それでは、第4話を始めていきます。
「僕に力を貸して、『ヒューマンズソウル・
「さあ、暴れ回るぜ……『ワイバーンキッド・ラグラー』!」
二人の
「な、なんだ……そのカード……?」
「『アンダーテール』なんてクラン、聞いた事ねぇぞ……?」
「拳輔お兄ちゃんはどう?」
「いや、僕も聞いた事は無いね。ただ、こうしてカードとして現存する辺り、ちゃんとしたカードなのは間違いないんだろうけど……この『ヒューマンズソウル・決意』というカードのイラストに描かれている人物、どこかフリスクさんとキャラさんに似ているような……?」
その瞬間、拳輔達の視線がフリスクとキャラに集中したが、二人は笑みを浮かべながら首を横に振った。
「あはは、それは気のせいですよ」
「そうそう。まあ、『アンダーテール』のデッキを渡したのはたしかに私達ですけど、あくまでも私達は渡すように言われたような物なので、そのデッキとはあまり関係はありませんよ」
「そ、そう……まあ、二人がそう言うならこれ以上は訊かないけど……」
「そうしてくれると助かるかな」
聖凪の言葉を聞き、フリスクがニコリと笑って頷く中、龍聖は真剣な表情を浮かべながら紅貴に声を掛けた。
「さて……それじゃあそろそろファイトを始めようか、紅貴君」
「……あ、ああ」
「それじゃあ僕のターンからだね、ドロー」
龍聖はニコリと笑ってからドローしたカードを手札に加えると、手札の内の1枚を『ヒューマンズソウル・決意』の上に重ねた。
「僕は『ヒューマンズソウル・決意』に『不思議な金色の花 フラウィー』をライド。この時、『ヒューマンズソウル・決意』のスキルを発動。このユニットがライドされた時、デッキからカードを1枚ドローし、このカードを手札に戻す。僕はカードを1枚ドローして、『ヒューマンズソウル・決意』を手札に戻す」
「カードを1枚引ける上に手札に戻るユニット……」
「まあ、戻ったところでこのユニットはノーマルコールは出来ないんだけどね──引けたのはこのカードか……。そして次に、『不思議な金色の花 フラウィー』のスキルを発動。このユニットの登場時、あなたの山札から『ヒューマンズソウル』とつくカードを1枚探し出し、それをソウルに置いてよい。ソウルに置いたら、デッキをシャッフルし、デッキからカードを1枚ドローする。僕は山札から『ヒューマンズソウル・
「ああ。それにしても……また手札を増やすんだな」
「まあね。さて……と、それじゃあデッキからカードを1枚ドローして、僕は手札から『謎多きカエル フロギー』を
「分かった。それじゃあ俺のターン、ドロー!」
紅貴は勢い良くデッキからカードをドローすると、手札の内の1枚を『ワイバーンキッド・ラグラー』の上に重ねた。
「俺は『鎧の化身 バー』をライド! この時、『ワイバーンキッド・ラグラー』のスキルを発動して、カードを1枚ドローするぜ。そして、『ドラゴンナイト・ブルジュ』を(V)の後ろに、『リザードソルジャー・ラオピア』を前列の右側の
「早速展開してきたね、紅貴君……!」
「へへ、まあな! さて……『ドラゴンナイト・ブルジュ』のブーストでパワーが14000になった『鎧の化身 バー』で『不思議な金色の花 フラウィー』にアタック!」
「……ノーガード」
「うっし……それじゃあ、ドライブチェック──『ドラゴニック・ウォーターフォウル』、ノーマルユニットだからそのまま手札に加えるぜ」
「ダメージチェック──『不思議な金色の花 フラウィー』、ノーマルユニットだからそのままダメージゾーンへ」
「じゃあ次だ! パワー8000の『リザードソルジャー・ラオピア』で、『不思議な金色の花 フラウィー』にアタック!」
「それもノーガード。ダメージチェック──『暗躍する金色の花 フラウィー』、ノーマルユニットだからそのままダメージゾーンへ置くよ」
