ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~   作:誤字脱字

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ココに来て番外……気軽に書こうと思ったら思ったより難しく投稿が遅れるという愚かさ……プロットはしっかり立ててから書こうと思いました


EX :男女

 

この世には大きく別けて二種の性別が存在する

 

XY体とXX体……男と女……

 

生れいずる時は、例外はあるモノの……必ず二種に分類される…

 

生命の情報遺伝子(データ)の塊………人間の可能性を司る男……

 

生命のゆりかご……生命の神秘を司る女……

 

異なる二つの性が交わり合う事で新たな生命が誕生する……

 

しかし、自身の性別を偽り非生産的な好意をする異端者が居るのも事実……

 

気持ちは判らずもないが……もし……XY体の男が求めて来たら……

 

私は受け入れるのであろうか……?

 

 

 

 

 

 

ログホライズン~わっちがお狐様でありんす~

 

番外  気になるあの子は腹黒眼鏡

 

 

 

 

アキバの町、東端の一角にある冒険者が交流の場として存在するカフェに置いて特に予定も無く、いつも通り、やる事もやる気も起きないまま、ただ〈飲酒〉と言うアクションを使い続け暇潰していたのだが………今日に限って騒がしいバカナミではなく、珍しい人物が私と相席をしていた

 

「賑やかですにゃ~」

「先週『ヘイロースの九大監獄』が実装されたからね……日曜の朝ぐらいは静かにして欲しいわ」

「日曜の過ごし方も人其々ですにゃ」

 

いつもの私であるのであれば、相席は絶対に許さない

此方の話を聞かずに勝手に相席するバカナミは、既に諦めた、インデックスの様に事前にアポイントを取って相席するのも十歩譲って譲歩する、飲み仲間であるナズナは酒の席と言う事で相席を許している

 

それ以外は、例え〈茶会〉のメンバーであっても相席を許すつもりはないと言うのに、私を見かけるや否や相席してきた猫は……相席を許した三人とはまた違った時間を私に与えてくれた

 

ただゆったりと時の流れに乗って互いに一言二言、言葉にし実装されたばかりのクエストへ向かう若き冒険者を眺めるだけ……

知り合った頃から他の〈茶会〉メンバーとは違い気配りが出来、落ち着きのある男性だとは感じていたが、この私に対しても気を配る様子を見る限り………本当に紳士なのだろう

 

活気あふれる町中を互いに眺めるだけなのだが……騒がしくも苛立如くも愉快でもない。

でも、自然と心が落ち着く空間が出来上がっていた……

 

「くずのはっちは、今日の予定はありますかにゃ?」

「あったとしてもここでやる事ではないわ」

「そうですかにゃ」

 

決して深くは、踏み込んでは来ない、私の領域に入らず傍らに立ち穏やかな気分にさせてくれるにゃん太の雰囲気は……嫌いではなかった

もし、にゃん太が再び相席を希望して来たのなら許可するのも一興。

新たな楽しみを与えてくれた隣人に感謝しながらも〈飲酒〉のアクションを起こそうとし――――

 

「クーちゃん!いますっごい人いたんだよーーー!!!!」

 

周りの視線を集める程、大きな声を上げながら此方にやって来る馬鹿を見て〈飲酒〉ボタンの下にあった〈頭を抱える:二日酔い〉を押してしまった

私の心境とマッチしていたので、特に訂正はしなかったが、私としては〈頭を抱える:二日酔い〉ではなく〈頭を抱える:困難〉を押したかった

 

 

「……」

「予定が出来ましたね、くずのはっち?」

「……言わないで。それと『っち』付けは辞めなさい」

 

おおよそ、バカナミが私の隣に腰を下ろす読んだにゃん太は席を立ち、私の後ろに控える形でバカナミを迎える様だ。……構わないから私の隣に居なさい、バカナミに気を使う必要はないわ

 

