ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~   作:誤字脱字

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この小説は色んな意味で色々と試している所があります

読みにくかったらごめんなさい

あとあとがきで台詞だけの話をUPします


・・・・・あれ?主人公の名前がまだ出ていない


そこなたの 猫『3』。わっち は狐でありんすよ ?

〈8種族〉

〈エルダー・テイル〉の世界では多様な異種族が暮らしている

その中でも「善の8種族」がプレイヤーがキャラクター作成時に選択できる

『人間』『エルフ』『ハーフアルヴ』『ドワーフ』『猫人族』『狼牙族』『狐尾族』『法儀族』が選択できる。〈冒険者〉諸君には既に承知な所があるが復習も兼ねて・・・

 

そして・・・ここでは自分が作ったキャラクター設定がダイレクトに影響される事も承知であろう

 

種族は現在、『人間』を選択しプレイするプレイヤーが多い為、そこまでの混乱は起きていない。他の7種族も容姿が人型な為、コミュニティを壊す事無く人間社会を形作っている

 

だが・・・性別はどうだろうか?

男が女に、女が男に・・・ロールを続けられればいいのだが、この世界で生活していく上では必ずと言っていいほど支障が出てきるであろう

もし性別の壁にぶつかったのならチームメンバーやフレンドに相談し〈外観再決定ポーション〉の入手をお勧めしたい・・・

 

信頼するモノであれば貴方の悩みを解決する為に力を貸してくれるであろう・・・・

 

『第12回!どき☆エルダー・テイル追加パック!~人の不幸は蜜の味~』 著作者:くずのは

より抜粋・・・

 

「今回の見出しはこれで決まりざんすな、しかし・・・」

 

彼女は視線を山積みにされた林檎のカスに向けながら蜂蜜水で喉を潤し、射し込む夕日に目を細めた・・・

 

「・・・メイドが欲しいどすえぇ~」

 

僅か一日で綺麗だった部屋が汚部屋に変わっていたのであった。そう彼女は・・・・・片付けられない女である

 

 

ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~

第3尾 家政婦は見た!?縁側で捲き起こるキャァァァァァッツファァァァイィィィトォォォッ!!!

 

 

時刻は流れ夕方を迎えていた。間違いではない、日を跨いで夕方を迎えているのだ。彼女の『メイドが欲しい宣言』から一日、ソファーから一歩も動かずに林檎と蜂蜜水を喰らい続けていたのだ

メイド=掃除してくれる人、部屋を綺麗にしたいと思っていても動かないのが彼女クオリティ、まさに『働いたら負けでござる!』を地で行くその道のプロであった

 

しかし、転機が訪れた!手に付いた果汁を綺麗に舐め取り「よっこらしょ」と言う爺臭い掛け声と共に重い腰をあげたのだ!そして〈大地人〉に作らせた箪笥からタオルを持ち出し!そして!!!

 

「湯浴みの時間でありんす♪」

 

・・・ぶれない女、流石は彼女クオリティ

 

元々〈エルダー・テイル〉にとって風呂とは、キャラクラーの特殊行動を演出するモノでしかなかった。風呂であれば入浴シーンの演出、ダンベルなら筋トレの演出など〈遊び〉の一つとして存在していた

 

では、ゲームが現実になった今、この様な〈設備〉はどのように変化したのだろう?

結論は直ぐに出た。この世界はゲームとしての要素を色濃く残しており、「料理アイテムに味が無い」「一部の設備が観賞用のオブジェクトでしかなく、実際に利用できる機能を持たない」等と言った、ゲーム時代には考慮され得なかった事柄が発覚したのだ。しかし同時にゲーム時代は背景の一部となっていて移動・破壊できなかった瓦礫などの障害物が撤去可能になっていることも発覚した

 

それは例外なく彼女の〈設備〉にも適当し、お風呂は只のオブジェクトでしかなくなる筈であった・・・・が、この事柄にも例外はある。現在存在する〈風呂設備〉とは既にお湯が張ってあるタイプで給排水の出来ない言わば『池』であったが、彼女のお風呂は、そう言った機能が完備されている。でもそれだけでは、只の『田んぼ』と同じであるが・・・

 

後日、発見される『高LVの料理人が料理作成メニューを使わないで、普通の手順で料理をする。そうすれば素材の味を生かした料理になる』と言う方法を彼女は、〈設備〉で成功させたのだ!