「へへっ、これでダメージ2枚だな。俺はこれでターンエンドだ!」
「了解。それじゃあ僕のターン、ドロー。僕は『不思議な金色の花 フラウィー』に『暗躍する金色の花 フラウィー』をライド。そして、『暗躍する金色の花 フラウィー』のスキルを発動。このユニットの登場時、山札から『ヒューマンズソウル』とつくカードを1枚探し出し、ソウルに置いてよい。置いたら、デッキをシャッフルし、そのターン中、このユニットのパワーを+5000する。僕は山札から『ヒューマンズソウル・
「おう──ほらよ、終わったぜ」
「うん、ありがと。そして、『暗躍する金色の花 フラウィー』のもう一つのスキルを発動。1ターンに1回、他のユニットをソウルに置くことで、山札から『転生せし金色の花 フラウィー』を1枚探し出し、それを手札に加える。そしてデッキをシャッフルし、そのターン中、このユニットはパワーが+5000される」
「つまり……次のターンに順当にライド出来る上にこのターンだけでもパワーが+10000されるって事か!?」
「そういう事。僕は(R)の『謎多きカエル フロギー』をソウルに置き、山札から『転生せし金色の花 フラウィー』を手札に加えて、『暗躍する金色の花 フラウィー』のパワーを+5000するよ。後はデッキをシャッフルして……紅貴君、もう一度カットをお願い」
「お、おう──ほら、終わったぞ」
「ありがと。そして次に、『心優しきゴースト ナプスタブルーク』を前列の両側の(R)に1枚ずつ、『二面性を持つ大目玉 ルークス』を(V)の後ろ、『美味しい野菜 ベジトイド』を後列の右側の(R)にコール」
「へえ……結構コールしたけど、『かげろう』相手にそんなにコールしても良いのか?」
「良いよ。それくらい強気じゃないと、たぶん勝てないからね」
紅貴からの問い掛けに龍聖がニッと笑いながら答えていると、フリスクはハッとした様子で龍聖に話しかけた。
「龍聖、『かげろう』はたしか『退却』が得意なクランなんだったよね?」
「そう。そして、それをスイッチにしたスキルを持つユニットも多いけど、この選択は間違ってないって僕は信じてるよ。なにせ、僕には『あのユニット』がついてるからね」
「あのユニット……あっ、そういう事か!」
「なるほど……たしかにあのカードがあるなら、その方が良さそうだね」
龍聖の言葉にフリスクとキャラが納得した様子を見せると、紅貴は少し怯えたような表情を浮かべながら龍聖に話しかけた。
「な、なんだよ……そんなに強いユニットでもいるってのかよ……?」
「いるよ。もっとも、その出番はもう少し後だけどね。さて……それじゃあ行くよ、紅貴君! まずは左側の(R)にいる『心優しきゴースト ナプスタブルーク』で『リザードソルジャー・ラオピア』にアタック! ブーストは無いから、パワーは10000のままだよ」
「……ノーガード」
「それじゃあ次、『二面性を持つ大目玉 ルークス』のブースト、『暗躍する金色の花 フラウィー』で『鎧の化身 バー』にアタック! この時、『二面性を持つ大目玉 ルークス』のスキルを発動! (R)にいるこのユニットかブーストしたユニットがアタックした時、このユニットのパワーを+5000する。このスキルによって、パワー8000の『二面性を持つ大目玉 ルークス』はパワー13000となり、合計パワーは33000になる!」
「パワー33000か……だったら、ノーガードだ!」
「分かった。それじゃあドライブチェック──『ヒューマンズソウル・
「げっ、ここでクリティカルトリガーかよ!?」
「パワー+10000は右側の『心優しきゴースト ナプスタブルーク』に、クリティカルは『暗躍する金色の花 フラウィー』に与えるよ」
