ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~   作:誤字脱字

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すみませんでした

仕事が忙しくてPCに触れませんでした

しかも双子ちゃんでてこないとか・・・

頑張って1週間更新を心掛けます

※地下を一階に訂正


『1』まやるべき事!それは!ひ『3』つ基地を作ろう!

〈記録の地平線 〉(ログ・ホライズン)

 

かつてエルダー・テイルに知らぬ者はいない!とまで有名になった伝説の集団〈放蕩者の茶会〉の参謀゛腹ぐろ眼鏡゛シロエがギルドマスターを務める零細ギルド。

創立からまだ日がたっていないと言うのに〈アキバ〉に存在する大手ギルドから一目置かれているギルドだ

構成すメンバーは現在5人。全員がLV90の腕利きの〈冒険者〉であり、更にはあの〈放蕩者の茶会〉出身が4人も在籍しているのだ。・・・しかし、〈記録の地平線〉の評価は構成メンバーではなく〈円卓会議〉に開催者兼発案者として参加したのが大きな理由であろう・・・

 

ギルドマスターのシロエに会いたいのであれば〈アキバ〉の街の外れ、もっとも北側の境界に近い場所に位置する6階建ての雑居ビルを訪れてみるといい

 

巨大な古代樹が君を迎えてくれるであろう・・・・

 

 

 

「第12回!ドキ☆エルダー・テイル追加パック!~突撃!隣人のお宅~」著作者:くずのは

より抜粋・・・・

 

 

 

 

「新しい見出しはコレで決まりでありんすな。しかし・・・」

 

彼女は、古びた廃墟をせっせとデッキブラシで掃除するシロエ達4人に視線を向けた・・・

 

「・・・わっちのお社は汚いでありんすね?」

「おい!パンツ神!おまえも手伝えよ!」

「働きたくないでありんす!それにわっちにはやる事がありんしょう!」

「ならやれよ!」

「バカ継!お前もサボるな!」

 

直継がアカツキに飛び膝を入れられているのを横目に彼女は一階へと足を向けるのであった・・・

 

 

 

 

ログ・ホライゾン ~わっちがお狐様でありんす~

 

ハロー♪第一村人!カモーン♪O☆H☆U☆R☆O☆!

 

 

 

 

アキバの街の外れも外れ。もっとも北側の境界に近い雑居ビルのひとつにシロエ達〈記録の地平線〉は本拠地を構える事になった・・・

本来なら〈記録の地平線〉の様な零細ギルドは本拠地など持たず、宿の一室を借りて運営するのが一般的であるが〈記録の地平線〉もといシロエには当てはまらなかったのだ

 

〈円卓会議〉の参加ギルドともなると、何かと来客が多く、シロエのフレンドリストは、ここ数日でまた人数が増えている。親しく遊ぶ、と云う意味でのフレンドではないかもしれないが、連絡を取る機会が増えているので登録しておかないと「念話」が使えないのだ。

 

今後も来客はあるだろうし、場合によっては長時間かかる相談事もあるだろう。〈円卓会議〉設立のような大騒動が今後起きるかどうかは判らないが、もしそう言うことがあるのならば、厨房にせよ作業場にせよ倉庫にせよ、必要になることがあるかも知れない。

そう考えて、街外れだが広さだけはたっぷりあるこのビルを選んで購入したのだ

 

「お財布のほうは大丈夫なのか? 主君」

 

ただただに広く何もないと形容するしかない天井の高いフロアで、アカツキは掃除をしながら尋ねる。

アカツキの心配はもっともだ。いくら辺鄙な場所にあるギルドタワーだと言っても其れなりの値段はする

しかし今回の購入金に関してシロエは他のギルドメンバーに協力を求めなかった・・・即ち、シロエだけの資金でこのギルドタワーを購入したことになるのだ

 

いくら腕の立つ〈冒険者〉であっても〈購入金〉と言うモンスターを倒すには、相当な犠牲が必要なのだ!

しかしアカツキの心配をとはうらはらにシロエの顔は明るかった・・・

 

「そのへんは、まぁ平気かな?実際、僕は1/10位しか払っていないよ」

「・・・どういうことッ!まさか!? 違法に手を染めたのか!主!!!」

 

お金を出したのはシロエだけと聞いていたアカツキの脳裏に浮かぶのは、悪役の様な表情で〈大地人〉を脅し金を強奪するシロエであった

まさか主がそんな事を・・・軽蔑と悲観が渦巻き、手に持ったデッキブラシを落として顔を青くさせたアカツキにシロエは微笑みながら落ちたデッキブラシを拾いアカツキに手は渡した

 

「違うよ、残りは売上金から払ったんだ」

「売上金?シロ、何か売ったのか?」

 

直継は最初からシロエがその様な行いをする訳が無いと判っていたので話しに加わらなかったが、『売上金』と言う言葉が気になり手を止めて話しに加わってきた

 

「売ったと言っても、設計図だけどね?・・・珍しく彼女、クーさんが協力してくれたんだ」

「パンツ神が働いた!?驚愕祭りだぜ!?」

「・・・なるほど、そういう事か」

 

