おんハピ♪ 〜Only Happy♪〜   作:赤瀬紅夜

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Lucky.23 りゆうなんてないわよ

カーテンの隙間から、朝日が差し込む。

日の光が柔らかに注ぐ中、朝食の匂いが鼻をくすぐる。

どうやら、朝になったらしい。

 

きっとお母さんが、作ってるのかな。

 

未だベットの中にいながらも、ぼんやりとした頭で考え、1つ、あくびをして起き上がる。

 

 

壁掛け時計を見ると、9:00という現在の時刻を表す数字と、4/29(Fri)と、今日の日付を教えてくれる。

日付機能付きだと、何かと便利かな。

 

そっか、今日はみんなでゲームセンターに行った日の次の日か……。

 

伸びをして、ベットから起き上がり慣れた手つきで、パジャマから天之御船学園の制服へと着替える。

まるで、私の意思とは関係なく勝手に体が動いているようだった。

 

赤いチェックのスカートを履き、長袖のワイシャツに袖を通す。

本当は、ここで髪を整えておきたいけど、今縛ってしまうと洗顔とかの時に手間が増えるから後回しにする。

ツインテールなんて、古風な髪型と思われるけど、小さい頃からずっとあの髪型にしていたから、もう私にとってのアイデンティティみたいなものだった。

最後に、靴下を履いて一旦身支度を終える。

 

リビングがある部屋へと向かうと、お母さんがまだ作っているのか調理の匂いが強まるとともに、テレビの音が微かに聞こえてきた。

 

「あら、彩歌、おはよう。 今日はずいぶん遅かったのね。」

 

部屋に入ると、お母さんが料理をしながら言った。

 

「あー、うん。 そうだね。」

朝、起きたばかりだと私の頭は働かないのか、お母さんの声に適当に答える。

 

テレビを一瞥(いちべつ)すると、左上に時刻が示してあった。

 

9:20

 

……あ、遅刻だ。

 

寝ぼけた目をこすると、よりはっきりと見える。

 

「お母さん、ごめん。 私、今日は朝ご飯いらないから。」

 

言い終わると同時に、洗面所に向かう。

 

時間がないのは、わかっていても、身支度に用意する時間は要る。

 

それでも、顔を洗ったりして軽く身支度を整えて、髪を結ぶ。

 

いつもつけている、太陽みたいなデザインの髪留め。

 

両親からもらったお土産で、私はとても気に入ってる。

それでも、最近はちょっと古くなっているからそろそろ変えても良いかも。

 

自分の部屋に戻って、制服を着込む。

 

少しずつ息を整えて、冷静になるように心がける。

 

「大丈夫、説明すれば良いだけ。」

自分に言い聞かせるようにして、呟く。

 

カバンを持って、玄関に急ぐ。

 

玄関のドアを開けて、振り向きざまに告げる。

 

「行ってきます!」

 

小走りになりながら学園に続く道を急ぐ。

 

ローファーは少し走りにくいけど、この際は仕方ない。

 

うーん、なんで私は寝過ごしたんだろう……?

 

道を走りながら、自問自答する。

 

何時もは、6時くらいには目がさめるのにな。

 

「目覚まし時計とか買おうかな……っと。」

 

私は、ある道の上で立ち尽くしていた。

 

この道、というか路地は、恋ヶ窪姉妹がいた所だった。

あの仲睦まじい姉妹影を見かけたのが、つい昨日のこと。

そう思うと私の足は自然と途中の路地で立ち止まってしまった。

 

そろそろ行こうかな。

 

また、私は小走りになりながらも、天之御船学園へと急ぐ。

 

 

しばらく走ったところに、校門が見えてきた。

 

やっと、到着した。

 

嬉しさと同時に、遅刻したことへの不安もある。

 

一歩一歩、進んで近づいてみると、ある違和感に気付く。

 

「これ、閉まって鍵がかかってる?」

 

在ろう事か、門自体が閉まっているだけではなく、施錠までされていた。

 

登校時間以外は、閉鎖って事なのかな……?

 

首を傾げていると、誰かが校舎から出てきた。

 

その人物は二人で、一人はめんどくさそうにしながらも、白銀の髪をなびかせながら歩いていて、その後から、ふらふらしながらも、黒色の白衣(?)に白い髪を後ろに束ねた、顔色が悪そうな先生が付いてきていた。

 

あの二人は……多分教師かな?

 

だんだんとこちらに近づいてくる。

 

校門の前にいる、不自然な生徒に気づいたのか、私に目を合わせて近づく。

 

すると、二人の顔がはっきりと分かると、そのうちの一人は、私と面識があった。

面識と言っても、確か最初の数学Ⅰの授業を受け持っていた、吾野先生だった気がする。

目もオッドアイだし、多分そうだと思う。

 

「お前は確か……西沢 彩歌と言ったかな。 その、今日から連休になっていて、天之御船学園は空いていない。」

 

 

今日って、休みの日だったんだ。

 

私は、どうやら勘違いをしていたらしい。




さて、間違えて天之御船学園に来てしまった、彩歌。

なんとか話をつけるも、
二人の教師に連れられて「ある場所」に行くことに⁉︎

次回、Lucky.24 はんべつできない

新キャラは、まさかの教師。
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