「……はあ、だよな。それじゃあダメージチェック、1枚目──『クルーエル・ドラゴン』、ノーマルユニットだからそのままダメージゾーンへ。2枚目──『レッドジェム・カーバンクル』、ドロートリガーゲットだぜ! パワーを『鎧の化身 バー』に与えて1枚ドローするぜ」
「それじゃあ今度は、『美味しい野菜 ベジトイド』のブーストでパワーが28000になった『心優しきゴースト ナプスタブルーク』で『鎧の化身 バー』にアタック!」
「必要なガード値は15000か……だったら、ノーガードだ。ダメージチェック──『鎧の化身 バー』、ノーマルユニットだからそのままダメージゾーンへ」
「ここでノーガード……だいぶ思い切ったね」
「まあな。ただ、ここから巻き返せば問題は無いぜ!」
「そうだね。でも、そう上手くは行くかな?」
「……何?」
龍聖の言葉に紅貴が眉をひそめると、龍聖は楽しそうな笑みを浮かべながら『美味しい野菜 ベジトイド』ヘと手を伸ばした。
「『美味しい野菜 ベジトイド』のブーストしたアタックがヒットから、『美味しい野菜 ベジトイド』のスキルを発動。このユニットのブーストしたアタックがヒットした時、このユニットをソウルに置くことで、レスト状態になっているリアガードを1枚選択し、それをスタンド状態にし、そのターン中、パワーを+5000する」
「はあ!? そのクラン、そんな動き方までするのか!?」
「ふふ、まあね。僕は『美味しい野菜 ベジトイド』をソウルに置き、前列の右側の(R)にいる『心優しきゴースト ナプスタブルーク』をスタンド状態にして、パワーを+5000するよ。そして、合計パワーが25000になった『心優しきゴースト ナプスタブルーク』でもう一度『鎧の化身 バー』にアタック!」
「くっ……だったら、『槍の化身 ター』でガードだ!」
「うん、了解。これで僕はターンエンドだよ」
「分かった……それじゃあ俺のターン、ドロー! 俺は『バーニングホーン・ドラゴン』にライド。そして、『ドラゴンナイト・ネハーレン』を前列の右側の(R)にコールして、『ドラゴンナイト・ネハーレン』のスキルを発動! このユニットの登場時、コストを支払うことで、相手の後列にいるリアガードを1枚選び、退却させ、このユニットのパワーを+5000する。俺は
「う……やっぱり、そう来るよね……」
「そして、俺は手札の『クルーエル・ドラゴン』を前列の左側の(R)にコール!」
紅貴が手札から抜き取った『クルーエル・ドラゴン』を(R)に置くと、フリスクは『クルーエル・ドラゴン』を見ながらとても驚いた様子を見せた。
「えっ……(V)の『バーニングホーン・ドラゴン』はグレード2なのに、どうしてグレード3の『クルーエル・ドラゴン』をコールできるの?」
「それが『クルーエル・ドラゴン』のスキルだからだよ。『クルーエル・ドラゴン』は自分のターンに相手のリアガードが退却した時、自分のヴァンガードがグレード2以下でもノーマルコール出来るんだ」
「な、なるほど……」
「まっ、『クルーエル・ドラゴン』の強いところはそれだけじゃないけどな。さて……それじゃあそろそろアタックさせてもらうぜ! 『ドラゴンナイト・ネハーレン』で『心優しきゴースト ナプスタブルーク』にアタ──」
「あ、言っておくけど、『心優しきゴースト ナプスタブルーク』は永続効果でアタックされてもそれはヒットしないからね」
「はあ!? そんなのありかよ! うー……じゃあ、『ドラゴンナイト・ネハーレン』で『暗躍する金色の花 フラウィー』にアタック!」
「ノーガード、かな。ダメージチェック──『二面性を持つ大目玉 ルークス』だったから、そのままダメージゾーンへ置くよ」
「それじゃあ次だ! 『ドラゴンナイト・ブルジュ』のブースト、パワーが16000になった『バーニングホーン・ドラゴン』で『暗躍する金色の花 フラウィー』にアタック!」
「……流石にそろそろガードしないといけないね。『ヒューマンズソウル・正義』と『ヒューマンズソウル・誠実』の2枚でガード!」
