ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~   作:誤字脱字

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シリアスばかりで疲れたので息抜き
二期のオープニング、秋の運動会を題材にしています
息抜きで速攻書いたから脱字が多いかも…
ものもらいで片目塞がっているし…



時期的には35~36話の間です

あと今日でログホラのSSが一年経ちました
これも皆様のおかげです、ありがとうございます


〈裏表〉 :東の狐と西の狐
いーえっくす: 秋の運動会


〈かぼちゃ〉

ウリ科カボチャ属(学名 Cucurbita)の総称である。特にその果実をいう。原産は南北アメリカ大陸。主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカ。果実を食用とし、カロテン、ビタミン類を多く含む緑黄色野菜。

硬い皮を抜き露わになる黄色い宝石は見ていて飽きない。

個人的なオススメはかぼちゃのプリンである

 

 

なぜこうなった!狐の錬金術師:上巻 より抜粋…

 

「かばちゃ…かばちゃ…かばちゃ…」

「くーっち?本を書くのもいいですが手を動かしてほしいですにゃ?」

「それに『かばちゃ』じゃなくて『かぼちゃ』だよ」

 

にゃん太とマリエールに呼び止められ執筆していた手がとまる。彼らの手にはかぼちゃを繰り抜いて出来たであろうジャックランタン…

目のハイライトが失せた瞳に映るのはギルドホールを埋め尽くすほどの大量のかぼちゃの山

筆から包丁に持ち替えた彼女は苛立つ感情を爆発させ、目の前のかぼちゃに包丁を突き立てたのであった

 

「とりっく・おわ・とりーと!!!ひゃっはっぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

ログ・ホライゾン ~わっちがお狐様でありんす~

 

うんどーかい?わっちはえんりょ……狐は猫によって捕獲されました

 

 

 

 

 

事の発端はマリエールの一言であった

〈大災害〉から半年、円卓の結成や〈ゴブリン王の進軍〉〈南からの攻撃〉など色々と大変な日々を過ごしていたが概ねアキバの町は平和になっていた

 

そんな日々の中で起きたハロウィンイベント

ゲーム時代の頃からある季節限定イベントはアキバの町にも大量のかぼちゃを齎し、大いに……むしろ余る程に収穫されたのであった

 

余るかぼちゃ…関西人であるマリエールはそれを良しとは思わず、どうにか出来るだろうかと日々、考え……そして閃いた

 

秋と言えば運動会!ならアウターハロウィンも兼ねて景品にしてみんなで食べればいいのだと!

もとより、お祭り好きもあってかマリエールが実行委委員となり指示を出し、着々と運動会の準備が進められていった

 

……本人は実行委員など望んではいなかったようではあったが、言いだしっぺなので仕方がないであろう

 

そして現在、同じく実行委員になったにゃん太等と共に運動会の景品兼植栽兼アフターハロウィンの料理材料として大量のジャックランタンを作成していたのだ

 

……彼女?あぁ、クーね。昼寝をしている所を猫に捕まりました

 

そんなこったで大量のかばちゃに囲まれた彼女はヒステリックも真っ青にするほど発狂していた

皮は固いし、手は痛くなるし、やった傍から追加で運ばれるかばちゃ、更に言うのであれば市場にかぼちゃばかり並ぶものだから彼女の好物である林檎が手に入りずらくなっている事も発狂の一因であろう

 

「くーちゃん、落ち着いてな?な?」

「そうですにゃ、見た所あとは食材で使いますから…50個ほどでおわりですにゃ」

「トリック・オワ・トリートメント!」

「悪戯かヘアーケアーか?……うちはヘアーケアーの方がええな~」

 

50個……いま作業をしているのは彼女を含めて10人。最低でもあと5個は作らなくてはいけないと考え、彼女は再び発狂した

 

「くーっち、落ち着くにゃ?あとでパンプキンパイを作ってあげますにゃ」

「ご隠居はわっちに死ねと!毎日毎日かぼちゃかぼちゃかぼちゃでありんす!デザートはアップルパイ一択でありんしょう!」

「う~ん、かばちゃは栄養たっぷりで不規則な生活をするくーっちにはもって来いですにゃ!」

「持ってくんなまし!」

 

