ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~   作:誤字脱字

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やっと〈アキバ〉帰還


〈アキバ〉 :狐がいる家
苦渋も『9』労も!わっちは御免でありんす!


〈マリエール〉

メイン職業は〈施療神官〉サブ職業は〈木工職人〉

ギルド〈三日月同盟〉の代表者として十数人の仲間の面倒を見る妙齢の女性。姉御的な性格でウェーブする緑の長い髪と、明るく人なつこい美貌の持ち主で、いつも向日葵の様な笑顔を浮かべている

シモネタ対応度も高く、本人は「色気がない何でも話せる性別を感じさせない人間」だと思っているが、抜群のスタイルと相まって、隠れて慕うファンは男女の別なく多い。実際に胸の揉み心地は最高に良かったと記載しておこう

 

そんな彼女を一目でも見てみたいのなら〈アキバ〉に行く事をオススメしよう

彼女の笑顔を見ていたら悩みなんて直ぐになくなるとここに約束しよう

 

 

「第12回!ドキ☆エルダー・テイル追加パック!~プライバシーなんてぶっ飛ばせ!~」著作者:くずのは

より抜粋・・・・

 

 

「今回の見出しはコレで決まりでありんすな~。しかし・・・」

 

彼女は持っていたペンと本をしまい、開いた両手でーーーを揉んでいく・・・

 

「ほんとにやわらかいでありんすね~」

「ホンマやろか!?それならうちもクーちゃんの揉んであげるわ~」

「ん!?・・くすぐったいでありんすよ!も~倍返しだ♪」

 

「・・・マリ姐、クーさん。僕がいる事忘れていない?」

 

シロエが呆れている中、さっき知り合ったギルマスと乳繰り合っていたのであった

 

 

ログ・ホライゾン ~わっちがお狐様でありんす~

 

桃源郷。それは男の夢!どう思うパンツ君?――え?おパンツの国?なにそれマジ桃源郷!

 

 

数日の野営を挟み〈アキバ〉の町に到着した彼女達を待っていたのは〈三日月同盟〉のメンバーであった

〈三日月同盟〉のギルドマスターであるマリエールはセララの帰還に心から喜び、今回の立役者であるシロエを抱きしめお礼を述べていた。アカツキもヘンリエッタに揉みくちゃにはされてはいたが、君主が誉められる事をした充実感から口元が上がり笑みがこぼれている

 

・・・・だが忘れては困るのは彼女である。そう彼女は集団を嫌っている。

望まなくてもこんな大勢に迎えられる事なんて脱兎したい衝動に駆られるはずであったのだが・・・・

 

「おお・・・おおお!おおおおお~!」

 

周りの目など気にせず、只一点を歓喜の声を上げながら見つめているのだ!

シロエ達も普段とは違う彼女の反応に疑問を持ち、彼女に話しかけようとしたが・・・先に彼女に見つめられていた女性、マリエールが話しかけていた

 

「ん?この子もシロ坊に協力してくれた子なん?ありがと~な!うちはマリエール。よろしゅうな~」

「わっちは、野良狐のくーでありんす。〈ススキノ〉ではセラララに隠れ家を提供しておりんした!・・・・ときに」

 

シロエ達は驚愕した!彼女を知る人なら全員が驚くほど彼女らしからぬ自己紹介をしたなのだから・・・しかし彼女が次に言った言葉を聴いてその場にいた全員が驚いた

 

「その柔らかそうな乳を揉ませてくんなまし!」

「「「「「ブッ!!??」」」」」

 

驚いたのではなかった、吹出したのだ

マリエールも最初は困惑していたが次第に笑顔になっていき・・・

 

「驚いたわ~♪うちのおっぱいでよかったらいくらでも揉ましてあげるわ!」

「まこと でありんすか !?では遠慮なく!!!」

 

彼女は両手をワキワキと動かし、マリエールは彼女が揉みやすい様にエッヘン!と胸をはった

彼女の手がマリエールの胸に触れようとした瞬間!・・・後頭部に痛みが走った

 

「主、この駄狐に膝をいれておいた」

「なにするでありんすか!」

「・・・あぁ、よくやったアカツキ」

「シロエェェェェ.!?」

 

無所属とは言え元〈茶会〉メンバーだった彼女の暴走は目にあまる行為だったのでシロエもアカツキの行動を誉め、親指を立ててサムズアップした。それに答えるアカツキb

マリエールの方も行き過ぎた様でヘンリエッタに「昼間からなんて事を!」やら「女子高気分」等、小言を言われていた

 

