……という事で、ちょっとだけ更新遅れましたが、また再開します。
それでは、本編をどうぞ!
みんなで恋ヶ窪さんに謝ったあと、ゲームセンター内を遊び回った。
100円を15枚のコインに変えて、それをいかに増やすかを5人で競ったり。
ハンドルが付いている椅子に座って、カーレースを体験できるようなゲームに熱中したり。
ゾンビを狙うシューティングゲームに、ペアで挑戦して誰と組むかで喧嘩したり。
インターネット対戦型の格闘ゲームで強い人にコテンパンにやられたり。
新しいリズムゲームを恋ヶ窪さんが探し始めて、恋ヶ窪さんをみんなで探したり。
少し家に帰りたくないな、そう思った。
……なんとなく、ここにいる自分がとても幸せに感じた。
気のせいかもしれないけど。
私が物思いにふけようとした時に、流さんが、両腕を上げて伸びをしながら言った。
「いやーっ、ゲームセンターとかの寄り道って楽しいよねー。」
それに続く形で、恋ヶ窪さんとナノちゃんが話す。
「たまにボク1人でも来るんです。 でも、こうして大人数で遊ぶのも悪くないです。」
「ワタシも・・・初めて・・・・・こんなに・・・楽しいなんて・・・・・・ね・・。」
4人で視線が合わさって自然と笑い合っていた。
あははは、はっはっはっはっ、ふふふふっ、アハハハッ。
笑い声がそれぞれ重なる。
ハッとしたように顔を上げて、流さんが唐突に笑いを止める。
「って、ちょっと待とう……ひまりん居なくない……?」
途端に、流さんが辺りを見渡してひまりさんを探す。
「「「え……?」」」
珍しく……かどうかはともかくとして、私と恋ヶ窪さん、そしてナノちゃんは、声を同じくしてその場で固まった。
流さんと同じようにして、私たちも慌ててひまりさんを探そうとした時、
「きっと、あそこにいると思うからなー、みんなで行ってみようか。」
流さんからそう言って、ゲームセンターのとあるコーナーに向かった。
私たち3人は、その後をついていく。
さっきまでいた、
いつの間に、ひまりさんとはぐれてしまったのだろう。
ひまりさん自身、少し抜けてるところはあるけど、実際はしっかりしている人のはずだと思う。
でも、そう思うと同時に、はぐれてしまった原因は、
もしかして、また気分が悪くなって、例えばお手洗いに行ったのかも知れない。
その可能性に思い当たっったから、
お手洗いに割と近いスペースにある、
クレーンゲームコーナーに来たのかと思ったけど、流さんの考えはどうやら違うようだった。
「ひっまりーん、いるなら返事してー。」
緊張感のなさそうに、流さんがいるであろうひまりさんに呼びかける。
途中、ナノちゃんが立ち止まって、割と小さめのクレーンゲーム機をまじまじと見つめていた。
「これ・・・・面白い・・・かも・・・?」
私だけかもしれないけど、そのクレーンゲーム機から流れるBGMが、微妙な感じを醸し出していた。
中に入っているのも、よく分からないような、小さめのキーホルダーが並んでいた。
その中でも、一際目立つ様な、シャベルのキーホルダーをナノちゃんは眺めていた。
肩をちょいちょいと触って、ナノちゃんに呼びかける。
「ナノちゃん、ひまりさんが見つかって無いけど、このクレーンゲームするの?」
尋ねると、ナノちゃんは静かに首を横に振った。
「彩歌・・・・別に良い。 シャベル・・・・欲しかった・・・けど、あれは・・・・違う人のために・・・・ある。」
もう行こう。
そう言って、スタスタと歩き出していった。
うーん、よくわからないけど、ひまりさんのために諦めたのかな……?
納得ができないまま、ナノちゃんに付いていくと、耳に鋭く声が入った。
「いーーーたーーーー!!!!」
な、何が起こったの?
