おんハピ♪ 〜Only Happy♪〜   作:赤瀬紅夜

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Lucky.34 んんっ、もしかしてねてた?

お泊まり会とはいっても、実質的には友達の家に集まって遊び、そこに家で泊まるというイベントが加わっただけだ。

そう心の中で思っていた。

内容がどうであれ、きっと友達と仲良くなり、もしかしたらかけがえのない思い出になるのかもしれない。

あんまり今までは友達と関わりがなかった私だけど、今回1つ気づいたことがある。

 

……どうやら、私の友達は普通じゃないようだった。

 

〜〜〜

 

まぶたの裏に浮かんだまどろみは、鼻をつく良い匂いによってすっかりと消え去ってしまった。

目を開けると、天井は私の部屋にある電球……ではなく、リビングに置いてある電灯が見えた。

私はいつのまにこんな所で寝ていたかと身を起こそうとすると、何時もの毛布がなく、代わりに来客用の布団で寝ていた。

起き上がって周囲を見渡すと、私の使っている布団以外に5つもの布団が敷かれていた。

そのどれもすでに人はおらず、綺麗に畳まれていたり、ぐちゃぐちゃのまま放置されていたりと、寝ていた人たちの性格が現れているようだった。

私は頭がぼーっとした中で、昨日何があったかを思い出そうとする。

 

「むにゃ、昨日は何が、えっと……そう、確かみんなが遊びに来てて……」

 

そう、そうだった確か昨日からお泊まり会があってこのゴールデンウィークを利用して五人で集まってて……。

 

そんな風に思考を進ませていると、キッチンの方から足音が近づいて来た。

私は誰が来ていたのかがわからなかったので、振り返って確認してみる。

そこには、ひまりさんがお玉を持って私の様子を見に来ていたようだった。

しかし、その格好がいささか衝撃的すぎると言うか、朝っぱらから扇情的だった。

料理のためかフリフリのついた真っ白なエプロンを着けているのはまだ良いとしても、問題はそのエプロン以外のところにあった。

なんと、ひまりさんはエプロン一枚だけ着ていて、他の衣類は一切身に纏っていなかった。

一切とは言っても、白色の長めの靴下にスリッパだけはきちんと履いている。

しかし、私の目の前に居るひまりさんは、普段は家の中にいて料理をしているからか日焼けはしておらず、白いながらも淡く桜色に肌が潤っていて、滑らかな陶器というよりも透き通ったガラスのようだった。

更には、エプロンの端から覗く綺麗な太ももは白く輝き、腰からお腹にかけての健康的なくびれは滑らかで、エプロンの紐しか掛かっていない肩から伸びる両手は華奢ながらも料理の腕を振るっていたからか、弱々しい感じはなくたおやかだ。

そして、何よりも目を引くのがその(同い年とは思えない)胸だった。

エプロンを押し出して2つの山を作り、谷間を表すかのごとく山々の間の布地に凹みがある、また、エプロンに収まりきらなかったのか胸の両端は少しだけエプロンから顔を覗かせていた。

 

「……彩歌さん、あの〜、寝ぼけているのかもしれませんが、わたしの前で呆けないで下さいよ〜」

 

…はっ、あまりの光景に私はしばらく呆けていたらしい。

 

「朝ごはんができたので、そろそろおふとんを片付けたくて〜」

 

「ああ、わかったよ、ひまりさん隣部屋に押入れがあるからそこまで運ぼう」

 

そう言うと、わかりました〜と言って自分が寝ていたであろう(綺麗に畳まれていた)布団から片付け始めた。

ひまりさんが布団を片付けている姿をちらりと見たのだけれど、すぐに私は目を逸らした。

なにせ、今のひまりさんの格好は尋常じゃない。

あんな格好で布団を片付けようとなんてすれば、後ろから見たときにいろんな見えちゃいけないものが見えてしまっていた。

……下着は着けていたけど下だけだったし、明らかにここは異常なんだと思った。

 

「いやいや、もしかしたらソッチ方面に趣味を持っているとか……」

 

「彩歌さん、おふとんを運ぶのを手伝ってください〜」

 

「あっ、わかった」

 

ひまりさんが必死に布団を運ぶのを私も手伝いながら、なんとかして6つの布団を全て押入れの中に詰め終わった。

私は、ひまりさんに服を着て来るようにそれとなく促して、ひまりさんは着替えを別の部屋で行なっている。

そういえば他のみんなはどうしたんだろう?

