ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~   作:誤字脱字

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疲れた、そしてネタ切れてきた

この回は難産になりそうだ

※ストック切れ・ネタきれの為、執筆落ちます


『3』くさく、『1』じりたおす!

〈口伝〉

ゲームの仕様にはなかった全くもって新しい技・魔法の事を言う

取得方法は不明、しかし一つ言える事は、従来の取得方法とは異なり自身で何かに気付き、明確な形にする事によって口伝の道が開かれると言う事だけだ

……私が確認しているだけでも3人いや、4人は至っているであろう

 

だが、忘れないでほしい……『力』は『守る』事に使えるが同時に『壊す』事にも使える事を……

 

 

 

「秘密事項項目:世界級魔法と冒険者」著作者:くずのは

より抜粋……

 

「……くでん、ね……ソースはわかりんせんが、噂立ってきんしたぇ。しかし……」

 

手に持っていた本を傍らに置き、モンスターと戦っている二人組みに視線を向けた

 

「オーブ・オブ・ラーヴァッ!」

「マエストロエコーッ!」

 

握りこぶし大の溶岩の塊がモンスターを貫き、赤色をした音符がワンテンポ遅れていくつも湧き出てモンスターにぶち当たりモンスターを光にかえた

 

「まこと に暇でありんすぇ~」

「暇ならもう少し一緒に周りましょうよ!」

「そうさっ!トウヤも確実に実力を挙げてきている!負けてはいられないさっ!」

「………帰りんしょう~」

 

弟子二人のため息をBGMに、駄狐は〈アキバ〉に秋と水の訪れを感じていたのであった

 

 

 

ログ・ホライゾン ~わっちがお狐様でありんす~

 

もうゴールしていいよね、シロエ?→いえ、働いてください→解せぬ!

 

 

 

「いや~降られたね~?いきなり降って来るんだもん」

「仕方ないさ。むしろこの程度で済んだことを喜んだ方がいい」

「だよね~。あっ!師匠、タオルです」

 

部屋の中央に置かれた大きなソファ、木製の小さなサイドテーブル、壁際を沿う様に置かれた林檎の木、室内だと言うのに爽やかな木々の香りが漂うこの部屋は、彼等にとってはもう来慣れた場所になっていた

案の定、彼女の部屋だが数日前に比べ花や小物等、彼女が置かない様な物まで置かれているのは弟子二人の影響だろう……ちゃっかり、自分用のクッションまで持ち込んでいるぐらいに……

 

そうして、当の家主はと言うと……

 

「だから言ったではないでありんすか !帰りんしょう って!……うぅ、尻尾に湿気が…」

 

二人を涙目で睨みながら丁寧に尻尾を乾かしブラッシングするのであった

 

「まぁまぁ、私も手伝いますよ!……って言うかやらせて下さい!前から興味があったんです!」

「……いいざんすよ、でも~…やさしゅうおねがいしんす」

「はいっ!」

「ならぼく 「NO!お茶をもっくるなんし!」 ……了解だ、ミストレス」

 

言葉を遮り否定と要求をルディに叩きつける彼女、ルディの方も師匠うんぬんの前に本能的に逆らえなく素直に人数分の飲み物を取りに行ったのであった……

 

「………そういえばなんでわかったんですか?」

「うにゅ?」

 

ルディが来るまでの暇潰しとばかりに五十鈴は先の事を質問してみた。最初は彼女もクエスションマークを頭に浮かべていたが五十鈴に「雨ですよ、雨」と補足され理解したとばかりに頷く

 

「あれは~匂いでありんす」

「匂いですか?……あ、お婆ちゃんも似たような事いっ「……五十鈴、次『お婆ちゃん』と『似た』と言ってみなさい?……首掻っ切るわよ」……スミマセンデシタ、シショウ」

 

ふん、と鼻を鳴らし不機嫌そうにしながらも彼女は説明を再開し始めた

 

「………雨の匂いが風に乗ってきただけ……確証を得たのは川に落ちる雨音を聞いたときね」

「『匂い』はわかりましたけど……『音』も、ですか?…そんな、本物の狐になった訳でもないんですしっ!?」

 

