とあるお昼時。
「まー、そんなわけでさ、部活も結構キツいんだよねー」
水泳部の練習……と言っても夏前なので筋トレ……を頑張っている流さんは少し自嘲気味にそう言った。
その傍らには、購買で買ってきたパンが広げられている。
「なるほど〜!水泳部でも一年中プールに入らないんですね〜」
「・・・・屋外・・・だし・・・・」
2人は同じ弁当を食べながら反応を示す。
「その、流さんってやっぱり将来は水泳選手になりたいとか?」
流さんの泳ぎは運動先行の4〜6組の水泳部と引けを取らないモノだと聞く。
やっぱり将来的には、そういうのを活かすのだろうか?
「そうだねー、どうしよっかなあーーー」
短い髪を揺らしながら、天井を仰いで悩ましげに言う。
「将来の夢……ボクはあるんですよ!」
ガタリ、と椅子から立ち上がって恋ヶ窪さんがここぞとばかりに言う。
「そう………ボクがなりたいのは………名・探・偵、です!」
紅い瞳を輝かせてドヤ顔を浮かべている恋ヶ窪さんを、流さんが立ち上がって背後から抱きつく。
「それじゃー、しーちゃんは身体はコドモ、頭脳はオトナってことかなーー!」
「それは違う名探偵ですよ!」
抱き付くのを何とかやめさせようと、もがく恋ヶ窪さん……が、手足をパタパタさせているだけで体格差的にも流さんに勝てない。
「ふふっ、おふたりはいつも通り仲良しさん
ですね〜」
そう、ひまりさんがにこやかに言いながら、話題を続ける。
「それで、彩歌さんは何になりたいんですか〜?」
私の将来………か。
何になりたいんだろう?
考えたことはあんまりなかったかな。
「わたしはですね〜、海外進出とかですかね〜」
私が何も言わないことに気を遣ってくれたのか、ひまりさんは自分の話を続ける。
「鳳玉亭の和食の味を、日本の文化を世界に届けれたらなぁ〜なんて思います」
その為には英語頑張らないと〜、なんて、嬉しそうに夢を語ってくれた。
「アヤカ・・・ワタシは・・・・・んっ、何でも……………絵描きか、遊園地か・・・どうなん・・・だろ・・」
ナノちゃんは何か言いたそうにしていたけど、少し俯いて黙ってしまった。
彼女は彼女で思う事もあるのかも知れない。
「んー?どしたのひまりん達?」
恋ヶ窪さんを解放して、元の席に戻った流さんが私たちの話に再び加わる。
「将来の夢とか、決まるまで時間かかると思うです。ボクだって散々悩みましたし」
澄ました顔で言うけれど、恋ヶ窪さんの夢は名探偵という、ある意味子供じみたものなんだけどね……。
「いや、私は何になりたいのかなって思って」
なりたいものとか、考える暇なんてなかったのかも、自分の不幸を呪うような真似をしてて、前が見えなくて。
入学式の雨の日みたいに、ナニカに躓いていたのかも知れない。
「んー、いや、またじっくり考える事にする」
私の周囲を見渡す。
そこには、小さいながらも妹想いの恋ヶ窪さん、世話好きなんだけど決して甘やかさないひまりさん、自分と向き合って私と接してくれたナノちゃん、笑いながら話しかけてくれた流さん、そんな優しい人たちが居る。
将来の事は分からないけど、今は、今だけのこの時間を大切にしよう。
きっと今を過ごして積み重ねた先に、未来が、将来が拓けるのだろうから。
恋ヶ窪さんが再び立ち上がり、とうとうと語り出す。
「頭脳は大人、見た目は子供、小さくなっても頭脳は同じ、迷宮無しの名探偵、真実はいつもひと……」
「ちょっと待って恋ヶ窪さん、ソレは言っちゃダメなやつだから」
そんな風に精一杯にツッコミをしていたら、ランチタイムが終わろうとしていた。
こんばんは、レッド!です。
失踪してたわけじゃないですよ〜、色々忙しかっただけです。
まあ、CUE!というゲームにハマってpixivの方でss書いていたのですが……。
もちろんそれだけのはずはなく、勉強やらテストやらに追われていたのですが。
おんハピ♪を短めに書いただけでしたが、やっぱり書いてて楽しい。
これからもかなり期間が空くと思いますがお待ちくださいませ。
ではでは〜!