かぼちゃを彼女に渡そうと近づけば9本の尻尾を巧みに逆立て威嚇して絶対にやりたくはないと全力でアピールする始末まで彼女は追い詰められていた

 

「う~ん、少し物足りないけどええかな?」

「いえ、くーっちはノルマの一人10個を終わっていませんにゃ。最後までやらせるにゃん」

「…なんやかお父さんみたいやな?」

 

なにがなんでもやらせようとするにゃん太に彼女は涙目になりながら壁際まで追い詰められていく……

 

「ご隠居!わっちになんの恨みが!?わっちなにかしんしたか!?」

「いえいえ、決して恨みなど……吾輩の尻尾の事なんて気にしていませんにゃ?」

「ッ!」

 

笑っているはずなのに笑っていないにゃん太に彼女は気が付いた

先日、にゃん太の尻尾でリンゴを磨いた事を…

 

「…リンゴの匂いがしてよいではないでしょう?」

「確かにリンゴの匂いがして心地よかったですにゃ?…でも吾輩の尻尾はズタズタになりましたにゃ?」

「~~~ッ!」

 

一歩一歩と追い詰められていく彼女……冷や汗が止まらない、怒った猫はこんなにも恐ろしいモノだったのかと実感し、ついに壁と背中がこんにちは!をしてしまった瞬間!

 

「鍋!鍋をもってくるなんし!」

 

彼女は最後の秘策に打って出る事のしたのだ!

 

「鍋?普通の鍋でいいん?」

「おっきな鍋がいいなんし!かばちゃがいっぱい入るぐらい」

「おっきな鍋か~…うちにあったけな?」

「マリエさん!」

 

頭を捻らすマリエールにここぞとばかりに小竜は人が煮れそうな程大きな鍋を引きずりながら持ってきたのだ

 

「天秤際で捨てる予定だった大鍋です!いつかギルドメンバーが増えると思って俺…取っておいたんです!」

「本当なん!?ありがとうな~小竜!」

「い、いえ!俺はマリエさんの為なら「くーちゃん!用意出来たで~!」……マリエさん」

 

お礼を言われて照れる小竜など気にも止めていないとばかりに彼女に話しかけるマリエール。マイペースもここまでくれば好意を寄せる小竜が可哀そうで仕方がない…

 

そんな小竜の虚しい犠牲を元に手に入れた大鍋に彼女は大量のかぼちゃと水を入れ温める為に〈記憶の地平線〉でも使用している熱を持つ鉱石〈火石〉を鍋に入れ掻き混ぜ始めたのであった

 

「……くーちゃん、なにしてるん?お料理なん?」

 

大きな鍋を長い棒でゆっくりと掻き混ぜる彼女はとてもではないが料理をしている様には見えなかったが、彼女の気を悪くさせない為にも言葉を選びながら話しかける

 

「うにゃ?れんきんじゅつでありんす」

「……錬金術?」

「あい!この前な~お城の中をな~散歩しててな~骸骨に会いんして本を貰ったんでありんす」

「本?」

「うぃ、これでありんす」

 

かき回す手を止めずに尻尾の中にしまってあった本を取り出すとマリエールに投げ渡した

A4サイズの本がマリエールの元に渡され、タイトルを見て軽く眩暈がおきた

 

「猿でも出来る錬金術!~初級編~作者:リ=ガン、ですかにゃ?」

「…なんや中も小学生の教科書みたいやけど本当に大丈夫なんやろうか?」

 

文字は全ては平仮名で文字より絵の多い錬金術の本はどちらかと言えば絵本に近い出来ではあったが、にゃん太だけは興味深そうに彼女を見つめた

 

「…案外、成功するかもしれないにゃ」

「ほんまに?」

「えぇ、くーっちはサブ職業が〈デザイナー〉にも関わらず料理ができますにゃ。…普段からしようとしないのは勿体ないですがにゃ。」

 

「錬金術とは元は台所で出来た調合法ときいますにゃ。料理と錬金術は表裏一体、サブ職業が〈錬金術師〉でないくーっちでももしかしたら「タカの目、カニの目、タラの芽、風龍の目……おおと!ゴブリンの爪垢を忘れんした!」……」