此方の気も知ったこっちゃないとばかりに、許可も無く私の隣に腰を下ろしたバカナミは眼を輝かせながら、ぐいぐいと私に近づいて来る

 

「でねでね!その子っと!班長、おはよー!」

「おはようございますにゃ、カナミ譲。それで、何が凄かったのですかにゃ?」

「おっぱい」

「「……」」

 

『コイツは日曜の朝っぱらから何を口にしているんだ』

2人の心境は偶然にも同じ言葉が過った筈。しかし、2人とも声に出さずに〈くずのは〉は、ため息をこぼしながら〈飲酒〉アクションを起こし、にゃん太は苦笑いのまま〈くずのは〉と同じく〈顎を摩る〉アクションを起こしていた

 

「おっぱいが凄「黙りなさい」っかたんだよ!」

 

2人は呆れて行動アクションを起こしていると言うのにカナミは、2人が聞き逃したと勘違いしたのか、もう一度、口にするが〈くずのは〉がカナミの言葉を遮っても彼女の発言を止める事が出来なかった

 

「にゃぁ、胸が大きい人は沢山いますにゃ。カナミ譲は、他にも気にゃる事があったのですかにゃ?」

「うん!よく分かったね、班長!なんとその娘ってシロくんにすっごい似てたんだ~」

「「…………」」

 

カナミが異常に興奮している原因は、胸が大きかった女性が〈放蕩者の茶会〉のメンバーである青年に似ていたと云うだけであった

 

「くだらない」

 

〈くずのは〉はカナミの言葉に一瞬、言葉を失ったが直ぐに吐き捨て大きくタメ息をこぼし、そして、これから自分に降りかかってくる不運に頭を抱えた

 

「もしかしたらシロエの妹かも!これはみんなに知らせなくちゃ!」

「……貴女の事だからもう連絡済みなのね」

「うん!と言う事でシロくんの妹探しへGO!」

「待ちなさい」

 

既に自身が捜索に巻き込まれている事を悟った〈くずのは〉は暴走するカナミを引き止めた

 

「闇雲に探すのは愚策だわ……その娘の情報は他にあるかしら?」

「え?おっぱいが大きかったよ!」

「このッ!」

 

いい加減胸から離れろ!と爆発寸前の〈くずのは〉を抑え込んだのは後ろに控えていた紳士猫

〈くずのは〉の気がカナミから逸れる様に大袈裟に一歩踏み出した

 

「カナミ譲、その女性の装備は覚えてますかにゃ?」

「え?シロエと同じだよ」

 

増えた情報は曖昧なモノであったが、にゃん太のおかげで冷静さを持ち直した〈くずのは〉は、シロエの装備を思い出しシロエ似の娘が行きそうな場所を推測していった

 

「シロエと同じと云う事は魔法職ね……そう言えば『ヘイロースの九大監獄』に合わせて期間限定の召喚獣が配信されていたわね?」

「にゃるほど……召喚獣は勿論ですが、〈召喚術士〉の装備は〈魔術使い〉や〈法師〉も装備出来ますから確率は高そうですにゃ」

 

メインは召喚獣だとしてもドロップアイテムは、魔法職関係のアイテムが出る筈とふんだ二人はストレージを確認しながら、フィールドへ出向く為にカフェから退出する

2人の後をついて行くカナミは、そんなクエストやっていたんだと思いながも〈くずのは〉に声をかけた

 

「そのイベントってどこでやってんの?」

「〈英雄陵〉……グリフォンを使うわよ」

 

ハーフプロジェクトで1/2となったとしてもアキバの町から〈英雄陵〉まで、約1.5km。決してグリフォンを使用してまでも出向く距離ではないのだが、朝から頭を抱える事が多かった〈くずのは〉に徒歩での移動は頭の中から無くなっていた

 

太陽が顔を出したばかりの時刻、朝日には三匹のグリフォンの影が照らされるのであった

 