直継は純粋に彼女動いた事に驚き、アカツキは事柄を理解したのか安堵の表情を浮かべる

 

「駄狐が家具や器材を設計して主が模写、その設計図を生産系ギルドに販売した」

「うん、正解。特に〈海洋機構〉や〈第8商店街〉がよく買ってくれたよ」

「そういや~、コレのアイデアを出したのもパンツ神だったな?」

 

そう言って指差す先には1階へと続く階段と床のフローリング。

階段の設置と、当面の寝床になる2階フロアの床の張り直し――フローリングだけは生産者ギルド〈海洋機構〉に依頼をして工事をして貰った。ギルドマスターのミチタカは、「確かにそうやって工夫をすれば今までは住居に向かなかった廃墟でも新しい用途が開けそうだな。階段を作るとは面白いアイデアだ」と快く引き受けてくれたのだ。

 

「・・・〈エルダー・テイル〉において〈デザイナー〉がいるギルドは資金に困らない。本当の様だな」

「・・・その分、林檎を収めなきゃ暴れるけど・・・今の僕達のとっては福の神だよ」

「んで、その神様は今何処にいるだ?なんか『やる事』があると言ってたけどよ?」

「クーさんなら、班長と買い物に行った後、一階に・・・・・え?」

 

シロエは固まった。動くことなくただ一点を凝視し固まったのだ

アカツキと直継は急に固まったシロエを疑問に思いながら視線を一階へと続く階段に向けた・・・

 

「・・・煙なのか?」

「・・・煙だな」

「「・・・・・」」

 

一階に続くであろう階段口からモクモクと上がって来る白い煙に三

人は固まった・・・が直ぐに再起動し慌ただしく動き始めたのだ!

 

「あ、アカツキ!バケツに水を持ってきて!」

「承知した!」

「直継は班長に避難する様に伝えて!」

「あの駄狐!そうそうボヤ起こしてんじゃねぇよ!!!」

 

冷静さを失っていても的確な指示を飛ばすシロエは流石であるが、誰一人一階に取り残されている彼女の心配をする者はいなかった・・・むしろ、ボヤの犯人とまで決めつけて批判した・・・・実に哀れである

 

三者三様に動きだそうとした瞬間、階段口から見覚えのある金色の尻尾と共に何故か『安全第一』と書かれたヘルメットを被った彼女と同じく『安全第一』と書かれたヘルメットを被った見知らぬ〈大地人〉(鼻血とモブ)が2人這い上がってきたのだ

 

「けほっけほっ・・・やっぱり煙突は必要でありんすな~。ここに穴を開けくんなまし」

「だから言ったんだ!煙突は必須だって!」

「部屋の中を通すのは良くないから外に逃がす感じで作りますね?」

 

棒立ちする3人を他所に2人は作業を開始していく・・・流れる様に行なわれる工事作業は先日〈海洋機構〉から来た職人と同じ、いや、それ以上に堪能されていた

 

「これはこれは何事と思えば・・・くーち、お風呂は出来ましたかにゃ?」

「「「お風呂!?」」」

 

何か騒がしかったのが気になったので様子を見にきましたにゃ。と言うにゃん太の言葉は三人には届いてはいなかった。

お風呂は〈大災害〉前にも存在はしていたが、〈大災害〉後はただのオブジェクトに変わってしまった

しかし最近〈西風の旅団〉が〈機工師〉、〈鍛冶屋〉、〈大工〉の職人の協力を得て、ギルドキャッスルに大浴場を建築し始めたと情報が入ったのだ

シロエも後々は大きなお風呂をギルドタワーに作りたいと思っていた矢先に・・・・

 

先程まで彼女の行動を批判していた三人は打って変ったように何かを期待する目で彼女を見つめた・・・若干ではあるがアカツキの視線は他の2人よりも強かったのは女性として仕方ない事だ

 

「おぉ、ご隠居!良い所に来んしたね!今回は〈ススキノ〉よりも豪華でありんすよ?」

「そうですかにゃ!では、見ますかにゃ?」

 

ニタリと笑いながらにゃん太に話しかける彼女。それに微笑み返しながら階段を下りていく2人

三人は我先にと2人の後に続く・・・そして降りた先にあったモノは・・・

 

「こ、これは!」

「すげー・・・マジ驚愕祭り再びだぜ」

「いつの間にこんな施設が・・・」

 

まだ湯気が薄く立ち込めていたが、近づくにつれて全貌が目視できる様になり、完全に目視した時三人は驚きの声を上げた・・・

まだ手付かずで汚かった一階は綺麗に掃除されており、床は石畳が引き詰められ部屋の一角には木材で間仕切された入浴施設が存在感をこれでもか!と言うほど醸し出している

 

「外観は〈ススキノ〉で取れた木材を使用しクーさんのリクエストに近い感じで仕上ました。そのほかにもーーー」

 

にゃん太に施設の説明をしている〈大地人〉(モブ)の横をすり抜け、入浴施設の扉を開ける。そして・・・

 