「あかん…奇妙なモノになっとるで、あれ」

 

マリエールが指さした先では、謎の化合物が入れられた事により不気味な色へと変色した液体が紫色の発光をしながら彼女を照らしていた

 

「いいかんじでありんすな~?あとは片栗粉を入れて固めるだけでありんす!」

「ッ!くーっち!片栗粉は火を止めてから入れなくてはダマになりますにゃ!」

「いや、違くない!?注意する所はそこじゃあらへんよ!」

 

彼女の料理を冒瀆させる行為に一周、感情のメーターが振り切って可笑しくなるにゃん太が傍で見守る中、等々彼女の錬金術は完成を迎えてしまった!

 

淡く不気味な発行が部屋を包み込み、ボフっとコミカルな爆発音がBGMとなった瞬間――――――彼女の禁忌を犯した錬金術はココに形をなす!

 

 

「……」

「……」

「……」

「できた~」

 

彼女が持ち上げる物体、青い毛に黄色い二つの角、やる気のない目が後引くなんと言ったらいいのか判らない物体xが出来あがったのだ!

 

「じゃっくらんたんでありんす~!」

「ジャック!?それジャックなん!?」

 

……どうやら彼女はジャックランタンを作成しようとしていたらしいが、見た目も雰囲気もまったく違うものが出来あがってしまっていた

 

「……山羊スライムの縫ぐるみですかにゃ。なぜ食材からダミーアイテムが出来るのか吾輩には理解できませんにゃ」

「うにゃ?ジャックも元は食材でありんしょう?同じ原理でありんす」

「同じなん?絶対違う「メェ~~」っひ!?鳴いた!?」

 

彼女の腕の中に存在する山羊スライムは作成者の本質を理解いているとばかりにやる気がない鳴き声を上げてマリエールを驚かす

 

「あかん!可愛ええけど気持ち悪!?絶対あかんってそれ!捨ててきてぇな!」

「え~!一等賞の景品にするでありんす~!」

「嫌や!誰もそんなのもろうても嬉しくない!」

 

感性は人それぞれ、マリエールの感性にそぐわなかった山羊スライムは後日、駄狐の手によってある人物に譲り渡されたのであった

 

 

 

 

晴天の秋空、今日の運動会を祝うかのように打ち上げられる魔法による祝砲

アキバを拠点として置くギルドの面々は広場に集まり開催の時を今かと待ち続けていた

 

――――そして

 

「そんじゃ!秋のギルド対抗運動会開催や!」

 

実行委員マリエールの宣言によりアキバの町初となる〈冒険者〉の運動会が開催されたのであった

 

 

各項目の点数はギルド対抗と言う名の通り、ギルド事に点数が加算され多く点数を取ったギルドが王冠に輝くと言うシンプル明解なルールとなっており、ギルドの所属数が多い程一位になりやすいと思われたが、所属数の少ない〈記録の地平線〉のような弱小ギルドには特別ルールが設けられ大手ギルドと対向して戦えるようになっていた

 

「まぁ、戦えると言っても人には向き不向きがありますにゃ。人を選抜できる大手ギルドと違い全部の項目に参加しなくていけないぶん苦戦すると思いますにゃ」

「ええやん!楽しければ順位なんて関係あらへん!…それよりうちも参加してきてええやろうか?」

「吾輩たちは実行委員ですにゃ」

「ぶ~!いけず~!…でもあれはえええんやろうか?」

 

我慢できないとばかりにマリエールは、いま行われている綱引きに飛び入り参加しようとしてにゃん太に止められてしまったが……〈記録の地平線〉の問題児は止まらなかったようだった

 

「赤勝て白勝てどっちも負けろ!負けたギルドはぶっ殺せ!勝ったギルドは林檎を寄越せ!」

 

紅白の旗を持ち綱の真ん中に陣取り、どっちも負けるように声援(?)を送る駄狐……綱引きでどっちも負けるなどどうやったら良いのかわからないが…

 

「……彼女は彼女なりにお祭りを盛り上げていますにゃ。言っている事は物騒ですがにゃ今回は大目に見ますにゃ」

「ん~…くーちゃんが運動会に参加するなんて珍しいもんね」

「そうですにゃ~。彼女も何か考えがあるんでしょうにゃ」

 