 

 

日曜の朝と言う事もあり、〈英雄陵〉には多くの〈冒険者〉が集まっていた

そう多くの〈冒険者〉が集まっていたのだ

 

「……」

「にゃぁにゃぁ、そう不機嫌ににゃらなくても」

「貴方のその言葉使いも腹にくるけれど、自力だと達成できないからと声を掛けてくる輩ほど苛立つモノはないわ」

 

目的地に着いた三人を待ち構えていたのは、必要以上のパーティー勧誘であった

そもそも〈新皇の帰還祭〉の舞台ともなる〈英雄陵〉は、イースタル方面の守り神として篤く信仰される古の英雄が祀られた墓所と言う事もあり、ダンジョンボスはヤマト最強の怨霊の一角。それに合わせダンジョンの難易度は、高めでLVがカンストしたプレイヤーがパーティーを組まなければ攻略は難しく、ソロプレイヤーには鬼門とされるダンジョンであった

 

そして〈召喚術士〉は、冒険者の他に自身が使役する召喚獣が壁の役割をするので、その性質上ソロプレイヤーが多く孤高なる戦士には人気がある職業なのだが、今回は完全に裏目となる場所でのクエストとなってしまっていた

 

そんな所にLVカンストプレイヤーが3人も訪れば、これは好機とばかりに我先にとパーティーの申請をしてきたのだ

 

申請の返事は、にゃん太が行っていたとは言え、止まる事のないパーティー申請に彼女は、苛立ちを積もらせていたのであった

 

「あっ!ソウジロウと直継じゃん!おっはよー!」

 

そんな群がる虫を器用に避けながら目的の人物を探すカナミは、目的の人物ではないが同じ〈茶会〉メンバーを見つけ声を上げた

 

「おはようございます、カナミさん。お二人も」

「おはようございますにゃ、ソウジっち」

「………」

「……あれ?僕何かしましたっけ?」

 

カナミの後に続き二人も直ぐに合流するが、挨拶を返してくれないのは仕方がないとしても不機嫌そうに顔を歪めている〈くずのは〉にソウジロウは早々なにか彼女の癪に触れる事を仕出かしてしまったのかと頬を掻きながら過去のチャットログを遡ろうとするが、直継がすっと前に出てソウジロウに声を掛けた

 

「お前は何も悪くねぇよ。ただ、〈くずのは〉も女の子だってことさ」

「女の子、ですか?」

「おう!今日の〈くずのは〉は生「ふっ!」っぁ!?フレンドリーファイア禁止祭りだぜ!」

 

直継の言葉を遮る様に振り降ろされた扇子が風を切るエフェクトと共に直継の首元を通過していった

 

「1つ、敬意を払う相手には敬称をつけなさい。2つ、異性に対するマナーがなっていないわ。3つ、今すぐ死になさい」

「今すぐ死ねってひでぇ!そう思わないか、はん、ちょう?」

 

大きくリアクションを取りながら後退り、同性であるにゃん太に助けを求めるが、助けを求めた先の人物は『♯』マークを浮べながら両手でバッテンマークを作っていた

 

「今のは直継っちが悪いですにゃ。例えそうであったとしても口にはしてはいけにゃい。女性は、そういうデリケートな所でからかわれるのは快く思わないにゃ」

「うっ…」

「直継っちもまだ若いにゃ。失敗する事もあれば間違いも起こすにゃ。でも大切な事は同じ失敗はもうしないと学習する事だと吾輩は思いますにゃ」

「……すまん、〈くずのは〉!配慮が足りなかった俺が悪かった!許してくれ!」

 

直継として見れば軽い気持ちで云った事がココまで異性にとって嫌われる事だとは思っていなかった様で自身の失態に言葉を詰まらせ顔を歪めたが、直ぐに真剣な声色と共に〈くずのは〉に頭を下げた

