おんハピ♪ 〜Only Happy♪〜   作:赤瀬紅夜

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Lucky.33 れいせいに (☆)

井荻ちゃんの提案により、みんなでメイド服を着ることになった。

なにやら、その格好をしてこの温泉宿の売り子をして欲しいのだそうだ。

本人が言うには、売り上げアップと話題作りという事らしいけど、本当なのかな?

 

着替えている最中、衣装であるメイド服について私たちは喋っていた。

 

「ボク、こういう様なフリフリした服は好きです」

 

いそいそと、恋ヶ窪さんは着替えながらそう言ったが、そのすぐ隣で着替えている妹である林檎ちゃんはそうでも無いようだった。

 

「りんごは、こんな恥ずかしい格好するの初めてだよ」

 

「へー、やっぱり姉妹でも別れるモノなんだねー」

 

と、流さんはニヤニヤしながら言った。

すると突然、ひまりさんがこう言った。

 

「わたし、こんな格好をしてる子が知り合いにいますよ〜」

 

「え⁉︎ ひまりんそれ本当なの?」

 

すかさず流さんがその話題に食いつく。

確かに、私も気になるし、恋ヶ窪さんみたいな例だったら趣味の一環だけど、メイド服ということは何かの仕事だからかな?

 

「そうですよ〜、その子は洋食屋さんで働いてますが、その子だけメイド服を着ているんです〜」

 

「え、1人だけ着てるんだ……」

 

と、私は驚いて思わず口に出てしまった。

 

「・・・・・不思議・・・かも・・?」

 

ナノちゃんがそっと呟いたところで、みんなの着替えが終わり更衣室をみんなで出る。

みんながメイド服を着込んでいるので、なんだか気恥ずかしい。

 

出てみると、受付の方に井荻ちゃんが頬杖をついて私たちを待っていた。

 

【挿絵表示】

 

「オっー、みんな似合ってますねっ!」

 

私達を見つけ、勢いよく立ち上がりながら流さんと同じような笑みを浮かべて、井荻ちゃんは林檎ちゃんに話し掛ける。

 

「いやー、りんりんも似合ってんじゃんっ」

 

その言葉に、林檎ちゃんは恥ずかしがって俯いてしまった。

 

「まーまー、この辺にしてさ、後輩、アタシ達はどこで売り子れば良いのかな?」

 

「あー、それはですね……

 

井荻ちゃんは流さんの質問に答えた。

 

 

「うぅ、わたし恥ずかしです〜」

 

「それは僕もだよ、陽毬ちゃん」

 

「おーいそこ、無駄話しないでしっかり売ってねー、アタシ達で空ビン運んでおくから!」

 

そう言って、流さんは手に持った牛乳瓶の箱を手に持った。

私たちは、牛乳販売を手伝うことになった。

といっても、ある程度の飲み物は自販機で買えるので、スムージーやアイスクリームなどはカウンターで販売しているのでそこでのお手伝いをすると言ったものだ。

今は、私と流さんの2人で牛乳瓶を運び、恋ヶ窪さんとひまりさん、それとナノちゃんがカウンターに立っている。

 

2人で牛乳瓶の入った箱を運びながら、別段することもなくて私は口を開いた。

 

「そういえば、流さんは水泳って上手いんですか?」

 

その言葉に、流さんは一瞬動きを止めてからこちらを向き、頷いた。

 

「まあ、そうだよ。 アヤカは泳げる人?」

 

私は……どうなのだろう、中学生の頃は泳げたけど中学二年生から水泳の授業が選択になって選ばなかったから、ここ2年くらい泳いで無い……かな。

 

「うーん、最近泳いで無いから分からない……」

 

と、曖昧な返事をしてしまった。

 

そっか、と流さんひと言いうと、早足で歩いて行ってしまった。

……なんだか流さんを怒らせてしまった気がするけど、なんだか理解できない。

 

 