二人が疑問に思うのは仕方がない事であり、普段から人が集まる場所に寄り付かない彼女が運動会と言うギルドの大半が参加するイベントに顔を出す事が不思議でならなかった

 

そんな事を思いながら狐が声援(?)を送る不思議な綱引きも終え、次の項目に移ろうとしていた

 

「綱引きの後は…借り物競争、玉入れ、障害物競争やね」

「借り物競争はうちのメンバーはシロエっち以外はみんな参加し「ただいまでありんす~!」おかえりなさいですにゃ」

「くーちゃん、えらい頑張ってたんな?どなんしたん?」

「山羊スライムをあげた老人から林檎を貰いんした。老人曰く運動会のMVPには林檎一年分が贈呈されると言っておりんした!わっち負けないでありんす!」

 

拳を握りしめ決意を語る狐とは対照的に実行委員の二人は苦笑いしかでなかった

 

「MVP…あったっけ?」

「ないですにゃ」

「なんやくーちゃん騙されてんけど…」

「本人がやる気なら黙っていた方がよさそうですにゃ」

 

運動会を盛り上げる為に彼女の尊い犠牲は必要だろうと、二人は優しい目で彼女を見守るのであった

 

二人が狐を見守る中、実行委員のテントに二人の来客が訪れる

 

「にゃん太さん!」

「ミストレアス!」

 

息を上げながらセララとルディが実行委員テントに飛び込んできた

 

「おやおや、どうしましたかにゃ?今は借り物競争で…あぁ、なるほどにゃ。吾輩を借りたいのですかにゃ?」

「はい!お題が『男性で尊敬できる人』なんで!」

「これはこれは光栄ですにゃ。選んでくれたセララさんの為にも吾輩も頑張りますにゃ」

「はい!」

 

セララに手を差し伸べ手を繋いでゴールを目指す二人を見送りながらもマリエールはもう一人の来客に視線を移した

 

「ミストレアス!お題が『女性で尊敬できる人』なんだ!一緒に来てくれ!」

「嫌でありんす!わっちは走りとうございせん!」

「師匠として弟子を助けてくれてもいいじゃないか!」

「弟子ならわっちの屍を乗り越えていくでありんす~」

「意味がわからないぞ!?」

 

ルディには申し訳ないがお題の人物に彼女を選んだのが失敗であろう

ゴロゴロとニートモードに突入した彼女は林檎があったとしても動かす事は容易ではない

ルディが彼女を説得し終える頃には運動会自体が終わってしまうだろう…まぁ、当たり前だが運動会のプログラム上そんなに時間もかけられないのでルディはお題を用意出来なかったとして失格になったのであった

 

「ただいま戻りましたにゃ」

「お疲れ様~…ええな~セララに選んでもらうて」

「にゃにゃにゃ、お題が『女性で尊敬できる人』ならマリエっちを選んだと思いますにゃ」

「そうやろうか?…そやったら嬉しいな~」

「ルディっちもお題が『男性で尊敬できる人』ならシロエっちを選んだと思いますにゃ」

「そう、やろうね。…シロ坊も参加出来たらよかったのにな~?」

 

運悪く運動会と円卓会議が重なってしまった為に円卓に席を置き参謀の位置にいるシロエをほか円卓会議代表クラスティ、戦闘系ギルド筆頭アイザック、商業ギルドからカラシンなどが運動会に参加出来ないでいた

 

「アキバを盛り上げる為に運動会の中止は出来んからうちはコッチに回して貰ったけど大丈夫やろか?」

「大丈夫でありんしょう?わっちには興味ありんせんが…『南』と対向しんすにはアキバの結束が大切だからとシロエェェも運動会を実行したんしコレも大切な策でありんす」

 

彼女の真面目な意見にマリエールは目を見開いて驚いた

時たまシリアスモードになる彼女は心臓に悪いとばかりに胸に手を当てた

そんな二人を眺めるにゃん太は、彼女の心境の変化に気づき笑みを深めるのであった

 

「そうですにゃ。シロエっちの為にも運動会を楽しみましょうにゃ?…さて、お客さんですにゃ」

「クーさん!」「マリエ姉ぇ!」

 