にゃん太に諭されていたのを見ていた手前、〈くずのは〉も許す気があるようで――――

 

「許してくれ?『ください』でしょ?敬称も付けなければ、上からの云い様、終いには『悪かった』?…貴方の罪を私が許していないのに過去のモノへとしないでくださらない?鳥並しか無い脳味噌が熱で焼き上がるまで謝罪の言葉を考え私に伝えさない

あぁ、でも焼鳥って私……嫌いなのよ。良かったじゃない?焼鳥と同レベルで私の記憶に留まれるのよ?脳筋の貴方でもこれがどれだけ光栄な事なのか理解出来るわよね?出来ないのであれば貴方はゴミ虫以下ね。そもそも猫に逃げる時点で鬼畜以下、他人に気づかされなければ自身が悪いとも思わなかったでしょうね?まぁ、そこは猫の言葉を心に刻み精進すれば改善されるでしょう。猫の言葉を聞き心に刻む。脳筋な貴方でも出来る事よ?理解できるわよね?出来ないのであれば即刻消え去りなさい。それに――――」

「……」

 

―――――――――――全くと云って良い程、許す気がなかった

 

述べられていく〈くずのは〉の罵声にも感じる説教が、高速でログを掻き上げていき速読しなくては直ぐに前の文章が消えてしまう

直継も頭を下げた手前、彼女の言葉を無視する事は出来なく、律儀に〈くずのは〉の説教を音声チャットとチャットログの両方で聞き見ていた

 

そんな絶賛、説教中の直継を尻目にソウジロウは、にゃん太とカナミに声を掛ける

 

「それでお二人はどうしたんですか?ここはいま、〈召喚士〉がメインのイベントで……あぁ、〈くずのは〉さんの付き添いですか?」

 

ソウジロウもにゃん太達と同じ考えに至ったのか〈くずのは〉の方を見ながらカナミに云うが、カナミは首を振りながら『あれ?』っとクエッションマークを浮かべた

 

「もしかしてメールみてない?私達はシロエの妹くんを探してるんだよ」

「メールですか?ってシロ先輩って妹さんいたんですか!?」

「あぁん?シロには妹はいないぜ」

「そもそも、妹だと判明すらしていないわ」

 

〈くずのは〉の説教も終わった様で、重い足取りで此方に声を掛けてきた直継の声色はドンヨリと重苦しかった。それと対照的に〈くずのは〉の声色は今朝、にゃん太と話していた位までには明るくなっており、この場一番の機嫌の良さを感じ取れた

 

「にゃぁ、吾輩たちは、シロエっち似の女性を探しているんですにゃ。……そういうソウジっち達もイベントには関係ですがにゃ」

「僕達はシロエ先輩に手伝って欲しいって呼ばれたんですよ」

 

ソウジロウから口から出て来た第三者ににゃん太と〈くずのは〉は納得いったとばかりに頷く

確かにシロエなら有り得る話。魔法職であり、妙に収集癖があるシロエの事だからこのイベントの情報収集を含め、〈付与術士〉である彼は装備の性能がダイレクトに伝わる職業な為、現在装備しているモノより高性能な装備品を探しに来たと言われれば納得できた

 

「そうなんだ~!じゃぁ、今日は三人で回る予定なの?」

「おう!なんでも『あまり知られたくないから』ってシロエが云うからよ」

「……知られたくないって言われると知りたくなるよね?くーちゃん!」

「わかったわよ。……猫、貴方も来なさい。」

「わかりましたにゃ~」

 

むふふと笑いながらカナミは、〈くずのは〉に笑い掛け、笑い掛けられた〈くずのは〉は大きくタメ息を零しながら現状の装備を確認し、道連れとばかりににゃん太を誘った

 

「しかし秘密にする必要があるレイドですかにゃ?『ヘイロースの九大監獄』が実装されて影に隠れてますが、秘密にするようなクエストではないですにゃ」

「……淫猥な召喚獣」「手に入る訳でもな」「いわね」

 

