おんハピ♪ 〜Only Happy♪〜   作:赤瀬紅夜

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Lucky.18 りあるたいむ

「2〜3人って、だったらボク達は2つのグループに分かれないとですね。」

 

少しだけ残念そうな顔をして恋ヶ窪さんがそう言った。

2〜3人のグループか。

私たちは5人だから、2人と3人のグループに分けた方がいいよね。

チーム分けの方法はどうしようかな。

うーん、じゃんけんとかで決めて……

「よーっし、それじゃあじゃんけんで決めよう!」

と、私の考えをまるで先読みしたかのように、流さんが明るくそう言った。

それを見たひまりさんが、にこにことしながら、

「あ〜、いいですね〜、勝った人と負けた人同士で決めます〜〜?」

と言った。

……私が言おうかと思ったけど、まあ流さんが言うならいいかな。

 

それじゃあ早速やってみようと言う事で、5人で集まって輪を作るようにして集まる。

それぞれの右手を出して準備をする。

「それじゃー、行っくよー!」

流さんの掛け声で私たちも声を出す。

「「じゃーんけんぽん!」」

「「「さいしょーはぐー」」」

って、あれ………?

最初ってグーから始めるんじゃなかったっけ?

それぞれの手の形を見ると、グーの人もいればチョキ、パーの人もいる。

みんなの顔を見ると、やっぱりみんなも不思議そうな顔をしている。

……どうやら、最初の掛け声でバラつてしまったようだった。

確かに、最初はグーと言わずに始める人もいるから、バラついたのはしょうがないと思うけど……。

ここは、私が言おう。

「それじゃあ、みんなで最初はグーから始める事にしない?」

そうしようと言う事で、仕切り直してもう一回。

 

「さいしょーはぐー、」

「じゃーんけーん、ぽん!」

 

……何となくだけど、私はパーを出した。

私と同じく、パーを出していたのが、ナノちゃんとひまりさん。

そして、残る2人の恋ヶ窪さんと流さんは、チョキを出していた。

 

こうして、今回は私、ナノちゃん、ひまりさんの3人グループと、恋ヶ窪さんと流さんの2人グループに分かれることに決定した。

 

 

「それじゃ〜、投げますよ〜……えいっ!」

ひまりさんが投げたサイコロはコロコロと転がり、ナノちゃんの足元で止まった。

ナノちゃんが少しだけしゃがみ込んで、サイコロの出た目を言う。

「・・・・4・・です・・・・ね・・。」

それを聞いたひまりさんは嬉しそうな顔をして、それじゃあ行きましょうか〜と、先頭になってマス目を進んでいった。

ひまりさんに続いて私も行こうと、ナノちゃんに声をかける。

「ナノちゃん、私たちも行こう?」

声が聞こえたのか、ナノちゃんは足元にあったサイコロを拾い、私の後ろを付いていくように歩き出した。

ひまりさんに追いついてみると、ひまりさんはマスを見たまま固まっていた。

なにが書いてあるのか見えなかったので、ひまりさんの横から覗くようにして見てみると、

[一回休み]

とそのマス目には書かれていた。

 

ひまりさんを見てみると、悲しそうにしょんぼりしている。

ちょっとだけ涙目になっていた。

「す、すみません……わたし、やらかしてしましました〜。」

どうやら、このマスを出してしまったことを気にしているようだった。

ひまりさんはその場にうずくまってしまった。

 

………可哀想になったので慰めようと近づくと、同じことを思ったのか、ナノちゃんもひまりさんを慰めに来ていた。

ナノちゃんがひまりさんの背中をさすって、私はひまりさんに声をかけることにした。

「ひまりさん、あんまり気にしないで下さい。私たちも気にしてないから……。」

そうしている内に、一回休みが過ぎて私たちの番が回って来た。

 

ひまりさんは、さっきのダメージからは回復して、のほほんとした顔をしながら順番が回って来るのを待っていた。

 

次に投げるのは……ナノちゃんか。

 

ナノちゃんの方を見ると、いつも通りの無表情なんだけど口元がキリッとしていて、なんだか本気のようだった。

胸の前にサイコロを持ったナノちゃんは、そのまま落とすようにサイコロを振る。

コテン、と地面に落ちたサイコロは転がり、私たちが次に進むマス目を見せる。

 

書いてある数字は、「3」だった。

 

「彩歌・・・陽毬・・・・それじゃ・・・・・・行こ?」

そういうナノちゃんに続いて3マス進むと、そこには、机が1つポツンと置いてあった。

 

よく見てみると、その机の上にはスケッチブックと鉛筆、そして紙切れが置いてあった。

「あの紙はなんて書いてあるんでしょうか〜?」

そう言いながら、ひまりさんが紙切れに手を伸ばして、取り書いてあったことを読み上げる。

 

「え〜と、誰か1人の似顔絵を描く……ですか〜。」

う〜ん……と、悩ましげにお題の紙をひまりさんが見つめている。

きっと、ひまりさんは似顔絵が描けないから、自分がやれないと思っているんだろう。

 

似顔絵を描く、か……ナノちゃんの似顔絵なら、小学生の頃描いたことあったけれど。

それでも、お題はお題だし、やるしかないのかな……。

 

「それじゃあ、私が「わたし・・・・絵・・・・描けるよ?」

 

………?

 

どうやらナノちゃんと言うことが被ってしまったらしい。

ナノちゃんの方を見ると、驚いたように口をパクパクさせている。

ここは、絵心のあるナノちゃんに任せようかな。

 

「ナノちゃん、それじゃあ似顔絵お願いできる?」

 

その言葉を聞くと、ナノちゃんはコクリと頷き、机の上に置いてあったスケッチブックを手に取った。

スッと目を細めて、私とひまりさんを見つめる。

鉛筆を持った左手が動き始める。

……ちなみに、ナノちゃんは本来は右利きだけど、絵を描くときだけは左手を使って絵を描いている。

シャー、スーッと鉛筆が紙の上を踊る音が響く。

 

しばらくした後、できた。とナノちゃんから言われた。

 

その声を聞いたひまりさんは嬉しそうにして、

「本当にできたんですか〜!見せてくださいね〜。」

と言ってナノちゃんからスケッチブックを受け取った。

 

ひまりさんの見ている顔が徐々にほころんでいく。

 

私も横から見てみると、そこには私とひまりさんの2人が鉛筆で綺麗に描かれていた。

似顔絵というか、最早模写レベルの絵だった。

 

ひまりさんがこちらに気づき、嬉しそうな声を上げる。

「彩歌さん、凄いですよね〜コレ!」

「す、凄いね! これでお題もクリア……?」

確かに、私も感嘆の声を上げてしまった。

 

ナノちゃんがスケッチブックを元の位置に戻すと、机から音声が流れてきた。

 

「はい、これでお題はクリアですね。 それでは、次のサイコロを振って下さい。」

 

ナノちゃんが私にサイコロを渡す。

「・・・・彩歌、頑張って・・・・ね・・・。」

 

私はナノちゃんからしっかりとサイコロを受け取り、勢いよく投げる。

 

私たちの試験は、まだ始まったばかり。

 




という事で、もう少しだけ続きます。

〜次回予告〜

彩歌と陽毬と菜野花の3人に待ち受ける難問なお題とは……?
3人は果たして無事にゴールする事は出来るのか…!

次回、Lucky.19 がむしゃらに

え?椎名ちゃんと流ちゃん?
あー、20話でやります…(多分
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