お題の紙を握りながら訪れたのは〈記録の地平線〉の双子ちゃん

二人はそれぞれ目的の人物の前に立った

 

「うち?お題はなんなん?」

「俺も上手くわからないけど…ヘンリ姉がマリエ姉を連れて行けだって」

「梅子が?…わかったわ、一位目指そうなぁ!」

「おう!」

 

〈記録の地平線〉と〈三日月同盟〉は合同して新人達の訓練をしていたのでトウヤの事も勿論知っていたマリエールはトウヤと一緒にゴールラインを目指しゴールを果たした

 

お題のモノが合っているか確認しにくるヘンリエッタのニヤ付いた笑みが気になるが、まぁいつもの事だろうとタカを括りトウヤが自分を何というお題で借りてきたのかワクワクしながらまっていたが……

 

「ふふふ、トウヤ君のお題は『賞味期限の近いモノ』…問題なくクリアですわね!おほほほほほ!」

「なッ!」

 

お題の内容を聞いて表情が固まる。『賞味期限が近いモノ』つもり人間で言いかえると婚期が―――

 

「梅子!うちは「異議あり!でありんす!」くーちゃん?」

 

マリエールが異議を唱えようとしたが某逆転な裁判如くインターセプターを入れたミノリ・駄狐ペアによって遮られてしまう

マリエールは自分の事を思ってくれている彼女に感動し異議の内容に期待したが、彼女が言う言葉すべてが爆弾発言だと言う事をこの時は知らなかった

 

「異議を聞き入れます。…クー様、異議とは?」

「マリーはパンツ君とにゃんにゃんして「言わせねぇ祭り!」ひでぶ!?」

 

シロエの護衛として円卓会議に参加していた筈の直継の拳によるインターセプターによって遮られてしまうが、時は既に遅し。

 

「おやおや、私とした事が…ごめんなさいトウヤ君。」

「いやいいけどよ。……にゃんにゃんってなんだミノリ?」

「さ、さぁ?にゃ、にゃん太班長の事じゃないかな?」

「ちょっ!梅子!うち達はまだそんな関係じゃあらへんよ!」

「そうだぜ!誤解祭りだぜ!?」

「まだ、なのですね?…どうりで今日は暑いと思いましたわ」

「「~~~ッ!!」」

「あれ?わっち、いきなりぼっちでありんすか?」

 

噂の二人をからかうお題者、誤解だと弁解する噂の二人、駄狐の言葉の意味を尋ねる青少年、言葉の意味を知りながらも誤魔化す少女、火付け人なのに蚊帳の外の駄狐

 

借り物競争はカオスに包まれ、いや春の訪れを知らせるモノになったのであった

 

 

その後、運動会は無事に終わり〈記録の地平線〉は10位、〈三日月同盟〉は5位に入賞しアフターハロウィンでにゃん太特製のかぼちゃ料理フルコースを味わい、ミノリが知らない老人から貰ったと言う山羊スライムver2を見てマリエールは驚きをあらわにしたが………マリエールの驚く事はまだ終わっていなかったのはまた別の話・・・・・・・

 




・ミノリのお題

「そう言えばミノリのお題って何だったんだ?クー姉を連れて来たけど?」
「私?私はね…『賞味期限が切れているモノ』。クーさん持っていそうだし」
「確かに持っていそうだな!」
「…それはパンツ神には言ったか?」
「いいえ、言っていませんよ?」
「絶対言うんじゃねぇぞ?アキバの町に雷雨が落ちるからな?お兄さんと約束祭りだ」
「よくわかりませんが……わかりました」

無垢で純粋と言う事は時に残酷であった……


・マリエールと直継

「もぉ~!梅子ったら!あのお題だったら梅子かて当て嵌まるやんけ!」
「ヘンリエッタさんは仕事が彼氏とか言いそうだけどな」
「なんやねんみんなしてうちの事を賞味期限切れって言いよって!」
「あ~…そのことなんだけどよ、マリエさん」
「ん?なに?直継やん」
「この後…いいか?話があるんだけどよ」
「え!?……うん、ええよ…」
「………」
「………」


後日、二人の関係が一歩進んだ事は極一部の人間しか知らない

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