「お、大きい!」

「マジかよ!本当かよ!やベーって!おパンツの次位にやべー!!!」

「この匂い・・・檜?」

 

今日三度目の驚愕が目に映った・・・・

浴場とはガラス壁一枚で仕切られた脱衣所、シャワーは付いてないが蛇口が2つ付いている洗い場、そしてメインの浴槽と言うと・・・広々とし大人が3人入っても余裕が出来る程の大きさであった

 

「わっちの湯浴みに対する本気・・・見んしたか!浴槽は確かぁ~え~と・・・」

「出来ない説明はすんなよ。浴槽は〈ススキノ〉で取れた檜を使用。壁は熱が外に出ない様に〈ススキノ〉に生息するワーウルフの皮を壁と壁の間に挟んである。・・・クーが言う湯沸かし器だっけか?まぁ、原理は判らないがあそこにあるタンクに火石って言う熱を帯びた石を入れてお湯になる。その時に出る煙は尋常ではないんだが煙突つけたから解決した・・・ここまではいいか、ギルマスさん?」

「あ、う、うん・・・」

 

ようは暖めた水を浴槽と蛇口に送り出している事は判ったのだが、シロエは歓喜の声をあげる2人とは違い声が震えていた

・・・現実に戻ったのだ。風呂が出来たのは純粋に嬉しいが、これ程の入浴施設を作るのに一体いくら掛かるのか?その事ばかりがシロエの頭中を掻き回っているのだ

いや、既に完成してしまっている。支払わなくてはいけないのだ!・・・風呂場にいるので汗が出てきて当たり前なのだが『汗』の前に『冷』がつく汗が滝の様に出てくる・・・・

 

ゆっくりと目蓋を閉じ、そしてまたゆっくりと開ける・・・

シロエは覚悟を決め、まだ説明する〈大地人〉(鼻血)に話しかけた・・・

 

「んでよー排水口は循環機能が 「ご、ごめん。少しいいかな?」 なんだ、ギルマスさん。質問か?」

「いや、大体は判ったよ。・・・支払いなんだけど・・・代金はいくらなのかな?」

 

シロエの問い掛けにキョトンとした顔をする〈大地人〉(鼻血)。しかし、直ぐに顔に笑みが零れ始めシロエの背中を叩きながらシロエが驚く答えを伝えてきた

 

「大丈夫だって!俺らはもうクーから代金受け取ってる。安全な居場所って言う代金をな!」

「・・・・え?」

「ギルマスさんは直ぐに気づくと思ったんだけどな!俺らは〈ススキノ〉にいたんだぜ?」

「!?」

 

何故今まで気づかなかったのかとシロエは頭を抱えた。彼らが使用した材料は全て〈ススキノ〉製であった事に。

材料の出荷など〈ススキノ〉では行なわれている筈が無いので必然的に現地人が〈直接〉持って来るしかないのだ

そして彼らは彼女とは友人関係を結んでいる、すなわち・・・

 

「クーさんの持つ〈呼出水晶〉で〈アキバ〉の町に転移して来たんですね?」

「そうだ。前から相棒(モブ)と〈ススキノ〉から出ようと話していたらな、クーが『風呂を作ってくれるなら

安全な場所に呼ぶ!』って言うもんだから材料と一緒に飛んできたのさ。・・・理由はどうであれ、安全な場所に行けるんだ、風呂を作るくらいどって事ないさ。」

 

それに安全は金では買えないしな!と笑いながら話す彼にシロエの硬くなっていた表情が柔らかくなっていくのを感じた

 

「でも、本当によろしかったのですか?事実上、貴方達は一文無しですよ?」

「だよな~、最初は持ってきた材料を売って路銀にする予定だったんだが・・・止まらなくなっちまってよ?」

 

頬を掻きながら苦笑いする彼にシロエはある事を思い出し、勧めてみる事にした

 

「〈第8商店街〉と言うギルドが〈大地人〉を雇用を視野しています。よろしければ、この入浴施設の代金として招待状を書きたいのですが?」

「本当か!?頼むわ!なんだかんだで職がないことには始まらねぇからな!」

「ふふ、そうですね。では、この入浴施設の代金は職とーー」

「―――安全な場所って事で確かに受け取ったぜ?」

 

ニヒルに笑いながら二人は握手を交わすのであった・・・・

 

 

 

 

NEXT  ニューフェイス来ちゃる

 




シーン1

「・・・・」
「どうかしましたかにゃ、くーち?」
「わっちの出番が少ないでありんす」
「・・・・」
「・・・・」

シーン2

「しっかし、いい奴らだったな、シロ?」
「そうだね・・・・おかげで〈第8商店街〉にカリを作れたよ」二ヤリ
「クロッ!?」

シーン3

「ねぇ、トウヤ?」
「ん?どうしたミノリ?」
「私達の出番は?会話的には今日が合流でしょ?」
「・・・・」
「ねぇ、答えてよトウヤ」
「・・・・」
「ねぇ!トウヤってばぁぁぁぁ!!!!」
「・・・・ヤンデレ乙」

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