「シールド値20000って事は……トリガーが出てもこのアタックはヒットしないけど……まあ、良いや。ドライブチェック──『レッドジェム・カーバンクル』、ドロートリガーゲットだ。パワー+10000は『クルーエル・ドラゴン』に与えて、1枚ドローするぜ。そして、パワーが23000になった『クルーエル・ドラゴン』で『暗躍する金色の花 フラウィー』にアタック!」
「……ノーガード。ダメージチェック──『ヒューマンズソウル・
「『クルーエル・ドラゴン』のヴァンガードへのアタックがヒットした事で、『クルーエル・ドラゴン』のスキルを発動! (R)にいるこのユニットのアタックがヒットした時、このユニットを手札に戻すことで、
そう言いながら紅貴がデッキの一番上のカードを捲った瞬間、紅貴はとても嬉しそうな笑みを浮かべ、龍聖は逆にとても悔しそうな表情を浮かべた。
「『ファイアレイジ・ドラゴン』……これがSCされた意味、お前なら分かるよな?」
「……もちろん、だよ。けど、『アンダーテール』のみんながいるから、『あのカード』は特に怖く無いよ」
「……へへ、言うじゃねぇか。まあ、良いさ。これで俺はターンエンドだ」
「了解。それじゃあ僕のターン、ドロー! 僕は『暗躍する金色の花 フラウィー』に『転生せし金色の花 フラウィー』をライド。この時、『転生せし金色の花 フラウィー』は『フォース』の『イマジナリーギフトアイコン』を持っているので、僕は『フォースⅡ』を獲得して、それを(V)に置くよ。そして更に『転生せし金色の花 フラウィー』のスキルを発動。このユニットが(V)に登場した時、SC2をし、その中にトリガーユニットがいるなら、このターン中、その数だけパワーを+1000する」
「またSCか……そのクラン、なんだか『ダークイレギュラーズ』とか『ペイルムーン』みたいだな」
「あはは、たしかに
「このデッキはって事は……アンダーテールの本質はそれじゃないって事か?」
「そうなるね。さてと……まずはSCをするね」
そう言うと、龍聖はデッキの上から2枚を次々と捲り、それを確認すると、とても嬉しそうな笑みを浮かべた。
「ソウルに入るのは、『ヒューマンズソウル・正義』と『ヒューマンズソウル・不屈』の2枚。どちらもトリガーユニットだから、『転生せし金色の花 フラウィー』はこのターン中、パワーが+2000される」
「これでパワーは15000か……まあ、グレード4を相手にしてるのと何ら変わらないし、大した事は──」
「更に、ここで『転生せし金色の花 フラウィー』のスキルを発動するよ」
「なっ! まだ何か発動するのか!?」
「うん。『転生せし金色の花 フラウィー』の二つ目のスキル、ソウルにトリガーユニットがあるなら、そのターン中、その数だけパワーを+1000する。ソウルの中のトリガーユニットは合計で4枚。よって、『転生せし金色の花 フラウィー』のパワーは合計で19000になるよ」
「『フォースⅡ』なのに、ブースト無しで19000……また厄介なユニットが出て来たもんだな」
「あはは、紅貴君からすればそうだろうね。さて……そろそろアタックしようかな。左側の『心優しきゴースト ナプスタブルーク』で『ドラゴンナイト・ネハーレン』にアタック!」
「……ノーガードだ」
「それじゃあ次だ! パワー19000の『転生せし金色の花 フラウィー』で『バーニングホーン・ドラゴン』にアタック!」
「それはガードさせてもらうぜ! 『ドラゴンモンク・ゲンジョウ』でガードだ!」