「皆さん!オレの温泉宿の料理食べて行って下さいっ」

 

という井荻ちゃんの言葉に甘えて、私たちは温泉宿の中にある食事処で腹ごしらえをした後に、みんなで入り口に戻っていた。

 

 

「はいっ、皆さんお疲れ様でしたっ!」

 

その井荻ちゃんの言葉を最後に、私たち5人と林檎ちゃんと井荻ちゃんたちと別れた。

恋ヶ窪さんと林檎ちゃんは喧嘩していたらしかったけど、もう仲良くなっていて、数日後には家に帰るから、と恋ヶ窪さんは林檎ちゃんに伝言を頼んでいた。

どうやら、林檎ちゃんはこのままここに泊まっていくらしい。

 

帰り道のバスに揺られながら、私の家の付近のバス停に着くと、みんなでバスから降りた。

 

「みんなでお泊まり会、楽しんで欲しいな」

 

そう呟くと、みんなは私の方を向いて笑いながらこう言った。

 

「「「「もちろん!」」」」

 

 

私の家に帰ると、まだ寝るには時間が早いということで、遊びをすることになった。

 

「何かいいゲームないかなー」

 

流さんは対戦ゲームだと恋ヶ窪さんやナノちゃんに勝てないため、他のゲームをしたいようだった。

トランプとかならあるけど、他のものがいいよね、うーん私も分からずに頭を悩ませていると、ナノちゃんが自分のカバンからボードゲームを取り出した。

 

「あの・・・、みんなで・・これ・・・やらな・・い・・・?」

 

恋ヶ窪さんがそのボードゲームを受け取り、書かれていたタイトルを読み上げる。

 

「ええと、人生急落ゲーム〜Life is Dead〜って、すごそうなゲームです〜」

 

ひまりさんが、人生急落ゲームの取扱説明書を取り出して読み上げる。

 

「え〜、このゲームの盤面にはたくさんのイベントマスがあって、サイコロを順番に振ってゲームを進めると書いてあります〜」

 

ひまりさんの言葉に、流さんがウキウキしながら言う。

 

「おおー、よくあるボードゲームならちょっと自信あるよー!」

 

しかし、ひまりさんが続けて言った言葉でみんなは頭を悩ませることなった。

 

「これ、ゴールに着いた時に一番所持金が少ない人が勝利みたいですね〜」

 

……これは、なかなかひねくれたボードゲームのようだった。

 

 

「次はボクですね、えいっと!」

 

サイコロが転がり、2の面を上にして止まる。

 

恋ヶ窪さんは自分のコマを2つ分マスを進めて、止まった場所を読み上げる。

 

「おお! 自分で開発した商品が大ヒット!二千万円入手だって!」

 

喜んでいる恋ヶ窪さんに、私は呼びかける。

 

「いや、だから増えたらむしろダメなんじゃ無い?」

 

と、その言葉を聞いて思い出したのか、恋ヶ窪さんは少しだけしょんぼりしていた。

 

「次はわたしですね〜、ほいっ!」

 

サイコロが回りながら転がって4の面を上に向けた状態で止まる。

 

「ふむふむ、自分への高級ご褒美スウィーツを購入! 五百万円使った……ぜひ食べて見たいですね〜」

 

「あっ、次は彩歌さんですよ〜」

 

そう言って、ひまりさんは私にサイコロを渡してくれた。

 

 

 

ゲーム開始から2時間経過して、とても困ったことになっている。

ゲームももう終盤でそろそろゴールにつく人がいてもおかしく無いんだけど、今の私の所持金は、なんとマイナス3億六千万円。

ゲーム的には勝っているんだけど、なんだか気分的には勝ってる気がしない。

 

「次はいい目が出ますように……えい」

 

サイコロは盤面の上を転がり、5を上にして止まる。

 

「説明には……運命の出会い!結婚相手が見つかる!…

 

