翼を牽制しろ。沈めるつもりで撃って構わん。Z23は先頭の船に照準を。おそらく9時方向へ旋回するだろうが、追撃はいらない。とにかく目の前に来た船に攻撃をし続けるんだ。」

 

 短く「了解(Sir)!!」という返事を返し、彼女達は迅速に指示に対応する。

 

「鬼神の力…味わうがいい。」

 

 綾波の放った533mm四連装魚雷のうち一本が敵船団の左翼側の一隻の横腹に当たり、一発の魚雷にしては大袈裟すぎるほどの轟音を立てて爆発、撃沈させた。

 

「凄い威力だな…。」

「綾波ちゃんは雷撃が得意ですからね。特に『鬼神』が発動すれば尚更ですよ。」

 

 スキル。艦船少女達の持つ異能であり、彼女達が対セイレーンの切り札たる所以。

 

 彼女達は『船の記録』と『人の記憶』で出来ている。そして、それらは「かの大戦の如き戦果をあげてほしい」という『願い』となり、彼女達の(スキル)となった。

 

 綾波のスキル『鬼神』は、ソロモン海の海戦において雷撃を中心に数多くの船を沈めた戦果を具現化したもの。

 不定期ではあるが、一時的に雷撃による攻撃の威力を何倍にも膨れ上がらせ、並大抵の船であれば一撃で沈めるほどの威力を発揮する。

 

 勿論、綾波だけではない。この場にいるジャベリン、ラフィー、Z23にも、それぞれに固有のスキルを持っている。

 

 艦船少女の運用において、このスキルを正しく把握し、どの戦局においてどの艦を投入するかの判断こそが、指揮官に求められる最大の能力なのだろう。

 

 …

 

 開戦から30分足らずで戦線は解除された。

 

 綾波に続きラフィーも一隻を撃沈し、追撃担当の鉄血製駆逐艦『Z23』の射撃による誘導によって敵船団は撤退。

 この海戦によるこちらの損害はなし、綾波、ラフィーの受けた損傷も問題にならない程度のものであった。

 

「綾波ちゃん、ラフィーちゃん、Z23(ニーミ)ちゃん、お疲れ様!怪我は大丈夫?」

 《問題ない…指揮官は無事?》

「あぁ、仔細はない。各艦、初期配置に着いて母港へ向かうぞ。」

 

 …

 

 アズールレーン対外敵生命体対策本部、ここの常駐員が『母港』と呼んでいる基地は、最新鋭の技術で整備がされた、まさに『人類の叡智の結晶』といえる場所であった。

 

 到着して早々にジャベリンと、ユニオン製駆逐艦アマゾンに案内され指揮官用の執務室に行く道すがら、この基地の施設について説明を受ける。

 

 見ると、この基地の大半を占める敷地は、まるで学校のような施設が立ち並んでいた。

 

「あのいかにもなビルがユニオン寮、その隣の煉瓦造りがロイヤル寮、木製平屋建ての建物が重桜寮で、あの無骨なコンクリート製のやつが鉄血寮ね。」

「ロイヤル寮は紅茶がいっぱい置いてありますからね!指揮官も飲みたくなったら是非来てください!」

「そしてこれが指揮官の執務室・私室のある総合寮舎だ。」

 

 それは四つの寮の全てから等距離の位置に立っていた。

 中に入るとまさに学校という雰囲気である。

 そして、最上階は他の階層よりも廊下が短く、突き当たりに校長室よろしく立派な扉と『指揮官室』の看板が掛かっていた。

 

 指揮官室に入ると広々とした執務室となっている。応接テーブルやワークデスク、本棚など、必要最低限のものが揃っている。

 何より、ワークデスクの向こう側の大きな窓の外には、この母港の顔ともいえるドックが一望できた。

 

「ほぉ…これは、なかなかどうして…」

 

 感嘆の息を漏らす。振り返るとアマゾンとジャベリンが妙な笑顔でこちらを見ていてつい恥ずかしくなった。

 

「気に入ったか?そっちの扉の向こうは指揮官の私室になるが、申し訳ないが後でゆっくり見てくれ。

 それよりも、だ。」

 

 アマゾンが手元に持っていたファイルブックを広げてワークデスクに置く。

 

「この母港はつい最近開設したばかりだ。さらに言うと、私も含めて殆どの艦は所有権が主要4国の下にある。だから、指揮官が直接管理・運用できる艦は現状においてこの5隻のみだ。」

 

 渡されたファイルブックの内容はこの母港に帰属する艦の一覧。

 その内容は現在『ジャベリン』『綾波』『ラフィー』『Z23』『ロング・アイランド』のみ。

 