要するに『高LVの生産系職業が作成メニューを使わず、普通の工作で設備を作る。そうすれば使用出来る設備が出来る』と言う事だ!

・・・・しかし、考えて欲しい。今存在する〈冒険者〉の中にお風呂と言った〈設備〉を一から作れる〈冒険者〉はいるであろうか?否!いないであろう・・・リアルでもお風呂を作るには風呂枠を作る人、配管する人、電気配線する人と言ったように作業分担が当たり前になっているのだ!・・・風呂を一から作るなど、一般人レベルだとドラム缶風呂が精一杯だ。

 

では何故彼女は成功したのか?それは彼女のサブ職業〈デザイナー〉と勘違いから生まれた恐怖心が噛み合い起きた奇跡!とでしか説明は出来ない・・・だが間違いなく、あの一件で〈大地人〉の職人としてのLVはカンストしたであろう

 

そんな事で、彼女は世界でまだ一つしか確認されてはいないお風呂を堪能する日々を送っているのであった

 

「りんご~林檎~apple~リンゴ~おっふろ~♪」

 

そして現在、彼女はお湯に林檎を浮かべ『林檎風呂』を堪能している

味がする料理方法が確立されていない今、味のある果実を只の娯楽に使い捨てる行為は正気の沙汰ではないが、彼女にとっては関係ないことだ

 

9本ある尻尾を櫛で一本ずつ鼻歌を奏でながら丁寧に洗っていく。最近出来た彼女の趣味だ。

本来・・・と言うか絶対、人間には尻尾が9本もある事はありえない、だがゲームが現実になった現在、9本の尻尾は存在してしまっている。自身の尻尾、しかも9本も洗うと言う行動に彼女は面白みを感じたようだ

 

「らすと~さいご~のこりの~いっぽ~ん♪お~わ~り~♪」

 

ゆっくり洗っていく事、90分・・・1本に付き10分で全ての尻尾が洗い終わった・・・長湯もいい加減にしやがれ

だが、彼女の入浴はまだ終わらない。浮かべた林檎をチャポンチャポンっと沈めたり浮かばせたりして遊んでいるのだ・・・本当に長湯もいい加減にしろ

 

尻尾も綺麗に洗い、林檎が醸し出す甘い臭いに包まれる!今まさに彼女は至福の時を迎えていた・・・・・が

 

「これはいい縁側を見つけたにゃ。応援が来るまで此処で隠れ住むにゃ?」

「はい・・・でもいいんですか?その・・・誰かが住んでるようですが?」

「構いません。こんなに多く林檎を食べる方に覚えがありますゃ、『彼女』の説得は任せてほしいにゃ」

「え?・・・お知り合いの家なんですか?」

「おそらく・・・いや~、『彼女』が〈ススキノ〉にいて助かったにゃ」

 

リビングから聞こえる、とってつけたような猫語尾と聞きなれぬ少女の声に絶望の淵に追いやられた

彼女は直ぐに風呂から上がり、リビングに続く扉をあけて・・・

 

「フシャァーーーーー!!!」

 

・・・威嚇した。そう両手を上げ耳と尻尾を逆立てて動物のように威嚇したのだ・・・わかっているとは思うが彼女はNPCでもなければ本物の動物でもない・・・・人間なのだ

 

「此処は、わっちの住処でありんす!速やかに出ていっておくんなんし!」

「おやおや、やはり貴女でしたかにゃ。お会い出来てよかったにゃ?くーち」

「わっち は会いたくありんせん でありんした !速く帰ってくんなまし!」

「にゃあにゃあ、実はお願いがありますにゃ?」

「いいなすんな!どうせ厄介事でありんしょう!」

 

拒む彼女を宥めながらも猫語尾の〈冒険者〉『にゃん太』は事情を話し始めた

にゃん太の隣にいる少女『セララ』を救援の方が来るまで匿ってほしいと言うモノであった・・・

救援が来るまでにゃん太自身が護衛するし、極力迷惑が掛かる事もしないとは言うが、彼女にとってそんな事は厄介事でしかない!