「おおー、いいじゃんアヤカ!」

 

と、流さんが茶々を入れる。

 

「…が、詐欺だった。五千万円だまし取られる……だって」

 

はあ、私はため息をついてサイコロを流さんに渡す。

 

「アヤカ、そのごめんというか、うん、アタシ振るね」

 

サイコロは6の面を上にして止まり……

 

 

 

「ということで、優勝はマイナス4億2500万円で、彩歌さんの勝利です〜!」

 

パチパチとひまりさんが拍手を送ってくれた。

私としては、あんまり嬉しく無い結果だった。

 

「何だろう、この勝ったのになんとも言えない虚無感は……」

 

所持金がマイナスになった所で、まずいなと思っていたけど、まさかそのままプラスに戻ることなく、マイナス負担を背負い続けることになるとは……。

 

「ボクが最下位でプラス二億3000万円です」

 

そう言った恋ヶ窪さんの表情は、少しだけ嬉しそうだった。

 

「・・・・彩歌、優勝・・・・おめで・・・とう・・」

 

そう言いながら、ナノちゃんが私にうんまい棒を手渡した。

味付けは、こんぽた味と書いてある。

 

「ありがとう、ナノちゃん」

 

気にしないで、と言い残しナノちゃんはお手洗いに行った。

 

 

「さて、もうこんな時間だし、そろそろ寝ますかー!」

 

時計を見ると、23時を過ぎた所だった。

今日は疲れたし、もう寝ようかな。

 

「あの〜、彩歌さんわたし達の分の寝床はどうすれば良いですかね〜?」

 

寝床か……5人分ともなるとバラバラで寝るとかって、そういえばアレがあったんだっけ。

私は、あることを思い出して、二階に向かった。

 

十数分後、私たちはリビングにあった机を退けて、そこに5人分の布団を敷いていた。

 

忘れてたけど、5枚かそこらの余った布団が押入れに入っていたので、それを利用した形だ。

何年か前に母さんが間違えて(なぜ間違えたかはいまだに謎)買ってきていたものだった。

 

みんなで寝巻きに着替えてから、布団に潜り込む。

ちなみに、私の(ひまりさんの言う所の可愛い)パジャマは、散々流さんにからかわれた。

 

電気を消して私は呟いた。

 

「今日は楽しかった、おやすみ」

 

みんなそれぞれに、就寝の言葉を口にしていく中、流さんだけが押し黙っていた。

すると突然むくりと起き上がり、私たちにこう言った。

 

「ねっ、みんなこれから枕投げしない?」

 

その提案に、良いですねと恋ヶ窪さんが加わり、ナノちゃんもやりたいと起きた所で、私は部屋の電気を付けた。

 

「私もやりたい…な」

 

おお、乗り気だねと流さんが言いながら、何かに気づいて会話を止める。

人差し指を口元に立ててしーと声を掛けながら、反対の手で指差すと、そこにはスヤスヤと寝間着の浴衣を着て寝るひまりさんの姿があった。

 

「ここは、ボク達もおとなしく寝ましょうか」

 

コクリと頷いて私は部屋の電気を消す。

 

「それじゃ、今度こそおやすみなさい」

 

楽しかった1日も、これからみんなと過ごすことで今日よりも明日が楽しくなると思いながら、私の意識は眠りへと向かっていった。




私は江古田 蓮って言うんだけど、なんだか次回予告をしないといけないんだよね。

ふぁ〜あ、まだ眠いから手短に話そうかな。

え、どうしていつも寝てるのかって?

それはね……何でだろう、好きだからかな?

ヒビキには寝ないようにってよく言われるんだけど、うーん、眠くて……。

どうにも……意識が………zzzZZ

次回、Lucky.34 んんっ、もしかしてねてた?

それと、イラストをくれたはるきゃべつ。ありがとね。

それじゃあ、私はもちょっと寝るね。

おやすみ………。
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