ヘンリエッタの説教も数分で終わり、やや疲れた顔をしながらもマリエールは本題にシロエ達に話す

前置きが長かったが、セララとシロエ達の帰還祝いのパーティーをするから迎えに来たそうだ

パーティーと聞いて直継を初め、にゃん太やシロエも素直に喜んでいた・・・・ただ彼女はマリエールの胸を触れなかったのでブウ垂れていたがマリエールに耳元で「後で2人きりになった時に」と囁かれて機嫌は反転し9本の尻尾を嬉しそうに揺らしながらシロエ達の後に続いたのであった

 

 

シロエ達がメインゲストとして招かれたギルドホールはすっかりとお祭りの雰囲気だった。

シロエ達は会議室に作られた大テーブルに案内されて、「もう1時間もすれば料理もすっかり出来上がるから!」とまずは食前酒を出された。旅装をほどいたシロエと仲間達はそれぞれに歓待を受ける。

もてなされるシロエたちもだが、もてなす〈三日月同盟〉のメンバーにとっても、それは楽しい宴だった。こんなにも豪華で華やかで、しかも美味しい料理に満ちた大騒ぎは、あの〈大災害〉以降初めてだったのだ。

 

 しばらくは感謝の言葉で埋め尽くされていた会議室だが、にゃん太は「ちょっと見てきますにゃ」などと言い残すと立ち上がる。セララは慌ててそのにゃん太について行く。

 微笑ましい様子の二人は、後から聞いたところに寄れば、作業場全てを占領している臨時厨房に行って〈三日月同盟〉の〈料理人〉と一緒になって激戦区の古参兵のように料理にいそしんでいたらしい。

 

シロエ達の仲間も、あちこちで引っ張りだこだった。

直継は若手のプレイヤーに囲まれて、戦闘談義をし 一方、アカツキは一室に監禁されていた。半分涙ぐんだアカツキの悲鳴は幻聴ではない事は此処で記載しておこう

 

そして宴もたけなわとなり、楽しい時間は繰り返し述べられる感謝と祝いの言葉、乾杯とご馳走に対する賛辞の中に過ぎ去っていった。 呆れるほどに食べ、呆れるほどに飲み、そして騒いだ。

すっかり月も沈んだころだろう。宴の熱気がかすかに残る〈三日月同盟〉のギルドホールは、お祭りのあと特有の満足したような、どこか心残りのような、幸せで穏やかな雰囲気に包まれ、スヤスヤと眠るギルドメンバーでいっぱいであった

 

シロエは、まだ眠くないので辺りを軽く散策しから寝ようとしていたが、マリエールにお茶に誘われてギルドマスターの部屋へと案内されていた

 

「何がええ?」

「なんでも」

「んじゃ、なんかありもんでええな。・・・えーっと、あれ?林檎なんていつ持ってきたんやろ?・・・まぁええか」

 

マリエールは、厨房に残っていた飲料から、果実酒を持ってくる。暖めても冷ましても飲めて、香りが特に楽しめると言う理由から林檎の果実酒を選択した

二人は大きな毛皮のクッションが置かれたソファへと座って、やっと一息つく。

 

「今回は本当に世話になったん。ありがとな」

「もう良いですって。僕は何も大したことして「――ッ!きゃぁ!?」 っ!マリ姐!?」

 

いきなりの悲鳴にシロエは視線を上げた!そこには毛皮のクッションに襲われているマリエールが擽ったそうに身を屈めていた

 

「うにゅうにゅうにゅうにゅうにゅうにゅうにゅ♪」

「あはは!く、くすぐったい!そ、そんなに強くもまんといて!?」

「・・・ギルドホールにいないと思ったら此処にいたんですか、くーさん?」

 

シロエはもっと速い段階で気づくべきだったと後悔した。お狐様出現条件は揃いすぎていたことに・・・

宴会の席で一人になれる所、机に置かれた林檎、林檎の果実酒、人が寝れる程のソファ、そして・・・胸

クーは基本的には相性が良い人とでしかすごさないので他人が多くいる〈三日月同盟〉の面々と過ごす筈が無かった

 

シロエは呆れながらも、乳繰り合う2人を視線に入れないように只じっと手元を見るばかりであった・・・シロエの威厳の為に言わないでおくが・・・・耳は真っ赤に染まっていたのは・・・内緒です

 

「はぁはぁ・・くーちゃんっておもろいな~♪揉みごたえあるし♪」

「乳の人もオツ でありんすぇ。・・・フレンド申請してよいでありんすか?」

「あぁん♪マリエって言ってや?ええよ~、なんなら〈三日月同盟〉にくるん?」

「それは遠慮しておきんす。わっちは・・・狙っている『お社』がありんす。おゆるしなんし 。」

「そか~残念やな~。ん~悔しいからおっぱい揉んでやる♪」

「ん!?・・・そこはダメでありんす!」

「・・・・もういいかな?二人とも」

「「は~い」」

 

みんなシロエを誉めてやってほしい!およそ10分。部屋の中には淫らな声が飛び交う中、シロエは鋼の精神で耐え切ったのだ!目の前で行なわれていた乳繰り合いを耐え切ったのだ!