昨日の夜に、ひまりさんが早く寝てしまって枕投げ大会が中止して、みんな早々に寝たのに私だけが遅く起きてたし、いったい今は何時なのかなと思って時計を見ようとしたら、後ろから肩を叩かれた。

 

「アヤカー、帰ってきたよー!」

 

振り返ると、流さんの他にナノちゃんと恋ヶ窪さん、そして若葉さんが立っていた。

それぞれにバケツが握られていて、覗き込むと魚が数匹泳いでいた。

恋ヶ窪さんが、私に嬉しそうに話しかける。

 

「近くに流れていた川に行ったんだけど、そこで釣りしてみたらいっぱいお魚さんが釣れたんです!」

 

「ましろも行ったけど、ながるーが川に近づかなくて不思議に思ったよぉ〜」

 

(なのか)は、陽毬くんに釣った魚が食べれるかどうか見て欲しいんだ。」

 

みんないっぺんに喋られても、私は混乱してしまうだけだった。

それでも、もっと混乱したことがあった。

流さんは身長が私より高かったのに恋ヶ窪さんより少し高い程度で、恋ヶ窪さんはいつもと変わらない筈なのにどこか暗いオーラを纏っていて、ナノちゃんはあの時のもうひとりのナノちゃんになっていた。

これはどう言うことなのかな?

混乱しながらも状況を把握すると、4人で近くの川で魚釣りをしてきたってことかな?

取り敢えずは、ひまりさんが今どこにいるのかは伝えよう。

 

「魚が釣れたのは良かったけど、ひまりさんなら今着替えに行ってるよ」

 

着替える前の格好について、聞いてみようかな。

私以外なら、起きる前に見てる筈だろうし、どうしてひまりさんの寝巻きである浴衣から、あんなハレンチな格好になったのかという謎がわかるかもしれない。

 

「ねえ、みんなってひまりさんを見て何か変だなって感じなかった?」

 

私の質問に、みんなはキョトンとして目を丸くする。

口々に、知らないだったり何か変なところでもあったのかというようになっている。

うーん、私が何か勘違いしていたのかな?

確かに私のイメージとしてはひまりさんってどこかポワポワしているけど、あんな風になるとは想像しにくい。

 

「そんなことよりさー、ひまりんが戻って来るまで何かして遊ぼうよー」

 

そう言って流さんは、テレビの前に陣取ると私の家にある最新式のゲーム機を取り出してテレビに接続し、恋ヶ窪さんとナノちゃんとともに遊びだした。

 

なんだかその光景に違和感を感じたけど……なんだったかな、昨日はゲームに飽きたからみんなで人生急落ゲームって言う悪魔みたいなボードゲームをしてたな。

 

「皆さん帰ってきていたんですか〜、お魚さんは釣れましたか〜?」

 

そう言いながら、誰かが部屋に入ってくる。

その人は、濃い茶髪を背中あたりまで伸ばしていて、綺麗に手入れがされているのがわかるくらいに艶やかで、明るい黄色の目をしていて、頭には宝石が散りばめられたティアラが載っている。

あの時の裸エプロンからずいぶん時間が経っていたように感じるけど、今のひまりさんの格好を見れば時間が経ったのにも、頷けた。

その人は、頭に乗せたティアラにとても似合っている、立派なドレスを着ていたからだ。

 

「えっと……?」

 

またもや思考が停止している間に、ゲームをしていた流さんが一旦手を止めてその人に話しかける。

 

「ひまりん、サカナ釣ってきたんだけど食べれるヤツなのかどうか見てよー」

 

「あ〜、わかりました、見てくるので待っていてくださいね〜」

 

ひまりん、と流さんはこの人をそう呼んだ。

ひまりさんを流さんはそう呼んでいて、さっき流さんに向かってこの人は、ひまりさんと同じ声で呼びかけに応じた。

 

と言うことは、この人はひまりさんだと言うことなんだと思う。

本当によく分からない、何がどうなっているのかも。

 

そうこう考えている間に、お姫様のようなひまりさんは魚を確認しに行き、流さん達はゲームをやめて雑談を始めている。

 

「昨日のボードゲームも面白かったです」

 

と言う恋ヶ窪さんの言葉にもうひとりのナノちゃんが反応して、話しだす。

 

(なのか)もとても楽しかったよ」

 

その二人にくっつくようにして、流さんも雑談加わる。

 

「いやー、面白いと思ったのは君達二人がお金持ちになったからでしょー」

 

私は、ひまりさんのことを一旦置いて昨日のボードゲームを思い出す。

あの時は私が一位(気分的には最下位)だったけど、ランキングすると、一位から、私、流さん、ひまりさん、ナノちゃん、恋ヶ窪さんという順位だった。

やり始めようと言い始めた流さんが私の次に借金が残って終わると言うのも中々面白かったけどね。

 

……あれ?