丁度ナノちゃんや恋ヶ窪さんが向かった方向から聞こえたから、そっちの方に急いで行く。
すると、そこには。
ある、クレーンゲーム機のガラスの前でぐったりしているひまりさん。
それを見つけて大声を出したのか、ケホケホと咳き込んでいる流さん。
そして、それを見守っていたナノちゃんと恋ヶ窪さんがいた。
「ひまりん、みんなで散々探したよー。 ここに来て正解だったみたいだけど。」
流さんがやれやれという風にひまりさんに話しかける。
「それで、ひまりん。 何かあったの?」
「ああ、砂川さん……実は、わたし……」
何を告げるのかが気になって、ひまりさん以外は口を自然と閉じて、ひまりさんの方に向く。
私も、ひまりさんが、みんなとはぐれてまで、ここにいたのかが、気になっていた。
「わたし……このぬいぐるみが取れないんですよ〜!」
うぅ〜、と泣くようにその場にひまりさんが崩れた。
「ええっ! それだけのことでー!?」
流さんが驚愕の声を上げて、それを聞いたひまりさんが、いつぞやの時のように、ポカポカと流さんを叩いた。
はぁ…、とため息をついて、恋ヶ窪さんが、ひまりさんの取り損ねたクレーンゲーム機に、100円玉を投入した。
「あの、ボクがチャレンジしてみますんで、どれが欲しいですか?」
スッと目を細めて、ひまりさんにそうたずねる。
「椎名さん……その、取ってもらうなんて申し訳ないですし。」
慌ててひまりさんが謝る。
それでも、なお引き下がらない恋ヶ窪さんを前にして、ひまりさんはしぶしぶ、指を伸ばして指し示す。
「あの、あれです。 お魚さんの子で……お願いします〜。」
「了解です。」
そう言って恋ヶ窪さんがクレーンを横に動かす。
軽快なBGMと共にクレーンを、ぬいぐるみがある位置にまで持っていく。
そこから、くるりと後ろを振り返って、ナノちゃんにクレーンゲーム機の横に回るようにお願いする。
きっと、所定の位置まで来たら知らせるような役割なんだろう。
「菜野花ちゃん、ぬいぐるみより少し奥くらいになったら、言って欲しいです。」
「・・・わかった。」
息を合わせて、恋ヶ窪さんはクレーンを奥へと動かす。
そして、ひまりさんが欲しがっているぬいぐるみから少し離れた場所にクレーンが来た時、ナノちゃんがストップと言って、それを聞いた恋ヶ窪さんが、クレーンを動かすために押していたボタンから手を離した。
またもや、軽快なBGMが流れる中でクレーンひまりさんの欲しい、魚のぬいぐるみの、一つ奥のぬいぐるみを掴んだ。
「しーちゃん、アレは別のものじゃない?」
流さんが不安げな表情で、そう呟く中、クレーンは奥のぬいぐるみを掴んで持ち上げた。
すると、その持ち上げた衝撃で、前にあったひまりさんのねらっていた、ぬいぐるみが受け取り口に落ちてきた。
「すごいですね〜!」
ひまりさんが感動しながら、恋ヶ窪さんや私たちにお礼を言う。
「よっし、ひまりんも見つかったし、ぬいぐるみも取れたし、そろそろ帰ろうかー。」
そろそろ、夕暮れの時間だし、良いタイミングかも知れない。
自動ドアをくぐり抜けて、私たちはゲームセンターから外に出た。
また今度来ようね。
と、また向かう約束をして、それぞれの家に帰っていった。
今日は、色んなことがあったけど、楽しかった。
幸福実技で、等身大サイコロをしたと思ったら、帰り道にみんなでゲームセンターに寄り道している。
こんな日が、また来ると良いな。
そう思いながら、私は名残惜しく思いながら、帰路についた。
〜次回予告〜
そ、それじゃ予告をするわよ。
私は、雲雀丘 瑠璃。
はなこたちからは、ヒバリちゃんって呼ばれてて。
ええっと、何を言えば良いのかしら……。
え?
何で「オジギビト」が好きなのかって?
……そ、そんなつもりは、まあ、そうなんだけど…。
でも、今はあの人は関係ないじゃない!
もうっ!
恥ずかしいからやめて!
次回、Lucky.23 りゆうなんてないわよ
本当の理由は、秘密にしてね。