さぁ!みんなで称えよう!よくがんばった!シロエ!!!

 

「あのさ、マリ姐……いない間、こっちは、どうでした?」

「こっちかぁ・・・ってクーちゃん何処行くん?」

「わっちは月見酒でありんす。・・・なんだかシロエェェからメンドーな臭いがしたでありんすから」

「え!?臭い?」

 

厨房に残っている果実酒を2本持ち出し部屋を出て行ってしまった彼女。

付き合いが浅いながらもマリエールは彼女が気を利かせて出て行った事がわかり軽く笑みがこぼれた

 

「・・・やっぱり、うちに来てほしかったな~。」

「どうしたの、マリ姐?」

「なんでもあらへん、それより〈アキバ〉は―――」

 

部屋を出て行く彼女.を優しく見守りながらマリエールは現在の〈アキバ〉の状況をシロエに話し始めたのであった

 

 

 

 

 

「るーるーるーるるるー」

 

部屋を後にした彼女はギルド会館を出て酒瓶片手に〈アキバ〉の町をフラフラと散策していた

傍から見たら酔っ払った姉ちゃんが千鳥足で家に帰っているようにしか見えないが・・・

行く当てもなく歩いていたせいか、知らぬ間に石造りで苔むした、古びた西洋橋にたどり着いていた

 

「るーるーるー・・・河に写る月もオツでありんすな~」

 

空に浮かぶ月、河に写る月。

まだ初夏の風が吹いていない季節だと言うのに彼女は彼女なりの四季の味わいをこの〈エルダー・テイル〉で感じていた。

河原に座り込み果実酒の栓を開け、どこからか取り出した杯に注いでゆく・・・

杯に写る月に彼女はニンマリと笑みを作りながら一気に飲みほしたのであった

 

時は流れ、持ってきた果実酒1本、時間をかけながらゆっくりと飲み干した時、ふっと頭上の橋上にさっきまで共にいた丸眼鏡が特徴的な青年がため息をこぼしながら俯いて河を眺めていた・・・

 

「ん~・・・わっちにも気づかないとは重症でありんすね?多分、ご隠居が行くと思いんすか・・・わっちもソロソロ新しい『お社』がほしいでありんすぇ・・・・・・『行くか』」

 

先の酔いなど微塵にも感じさせない程、しっかりとした足取りで歩み始めたのであった・・・

 

 

 

シロエは悩んでいた

今の〈アキバ〉は荒む一方で、〈法〉もないもない。このまま何もせずに只第三者として過ごすだけでいいのだろうか?

助けてやりたいと思う。どうにかしてやりたいと思う双子の姉弟がいる。・・・だがそれ以上に「全て」をどうにかしたいと思っていると云うことだ。それはススキノ脱出の時も感じた。あの時ススキノにはセララと同じような境遇のプレイヤーも多くはないにせよ何人か居たはずだ。そう言ったプレイヤーを見捨ててセララだけを救出してきたことに、シロエはどこか居心地が悪いものを感じていた。

 

でも、自分の好みや都合を押しつけて……それはなんて傲慢な考え方なのだろう。

悩み苦しみ考え抜いて・・・でも僕には・・・

ふっと思い出したのは〈彼女〉。〈彼女〉なら何と言ったかな。シロエは川面に向けていた視線を月にあげる。真っ白い月は、洗いざらしの絹のような光沢で夜明け前のアキバの街を照らしている。

 

(あの人は豪快な人だったから……。それに僕みたいに卑怯でも未練でもなかったし。でもあの人なら・・・)

 

「やめておきなさい、シロエ?カナミの様な振舞いは貴方にはできないわよ」

「!?」

 

リンっとした声がビルの影から聞こえ、声の持ち主が月夜に照らされて現れた・・・・

 

「くーさん?・・・いえ、いまは〈くずのは〉ですか?」

「私の事はどうでもいいの、貴方は自分の考えを纏めなさい・・・今、貴方がしたい事を」

「僕のしたい事・・・〈くずのは〉、僕はどうすればいいのかな……」

「その答えは私達は持っていないわ。でも、、助言なら出来る・・・そうでしょ、猫さん?」

「そうですにゃん、シロエちが答えだと思うものが答えなのですにゃ」

「・・・班長、もですか?」

 