 これらは主要4国が協力し合うと言う証明のために寄贈された艦だ。

 各国から駆逐艦が1隻ずつ。

 そして、艦隊編成上旗艦となる主力艦(戦艦及び空母)が最低一隻必要であると言うことから、ユニオン製軽空母『ロング・アイランド』が寄贈された。

 

「しかし、これだけではなぁ…」

「その通り。現在、この母港はとにかく戦力不足だ。セイレーンの襲撃はいつ来るかわからない。その時に備えて、まずは新規に艦を建造する必要があることを覚えておいてほしい。」

「そうだな。国連からの情報によれば現在人類制海権におけるセイレーンの発見は見受けられないとある。今のうちに戦力を補充しておかなければな。」

 

 この母港での最初の仕事は決まったようだ。

 

 …

 

 造船所1番ドックにて。

 

「これがメンタルキューブニャ。」

 

 母港の技術・流通部門を担当しているらしい重桜製工作艦『明石』が拳大程度のサイズの青白く発光する金属のような、石英のような物体をくれた。

 

「本当は貴重なものだからホイホイと渡しちゃいけないんだけど、まぁチュートリアルみたいなものだと思ってほしいニャ。」

「あぁ、感謝する。」

「早速だけどそれで一隻建造してみるニャ。」

「これ、作れるものを指定はできないのか?」

「残念だけど無理だニャ。

 メンタルキューブが艦船少女を生み出す理屈はイマイチわかってないニャ。人類の記録と記憶に残っている艦を作ることができる。それだけニャ。

 それでも研究の成果である程度の傾向の設定はできるようになったニャ。

 駆逐艦や軽巡洋艦みたいな小さな船なら必要なメンタルキューブは一個で建造できるようになったニャ。あと、戦艦と空母くらいなら分けて建造できるみたいニャ。」

 

 そこまでの説明を受け、「まぁ仕方ないか」と自分を納得させる。

 

 メンタルキューブは艦船少女を建造するために必要なアイテムであるが、どのような構造なのか、どんな機構で艦船少女を生み出しているのかなどは全くのブラックボックスと言われている。

 この資源の入手元も、セイレーンのヒト型艦を撃沈した跡に残っていたり、何処からともなく海から流れてきたり、流れ星として降ってきたりと様々である。

 

 さて、それはそうと、メンタルキューブをドックのプールの真ん中に浮いている台に載せる。

 

「指揮官、ここからは近くで見るのは危険だから高みの見物をするニャ。」

 

 明石に連れられドックの上の監視室から見下ろす。

 

「それじゃあ皆んな、お願いしますニャー。」

 

 明石の号令に、ドックの建造担当の技術員達が従い建造シーケンスが開始される。

 メンタルキューブに向かって、四方からレーザーが照射される。

 するとメンタルキューブが発光を開始、不可思議な力場を発生させて浮き上がった。

 

「この状態で数時間レーザーでエネルギーを供給し続けるニャ。そうするとある時点で反応が変わって船になるニャ。」

「どれぐらい時間がかかるかとかはわかるのか?」

「一応キューブから出る光の強さであとどれぐらいで臨界点に達するかは分かるニャ。統計を取れば建造時間でどの艦が作成されるかの予測ができると思うニャ。」

 

 説明を聞きながら、少し安心していた。

 未知の物質で船を作るなどと言うのだ。作った船が本当に味方となるものなのかと不安に思っていたが、ここで働いている彼らは、それをキチンと理解して、少しでもこの未知の技術の解明に向けて努力しているのだと言うことがわかったからだ。

 

 それから明石に指定された時間になるまでジャベリンと執務室でいくらかの事務作業をこなしていた。どうも、彼女は『秘書』のつもりらしい。

 

 さて、所定の時間が経過した。

 建造ドックに戻ると、明石がホクホクした笑顔で迎えてきた。

 

「指揮官。建造は問題なく終わったニャ。早速進水式ニャ!」

 

 そう言って明石が合図を送ると、ドックの水門が開く。

 そして、中から人影が現れたと思った瞬間、目を覆うような光が襲った。

 

「何だ!?」

「えへへ、どう?ビックリした?初めまして指揮官、グリッドレイだよ!サラトガちゃんの護衛を勤めてたんだ〜。」

 

 目を開くと、セーラー服を着て、カメラを構えた小柄な少女がいた。

 

「グリッドレイは資料によるとユニオン製駆逐艦だニャ。建造した艦についての資料は、後で指揮官の部屋に持って行くニャ。」

 

 明石はそう告げると先に帰って行く。どうやら、生まれたばかりの彼女を案内する役目は自分にあるらしい。

 

「それじゃあ、まずは寮舎へ行こう。」

 

 …

 

 寮舎へと向かう間にグリッドレイと話をしていてわかったことがある。

 