五十鈴は言葉が続けられなかった、彼女の目が嘘や冗談を言っている様には見えなく真実を告げたとばかりに冷めた目で五十鈴を見据えているのだから……

 

「本物、ね……五十鈴は『外見に中身が引き寄せられる』って聞いた事ない?」

 

妙に口の中が乾いていく…

 

「音や気配に敏感な獣は勿論……そうね、確かヘンリエッタが『吟遊詩人は音に敏感』と言っていたわ」

 

ヘンリエッタさんがそんな事を……

 

「貴女も『吟遊詩人』なら聞こえる筈よ?……犬が柑橘系の飲み物を持って階段を上がって来るわ……」

 

え、えぇ!?き、聞こえるの!?……でもなんだがそんな気がしてきて……

 

「ほら……3…2…1…」

 

自然と扉に視線が移ってしまう、そしてタイミングを見計らったかのように扉が……

 

「へぇ!?」

「ふふふ、冗談よ」

 

……開かなかった

呆ける私を横目に〈くずのは〉は笑うだけ……直ぐに合点がいった、騙されたと言う事に

 

「し、師匠!騙したんですか!?」

「ふふふ、素直な事は美徳であるけど素直すぎるのも考え物ね?貴女には、『交渉力』や『会話力』なんかも教えたいわ……シロエが言うには『腹の探りあい』?」

「けっこうです!」

「なにやら楽しそうだね?なんの話をしているんだい?」

 

緊張の糸が切れていた為、ルディが部屋に入って来た事を気付けなかった

相変わらずゴールデンレトリバーみたいに「僕、お使いしたんだよ!ほめて!」と言わんばかりに尻尾を振っている姿が想像できた

 

「ルディぃ~?ガールズトークの内容を聞くなんて紳士な対応じゃないよ?」

 

騙されて少しムカついたけど、ルディを見ていたらなんだかどうでも良くなってきた自分がいて、少し笑みが零れた

 

「む……それはすまない事をした。お詫びとはなんだが、この季節には手入りづらい物を用意した!味わって飲んでくれ!」

「へぇ~?何を用意したの?」

「夏蜜柑のジュース 「え!?」……ミス・五十鈴は柑橘系が苦手だったのか? 」

「いや、違うの!ミカンは大好きだよ!でもね……」

 

しゅん、と肩を落とすルディは、怒られて落ち込む犬みたいでとても可愛いんだけど……どうしても師匠の方へ視線が行ってしまう……たしか師匠は―――

 

―――『犬が柑橘系の飲み物を持って階段を上がって来るわ』

 

ッ!?

ここは4階で飲み物が置いてある所は2階っ!

階段を上がるのは、この部屋に戻ってくるのだから当たり前の事だ!

……注目するのが入室のタイミングじゃなくて何を持ってくるのか?だとしたら……

 

〈くずのは〉も五十鈴の視線に気付いたのか、ルディから渡された飲み物とは別の果実酒の封を開けながらクスリっと笑い……

 

「言ったでしょ?素直すぎるって……」

 

と口だけを動かし私に伝えてきたのであった……

 

 

 

 

 

「質問していいかい、ミストレス?」

「……構わないわ」

 

ルディの質問に対し苦虫を潰した楊に顔を顰めながら〈くずのは〉は答えた

どうやら好みの酒ではなかったようだ

 

「何故、ミス・五十鈴は放心しているんだい?」

「……未熟って気付いただけよ」

「なるほど、傲慢していたという事か……ハハハッ!その気持ちはよく分かるぞっ!ミス・五十鈴!このルンデルハウス=コードも自身の成長に天狗になる事はある!だがっ!だからと言って傲慢するようでは更なる成長へとは繋がらないっ!今のうちに気付いてよかったじゃないかっ!ハハハハハハハハハッ!」

「……もういいかしら?……五十鈴、貴女も戻ってきなさい」

「ハッ!……すみません!師匠」

 

五十鈴の意識をこちらに戻し、再度向き合う位置で腰を下ろした

 

「では反省会を始めるわ」

 

……色々と横道に逸れてしまったが本来の目的は〈くずのは〉が言う様に反省会

先の戦闘での評価、反省点を師匠である〈くずのは〉に付けて貰う為に彼女の部屋に集まったのだ

 

