U-1341、ドジっ子赤血球と出会う
細菌がいると思わしき場所に急行する白血球のU-1341とU-1146。その時に同じ白血球であるU-2626とU-2048と合流する。
「おっ…1341番に1146番!お前達も細菌を?」
「
「だからそのあだ名はやめてくれって言ってるだろ!?」
U-1341にあだ名で呼ばれたことに恥ずかしながらもやめてくれと頼むU-2048だが、U-1341はそれは無理と答える。
「しょうがないでしょ?同じ白血球とはいえ番号が名前なんて呼びにくいから番号に因んだあだ名の方が可愛気があるでしょう?」
「だからってこんな恥ずかしいあだ名はないだろう!?」
「そう?私は結構好きだけど?……とにかく、この先まっすぐに細菌がいると思うわ。先に行くわ!」
そう言ってU-1341は懐から自作のワイヤーガンを取り出して一般細胞のマンションの壁にアンカーを撃ち込んで一瞬でマンションの屋上に到達する。因みにワイヤーガンも刀同様に許可をもらってある。ワイヤーガンを器用に使いながらも立体機動をしながらも細菌がいる場所に急行するのであった。
「あいつ……前から思ってたんだが、何であんな装備なんかを作ったんだろうな?」
「さあ?特にあのワイヤーガンってやつ、あれ使わなくても遊走を使えば早いんじゃないか?」
U-2626とU-2048がU-1341が作った道具に理解できなかったが、今はただ細菌がいるところに向かうだけであった。
他の白血球達と合流を果たしたU-1341とU-1146はレセプターの反応を頼りに細菌がいる場所に向かう数分前……
動脈の一般細胞達が住むとあるマンションで酸素を運び、一般細胞に酸素を手渡す赤血球AE3803の姿があった。
「お待たせしましたー。こちら本日分の酸素になります!こちらにハンコをお願いしますね」
「ドーモーご苦労さま」
「いえっまたお願いします!……ん?」
酸素を運び終えたAE3803は動脈を後にしようとした途端、血管内皮細胞(人間でいう細胞たちの地面)に亀裂が入ると徐々に大きくひび割れてゆき、他の細胞たちもこの異常なことに気づいて直ぐに離れる。
「へっ?な…なんだこりゃ!わわっ…なに!?」
「うわっやべー!来るぞっ!」
「不味い逃げろー!」
その瞬間、血管内皮細胞が割れ、大気が噴き出した。
「うぉわーーー!!血管内皮細胞がー!!!」
割れた血管内皮細胞から青紫色の人型の生物が数体も出てきた。その正体は外敵である細菌だ。
「ほー、なかなか居心地良さそうな所じゃねえか?暑すぎず寒すぎず。食い物も腐るほどあるなこりゃあ。わざわざ入ってきた甲斐があったぜ……決めたぜ!今日からここは俺たちの国だ!!!」
「ひぃ……!」
「みんな逃げろー!!」
これを合図に赤血球と一般細胞達が一斉に逃げ出すが、赤血球AE3803は腰を抜かして動けずにいた。すると細菌は目の前のAE3803を睨みつける。
「まずは…邪魔な住民どもを掃除するとしよう!!」
「きゃあああああ!!」
青紫色の人型の生物はそのままAE3803に襲いかかる。その時に細菌の足元に細菌以外の影が増えたことに気づいた細菌は上空を見上げると……
「……ん?なんだ……ぐわっ!」
細菌の上に何かが伸し掛かる。
「な……なんだてめえ「ふんっ!」ぎゃあああああ!!」
細菌は伸し掛かった何かの確認した途端に首は跳ね飛ばされて、正体を確認できぬままそのまま絶命した。その正体は白血球U-1341が細菌の首を跳ね飛ばしたからである。そして他の細菌達はU-1341に続いてやって来たU-1146白血球達によって駆除されていた。
「くそっよくも仲間を!「この雑菌野郎!!」ぐわあああああ!?」
「死ねー!!」
「ぐっはあああああ!!」
「オラァ!!」
「ぐああああ!!なんだこいつら!?」
あらかた細菌を駆除を終えたと同時にU-1146がナイフをしまい、通信機に他の白血球達に連絡を入れる。
「こちら白血球好中球課U–1146番。侵入した細菌の駆除完了」
「いい皆?さっきの細菌は今ので全部とは限らないわ、ここいらの捜索範囲を広げて徹底的に探し出して細菌を見つけるわよ!細菌は発見次第
「了解だ。いいか、1341番が言ったように細菌は一匹も逃すな!一匹でも逃げたら大変なことになるからな!!発見次第に駆除するように!!」
「「「了解っ!!」」」
白血球達は残りの細菌がいないか捜索しながらも死んだ細菌を処理するのであった。その際に白血球の行動を見ていた一般細胞と赤血球達は怖く感じるのであった。ただし、一人の赤血球をのぞいて………
「ん…どうしたの?」
「あっハイ!いや…あの。た…助けてくれてありがとうございます。危ないところを…」
「気にしなくていいわ、これが白血球の仕事だからね。……けど、礼は受け取っておくね」
「1341番、細菌の捜索に向かうぞ。むっ…その赤血球は?」
「え…えっと、私は「さっきの細菌に襲われかけたところを私が助けた赤血球よ」あ…はい、そうです!」
「そうか……それじゃ直ぐに細菌を探しに行くぞ」
「わかっているわ。それじゃあね」
U-1341はAE3803との会話を終えた後に直ぐU-1146と共に細菌の捜索するのであった。
一方の白血球からなんとか逃れられ、生き残った細菌は遠くで白血球達を睨んでいた。
「くそぉ、白血球め……このままで終わると思うなよ…!」
そう言って細菌はある場所に向かうべくその場を後にした。