〝金色の戦士〟を撃退せよ! 作:仙豆
「アインズ様、パンドラズ・アクター様が面会を求めております」
「ん? ……構わん、通せ」
ある日の昼下がり、ナザリック地下大墳墓、執務室にて。そろそろ皆に昼休憩でもと思っていた頃、唐突に訪れた来訪者。側に控えるアルベドと視線を交わすが被りを振られた。守護者統括である彼女も何も聞いてないらしい。一般メイド、シクススの言葉に鷹揚に頷きながら、アインズは内心疑問を抱いた。
(珍しいな、何だろう?)
大概の用事は〈伝言〉で事足りる。わざわざ会いに来るなんて、今までなかったことだ。扉が開け放たれ、見慣れた顔がやってきた。つるりとした卵型に穴が三つ、相変わらずシンプルな造形だ。
「Guten tag! アインズ様、我が神に置かれましては本日もご機嫌麗しゅう――」
「あぁ……挨拶も世辞も不要。何用だ、パンドラズ・アクター」
(こいつに喋らせると長いからなあ。早いところ終わらせよう)
無駄にハイテンションな様子に軽く目眩を覚えながら問いかける。脳も血管も神経すらない身体をここまで蝕めるのはある種の才能ではなかろうか。パンドラをみるアルベドの冷ややかな視線は見ないふりをしておく。
「はい、私今日は未分類の棚の整理をしておりました。そこで少し気になるものを見つけたのです」
「ほう」
アインズは大いに興味を惹かれた。宝物庫にはアインズ・ウール・ゴウンの、かつてのギルメンたちが買い集めた多種多様なアイテムが山ほど眠っている。その数は膨大であり、アインズをして把握しきれていないのが現状だ。まして宝物庫の管理者であるパンドラがわざわざ訪れたとなると、よほどのものなのであろう。もしかしたらアインズの知らない、ギルメンが作ったマジックアイテムや課金アイテムの類かもしれない。
(るし★ふぁーさんの悪戯とかだったら嫌だけどな……!)
内心の興奮を抑えきれず、思わず机に身を乗り出す。果たして、パンドラが懐から取り出したのは――
「あ――」
「これは……何かしら」
「……綺麗」
女性陣から歓声があがる机に置かれたのは手のひらサイズの宝玉。オレンジ色の半透明の輝きの中、四つの星を内包している。アインズの眼窩の灯が揺らいだ。
「音改様の姿で鑑定しても詳細がわからず、〝unknown 〟と表示されるのです! アインズ様、これは一体何なのでしょう!」
アイデンティティの崩壊とばかりにオーバーリアクションなパンドラを他所に。アインズは骨の指で宝玉を摘み上げると、光に透かすように持ち上げた。四つの赤い星がキラキラと瞬いている。
「このアイテムの名は〝
「勲章……ですか?」
「……うむ」
アインズは懐かしそうに目を細める。脳裏に浮かぶは激戦の記憶。アインズ・ウール・ゴウンが一丸となって挑んだ、とある期間限定の世界級クエスト。
それは知られざる戦いの物語。