「そうね……今回は二人の連携、敵の弱点への攻撃。共に上手くいっていたと思うわ」

「おぉ~!ありがとうございます!」

「ふっ……僕は自分の成長が恐いさ」

 

何か期待するかの様に熱い視線を〈くずのは〉に向ける二人。その視線に対し〈くずのは〉はクスリっと笑いながら言葉を繋ぐ……

 

「以前指摘したコンボのタイミングも良し……今回の点数は―――」

 

二人の視線が更に強まった……

 

「―――0点」

「……ですよね~」

「またかっ!!」

 

五十鈴は想像通りとばかりに息を吐き、ルディは声を上げながら頭を抱え込んだ

 

「何故だか分かるかしら、五十鈴?」

「……『ウッドマン』の弱点は火属性。…他にも斬撃が有効だから…ですか?」

「ふふふ、半正解。……パーティー戦闘において敵のバックアタックは戦況に多大なる影響を及ぼすわ。……森林地帯で火属性なる強い『光』を発する攻撃を行えば周囲に敵がいた場合、自分達の居場所を知らせているのと同然……バックアタックを受けるリスクが出来る……完璧な行動を取れない限り点数なんてあげられないわ」

「……だが、僕の様な妖術師は斬撃など行えないが?」

 

頭を抱えながら片手を上げ、〈くずのは〉に質問するルディ……そんな彼を〈くずのは〉はきつく睨んだ

 

「少しは自分で考えなさい駄犬ッ!」

「だ、だけん……」

「ははは、ルディは〈エナジーウェポン〉とか〈フォースシールド〉で援護するが正解、かな?」

「そう言う選択もあるわね?……さぁ、後は自分達で考えなさい?……私は少し身体が冷えたわ」

 

そう言い残すと先程まで飲んでいた果実酒をルディに押し付け、五十鈴が持ってきたのであろう籠からタオルを取り出し肩に掛けた

 

「期限は……明日まで、ね?」

「え?明日は秋祭りですよ?」

「私は興味ないわ……フンッ!好き好んでヒトゴミの中に行く貴方達の気が知れないわ」

 

苦笑する二人を尻目に〈くずのは〉は部屋を出て湯浴みに向かったのであった……

 

「師匠、人込み嫌いだもんね~?……あ~あ、お祭りは無しか……」

「僕はそれでも構わないが……その心配はないだろう」

「へぇ?」

「ミストレスは『私は興味ない』と言ってはいたが、『人込みの中に行く』…僕達が祭りに行く事を前提に言っていた……多分、正午には切り上げるんじゃないかな?」

 

五十鈴は目を見開いた

自由気ままで掴み様のない彼女の考えをルディが理解していた事が驚いたのだ

 

―――『ふふふ、素直な事は美徳であるけど素直すぎるのも考え物ね?』

 

頭に浮かぶのは師匠が言っていた言葉……思わず大きくタメ息をついてしまった……

 

「ししょ~、少しは分かりやすく言ってくださいよ~」

 

彼女から指示を受ける様になってから一週間、五十鈴の頭を悩ます事は始まったばかりなのであった……

 

 

NEXT  れっつぱぁりぃぃx

 




「うにゅ~!流石におちゃけだけでは身体があたたまらないでありんすね~?早々に湯浴みするでありんすか!」
「あっ!クーさん!」
「んにゃ?ミノリン、今日の服はとても可愛いですね」
「あ、ありがとうございます……じゃなくてっ!シロエさんがクーさんを見かけたら部屋に来て欲しいと.伝言を預かっています」
「ん~……わかりんした」
「はい、おねがいし……クーさん、何故階段を降りているんですか?シロエさんの部屋はこの階ですよ?」
「確かにミノリンはわっち宛ての伝言を預かっておりんすが、わっちは受け取りを拒否しんした」
「え」
「と言う訳でわっちにシロエェェの伝言はとどきんす。……わっちは湯飲みにいくでありんすから~!」
「え、え、え~!?」

言葉を巧みに操る彼女達に勝てる者はいるのであろうか………今後に期待!

その後、彼女はシロエに捕まり一緒に事務処理をするのであった……

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