「シールド値20000って事は……トリガーユニットが2枚出れば良いんだね。それじゃあ『ツインドライブ!!』、ファーストチェック──『謎多きカエル フロギー』、ノーマルユニットだから、そのまま手札に。セカンドチェック──『ヒューマンズソウル・勇気』、クリティカルトリガーゲットだよ! パワー+10000とクリティカル+1は全てもう1枚の『心優しきゴースト ナプスタブルーク』に与えるよ。そして、パワーが20000になった『心優しきゴースト ナプスタブルーク』で『バーニングホーン・ドラゴン』にアタック!」
「それはガード出来ないな……それじゃあダメージチェック、1枚目──『ドラゴンナイト・ネハーレン』、ノーマルユニットだから、そのままダメージゾーンへ。そして2枚目──『バーニングホーン・ドラゴン』、これもノーマルユニットだから、そのままダメージゾーンへ置くぜ」
紅貴が『バーニングホーン・ドラゴン』をダメージゾーンへ置く中、フリスクとキャラと聖凪は顔を見合わせながら嬉しそうに頷き合った。
「これで相手のダメージは5、これなら勝てるかも!」
「うん。さっき言ってたカードの存在は気になるけど、このまま行ければリュウセイは勝てるはず」
「そうだね!」
そして、そんなフリスク達の姿に龍聖はクスリと笑ったが、すぐ真剣な表情へ戻ると、闘志に満ちた視線を向けてくる紅貴に話し掛けた。
「これで僕はターンエンドだよ、紅貴君」
「おう! それじゃあ俺のターン、ドロー!」
紅貴は勢い良くカードを引くと、手札の内の1枚を抜き取り、静かに目を閉じた。
「清らかなる白竜、その聖なる力で数多の敵達の全てを洗い清めろ! ライド、『ドラゴニック・ウォーターフォウル』!」
「遂に来たね、『ドラゴニック・ウォーターフォウル』……!」
「へへっ、コイツは俺の切り札だからな。さっきみたいにいつだって俺の来て欲しい時には来てくれるんだ。そして、『ドラゴニック・ウォーターフォウル』は『フォース』の『イマジナリーギフトアイコン』を持っているから、俺は『フォースⅠ』を獲得して、それを(V)に置くぜ。更にここで『ドラゴニック・ウォーターフォウル』のスキルを発動! このユニットの(V)登場時、グレード2以上の相手のリアガードを1枚選び、退却させる。俺は右側の『心優しきゴースト ナプスタブルーク』を選択するぜ!」
「くっ……!」
「更に『クルーエル・ドラゴン』を前列の右側、『ドラゴンナイト・ネハーレン』を前列の左側の(R)にコール。さあ、行くぜ! 『ドラゴンナイト・ブルジュ』のブースト、『ドラゴニック・ウォーターフォウル』で『転生せし金色の花 フラウィー』にアタック! そしてここで『ドラゴニック・ウォーターフォウル』のもう一つのスキルを発動! (V)にいるこのユニットのアタック時、コストを支払うことで、そのバトル中、このユニットのパワーを+10000、クリティカルを+1し、相手は
「くっ……それなら、『心優しきゴースト ナプスタブルーク』でインターセプトしてスキルを発動! このユニットがインターセプトをした時、コストを支払うことで、そのバトル中、アタックはヒットされない。僕はCB1とSB1を支払い、『心優しきゴースト ナプスタブルーク』を山札に戻して、そのアタックをヒットされなくするよ!」
「なっ……守護者じゃないのに完全ガードできるのか!? くそっ……『ツインドライブ!!』ファーストチェック──『ドラゴンモンク・ゲンジョウ』、ヒールトリガーゲットだ。パワー+10000を『ドラゴンナイト・ネハーレン』に与えて、ダメージを1枚回復。そしてセカンドチェック──『ドラゴンナイト・ブルジュ』、ノーマルユニットだから、そのまま手札に加える」
「ふぅ……これでどうにかなったかな……」
「ふん、安心するのはまだ早いぜ! パワーが20000になった『ドラゴンナイト・ネハーレン』で『転生せし金色の花 フラウィー』にアタック!」
「それなら『ヒューマンズソウル・勇気』でガード!」
「だったら、『クルーエル・ドラゴン』で『転生せし金色の花 フラウィー』にアタックだ!」