 

「いやでありんすぇ!」。

「困りましたにゃぁ~」

 

猫髭を弄りながら苦笑を漏らすにゃん太、しかし彼女には本当ににゃん太が困っている様には見えなかった

あの独自な雰囲気に飲まれた瞬間!・・・自身の望まない結果になると言う事は散々経験してきた事だからだ

いまだに両手を上げて威嚇する。・・・だが、その抵抗運動はもう時期終わりを告げてしまう・・・

 

「あ、あの!」

「・・・なんでありんしょう?」

 

にゃん太の後に隠れていた少女『セセララ』がオズオズと話しかけてきたのだ

 

「わ、私ここに置いてもらえるなら何でもします!アイテムもあげます!・・・私程度の持っているアイテムなんていらないとは思いますが、もうあんな恐い事あいたくないんです!お願いします!」

 

「ぬぐ・・・」

 

彼女は揺れた。彼女も人の子‘(威嚇は動物)だ。自分より幼く弱い人間に助けを求められNO!と言える程、非道な人間ではない。揺れたのだ・・・人助けor 平和。どちらをとるのかを・・・・そして彼女は選んだ!

 

「・・・おゆるしなんし、無理でありんすぇ」

「そ、そんな!?」

 

・・・苦渋の決断だ。彼女は人助けよりも平和を選んだのだ。

セララにはにゃん太が付いている、彼の実力を知っているからこそ選んだ選択であった

セララは顔を伏せて目には涙が浮かんでいた・・・そんな彼女の頭を軽く撫でてあげるにゃん太。まさに紳士の鏡である

 

「・・・・くーち」

「そんな 目で見ないでくんなまし 。わっち だって助けてあげたいでありんすが 、わっちもそんな 余裕がないんでありんすぇ」

 

にゃん太と目が合わないように視線を逸らす。彼女だって助けたいが自分の保守も大切なのだ。耳をペタンっと畳み気まずそうに顔を顰める彼女・・・・・・・しかし

 

「そうですかにゃ・・・残念にゃ~、吾が輩達と暮らせば毎日アップルパイが食べられると言うのににゃ~」

 

耳が!尻尾が!逆立った!それは威嚇の時とは比べ物にならないぐらいに!!!!

 

「残念にゃ~、我輩、アップルティーも淹れられるのににゃ~」

 

正直、彼女も林檎と蜂蜜水のご飯に飽きていたところであった。その時に聞こえた『アップルパイ』『アップルティー』と言う単語・・・・・・彼女の行動は速かった・・・・・・・・・

 

「よく来てくれんした 。寒かったでありんしょう ?お風呂もありんす ぇ」。

 

まるで高級旅館の女将がお得意様を迎えるかの様に招き入れたのだ!

彼女は結局、人助けも平和でもなくFOODを選んだのであった・・・

 

「……お風呂ですかにゃ?くーっちの自作ですかにゃ?

「そうでありんす!あなハリボテでは機能しないでありんすので」

「そうですかにゃ。……ありがとうにゃ。セララさん、お風呂に行ってきたらどうですかにゃ?」

「なら一緒にはいりんしょう?わっち湯冷めしてしまいんしたよ?」

「え?は、はい」

 

いきなりの態度の変化についていけなかったセララであったが彼女に誘導されるがままに風呂場へと向かっていったのであった。

そして、にゃん太は?と言うと・・・

 

「さて・・・試してみますかにゃ?」

 

早速、アップルパイを焼く為にキッチンへと向かったのであった・・・

 

 

 

 

NEXT 少女は家政婦。猫は紳士。狐はニート

 

 




~お風呂での話し~

「りんご~林檎~リンゴ~♪」
「あ、あの~?」
「なんでありんしょう?」
「置いていただきありがとうございます!」
「あぁ~、気にしなくていいよ?わっち こそ拒んだりしてごめんね?」
「い、いえ!大丈夫です!・・・あと」
「?」
「・・・なんで裸で出てきたんですか?」
「裸は開放的でいいでありんす ?試してみたらどうでありんしょう かぇ?」
「む、無理です!出来ません!」
「そうざんすか・・・残念ですぇ~」

「そろそろ、アップルパイがにゃきあがりますよ~?」
「「はーい」」


と言う一コマ

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