ネットの情報でも漁っているのか〈くずのは〉の動きがぎこちなく、ログチャットも途切れ途切れになってしまっているが、口にする言葉はキレ切れだった

 

「シロに限って……いや、そこら辺はシロが来た時にでも聞こうっと!噂をすれば何とやら祭りだぜ。もうこっちに着くってよ」

 

〈くずのは〉の言い分に対し友達を不名誉な事から守る為にも口を開こうとして辞めた

ココで言い返せば先程の二の前になってしまう……ような気がした直継は特にシロエを庇おうともせずに苦笑するだけで終える事を選択したのだ

 

その選択は功を制し、〈くずのは〉の視線が自分から逸れたのを感じた直継は心の中で友達に謝罪しながらも届いたメールの内容をみんなに伝えた

 

シロエが『もうこっちに着く』と云うのであれば、既に〈英雄陵〉には付いていると言う事。シロエの目的も含めシロエ似の女性に付いてなにか知っているか問質そうとし―――

 

「お~い、直継~ソウジ~」

 

―――彼の声が聞こえた

 

「おう!こっちだ!実はさっきカナッ!!???」

 

声のする方に手を振りながらアピールする直継であったが、人混みから出て来たシロエの姿に驚愕し声を詰まらせた。同じくソウジロウも驚愕し、カナミとにゃん太は探し人を見つけ出した喜びと真実に大きく口を開け、〈くずのは〉は―――

 

「な、ななな、どうしたん「あはははははははははははははは!あーははははは!」爆笑祭り!?どうしたんだよ、〈くずのは〉」

 

インカムから聞こえる笑い声は、決して声を大にして笑う事のない人物の声であり、彼女の笑いと言えば微笑や苦笑と云った物静かで控えめな笑い声だが、インコムから聞こえる声は、その全てに当てはまらず、口を大きく開け、腹を抱えて笑っている事が想像したくはないが、……容易に想像できる光景であった

 

「くふ…ふふ…『さん』を付けなさい、脳き…ふふ…ふふふふふうふふ!」

「無理しない方がいいですにゃ?それで…そこのご婦人はシロエっちで良いですかにゃ?」

「あっ……うん、そうだよ、班長」

 

シロエではない姿だが、声はシロエ。

にゃん太は、確認の意味も込めて合流した女性に自分達の知る青年で合っているか窺うが気まずそうにシロエは肯定と答えた

 

「へぇ~!シロくん、ボインボインになっちゃって!わたしよりあるんじゃないの?」

「ちょっ!?カナミさん、女性キャラに対するセクハラは衛兵システムに引っ掛かりますよ!?」

「じょ、女性キャラって…く!ふ、ふふ、ふふふふふふ!」

「〈くずのは〉さんのツボに入っちゃったみたいですね」

 

笑いが収まらない〈くずのは〉を尻目にシロエは今尚衛兵上等!とばかりにセクハラ発言をしてくるカナミを押さえ、シロエらしい仕草をしながらタメ息を付くと開き直ってここに集まる〈茶会〉メンバーへと向き合った

 

「はぁ~…知られてしまったら仕方ありませんね。このキャラは僕のセカンドキャラです。レベルはカンストしていますが、このイベントで出現するレアエネミー、召喚獣『蒼褪めた馬(ペイルホース)』を手に入れたくて今は使用してます。名前はシロエの二番目、『ロエ2』です」

 

普通に『装備披露』のアクションを取ったつもりなのだろうが、使用した行動アクションは女性verのモノとなっており、、胸を張りながら自身のセカンドキャラを見せつけるその姿は装備や容姿ではなく一部の双子山へと視線を集めているようであった

 

「どうしたんだ、直継?」

「いや、たわわな胸に黒のストッキング。ボディラインがくっきりとわかるインナー……なんつーか、エロ祭りだな!」

「なっ!?」

 

先程の〈くずのは〉とのやり取りはなんだったのであろうか?