「うっ……ノーガード! ダメージチェック──『ヒューマンズソウル・不屈』、ドロートリガーゲットだよ! パワー+10000を『転生せし金色の花 フラウィー』に与えて、カードを1枚ドロー!」
「ちっ……このターンで仕留めきれなかったか……。まあ、良いさ。『クルーエル・ドラゴン』のアタックがヴァンガードにヒットした事で、俺は『クルーエル・ドラゴン』を手札に戻し、デッキの一番上をSCしてターンエンドだ」
「了解。それじゃあ僕のターン、ドロー」
龍聖はカードをドローすると、手札の内の1枚を抜き取り、ニコリと微笑みかけてからそれを『転生せし金色の花 フラウィー』に重ねた。
「心優しきモンスター達の女王よ、その慈愛の心を以て仲間達に幸せと安寧を! ライド、『遺跡の守護者 トリエル』!」
「『遺跡の守護者 トリエル』……それがさっき言ってたユニットか?」
「そうだよ。そして、『遺跡の守護者 トリエル』も『フォース』の『イマジナリーギフトアイコン』を持っているから、僕は『フォースⅡ』を獲得し、それを前列の左側の(R)に置く。更に『遺跡の守護者 トリエル』のスキル、僕のターン中、僕のリアガードは全てパワーが+5000される。そして、『転生せし金色の花 フラウィー』を前列の左側、『謎多きカエル フロギー』を(V)の後ろにコール。さあ、行くよ! パワーが13000になった『謎多きカエル フロギー』で『ドラゴニック・ウォーターフォウル』にアタック!」
「はあ!? ソイツ、後ろからでもアタックできるのか!?」
「うん、『謎多きカエル フロギー』は、後列の(R)にいる時、同じ縦列にいる相手のユニットにアタックできるんだ」
「くっ……だったら、『ドラゴンナイト・ネハーレン』でインターセプト!」
「それじゃあ次だ! パワーが18000になった『転生せし金色の花 フラウィー』で『ドラゴニック・ウォーターフォウル』にアタック!」
「それは『ドラゴンモンク・ゲンジョウ』でガードだ!」
「それじゃあ次! 『遺跡の守護者 トリエル』で『ドラゴニック・ウォーターフォウル』にアタック! この時、『遺跡の守護者 トリエル』のスキルを発動」
「またスキルか……今度は何が……」
「(V)にいるこのユニットが相手のヴァンガードにアタックした時、このユニットのパワーは-5000される」
「……は? 自分のパワーが低くなるスキル、だと……?」
「うん、だから『遺跡の守護者 トリエル』のパワーは8000になるけど、これはガードする?」
「え、うーんと……これは『ワイバーンガード バリィ』を(G)にコールして完全ガードだ! そしてコストとして、手札の『クルーエル・ドラゴン』をドロップゾーンに置くぜ」
「分かった。それじゃあ『ツインドライブ!!』、ファーストチェック──『遺跡の守護者 トリエル』、ノーマルユニットだから、そのまま手札に。そしてセカンドチェック──『不思議な金色の花 フラウィー』、ノーマルユニットだから、これもそのまま手札に」
「ふぅ……ヒヤヒヤしたが、これで次の俺のターンで何とか──」
「それじゃあ、『遺跡の守護者 トリエル』のアタックがヒットしなかったので、ここで『遺跡の守護者 トリエル』の最後のスキルを発動!」
「なっ!?」
「このユニットのアタックがヒットしなかった時、コストを支払うことで、あなたのレスト状態になっているリアガードを全てスタンド状態にし、そのターン中、パワーを+5000する!」
「嘘だろ……今度は『アクセル』のクランみたいな事をしてくるなんて……」
『遺跡の守護者 トリエル』のスキルに紅貴が絶望的な表情を浮かべる中、龍聖はスタンドさせた『転生せし金色の花 フラウィー』に手を掛けた。
「さあ行くよ、紅貴君! パワーが23000になったクリティカル2の『転生せし金色の花 フラウィー』で『ドラゴニック・ウォーターフォウル』にアタック!」