〈くずのは〉とは反対のビルの影から穏やかそうな目を細めてにゃん太が近づいてくる

 

「にゃにゃ、悩める若者を導くのは大人の役目ですにゃ」

「猫・・・それだと私も年寄りと思われるわよ?」

 

にゃん太と〈くずのは〉は2人並びあって僕の所までやってきた

〈茶会〉の7時から2人には独特な雰囲気があったけど、今なら少しわかる気がする・・・これが大人って言うものなのかと

 

「お互いいい年ですにゃん。・・・そしてシロエち、もう答えは見つかりましたかにゃ?」

「コレは一時保留ね。・・・頭の良い貴方なら出ているわよね?ならその考えの中でも」

 

「一番すごいことをしなさい」「一番すごいことをするといいにゃ」

「すごいこと・・・」

 

2人の言葉は僕の中にすっと入っていった

そして脳裏に浮かんだのは一緒に旅をし、共にすごした2人の仲間の顔・・・

 

「僕、待たせてたのか」

「そうにゃ」

「2人とも、待ってくれてたのか」

「そうね」

「他のところにも行かないで。僕のそばにいてくれたんだ」

「そうにゃ」

 

(――僕がギルドに誘うのを、待っていてくれたのか)

 

 シロエはうつむく。胸の中の黒い海のような固まりが轟々と音を立ててうねる。どこにも行き場のない感情が、押し殺した蓋の下で暴れて、あふれ出そうになる。

夏の虫の音と、静かな水の音。後は白々とした月明かりの中で、シロエは棒のように立ち尽くしたまま、拳をぎゅっと握りしめて、必死に押さえつける。

 

 ――期待してくれていた。

 ――買ってくれていた。

 ――待っていてくれた。

 

色んな事を考えて分析して悩んできたつもりの自分が、何でそんな事も判らなかったのかと。あるいはそれほどまでに血の巡りが悪いのかと。自分に対する不信感と劣等感は堤防のように高いにもかかわらず、嬉しさが親しさが信頼が冷たく凍えたくびきを洗い流して行く。

 

「間に合うかな」

「もちろんにゃ」

「にゃん太班長。にゃん太班長も、僕のトコに来て。……班長が一緒に来てくれると、嬉しい。班長が居ないと、困る」

 

シロエはにゃん太を見つめて誘った。にゃん太は照れたように笑うと「良い縁側が欲しいにゃ」と云う

 

「第三者視線から言わせて貰えば貴方達・・・危ないわよ?それに・・・私達はいらないのかしら、シロエ?」

「え!?でも〈くずのは〉達には行きたい所があるって・・・」

 

目を丸くさせながらも驚くシロエ。そんな彼を見て〈くずのは〉は大きくため息をついた

 

「貴方はもう少し女心を勉強しなさい・・・〈クー〉は口には出さないけど、貴方の事を気にいっているのよ?」

 

〈ススキノ〉から無理やり連れ出した感じがして罪悪感はあったけど、なんだかんだで此処まで文句を言わずについて来てくれた彼女達の気持ちにやっと気づいた・・・

 

「・・・そっか、僕には、まだ待たせていた人がいたんだ。」

「そうね、少しは猫を見習いなさい。・・・〈クー〉が待たせた罰として林檎の木をくれ!と言ってるわ」

「うん。僕と僕たちが作るから。良い縁側も林檎の木も、用意するよ」

 

シロエは頷いた。

もし「一番すごいこと」を望むのならば。それを望むのが許されるのならば。シロエには支えきれないような大きな責任と共にではあるが、考えつく策がある。

 

もし、共に背負ってくれる仲間がいるのならば。

 

 

 

NEXT お狐!いっきま~す!




〈記録の地平線〉《ログ・ホライズン》

・シロエ  LV90 〈付与術師〉《エンチャンター》  サブ職業〈筆写師〉
・直継   LV90 〈守護戦士〉《ガーディアン》   サブ職業〈辺境巡視〉 
・アカツキ LV90 〈暗殺者〉《アサシン》      サブ職業〈追跡者〉 
・にゃん太 LV90 〈盗剣士〉《スワッシュバックラー》サブ職業〈料理人〉
・クー   LV90 〈妖術師〉《ソーサラー》     サブ職業〈デザイナー〉

補助・壁・遊撃・物理攻撃・魔法攻撃・・・・意外にバランスいいな~。後はヒーラーですか・・・

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