ロエ2を舐める様に見つめていた直継は、Goodと親指を立てながらロエ2のエロさを口にして笑った

 

本来ならば〈くずのは〉の雷が落ちると思われるが、当の本人は笑いが収まらず苦しそうにお腹を抱えそれ所ではない。年長者であるにゃん太も中身が男性な為、どのように対処してよいのか判らずひたすら顎を摩るアクションを繰り返していた

 

叱るモノはいない、咎めるモノもいない!

恐れる要因が無くなった無法地帯に置いて〈放蕩者の茶会〉リーダーが交ざらない訳がない!

衛兵システム上等!運営からの注告メールWelCame!……運営は少し困るがギリギリの線を攻めながらカナミもシロエ弄りに乗りかかった!

 

「もしかして……シロくん、巨乳好き~?あっ!今度、みんなに見せるからスクリーンショット取らせて!主に胸を!」

「なっ!やめてくださって!〈くずのは〉さん!なに撮っているんですか!」

「ふふふ、本当に有意義なオフになったわ。報酬に私もレイドを手伝ってあげる」

「くーちゃん今日オフなの?なら今日の夜、ご飯にいかない?」

「えぇ、いいわね?どうせならオフ会をしましょう。今日は気分がいいわ……御代は私とKRが持つわ」

「おっ?参加祭りだぜ!ソウジは~」

「僕は、不参加かな?未成年は居酒屋に入れませんし」

「そう、残念だわ。高級すき焼き店……予約したのに」

「「高級!?」」

「高級は心惹かれますけどやはり未成年が出歩いて良い時間ではないので今回は遠慮させて頂きます」

「……唐変朴が無ければ本当に青少年ね。まぁいいわ、あとは……シロエの為に色ボケ主婦でも誘おうかしら?確か…E「待ってください!というか勝手に話を進めないで!」

 

叱るモノが弄る側に付いた瞬間、〈茶会〉は暴走した

止まることなく話が進み、気付けばオフ会が行われる事が決定しており自分も参加する事になっているのだ

 

ゲームでもリアルでも発言力のあるカナミの提案!それを現実出来る〈くずのは〉の力!直継は既にノリ気だし、忍冬も旦那が出張中だと言っていたから必ず来るだろう

………知らぬ所で巻き込まれているKRに至っては『面白ければ大抵Ok』な人な為、〈くずのは〉に、この写真を送られては面白がって100%来るし弄りに来るだろう

 

今ここで参加を拒否する事は簡単だ……しかし『高級すき焼き』に心惹かれているのも事実だ!

 

不参加で通し弄られる事を回避するか、参加し弄られるが『高級すき焼き』を頂くか?心の中で一進一退の攻防を繰り広げるシロエはリアルで生唾を飲み込むが……

 

「まあまあ、落ちつくにゃ。」

「班長……」

 

シロエの心境を悟ったのかにゃん太はシロエに声を掛け、宣告した――――

 

「〈くずのは〉っちからは逃げられませんにゃ」

 

――――――――辿る道は同じだと。ならばとシロエは――――

 

「〈くずのは〉さん!場所は23区内ですか!?」

 

同じ道でもご褒美がある道を進む事を選択したのであった!

 

 

 

 

 

 

その後、何の問題も無く、いや妙にテンションが上がった〈くずのは〉のおかげもあって『蒼褪めた馬(ペイルホース)』の捕獲に成功した

 

そしてシロエの読み通り、急遽決行されたオフ会だというのに〈くずのは〉が声を掛けたKRと忍冬は参加し、なぜかKRの持ってきたタブレットからインデックスがネット参加して、〈くずのは〉が焼き廻してきた『ロエ2』の写真をKRが酒の摘みにしながら『えろ子』と言う名で各〈茶会〉へと配ったのであった

 


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