「く……ノーガード! ダメージチェック、1枚目──『ワイバーンガード バリィ』、ドロートリガーゲットだ! パワーを『ドラゴニック・ウォーターフォウル』に与えて、カードを1枚ドロー! そしてセカンドチェック──」
そして、紅貴は震える手でカードを捲り、それを確認すると、とても悔しそうな表情を浮かべながらそのカードを龍聖へと見せた。
「『ドラゴニック・ウォーターフォウル』……ノートリガーだから、俺の負けだよ……」
「紅貴君……」
「……あー! スッゲぇ悔しいー! あと一歩で勝てたのに、そこを耐えられた上に逆転負けされたのがスッゲぇ悔しい!」
「あ、あはは……まあ、僕も同じ立場だったら、そう思ったと思うよ」
「だろ!? というか、本当にそのクランは何なんだよ? 『フォース』のクランなのに『アクセル』や『プロテクト』みたいな動き方もするしさ……」
「うーん……僕もまだまだ謎が多いんだけど、強いて言うならとても頼りになる大切な仲間、かな?」
「……『リンクジョーカー』や『ロイヤルパラディン』と同じく、か?」
「うん。出会ってからまだ本当に日は浅いけど、他の二クランと同じで大切な仲間だよ」
「……そっか。まあ、お前ならそう言うと思ったけどさ……」
溜息交じりにそう言った後、紅貴はニッと笑いながら龍聖にスッと右手を差し出した。
「なんにせよ、良いファイトをありがとな、龍聖」
「紅貴君……うん、こちらこそ!」
そして二人が固く握手を交わすと、それを見ていたキャラはクスリと笑ってから紅貴に話し掛けた。
「残念だったね、コウキ。でも、本当に良いファイトを見せてもらったよ」
「お、おう……サンキューな、キャラ……」
「ふふ……まあでも、さっきのファイトはどちらかと言うならリュウセイの方がカッコ良かったかな。そうだよね、セイナ?」
「え? ま、まあ……」
「ぐ……やっぱりそう言われちまうかぁ……」
「けど、君も少なくともカッコ良かったとは思うし、次はどう思うかは分からないよ?」
「そ、そうか……?」
「うん。だから、次も頑張ってね、コウキ」
「お、おう……!」
キャラの言葉を聞いて紅貴が嬉しそうに返事をする中、拳輔は『アンダーテール』のデッキを興味深そうに見ていた。
「それにしても……本当に不思議なデッキだね。龍聖君、このデッキのカード以外にも『アンダーテール』にはユニットがいるんだよね?」
「はい。他にも色々なスキルを持ったユニットがいますよ」
「そっか……『アンダーテール』、中々興味深いクランだね」
「ふふ、僕もそう思います。だからこそもっと『アンダーテール』でもファイトをして、もっと『アンダーテール』のユニットの事を知りたいと思っています」
「ああ、僕もそれが良いと思うよ。さて……君達以外のお客さんもやってきた事だし、僕はそろそろ仕事に戻るよ」
「あ、はい」
そして、拳輔がレジカウンターへ向けて歩いていくと、紅貴は再びニッと笑いながら龍聖に話し掛けた。
「龍聖、せっかくだからもう一回ファイトしようぜ! 今度は賭けは無しでな!」
「紅貴君……うん、やろう!」
龍聖は大きく頷きながら答えた後、フリスク達が見守る中で再び『アンダーテール』のデッキをプレイマットの上へと置いた。そして、FVの準備やデッキのシャッフルなどの準備を終えると、二人はそれぞれのFVに手を掛けた。
「行くよ、紅貴君!」
「おう!」
「「スタンドアップ、ヴァンガード!」」
第4話、いかがでしたでしょうか。今回の終わり方が前回と同じようになっていますが、次回はアンダーテールでのファイト回では無く、既存クラン同士のファイト回にしようと思っていますので、お楽しみに。
そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
それでは、また次回。