若葉さん、若葉 白(わかば ましろ)がメンバーに居ない。

私は、雑談に混じっている若葉さんを凝視する。

あの、背が恋ヶ窪さんより小さくて、真っ白な髪を伸ばしていて、クリクリとしたピンク色の可愛らしい目をした子を、改めて見つめる。

今日の朝には、一緒にリビングで寝ていた筈なのに、確実に私とひまりさんは6つの布団を片付けていたのに。

なんだかおかしい、ひまりさんの事よりも、何かが違う、そんな気がする。

 

そんな風に頭の中でぐるぐる考えているうちに、頭の中を稲妻が駆け抜けた様な衝撃が走った。

 

私は今まで何を勘違いしていたんだろう……()() ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

今、私の目の前にいる小さな少女は誰なのだろう、私達5人に見事に溶け込んでいるこの子は何者なの……?

 

「あの、あなたは…」

 

「あぁ〜、もうおしまいかぁ」

 

目の前にいる、誰だかわからない少女はそう言ってため息をついた。

私は言った言葉に意味が分からずに聞き返す。

 

「その、今の言葉は何? それに、ここはなんなの?」

 

混乱している私をよそに、その子はにっこりと無邪気に微笑んでこう言った。

 

『さあ起きて、真っ白な日常に戻ってね』

 

彩歌が居なくなり、それに気づいた他の子達を現実に戻す(めざめさせる)と、若葉 白は、一人呟く。

 

「ましろ、またやっちゃたなぁ。 ましろが起きてから学園に行かなくちゃだけど、あっちは何も覚えてないよねぇ」

 

この世界で孤独な少女は、起きるために両目をぎゅっと瞑る。

こんな不幸なんて要らないと、心の中で想いながら。

 

〜〜〜

 

私は、夢、いや、悪夢を見ていたんだと思う。

みんなどこかしら変だったし、私の友達は変わっているのかな?

 

 

 

……薄っすらと目を開けると、そこはリビングの天井では無く、私の部屋の天井だった。

頭がぼんやりしていて考えがまとまらないけど、何だかさっきまでかなりリアルな夢を見ていたように感じる。

それでも、頭の中がはっきりしてきてベットから降りる頃にはどんな夢を見ていたかを、私は忘れてしまっていた。

私は欠伸をしながら、顔を洗うために洗面所に向かう。

「ふぁあ、夢って…えっと、何だったかな?」

 

今日の日時はゴールデンウィーク真っ只中ではなく、それがあけた5月9日の月曜日だった。

ゴールデンウィークの中でも所々学園に行く日はあったけど、今日から本格的に学園自体が稼働したって感じだと思う。

 

私は洗面所にある蛇口をひねって冷たい水を出すと、それを両手いっぱいに溜めて私の顔に浴びせる。

 

よし、冷たい……けれど、これで目がはっきりと覚めた。

今日も一日頑張ってみようと、私にしては珍しくそんなことを思ったのだった。




えー、この度は陽毬ちゃんの格好について、夢とはいえ少々やりすぎたと思っています、大変申し訳ありませんでした。

……完全に僕の趣味ですので、裸エプロンにパンツ有り無し問題につきましては一切の責任を持てません。(僕個人としては無し派ですが)

さて、茶番を終えたことで、不思議なテイストの34話でした!

〜次回予告〜

いつもの日常(平日)に戻った彩歌たちは、それぞれ朝に会った奇妙な同じクラスの人の話をする。

果たして、その人物達とは?

次回、Lucky.34 さっさと


若葉 白ちゃんについては、もう少し後になってからおんハピ♪メンバーと関わっていく予定なので、今後をお楽しみに!

と言うことで、ちょっとしたプロフィール。

不幸タイプ…不明
番号…未定
わかば ましろ
若葉 白
元ネタ…白糸台駅と、あんハピ♪アニメの黒板に書かれていた日直の生徒の苗字(若葉)から
性格:???

まあ、空白だらけのプロフィールですね……。

今回もですが、毎度毎度読んでくださるあなたに感謝を!

ではでは〜!
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