 彼女達は誕生こそ建造ドックの中での存在だが、その記憶と呼べるデータがすでに存在する。

 その内容は基本的にかの大戦期における艦歴に準拠しており、まさに『擬人化』された記憶として保有しているようだ。

 

 例えば自身のオリジナルと言える艦がいつ何処で作られたか。これまでにどれほどの勲章(バトルスター)を貰ったか。誰と共に戦い、誰と戦ったか。そして、オリジナルの艦はいつ何処でどのように最期を迎えたか。

 

 そして、その記憶に基づいて、彼女らの性格も形作られているのだろう。

 

 なので、軽空母サラトガの護衛艦としての役目を誇りに思っているであろうグリッドレイは、

 

「でねでね!サラトガちゃんのこの一瞬!このキュートな顔がキリッと引き締まった瞬間が最高で〜!」

 

 と、このようにサラトガの話題ばかり話している。

 

 ともあれ、彼女をユニオン寮に案内すると、そこにいたラフィーから連絡を受けた。

 

「指揮官、ジャベリンから伝言。ユニオン軍部の人が来てるって。あとロング・アイランドが指揮官室に向かったよ。」

 

 そうだった。今日はユニオンの軍部の人間が視察にくる日だった。

 慌てて身なりをチェックしながら指揮官室に戻る。

 

「失礼します!先程まで新規建造艦の進水式査察を行なっており、お待たせしました!」

 

 指揮官室に入り、すぐさま足を揃えて右手を頭の横へと挙げるユニオン式敬礼を行う。

 

「うむ、御苦労。だが腕を下げたまえ。ここはユニオン基地ではない。ここはアズールレーン基地。この場においては、君こそが最高権限を持つものだ。

 違和感はあろうが、君がどの国の人間とも公平に接する事こそが、この同盟が人類全体のためであると言うことの証明になる。」

「…了解しました。それでは失礼して。」

 

 腕を下げ、応接テーブルの脇にジャベリンが立っている椅子に座りまっすぐ相手を見据える。

 

「それでは、今回のご用件は、事前に伺っていたこの基地の視察という事でよろしいでしょうか?」

「うむ。だが、今回見せて欲しいものは基地そのものではなくてな。いわゆる、この基地の戦力の評価だよ。」

「と、言いますと?」

 

 視察員は言いにくそうな表情を見せた後、重々しく口を開いた。

 

「…ロイヤルの偵察艦隊が襲われた。相手は鉄血艦隊だ。」

「…まさか。鉄血はアズールレーンの主要4国ですよ!?」

「そのまさかだ。報告によれば、鉄血艦隊の艤装は我々の技術とは一線を画す挙動を示した。」

「…よもや、セイレーンの技術をものにしたと?」

 

 近年、アズールレーン主要4国の間である議論が行われていた。

 

 セイレーン撃退戦の際に、何隻かのセイレーン艦船を鹵獲することに成功した。

 

 その扱いに関し、ユニオンは

「解体、分析を行い、対抗戦力となる技術を開発すべきだ。」

 と提案した。

 

 しかし、ここで鉄血から別の意見が提示される。

「セイレーンの技術を、我らの技術と融合させ、その力でもってセイレーンに対抗すべきだ。」

 

 この意見に、ユニオン及びロイヤルの首相は猛反発、一方で重桜はこれに賛同した。

 この議論はいまだに平行線のまま、結論が先延ばしにされていた。

 

 だが、この報告が確かならば、鉄血は既にセイレーンの技術を組み込んだ新たな艤装を開発していることになる。

 

「それと、最近重桜の動きが妙だ。」

「鉄血…重桜…まるで嘗ての大戦と似ていますね。」

 

 嘗ての大戦も、鉄血・重桜が手を組み、それに対抗する形でユニオンとロイヤルが手を結んで世界中で海戦が行われた。

 

「あのような大戦を繰り返している余裕はない…そのはずだが、もしも何かあった時、我々はそれに対処せねばならん。時には貴官の助力を乞う場面もある。

 そこで、だ。現在、我が国からヨークタウン級空母『ホーネット』を連れて来ている。

 彼女と君達の艦隊で模擬戦をしてもらいたい。」

「なるほど、我々の戦力が対セイレーンに充足しているかを測るわけですか。」

「その通り。」

 

 もし懸念が的中し、鉄血、重桜がアズールレーンより離反した場合、ユニオン、ロイヤルはその対応に追われる。

 その間にセイレーンによる襲撃があれば、対処しきれないだろう。

 そこで、このアズールレーン対外敵生命体対策本部は積極的にセイレーンに対処してもらわなければ困るという事だ。

 

「わかりました。演習海域を手配します。」

 

 演習申請書を書き、印を押して受理。

 おそらく事情を事前に知っていたのであろうロング・アイランドを旗艦に起き、即興で艦隊を組んで演習場へと向かうのであった。

 

 …

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